ガンイージ ガンイージの概要

ガンイージ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/09/17 15:52 UTC 版)

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主人公側の勢力であるレジスタンス組織「リガ・ミリティア」の量産機。同じリガ・ミリティア製の「ヴィクトリーガンダム」(Vガンダム)とは一部パーツや武装を共用しているが、こちらは分離合体機構を持たない非可変機として開発された。劇中では、おもに女性のみの部隊である「シュラク隊」のメンバーたちが搭乗する。中盤以降では、改修機である「ガンブラスター」も登場する。

デザイン

デザイナーは大河原邦男。大河原とは別に、『Vガンダム』の主役機デザインを担当したカトキハジメへのインタビューでは、企画初期段階においてカトキがVガンダム(V1)のデザインに難航した際に、大河原が「僕(大河原)から見たキミ(カトキ)のデザインは、こんな感じだよ」と提示した案が、ガンイージとして劇中で採用されることになった事が語られている[1]。同インタビューでは、Vガンダムのデザインはガンイージから逆算する形で完成した事にも触れられている[1]

『Vガンダム』の文芸設定を担当したサンライズ企画室室長の井上幸一は、サナリィはサナリィで、F91のような特殊な機体ではなくもっと汎用性のあるMSとして、ヴィクトリーやガンイージーといったMSを作っています。」と述べている[2]

デザインについて触れられたコメントとしては、「クラスターガンダムはどことなくガンイージと似ているシルエットをしています。L・MのMSはサナリィの流れをくむものかもしれませんね[3]」とするものもある。

設定解説

諸元
ガンイージ
GUN EZ
型式番号 LM111E02
製造 リガ・ミリティア秘密工場
アナハイム・エレクトロニクス社説も存在)[4]
全高 14.9m
本体重量 7.6t
全備重量 18.6t
装甲材質 ガンダリウム合金スーパーセラミック複合材
出力 4,820kW
推力 20,460kg×4
(総推力)81,840kg
武装 バルカン砲×2
ビーム・サーベル×2
ビーム・シールド×1
ビーム・ライフル
2連マルチランチャー×1
メガ・ビーム・バズーカ
搭乗者 ジュンコ・ジェンコ
以下シュラク隊
その他 アポジモーター×29

民間のネットワークから発展した組織であるリガ・ミリティアが開発した量産機。Vガンダム開発のためのテスト機をベースに量産型として開発された[5]

元々は連邦傘下の企業がモデルチェンジの候補として開発していたと推察されている[6]

本機の開発が行われたのは、月のセント・ジョセフ市郊外の地下工場だといわれている[7]。同市はフォン・ブラウン市に次いでルナリアン(月至上主義者)の影響力が強く、連邦政府からの干渉を受けない独自の行政が行われている地域だった[7]。リガ・ミリティアの指導者たちはここを根城として決戦兵器となるMSの自主開発を行っていた。やがて、マルチプル(変形)MSの構想が生まれ、その生産拠点は地球上へも移されることとなった[7]

しかし、ガンイージの開発スタッフにはサナリィ出身の技術者も含まれていた。サナリィのサイド2支社がザンスカールに接収されている関係上、ザンスカールへの情報漏洩防止のために開発番号の偽装が行なわれた。開発番号がE02とされるのは、内部からの機密漏洩の危険性を考慮し、E01が抹消されたと偽装したためとされる[7]

ベースとなったテスト機は運用データの収集と生産ラインの試験も兼ねていたため[8]、ジェネレータは後に開発されたVガンダムと同一のものを使用しており高い出力を持っている[5]。そのため性能は同時期の連邦軍のMSを上回っており、Vガンダム用の装備は大抵使用することができる。一方で実戦的機能を重視したため複雑な変形合体機構は廃され、スタンダードな機体として仕上げられた[8]。そのためコックピットはVガンダムで採用されているコア・ファイターのキャノピー部分がメインモニターとして機能する仕様と異なり、ジェムズガンやジャベリンと同型[9]全天周囲モニター・リニアシートというオーソドックスなものとなっている。操縦系統はスティックタイプの操縦桿を持つが、TV作画用に全体的にシンプルな形状となったほか、衝撃感知時にエアバッグとして動作する「エアベルト」が装備された[10]。コックピットは非常時に脱出ポッドとして射出される[10]

また生産性を高めるため可能な限り規格品を使用する前提で設計されており[8]、Vガンダム、V2ガンダムと部品が共用できるように設計されているほか、ジェムズガン、ジャベリンといった連邦側のMSとも一部の部品や装甲の交換が可能となっている[11]

プロトタイプは2機製作され、各種テストによるデータ収集が行われた。その後プロトタイプの1号機は実戦向けに改修され、固定武装を追加して初期生産型6機と共にリガ・ミリティア初の実戦部隊であるシュラク隊へと引き渡された[7]。その後順次追加生産が進みリガ・ミリティアの各部隊や協力関係にある連邦軍の部隊へと配備されていった[12]。カラーリングはプロトタイプ時点ではガンダリウム合金の素地だったが、正式配備されるとカーキグリーンとネイビーブルーのモノトーンへと変更された[13]

後に戦場が宇宙に移ると、バックパックを高機動タイプ「ツインテール」に換装する改修が行われ、ガンブラスターとなった。その後、ほとんどの機体がこのタイプへと改修を受けている。

劇中では一定の飛行能力を見せてはいるものの長時間の飛行はできず、長距離移動の際にはセッターのようなサブフライトシステムが必要となる。

武装
バルカン砲
頭部に2門を内蔵。実体弾を発射する。小口径のため、主に牽制やソフトターゲット、ミサイルの迎撃などに用いられた[12]
ビーム・ライフル / ビーム・ピストル
Vガンダムに装備されているものと同一。基本設計はトリガーであるビーム・ピストルを中心に、出力増加バレル、マルチサイト、エネルギーユニットおよびパックといったデバイスから構成される[11]。それぞれ分割が可能な構造で、整備性や生産性の向上に寄与している[12]。ビーム・ピストル単体でも使用可能だが、威力は大きく劣る。
ビーム・サーベル
右肩に1基収納されている。Vガンダムに装備されているものと同程度の出力である。形状はVガンダムに装備されているものと異なり円筒形[12]
2連マルチランチャー
左肩に装備されている連装ランチャー。実体弾を射出する。主に牽制用で、機体の汎用性をそのままに火力を充実させるために装備された[12]
ビーム・シールド
ビームを面状に展開する防御用装備[12]。発生装置はVガンダムのような内蔵式ではなく、前腕部のハードポイントに取り付けて使用する[12]
ビーム・バズーカ[14](メガ・ビーム・バズーカ[15]
地球連邦で採用されている共用火器。宇宙世紀0120年代にサナリィで設計されたクラスターガンダムで実験的に装備されたメガ・ビーム・バズーカの普及型で、ジェムズガンやジャベリンも使用している[11]。クラスターガンダムによる試験運用の後、宇宙世紀0120年代後半に地球連邦軍が制式採用した武装である[16]。基本性能の高さと安定した信頼性から、採用から30年近く経過したU.C.0150年代においても第一線で使用されており[16]、ジャベリンやジェムズガン等の地球連邦軍の機体も使用する一般的なものである。宇宙世紀0150年代において生産はアナハイム・エレクトロニクス社で行われている[15]。リガ・ミリティアが使用するものは同一の外観だが、エネルギーコネクタ及びエネルギーパックに独自の改良が施され、ハードポイントのコネクタ部分が改良されており、またエネルギーパックの容量も改善している[11]。腰部ハードポイントに懸架・装備可能。ガンイージで使用しているビーム・バズーカは濃いグレー地に白の塗装が施された旧塗装タイプと呼ばれるものとなっている[15]
オーバーハングキャノン
Vガンダム用の強化デバイス。バックパックへの装備は不能だが、携行武器としての使用は可能。
ハードポイント
連邦軍仕様のものとは異なり、武器を懸架するだけでなく、懸架した兵器へのエネルギー供給も行える[11]。サイドアーマーに縦二つのハードポイントを備えた機体も存在する[16]腕部と腰部と脚部にハードポイントを持つ機体もあるが、腰部と脚部にハードポイントが見受けられないのはハードポイントカバーを付けているためという説がある[要出典]
1/100ガンブラスターのプラモデルでは、玩具オリジナルのボーナス機能としてF90シリーズと共通のハードポイントがいくつか追加されており、組立説明書に取り付け例の写真が掲載されている[17]

劇中での活躍

主にシュラク隊の乗機として10話より登場。劇中中盤まではリガ・ミリティアの主戦力を担っていた。シュラク隊初登場時にはゲトル・デプレ率いるラゲーン基地のゾロ、トムリアット混成部隊を圧倒したものの、直後の11話でヘレン機が輸送機の離陸を阻止しようとしたピピニーデン中隊のトムリアットと相討ちとなって撃墜されて以降、シュラク隊搭乗機が次々と撃墜されていく。13話ではヘレンの敵を討とうとしたマヘリア機が同じような形でトムリアットと相打ちとなり、14話ではケイト機が戦闘中に破損したマスドライバーを支えている隙にクワン・リーのメッメドーザにコックピットを貫かれ、26話ではザンスカールのアメリアに潜入し、港湾で戦闘となった際にペギー機がウッソのVガンダムをかばってクロノクルのコンティオに貫かれた。またカイラスギリー攻略戦では連邦軍のバグレ隊に供与された機体がゾロアットに撃破されている。エンジェル・ハイロゥ攻略戦では、ガンイージが撃破されるバンクが多用された。49話ではカテジナ・ルースが搭乗するザンスカール帝国軍により鹵獲された機体が登場。ネネカ隊によってV2ガンダムの陽動に使用された。50話ではメカニックであるレオニードとロメロが半壊したガンイージに搭乗、リーンホースJr.の艦橋に機体を固定して砲座としたが、ゾリディアに撃破される。




注釈

  1. ^ 宇宙での稼働に対しガンイージの機動力を強化した機体とする資料も見られる[6]

出典

  1. ^ a b NT100% Vガンダムvol.1 1994, p. 61.
  2. ^ グレートメカニックDX7 2008, p. 内でのインタビュー。誌面で「ガンイージー」と誤表記されている[要ページ番号]。.
  3. ^ 模型情報1993-8 1993, p. F90Y改の試製トップファイターの掲載画にて[要ページ番号]。.
  4. ^ アーケードゲーム『機動戦士ガンダム UCカードビルダー』で登場するガンイージのカード裏面に、「製造 アナハイム・エレクトロニクス社」との記載がある。
  5. ^ a b NT100% Vガンダムvol.1 1994, p. 54.
  6. ^ a b ガンダム大図鑑1 ザンスカール戦争編上巻 1994, p. 42.
  7. ^ a b c d e VガンダムMSVハンドブック1 1993, p. 6.
  8. ^ a b c d ガンダム辞典v1.5 2009, p. 329.
  9. ^ ファクトファイル No.41 2005, p. 41-8.
  10. ^ a b B-CLUB 91 1993, p. 86.
  11. ^ a b c d e VガンダムMSVハンドブック1 1993, p. 26.
  12. ^ a b c d e f g RE100ガンイージ 2018.
  13. ^ a b c d e f g VガンダムMSVハンドブック1 1993, p. 4-8.
  14. ^ ガンダム大図鑑1 ザンスカール戦争編上巻 1994, p. 79.
  15. ^ a b c d VガンダムMSVハンドブック1 1993, p. 28.
  16. ^ a b c d 1/144 Vガンダム武器セット 1993.
  17. ^ a b 1/100ガンブラスター 1993.
  18. ^ MS大全集2013 2012, p. 99.
  19. ^ プラモデル「RE/100 1/100 ガンブラスター」
  20. ^ a b c d VガンダムMSVハンドブック1 1993, p. 7.
  21. ^ a b c ガンダム辞典v1.5 2009, p. 330.
  22. ^ ガンダム大図鑑2 ザンスカール戦争編下巻 1994, p. 77.
  23. ^ NT100% Vガンダムvol.1 1994, p. 38.
  24. ^ a b アニメ34話より。
  25. ^ a b アニメ45話より。


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