永井豪執筆作品の登場人物
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「キューティーハニー」の記事における「永井豪執筆作品の登場人物」の解説
『キューティーハニー』『Cutieハニー』(扶桑社文庫『キューティーハニー』)の世界は繋がっており、後者は最初のハニーの戦いから、三十数年が経過したという設定で、一部の登場人物は年齢を重ねて登場している。 如月 ハニー 不世出の天才科学者、如月博士によって作られたアンドロイド。物語は、ハニーが目覚めるところから始まる。幼いころの偽の記憶を植えつけられ、博士の娘として扱われる。しかし、博士がパンサークロー(漫画では豹の爪にルビが振られる)に襲われたことを機に、死んだ博士の記憶を残したコンピュータ(博士曰く、「声を吹き込んだ人形」)により、自らがアンドロイドであることと、「空中元素固定装置」が搭載されている事実を知る。たまたま研究所に居合わせた早見青児との交流をきっかけに、早見一家の協力を得て、パンサークローに立ち向かっていく。 漫画版ではハニーが全裸を披露することが多い。初登場シーンでは如月博士の研究室でマシンに固定されたハニー(髪はショートヘア)が全裸のまま覚醒する。パンサーの目をごまかすために公園の銅像に擬態するシーンでは、団兵衛と順平に胸や股間を揉まれたりキスされたため思わず声を上げてしまい、危うく正体が判明しそうになる。エネルギー不足で空中元素固定装置が使用できない際、公園で弁当を食べようとした男の前に全裸で現れ、驚いた男を気絶させた挙句に弁当を奪ったこともある。また最終決戦では空中元素固定装置の不調からキューティーハニーに上手く変身できず、シスタージルの前で全裸のままで何度も「ハニーフラッシュ」のポーズをとる羽目になる。 『Cutieハニー』(以下、この項では「SPA!版」と表記する)では、空中元素固定装置の力により、「早見財閥ハニーコンツェルン」のオーナーとして活躍している。最初の戦いに比べ、精神的にも大きく成長しているほか、轟刑事に自分からヌードを見せたり、胸を「ご褒美」と称して触らせたりなど、性格もかなり大胆になっている。空中元素固定装置の能力をフルに使い、空気中からダイヤモンドや拳銃、パラシュートなどを瞬時に生成して自分の身や警官たちの危機を救うこともある。ハニーコンツェルンの財力は極めて大きく、日本の首相や国務大臣と面識があるほどである。最終決戦では自衛隊やアメリカ軍とも共同でパンサークローを叩く。キューティーハニー ハニーが戦う心で変身した姿。『キューティーハニー』(以下、初代漫画と表記)では人間の4倍の運動能力を持つと設定された。手に持つ剣「シルバーフルーレ」と腕の「ハニーブーメラン」を武器にしてパンサーのサイボーグと戦う。シスタージルとの最終決戦では、彼女の鞭を奪い取って大ダメージを与えるが、獣のような動きをする彼女の猛攻で腕を利かなくされる。間一髪、足でシルバーフルーレを起こし、彼女の顔を貫いて倒す。 SPA!版では同じくシルバーフルーレとハニーブーメランを武器にしているが、30数年の時が経過している分、剣の腕は冴え渡り、特に最終決戦では、パンサーの女戦士数十体と分裂したジルをこの姿で倒している。 股間に設置されたボタンを押すことで、筋肉が盛り上がったハイパーチェンジハニーになり、戦闘力が上昇する(劇中の描写では、バイクをドライバーごと投げ飛ばしている)。 漫画版でのその他のハニーの変身 初代漫画版では、「あらゆるメカが自由にこなせる」(劇中ではバイクやボートを乗りこなす)ハリケーンハニー、カメラマンのフラッシュハニー(名前はSPA!版から、また、『あばしり一家』の菊の助に似ている)、目から放射する光線で動物を自由に操る猛獣使いに変身する。他に、銅像、看護婦、ターザン、騎士(鎧で毒針を防ぐ)、黄金仏像(ポール玉玉氏秘蔵の宝物で、パンサーが予告状を出していたもの。日本基地「幻城」に侵入するため擬態した)などの変身がある。 SPA!版では、上記ハリケーンハニーやフラッシュハニーに加え、天使の姿をして自在に飛行できるエンゼルハニー、機関銃を操るコンバットハニー、鎧と槍、隠し剣を武器にする鎧騎士(アーマーナイト)ハニーにチェンジする。また、モデルやプロレスラー、パンサーの技術員や戦闘員に変装したこともある。 『天女伝説』では、マジンガーZのパイルダー部にハニーが接続されたような外見のマジンガーハニーにチェンジしている。 早見 団兵衛 早見家の当主で、スターシステムにより、『あばしり一家』の駄ェ門と同じ顔をしている。本人も「やっとアニメに出演できる」「超能力がないため、今度の役は『あばしり』より弱い」などと話している。武芸全般に優れており、パンサーの戦闘員数人程度は手玉に取ってしまう。しかし、初代漫画では、ハニーの擬態した銅像の胸や陰部を舐めたり、風呂を覗いたりなど、スケベ描写が多い。聖チャペル学園が焼失したあと、ハニーを居候させ、黄金仏像と彼女が入れ替わるのに協力する。 SPA!版では、88歳になった姿で登場する。皺は多くなっているが、息子2人を尻目に、初代漫画版以上の活躍を見せる。しかし、やはりスケベである。ハニーと轟刑事のサポートを全般的に行い、特に最終話では、総理や各国務大臣が列席する最重要会議で堂々と振る舞い、その後パンサーの異次元に次元航空機で潜入し、パラシュートと機関銃を装備して最前線に躍り出るなど、悪馬尻駄ェ門を彷彿とさせる八面六臂を演じる。 早見 青児 新聞記者で、如月博士の研究所がパンサークローにより襲撃された際に、たまたま博士を取材していたことからハニーに協力する。ハニーにパンサーの犯行を知らせる役が多い。宝石店が襲撃された際、パンサーに拉致されてしまい、猛獣使い・アイアンサドーが彼に化けてハニーの隠れ場所である聖チャペル学園を突き止めた。解放された後、ハニーにポール玉玉氏所有の黄金仏像の情報を教える。アニメとは違い、ハニーと恋人になる描写はない。SPA!版では、ハニーコンツェルンのオーナーとして1Pのみ登場する。『天女伝説』では、青児の娘・青子が主人公。同作では見た目もワイルドさを増している。 早見 順平 青児の弟。『あばしり一家』の吉三と同じ顔で、団兵衛同様、「今度の出番」について初登場時に言及した。吉三とは違い、素直な性格だが、父と一緒にハニーの入浴を覗くなど、スケベさは変わらず。SPA!版では、恰幅のいい中年の姿で登場する。 秋夏子 聖チャペル学園の生徒で、ハニーのルームメイトにして一番の親友。ハニーの転入早々、彼女の美貌に一目ぼれし親友として好意的に接する。 ハニーに同性愛に似た感情も抱いており、ハニーもそれに応えているような描写がある。アイアンサドーによって聖チャペル学園にハニーが潜むことを見抜かれた夜、シスタージルの絨毯爆撃から辛くも逃れるも、追い詰められたハニーを助けるために囮になり、パンサー最強の戦士・ドラゴンクローの高熱火炎で灰にされてしまう。彼女の死を目撃し、ハニーは多大な憎悪と共にパンサーの壊滅を誓う。 轟 わたる SPA!版のメインキャラクター。職業は刑事。少女の変死事件を捜査する中でハニーおよび団兵衛に招かれ、パンサーの存在を知る。はじめは信用しなかったものの、タランチュラパンサーに襲われてハニーへの協力を誓う。永井作品のヒーローらしく、かなりのスケベであるが、高い正義感と、推理力や行動力など優れた素質を活かし、ハニーの危機を救う活躍を見せる(ハニーの能力が高すぎるため、人間の身を嘆くシーンもあるが、それでも何度となくハニーを救っている)。特に射撃の腕は一流で、ホワイトクローを倒した他、最終決戦ではハニーが空中元素固定装置で作りだした高性能銃を操り、パンサーの戦士やジルの分身を倒している。 『天女伝説』にも轟兵太というキャラクターが登場する、わたるの甥っ子。 シスタージル 初代漫画版ではパンサークローの日本支部長、SPA!版では復活したパンサーの首領として描かれている。 初代漫画版では、多くの女戦士たちを指揮する他、尻に装備した鞭を用いてハニーを圧倒するほどの強さを誇る。また、ドラゴン・クローの身体を操った催眠術のような技や、口から吐く火炎など、妖術のような技を使う。最終決戦では、黄金大仏に変身したハニーを基地に運び入れてしまい、彼女と相対するが、ハニーの裸を見て、自らにレズビアンの気があったのかと疑う。ハニーとの決戦の末、豹の正体を明らかにし死亡する。 SPA!版では、豹の姿から、噛み付いた少女の身体を借りて復活し、そのディスコに居合わせた客を洗脳して支配下におく。ハニーいわく、パンサークローとは異次元からの侵略者であるため、その正体は不明。蜘蛛やコブラに姿を変えた自らの分身細胞を優れた能力を持つ女性に寄生させ、怪人を生み出す他、身体を両断されても上半身と下半身が別の怪物になって逃走したり、パンサーゾラの力を借りて巨大な豹となったりなど、凄まじい力を発揮する。ヌードを披露したりなど、彼女もセクシーシーンが多く、またハニーをことあるごとに「美しい」「私のハニー」と言うなど前作以上に執着している。パンサーの次元における最終決戦では、巨大な豹の姿から、同じ意識を持つ10体ほどに分裂するも、団兵衛率いる軍隊がそこに侵入し、ゾラの神像を砕いたことで形成が逆転し、爆撃により半数近くが死亡し、ハニーとの決闘で残り半数もやられ、最後の1体がハニーを追い詰めるものの、鎧騎士に変身されたところで身体を貫かれる。このシーンで、『デビルマン』のセリフが引用されている。 ゾラー(パンサーゾラ) 初代漫画ではパンサークローのアマゾン基地に潜む首領で、イボ痔小五郎曰く、「アマゾネス国の魔術師にして、数千年を生きながらえた魔女」。シスタージルに水晶玉を介して指令を下す。ジルの死後、ハニーに「ペットを殺した」と怒りをぶつけ、宣戦布告し消えていった。 SPA!版ではパンサークローの異次元を支配する「邪神」として描かれる。現実世界に突如現れ、ハニーに「人間は不完全な存在であり、滅びの因子を内包している」と呼びかけ姿を消す。最終決戦では、人類がパンサーの次元に突入したあと、ジルの祈祷で、巨大な岩山がゾラーの姿になり、航空機を次々に撃墜していく。しかし、度重なる爆撃で神像が崩されたことで、パンサーは一気に劣勢となる。 けっこう仮面 SPA!版に登場する、永井豪の他作品からのゲストキャラ。本作では、オリジナルを映画化するという設定で登場するため、本物ではない。中学生の寺田林子という少女が、仮面を被って真面目に生きる生活にマンネリを感じたことで、それを晴らすべく周囲に内緒で役を引き受けるが、ジルの分身細胞につけこまれて悪の戦士と化す。共演する役者を惨殺して逃亡し、宝石強盗を働いたあとでハニーと一戦交える。中学生の正体を見破られた後、体操コーチでもある母親に叱責を受けたことで怒りに身を任せ、虎のような戦士に姿を変える。ハニーは涙ながらに彼女を討つ。 イボ痔 小五郎 初代漫画版に登場。永井作品によく登場する、『イボ痔小五郎』シリーズの主人公の探偵。相変わらず痔持ち。コヤヤシ少年をリーダーとする「性悪探偵団」らも登場。本作では、ポール玉玉氏秘蔵の「黄金仏像」警護にあたる。イボ痔はパンサークローのことを詳しく調査しており、組織の詳しい解説役(如月博士より詳しく説明している)を果たす。ハニーと団兵衛に催眠ガスで眠らされ、ハニーが化けた仏像をおとなしくパンサーに引き渡してしまったことで、ポール氏から「尾骶骨割りチョップ」の制裁を受ける。 スケ番 直子 聖チャペル学園の女番長。『あばしり一家』の直次郎をそのまま女性化したもので、強烈な外見をしている。生まれてから鏡を見たことがなかったが、自分の醜さを鏡で見せられると気絶してしまう。また、『あばしり一家』の五エ門を女性化したキャラクターも冒頭のみ登場している。 アルフォンヌ先生 初代漫画版に登場した、ハニーや夏子の担任。『キッカイくん』のドクター・アルフォンヌの女性版だが、髭はそのまま。同作品に出演したキャラの流用、ポチ校長夫人と夜な夜な逢引きを重ねている。パンサーの空爆にあい、死亡する。 常似 ミハル(つねに ミハル) 聖チャペル学園の寮の舎監で生徒からは「ヒストラー」と呼ばれて恐れられている。脱走常習のハニーの天敵。最後はパンサーの空爆により死亡。
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