七星勇者
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「盾の勇者の成り上がり」の記事における「七星勇者」の解説
リーシア=アイヴィレッド 声 - 原奈津子 七星勇者、投擲具の勇者。 メルロマルク北部の没落貴族の娘。見た目は緑色の髪を三つ編みにした14歳前後に見える少女。童顔だが、実年齢は17歳。悪徳貴族によって身売りされそうになったところを樹の正義の世直しで助けられ、感銘を受け彼の仲間になるが、いくらレベルを上げても弱かったこととカルミラ島の波で活躍したことで樹とその仲間から冤罪をかけられ解雇される。自殺を図るが尚文に諭され樹に認めて貰えるほど強くなるため尚文の仲間になる。カルミラ島で手に入れた「着ぐるみ装備(後述)」を気に入っている。小説版では助けられた後、樹にお礼を言っている所を尚文たちが目撃するが、漫画版、アニメ版ではカットされている。 性格は気弱で何かあると「ふぇええ」と情けない声を上げる。一方で鋼のように真っ直ぐな精神があり、樹のパーティ内で使い走りにされたり、冷遇されても樹のために頑張ろうとしたほど。助けてもらった樹に対して一途に思っており、解雇の際に冷たく突き放され、尚文の仲間になった後もその思いは変わらなかった。そして正義感はかなり強く、卑劣な悪人に対して怒り、隠された力を覚醒し、普段とは見違えるほど勇敢に戦うようになる。 波が来るまでフォーブレイの学校に通っていた。頭もかなり良く、別の異世界の言語も数日勉強して完全に覚えたほど。謎であった霊亀の使い魔の正体をつかんだり、波の秘密が書かれた文書の解読を任されたりと知識面でも活躍する。 コロシアムで賞金稼ぎをしていた樹と対峙して、弓の聖武器に認められ投擲具の眷属器に選ばれる。その後は呪いの後遺症を患った樹の世話係になる。 魔法適正は火、水、風、土。本来は後衛型の適性を持っていたが、前衛を欲していた樹によってクラスアップで近接の資質を上げたことで中途半端なステータスになってしまう。尚文の仲間になった時点でLvは「68」だが、ステータスは「Lv1桁時のキール」より少し上と尚文に同情されるほど低い。ただ、変幻無双流のエルラスラからは体外から集めた気を体内に留める資質が人一倍高く、100年に1人の逸材と言われているほど才能があり、卑劣な悪人と対峙した際には覚醒して低ステータスとは思えない活躍を見せる。ステータスに関しては大器晩成型で、2つの世界を合算した際のステータスは同Lv帯のフィーロを上回ること、後にLv71以降にステータスが伸び始めると判明する。変幻無双流の習得と投擲具に選ばれたことで遠近をこなせる万能型となった。投擲具に選ばれる前は剣を武器にしていた。 元康からの呼称は(樹の)「ストーカー豚」。外伝の『槍の勇者のやり直し』では、シルトヴェルト編(5周目)で他国に逃亡した尚文たちの罪をでっち上げる生贄として殺されたり、メルロマルク編(6周目)で樹の評価が落ちた際に実家に呼び戻されている。 オルトクレイ=メルロマルク32世 声 - 仲野裕 七星勇者、杖の勇者。 メルロマルク国女王ミレリアの夫(王配)。四聖召喚時の王であり民衆にも「王様」と呼ばれるが、入り婿でありメルロマルクは女王制のため、不在時の代理の王。32世という名前の由来は不明だが、尚文は「メルロマルク女王と結婚し、王家に婿入りした32人目」ではないかと想像している。 三勇教と共謀して四聖召喚を行い、敵対国シルトヴェルトが神と崇める盾の勇者の尚文を嫌っており、様々な迫害に加担する。娘たちを溺愛しており、マルティに良いように利用されている。 若い頃に両親と親族がシルトヴェルトのハクコ種に皆殺しにされており、亜人とその神である盾の勇者を憎んでいる。故国が政治的な理由でシルトヴェルトに責任を求めなかったため、出奔して亜人と敵対関係にあったメルロマルクにて頭角を表し、七星の杖に選ばれて「英知の賢王」として名を馳せたほどの逸材。たった一人残った妹ルシアを失った辺りから陰りを見せ始め、現在はその面影がないほどに落ちぶれ、尚文にしてきたような愚かな蛮行をするようになってしまう。そういった言動により杖に半ば見放されて勇者の力を使えなくなってしまい、名ばかりの無力な七星勇者に成り下がっている。TVアニメ版ではグラス戦後に衝突して尚文が去った後、ミレリアの依頼もあり「盾の勇者との和解を」と進言するメルティに対し、我を忘れて声を荒げるほどにその恨みは深く、再び家族を失うことを恐れている様子も描写されている。世界会議の決定を無視して「四聖勇者を各国が1人ずつ召喚する」という協定を破り独占を図ったことでメルロマルク国を波の前に戦争で滅ぼしかける大罪を犯し、私怨で「盾の勇者」を迫害して知らずに次期女王暗殺未遂に加担してしまったにも関わらず、親族を殺したシルトヴェルトのハクコ種を憎むあまり亜人を擁護した先代「盾の勇者」を悪魔と看做し、尚文をも災いを齎す(もたらす)悪魔だと決めつけて迫害したことを弾劾裁判でも家族とメルロマルクを守る行為だと信じて疑わない。 本名は「ルージュ=ランサーズ=フォブレイで、フォーブレイの王位継承権第30位の元王子。メルロマルクにとっては英雄であり、過去の業績を知るものからは敵国を油断させる演技だと考えられている面もあるが、尚文からは影武者が成り済ましていると思われている。私的な面においては妻であり女王のミレリアのことも深く愛しているなど、落ちぶれてしまった現在でも家族思いの性格。 女王ミレリアの帰還後は尚文による改名と代理国王の地位剥奪に処される。改名後も相変わらず盾の尚文に反抗心を持ち続け、波や守護獣の戦いでも加勢しようとせず勇者と発覚した後も杖の強化方法を尚文に教えようとしなかったが、亡くなった妹ルシアに瓜二つのアトラを見て沈静化する。アトラが感じる気配は「分裂した」と勘違いするほどフォウルと似ている。 妹の忘れ形見である姪アトラが戦死し、さらにマインが取り入ったタクトに最愛の妻のミレリアが殺され、完全に意気消沈してしまうが、精霊から頼まれていた尚文に叱咤され闘うことを決意する。尚文にこれまでのことを謝罪・和解し杖の勇者、そして英知の賢王として復活する。タクトとの戦争では尚文に杖を託しつつ、英知の賢王としての頭脳を発揮しフォーブレイ軍の全滅に貢献する。 英知の賢王として復活した後は、これまでとは打って変わった、好々爺となる。尚文に敬意を払い、メルティの婚約者として認めたり、宿敵であったシルトヴェルトとのわだかまりもなくなっている。また、これまでの蛮行からクズを名乗り続けることを決意している。マインに対しては、尚文に「チャンスがあれば息の根を止めろ」と伝言するほどに愛想を尽かしているが、溺愛していたこともあり「(自分では)手心を加えてしまうかもしれない」と懸念しており、後述のライノが属する組織にはマインに関しては全権を委任している。 外伝の『槍の勇者のやり直し』では、ループした元康に企みをすべて見破られていることからか、本編より強引な手に出ることが多い。元康からは尚文零落の元凶の一人としてマインと同等に憎悪・警戒されているが、殺すと厄介なことになるのでほとんどの周回で生かされており、本編と同じように女王によって無力化される展開が多い。元康によってアトラに引き合わされてある程度改心したりもする。 フォウル 声 - 増田俊樹(ドラマCD) 七星勇者、小手の勇者。 ハクコ種の亜人/獣人。アトラの兄。シルトヴェルトの王族の末裔だが、人族との混血で迫害される。 アトラの治療費を稼ぐためにコロシアムで戦っていたが、尚文にアトラ共々奴隷として買われる。極度のシスコンだが元気になったアトラには煙たがれ、手のひらに転がされているようなところがある。アトラに慕われている尚文に対して嫉妬しているが、アトラを救ってくれたことを感謝し認めているところもある。クテンロウでラフタリアにアトラに対する自分の考えの間違いを指摘され、以降ラフタリアの舎弟になり「姉貴」と呼ぶようになる。 21巻での会話によると、過激な選択が多いアトラと違ってフォウル自身は実は穏健な性格。そのためか脳筋バトル型であるハクコの同族は苦手。 肉弾戦を得意としており当初は戦力として買われたが、才能を開花させたアトラの方が強くなってしまい、やや頼りない印象であった。しかしシルトヴェルトで父の仇に相対して獣人化に覚醒し、さらに盾の獣化補助で白虎に変身できるまで強くなる。変幻無双流の修行も行い、鳳凰戦前でアトラと互角に戦い引き分ける。精神的な未熟さから当初小手の眷属器を引抜くことができなかったが、鳳凰戦でアトラを喪い、何もできなかった自分を責めつつ、アトラの遺言から村や仲間たちをアトラと同じように扱い守る覚悟を決めたことで小手の勇者に選ばれる。同じく悲しみにくれ、自暴自棄になっていた尚文を一喝し、以降は尚文をアトラが慕う男として認め、「兄貴」と呼ぶようになる。 元康からの呼称は「虎男」。オルトクレイと並ぶとアトラが感じる気配は「分裂した」と勘違いするほどで、レベリング後の成長した姿も若いころのオルトクレイと似ているとはミレリアの弁。 フィトリア 声 - 丹下桜 隠された七星勇者、馬車の勇者。 世界のフィロリアルを統括する女王。遥か昔に四聖勇者が育てた伝説のフィロリアル。白と空色を基調とした外見で、本来のフィロリアル体では全長は6mになる。空色の交じった銀髪のショートボブ、瞳の色は赤。人間体はフィーロと同程度の背格好であり、その他に空のように青い普通のフィロリアルにも擬態できる。クラスアップの際に干渉することで身体面を中心としたステータスを2倍近く上げることが出来る。 フィロリアルの聖域に住み、人里離れた龍刻の砂時計を中心に波に対処しており、霊亀とタイマンで戦えるほど戦闘能力に優れている。 クイーンになったフィーロの実力を知るためと勇者の内情を知るために封印から解かれた魔物タイラントドラゴンレックスと戦う尚文一行の前に現れる。四聖がいがみ合い、メルロマルク以外の各地の波を放置して居ることに呆れ果て、場合によっては現四聖を処分して新しい四聖を召喚させようと考える。フィーロの試練を終えた後は実力を認め、冠羽と祝福を与える。そして現四聖処分を保留にし、尚文に他の勇者と和解し、協力し合うことを約束させる。その後はフィーロの冠羽を介して監視と連絡を行う。あれやこれやと指示を出す割りに詳しい理由を聞いても「昔過ぎて覚えていない」と答えたり、断りもなくフィーロとラフタリアのクラスアップに干渉するなど、尚文からは今ひとつ信用されていない。 霊亀事件では、独断専行した他の勇者を追うために尚文が協力を求めるが、世界を守るために結界を張る霊亀の使命を知っていたので見殺しにすることは不本意だったが、好き勝手する勇者たちを見放してしまう。しかし、キョウによって霊亀が「世界の敵」と化して守護獣としての使命を果たせなくなったため、霊亀の足止めのために駆けつける。 フィロリアルであるためドラゴンとは犬猿の仲であり、尚文にフィロリアルシリーズの武器を全解放させる素材を渡すも裏でドラゴン系統の武器にロックをかけているほか、聖域の巣には対ドラゴン用の武器・装備が貯め込まれている。 霊亀戦で馬車を変化させたり、資質上昇もできることから勇者と思われ、尚文からも指摘を受けるがなぜか話そうとしない。後に馬車の眷属器の存在が明らかとなったため確定となった。 尚文たちが過去の世界に飛ばされた際、過去の本人と出会う。まだ魔物のフィロリアルではなく、守の鳥型の使い魔であり、現代よりもう少し幼い7歳くらいの人型の姿にもなれる。新しい魔物を生み出したいホルンによって改造されており、運搬に突出した能力をもつ。まだ自我がはっきりしてなく、尚文も「魂的な物がない」、「プロト・フィトリア」と語った。実は馬車の眷属器に、使い手になり得る魔物を生み出してほしいと頼まれたホルンがそのために改造されていたこと、未来のフィトリアは守とフィロリアの因子が魂に埋め込み、娘として生まれたものであることが明らかとなる。フィトリアは大切なものを守るために、そして自分たちという存在を生み出すために馬車の勇者と守の娘となることを決め、守は悩んだ末に受け入れる。しかし儀式前に神を僭称する者に馬車を奪われてしまう。 元康からの呼称は「大きなフィロリアル様」。後に「フィトリアたん」。元康にフィーロの次に好きと言われるが、フィーロ同様に嫌っている。外伝の『槍の勇者のやり直し』では、初対面時に飛び掛かられたため、嫌うというより怖がっている。
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