機械や装置・技術
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「銃夢 LastOrder」の記事における「機械や装置・技術」の解説
機甲術(パンツァー・クンスト) 火星古武術(マルス・クリーグ、マーシャル・アーツ)と呼ばれるサイボーグ用の身体操作技法を含む戦闘体系。火星植民時代初期のes.290年代(2246-2256)にティーガー・ザウエルによって創始され、ザウエルの高弟5人(マウザー、シュナイダー、ゴッセン、他)が火星・マリネリス峡谷西部「夜の迷宮(ノクティス・ラビリントス)」に作った修行用コロニー「グリューン・タール」にて伝承されていた。 対サイボーグ戦を想定した最初の格闘術と言われており、0G環境下での身体機動や各種武器術も組み込まれ、前述の「火星古武術」の名に恥じない伝説的門派。機甲術使い(キュンストラー)はその技量に応じて「初心者(アンフェンガー)」「熱心者(ツェレター)」「門弟(レーアリング)」「戦職人(ゲゼレ)」「戦士(クリーガー)」「上位戦士(ヘーア・クリーガー)」「達人(マイスター)」「被免達人(アデプト)」「長老(エルトメイスト)」の9位階に分けられている。 テラフォーミング戦争期(es.316年~)。イェールに対する破壊工作が発覚し、es.387年(2343年)に設立されたLADDER議会の決議によってグリュー・タールは解体され技術情報も公開され消滅したとされる。公開された情報は超電磁空手やアハトマスターデなど、多くのサイボーグ格闘術に取り入れられている。周破衝拳(ヘルツァハオエン) 機甲術の代表的な打撃技。義体内部のアクチュエーターから発生させた100Hzを超える振動波を拳から打ち込み、対象の内部から破壊する。作中の時点では「オシレーション・パンチ」とも呼ばれて一般化しているが、機甲術には「周破衝針(ヘルツァナーデル)」「周破崩拳(ヘルツァファレン)」など、更に高度な打法が存在する。 業子力学(ごうしりきがく) 概念上の情報素子「業子(カルマトロン)」によって説明される情報理論。ノヴァの持つ技術の根幹をなし、彼が作り上げたナノマシンが暴走もせずに制御下にあるのはこの理論を応用しているため。イマジノス体や大気中のノイズ情報からノヴァ自身を無限再生するナノマシン「ステレオトミー」など微視(ミクロ)レベルの理論は完成に近付いている。 現在進めている「巨視(マクロ)レベルの理論」は運命を科学的に解き明かすと言うもの。ステレオトミー ノヴァが作った自己再生用ナノマシン。命名はノーラ。大気中に散布され、指定された個体の活動が停止すると大気中のノイズから読みだした情報に従ってバックアップされた時点の記憶と肉体のみならず、身に着けていた衣服や小物まで再生する。周囲の物質を分解して再構成するため、一週間ほどの期間が必要だが、あらかじめ材料となる物質と分子サンプリングデータが揃ってさえいれば、同じ理屈で再生槽を用いて数時間で同様の再生も可能。 イマジノス体(イマジノスボディ) 今作冒頭において、ディスティ・ノヴァが製作し、ガリィに与えたサイバネティクスボディ。 バーサーカー細胞をモデルにして不安定要素を排除し、持ち主の意志に応じて無限のバージョンアップを可能とする。 一度S・ノヴァの電子攻撃を受けてボディが崩壊するが、アーサーの呼びかけにより復活。その際に「ファタ・モルガーナ」と融合、ツングースカのワームホール炉を取り込んだ『イマジノス2.0』となる。ZOTT決勝戦の最中、木星の画策した作戦「ガラスの猫」によって意識のみ木星に引き寄せられボディが大破するが、邪魔をした連中に逆襲した後にメルキゼデクとユピタンの力を借りて復活『イマジノス2.1』にVer.upする。 サチュモド ジム・ロスコーがM.I.B.の自動工場で作りだした怪物。イマジノス細胞を参考にしたマシン細胞で構成されており、非常識なまでの強度を誇る。ボディから発生させたナノサイズのトゲで物質の分子結合を解いてしまう「分子崩煙(モリオン・オミクレー)」で触れたモノを塵に変えてしまう。 フィジロイ体(フィジロイボディ) サイバネ技師・ヤニが開発したサイバネティクスボディ。作中ではゼクス及び絶火が使用している。 体内に高比重物質『ポリティン・ゾル』を循環させる事で高い恒常性維持機能があり、極めて強力なパワーと耐衝撃性能を持つ。意図的にそのバランスを崩す事により、半径2kmが射程圏内と言う「遠当て(エクスパンドパンチ)」や「爆縮パンチ」を可能とする。 更に絶火は、このポリティン・ゾルを体内で相転移・プラズマ化することにより「静止していながら超音速に達する」という、ヤニすら予想しなかった術理を考案し、飛躍的な性能の向上を見た。後にゼクスも体得している。 D-リッパー GENE計画によって生み出された天才科学者の1人、Dr.メスフィールドが開発した装置。「万物理論」に基づくD理論を証明するフリーエネルギー装置とされたが、周囲の人間の意識に感応して変性意識状態を引き起こす事からその存在を抹消された。 ステルススーツ LADDER議会直轄部隊「NEW ORDER」所属の兵士などが使用している特殊スーツ。パワーアシスト付きの宇宙服としての機能から名前の通り光学・電磁・赤外線・音響などのステルス機能を備える。政府機関の装備とは言え、裏から手に入れる方法は存在し、イェールへの潜入ミッションの際にはガリィも使用した。 センサーを装備したインナースーツを着る事でスーツを個々人の体型にフィッティングする「パーソナライズ」を行う事が出来る。ZOTT以後に混乱するイエール内で活動する為にレム・レイもスーツを使用していたが、インナースーツが手に入らなった為か正確なパーソナライズが出来ず、窮屈な思いをしていた。 ユナニマス・システム イェール人に施されている『脳内治安システム』。イェールの住民らは脳内にナノマシン『調停機』の埋め込みを義務付けられ、争いなどを好まないよう思考誘導されている。このため無意識化にストレスが溜まり易く、それを解消するためにザレムから吸い上げた「人間の脳」を使ったネットワークシステム『インキュベーター』がありルゥの脳もここに収容されていた。調停機(ピースキーパー) イェール人に埋め込みが義務付けられているナノマシン。表面的には無線でメルキゼデク・ネットにリンクし、膨大な情報を利用可能なマン・マシンインターフェースとして利用されている。 だが真の機能はシナプスレベルでの「遵法制御」である。調停機は脳内シナプスの反応を随時監視し、反社会的、犯罪的な反応を検出すると苦痛中枢を刺激し、その逆の場合は快楽中枢を刺激する。埋め込まれて一年ほどで条件反射レベルで法を守る様になる。このシステムの長所は本人が自由意志を制限されているとは自覚できない点である。同時に欠点として調停機を埋め込んでいない第三者から嫌味な事を言われるとどう対応して良いか解らず混乱状態になってしまう。 ピングはロボアジールに隠遁中、ハッキングでユナニマスを無効化したことがあったが、外的に感情を揺り動かす物がない状態では何の意味もなかった。そこでピングは事前にウィルスを仕込み、ZOTT決勝の結果が出るのに合わせて調停機の機能を停止、同時にムバディのアンフェアな行いをリークした。試合の結果を無かったことにしようとした上に、反対したヤジニーク議長を殺害する現場を見せられたことで激昂したイエール人は感情を抑えることが出来ず暴動を起こし、イェールの生命維持機能まで破壊しかけた。 また、イェール人以外でも調停機を埋め込む事で税金の免除などと言った特典を受ける事が出来るが、前述の事柄は知られており希望者は少ない。 インキュベーター ザレム人から回収した脳が集積されている区画。『調停機』の埋め込み、脳を制御しても一つ一つの細胞から発せられるノイズの様な信号、それらの集積した無意識下にストレスが溜まり易く、それを解消するためにザレムから吸い上げた「人間の脳」を使ったネットワークシステム『インキュベーター』があり、休眠状態にある住民のストレスのはけ口に利用されている(これらを総じて「ユナニマス・システム」と呼ぶ)。 イェール人が睡眠状態に入るとインキュベーター内の仮想世界『アルゴ・ネィヴィス』にアクセスし、調停機の遵法機能は停止する。ZOTT決勝におけるムバディのアンフェア行為に怒り狂った市民による暴動後、その実態が明らかとなり秘密裏に処理されそうになるが、ロボアジールを支配した100号にイェールを掌握された後、ゼクスによる鎮圧とイド・ダイスケの口利きでインキュベーター内部の人間が順次再生されることとなった。 メルキゼデク 未来予知をする量子脳シミュレーター『マーリン』として開発され、現在は軌道リング・システムを管理する中央電脳。だがその実体は量子サーバを基幹にインキュベーターを量子脳接続装置として使用し、全人類の脳を構成要素として成り立つグリッドコンピューティング。 正しく使用すれば直面した問題に対して最も効率的な回答を得られるが、現在は「ユナニマス・システム」によって管理された思考から「支配者に都合の良い回答」が導き出されている。今作における非常に重要なキーワードであり、一部はこのメルキゼデクを巡ってストーリーが展開する。前作「銃夢」にも終盤から名前が登場しており、この時から構想があったことが伺える。アーサー メルキゼデクに存在する25のユニットのひとつでかつての王、アーサー・ファレルの人格をエミュレートした存在。 ファタ・モルガーナ 一度壊滅的に文明後退した後、再び宇宙への進出を果たした人類の指導者アーサーから託され、ヴィルマが保有していた光子メモリー電子媒体の一種。LADDERの中核をなすコンピュータシステムにして作中世界全体に影響力のあるメルキゼデクの失われたキープログラムが記録されており、このため電脳世界に対しては無制限にアクセス可能となる作中最高レベルのプロテクト破りとして機能する。名の由来はモーガン・ル・フェイから。 司るモノは女性原理を象徴する「反権力」や「情動」。 エクスカリバー アーサー・ファレルが持ち、その後継者たちが継承していた本来の「マスター・キー・プログラム」。政争の果てに複製を試みた結果永遠に失われてしまった。 司るモノは男性原理を象徴する「権力」や「論理」。 ユピタン 木星に設置されている量子収束観測機でメルキゼデクと同規模の能力を持つ巨大電脳。木星人の意識を反映しているためか、非常に尊大な性格で自分を作った木星連邦も見下している。
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