ブレード・チルドレン
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「スパイラル 〜推理の絆〜の登場人物」の記事における「ブレード・チルドレン」の解説
「ヤイバ(刃=ブレード)の子供たち」。全員が異母兄妹であり、父親はミズシロ・ヤイバ。ミズシロ・ヤイバの血縁である証として、生後間も無く右の第七肋骨が1本手術で切除されている。 出生時点で80名存在し、ほぼ全員がヤイバ同様の全般的に優秀な能力を持っているが、それゆえ現在の凡庸な人類を滅ぼして取って代わる可能性を危険視され、ハンターにより次々と抹殺されている。全員ほぼ同時期に誕生しており、日本においては全員同学年(本編時点で高校2年生)。 アイズ・ラザフォード 声 - 石田彰 / 佐々木望 ブレード・チルドレンの一人。イギリス人と日本人のクォーターを名乗る。常に冷静沈着で落ち着いており、いつの間にか彼と行動を共にするブレード・チルドレンの中のリーダー格になっていた。作中に登場するブレード・チルドレンの中では、唯一彼らを救うための組織「セイバー」に所属している。 公的な身分はピアニスト。容姿は銀髪をセミロングにしている。いついかなる時にもその冷静沈着な態度を崩さず、一見無感情にも見えるが、仲間たちへの思いやりは深い。また、作中では何度か、激情に駆られたこともあった。ピアニストという、身体(特に指)を大事にしなければならない職業についてはいるが、相当な場数を踏んできたようであり、かなりの気迫を発することがある。カノンとは幼なじみであり、兄と意識したことはなくても無意識のうちに兄弟として甘えていたのかもしれないと述べている。 清隆に火澄の存在を知らされており、つまりは、ブレードチルドレンが救われない存在であることを知らされていたが、そのことを誰にも打ち明けることなく、ただひたすらにその誰もが知らないことをただ一人知る孤独の中で、希望を願い続けた。 物語の序盤から登場し、歩のことをカメラで名指しで呼び出し、彼の傷の象徴でもあるピアノを弾かせようとしたり、自分のコンサート会場に亀の魔方陣の爆弾をセットし歩に挑ませた。その後は、交渉が決裂した今里を殺させたり、理緒の見舞いなどや歩の帰り道で姿を現した。カノンとの交渉決裂に際し、浅月の学園入学と有能で信用できるブレードチルドレンである高町亮子の引き入れを行いカノン来日に備えていた。空港でカノンを出迎えたところ、彼にナイフで刺され意識不明の重体に陥る。その後回復し、月臣学園校内に歩を人質に籠城したカノンを止めるため、まどかを伴って学園に向う。その後はカノンと和解した。火澄の登場と彼によるカノン殺害によって、アイズは火澄の目的と彼の隠していた歩と彼の真実から歩が自分たちよりもはるかに救われない存在であることを知らされる。歩の火澄との離別の後、歩の提案を受け入れる。 一年後には、ピアニストとして各地を回り、精力的に活動している。『スパイラル・アライヴ』のアイズ・ラザフォード ピアニストとしてデビューしたばかり。シェフィールド博士の拠点を襲撃したカノンを匿う。 浅月 香介(あさづき こうすけ) 声 - 草尾毅/同左 ブレード・チルドレンの一人。残虐・挑発的・約束は守らない等と、一言で言えば「嫌な奴」。だが、それはあくまで敵に対しての態度であり、本質は非常に仲間想いで義理堅い。中学時代に教師相手に傷害事件を起こし、以降行方不明となっていた。同じブレード・チルドレンの一人である高町亮子とは幼馴染。 赤紫の髪を四方八方に逆立たせている。銃の扱いやピッキングなど、様々な技術を持っている。常に挑戦的な態度を崩さないが、仲間たちの前では冷静となりリラックスしている。 亮子は彼にとっては特別な存在のようで、非常に大切に思っている。「せめて亮子がブレード・チルドレンではなかったらな…」と血縁関係にあることを煩わしく思っており、恋愛にも近い感情を抱いている様子である。 当初は歩を殺そうとしていたが、彼の可能性を認め最終的に彼を信頼し、歩の提案を受け入れており、最終話まで生き残った。自分を信じ進学する大学に対してものんびり決めようとしているようである。 中学時代に行方をくらまし、あちこちを転々としていたために、月臣学園入学後は亮子のうちに転がり込み、一緒に生活している。『スパイラル・アライヴ』での浅月香介 黒髪で登場(画面の構成上の問題)。2巻以降の主人公。『ブレード・チルドレン救済計画』のため海外にいたが鳴海清隆の依頼で日本に帰国。亮子とともに、オルゴール連続殺人の始末をつけることになる。 なお、『スパイラル・アライヴ』の香介は本気になると、どんなことがあっても捨て身の状態になる。そのため死ぬことは頭の中にはない。それどころか生き残ることすら考えようともしないほどの状態。捨て身のため、何を仕出かすかわからない面を持つ。 雨苗雪音(シャーロット)から「ミカナギファイル」を託されたただ一人の人物。 実際は清隆が盗聴器を香介に仕掛けていたためミカナギファイルの情報は清隆へ筒抜け状態だったが、「命を粗末に扱わせないため」この事実は伏せられている。 竹内 理緒(たけうち りお) 声 - 堀江由衣/同左 ブレード・チルドレンの一人。幼い容姿と、少々ドジな一面、さらに「はう〜」という感嘆符を多用する所から、いわゆるロリキャラ的な扱いを受けている幼女であるが、れっきとした高校2年生であり、生まれは亮子よりも早い。一見すればブレード・チルドレンとは到底思えないが、有事の冷静さや判断力、さらに爆弾関連技術の高さは、間違いなく場数を踏んだ者の証である。 灰色がかった髪(作者はピンクにしたかったらしい)をツインテールにしているが、入退院を繰り返したため、髪をおろした姿も同じくらい多い。爆弾の扱いに秀でており、その高い技術から、「破壊の魔女」「爆炎の妖精」などと呼ばれている(鳴海清隆はこれになぞらえて「爆裂ロリータ」と呼んだことがあるらしい。なお理緒自身は「言われていない」と反論している)。最終話で地雷撤去の活動をしている。空港でアイズと再会した時に彼の口から仕事場の周りの人から「荒野の小妖精(ブラウニー)」と呼ばれていたことがわかった。好物は網目模様のマスクメロン。誕生日は10月26日。 高町亮子同様に私立月臣学園高等部に在籍していた。普段の行動は周辺の生徒とは何ら変わらないようで、犬に追われている所を鳴海歩に目撃されたのが初登場のシーンであった。退院したとき歩が料理の説明をしていると「お嫁さんに欲しい」と心のなかでぼやいていた。 清隆を信奉しており(彼を「様」付けで呼ぶ)、清隆が(そして、彼によって成長した歩が)ブレードチルドレンの救うことを信じている。歩や清隆、ひよの等ブレード・チルドレン以外の人物には敬語で接している。 物語の序盤から浅月のあとに登場し(亀の魔方陣の爆弾は彼女の手製であるが)、歩に情報を与えようとした元ハンターのウォッチャーである学園教師今里を校内で殺害する。その手口と現場の状況から歩により追いつめられる。しかし、歩が予想したものの、実行しがたいために机上の空論としていた行動をとり、歩の包囲から逃れる。その自分を死にかけさせる方法に半ば衝撃を受けた歩が、追い打ちとして病室に現れる。それを予期し、浅月とともに正体をバラして命をかけた勝負をもちかけ、半ばすべてを看破しながら自分を信じられない歩に勝利するが、ひよのによって覆される。今里を殺したと喋ったところをひよののテープレコーダーによって録音され、ひよのを人質にとる。歩の持ちかけたテープとひよのの交換を兼ねた勝負を行うも歩の知略に敗北する。しかし、逆にそこから歩に希望を見出す。その後、傷が開き入院していたが、カノンの来日とともに殺されかけたために、病院を出て学園に復帰した。カノンと銃撃戦を繰り広げ、校内銃撃戦の終幕後はカノンとの戦闘の傷により病院にいれられる。 一年後は、歩の出した打開策を受け入れながらも、自分が運命に負けて殺されてもいいように生きた証を残そうと学園を中退し、各地で爆弾撤去を手伝っている。『スパイラル・アライヴ』での竹内理緒 清隆秘蔵のブレード・チルドレン。浅月曰く「人間火薬庫」で一部の者から「魔女」と呼ばれる存在。『推理の絆』と同じく爆弾の扱いに秀でているが、「周りがうるさい」と感じると手榴弾やスタングレネードを普通に使う。清隆と共に暗躍し、キリエとも任務上の同僚として接している。 本作で高町亮子と初めて顔を合わせている。1ヶ月違いで亮子より年上。 カノン・ヒルベルト (Kanone Hilbert) 声 - 野島健児 ブレード・チルドレンの一人。ドイツ人とのハーフ。 普段は温厚だが、ブレードチルドレンにしてハンターであり、目的を果たす為なら手段を選ばない冷酷さを秘めている。だが亮子曰く「神経が細く繊細」で、見境なく人を殺す悪魔になることや自分の卓越した殺人の技術を恐れていて、また、誰よりも人の命の重さ・殺人の取り返しのつかなさを知っている。アイズ・ラザフォードとは親しい間柄で、純粋な兄弟のように接していたという。昔はアイズや理緒達と共に戦っていたが、火澄に会い、救われることのないブレードチルドレンの存在に絶望。清隆の説得にも耳を貸さず(これは実は、むしろそうなるように仕向けたという方が正しい)、ハンターとなる。ブレードチルドレンを殺そうとしているのも彼らを救おうとしての行動で、そこには確かに彼なりの優しさ・仲間への強い愛情が存在している。 普段は温厚だが、戦闘時には圧倒的な身体能力・判断力・敵の攻撃に対する条件反射を振りかざし、頭も切れるために、本作に登場するキャラクターの中でも、最強の戦闘能力を発揮する。 ブレード・チルドレン以外の者は殺さないという頑強な信念を持っている。前述の通り襲いかかってくる敵には無意識に反撃態勢を取るが、その対象が自分の中では「殺してはいけない」人物(歩などのブレード・チルドレン以外の者)だった場合、意識的にその反撃態勢を止めようとすることがあり、そのとき一瞬だけ隙が生まれる。 物語では、登場するのは中盤で亮子が登場してからであり、来日して空港で出迎えたアイズをナイフで刺した。さらに、ブレードチルドレンが意図的に集められた月臣学園に入学し、同じくブレードチルドレンと敵対している歩に(とは言え、歩側からすればそう積極的ものではなく、あくまで命を狙われての消極的な敵対である)手を組むように持ちかける。そして、その日のうちに、入院中の理緒の病室を訪問し、彼女を殺そうとする。これは、予感していた亮子とともに来たひよのによって阻止され包囲されるも、機転によってその場から逃げ去る。その後、しばらくは普通の学生を演じていたが、絶対に殺したつもりだったアイズが意識を取り戻したことにより学園で歩を撃ち、人質にとる。学園上層部のウォッチャーたちと交渉し、学園のブレードチルドレンを一か所に集めて爆発物で殺そうとし、それを止めようとする理緒、浅月、亮子と銃撃戦を繰り広げ、その圧倒的な戦闘能力で三人を圧倒する。その後、病院からやってきたアイズと、理緒らに助けられた歩、そして、まどかを交え戦い、最後は歩の知略によって敗れる。歩に敗れてからは(命を救われたという面もある)、監視下に置かれ大人しく暮らしていたが、火澄の来訪と彼の口から語られた真実により、清隆の意図を知り絶望するも、歩への希望とするために火澄に殺される。彼の死こそが、火澄と歩の道を分ける決定的なものであり、歩にもまたその後の選択を含め影響を与えた。 「ガン・ウィズ・ウィング(翼ある銃)」というあだ名を持っている。 アニメ版ではラスボス的なポジションであり、生存している。『スパイラル・アライヴ』でのカノン・ヒルベルト 香介とイギリスで行動を共にしていた。本作の時点では、まだイギリスに留まっている様子。そして、清隆の命令によりシェフィールド博士の拠点を襲撃した。 高町 亮子(たかまち りょうこ) 声 - 加藤ひとみ ブレード・チルドレンの一人。明るくさばさばとした性格。同じくブレード・チルドレンの一人である浅月香介とは幼馴染み。11月生まれ。 茶髪をボーイッシュな髪型にしている。普段は水色のジーパンをはいている。陸上部の所属で、高校新記録を2年連続で更新するほどの運動能力の持ち主。他のブレード・チルドレンとの最大の相違点は「殺るくらいなら殺られるほうがマシ」ということを信念としていることである。 理緒の話では月臣学園への入学は望んでいなかったようで、学園の存在理由を明かされた上で強制的に入学させられている。 香介のことを慕っており、大切に思っている。また、香介を仲間に引き入れ人殺しにしたアイズに対してはいい感情を持っておらず、アイズに激しい怒りをぶつけたことがある。『スパイラル・アライヴ』での高町亮子 2巻からのヒロイン。陸上部所属。香介と同じく清隆の依頼で、オルゴール連続殺人の始末をつけることになる。 鳴海清隆がハンターに「日本国内では高町亮子に手を出すな」と命令していたため、危害は全くと言っていいほどなかった。 白長谷 小夜子(しらながたに さよこ) 声 - 中原麻衣 ブレード・チルドレンの一人だが、記憶を失っているため、本人はそれを知らない。内気な性格だが、記憶を失う以前はもっと酷い引っ込み思案だったらしい。度重なるハンターとの抗争の中で精神が極めて不安定になっており、飛び降り自殺を図ったのが記憶喪失の要因となった。野原・辻井・小夜子の3人と、アイズら前述の5人との間にブレード・チルドレン以外の接点はない。 アニメ版では原作での宗宮可菜のポジションで登場(同じトリックで殺されそうになるが生存)。 原作では一回きりの登場であるにもかかわらず人気投票では高い順位にいた。また、アニメ版でも、カノンに爆弾が入った箱を持たされたりと(実際は、爆弾は入っていなかったが)、もう一度登場しており、学生生活の様子からはブレードチルドレンらしく優秀であることがうかがえる。 野原 瑞枝(のはら みずえ) 歩の前に最初に姿を現したブレード・チルドレン。気の強い、というよりキツい性格をした少女。騎士団(ナイツ)メンバー・園部隆司の殺人未遂現場を友人の宗宮可菜に目撃されたため、彼女を自殺に見せかけた方法で殺害する。その後は死亡を装った後で、ブレード・チルドレンと接点のあった白長谷雷造にかくまってもらう予定だったが、ブレード・チルドレンの一人であった辻井郁夫に本当に殺害されてしまった。 辻井 郁夫(つじい いくお) 野原とバイト仲間だったブレード・チルドレンで、宗宮に想いを寄せられていた人物。実は彼自身も宗宮に対して好意を抱いており、野原が彼女を謀殺した事を動機として彼女を殺害する。
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