怪盗とんちんかん
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/03 20:56 UTC 版)
「ついでにとんちんかん」の記事における「怪盗とんちんかん」の解説
盗みを行う前には予告状を盗み先に送り、予告状の通りに必ず盗みを実行する4人組の怪盗。「予告したことは必ず実行する、物は盗んでも人は傷つけない」が信条である。しかし、彼らの盗む物は安価・無価値な物ばかりで、犯行件数は多いものの被害総額は1万円に満たない(アニメ最終回のナレーションより)。そのため、大日本警察署長からは「もっと高価な物を盗め」、ライバルの怪盗あんぽんたんからは「せこい、盗む物が全然価値がない」と言われているが、これに対してリーダーの抜作は「高い物を盗むと泥棒になる」と弁明している。また「人助けもする」とも公言しており、盗む物の大半は抜作の私物(コレクション)だが、他人のための盗みや、犯罪者の逮捕・自首にも貢献することもある。抜作を除くメンバー3人の苗字の頭文字は麻雀牌の三元牌「白・発・中」と一致しており、名前の頭文字を繋げると「とん(東)・ちん(珍)・かん(甘)」となる。抜作以外の3人が力を合わせて「へのかっ波(へのかっぱ)」を放つことができる。しかし、大家のババア戦では「へのかっ波の上をいく、うんこのかっ波」に圧倒されてしまったことがあるが、最終的には4人全員の力を合わせて「リーダーの口は二枚波(にまいば)」を放ち、大家のババアに勝利することができた。 間 抜作(あいだ ぬけさく) / リーダー 声 - 吉村よう 身長48ページ、体重3,829ダース(アニメでは身長93cm 体重35kg)、血液型ホンコンB型(いずれも自称)。恐竜時代のことを覚えているとか、聖徳太子と遊んだことがあるなどと語り、年齢は200億歳と自称している。自称年齢ではあるものの、『週刊少年ジャンプ』掲載作品で(初回登場時)最年長の主人公とされている(2018年14号時点)。メンバーが通う礼院棒中学の教諭で、2年5組の担任。科目はホームルーム、通常の教科は担当していない(ただし、落雷を受けた時には、一次と二次を含む連立方程式を教えている)。 奇妙キテレツな性格をしていて、世間一般の常識というものが全く通用しない究極の「アホ」。自分で思いこんだことおよび信じこんだことは何でもできてしまう人物。そのため彼の周りでは常に騒動が起き、たまにまともなことを言うと口から泡を吹いて気絶する時がある。普通の人が幸せだと思うことを不幸だと言い、逆に普通の人間が不幸だと思うことを幸せだと言い、悪口を褒め言葉として解釈し、褒め言葉を悪口として解釈する。自分で買い物に行くことはあるが、お札をティッシュペーパー、メモ用紙、破れた襖の補強に使うという金銭感覚の持ち主である。GF(ガールフレンドの略)を「ジャイアント馬場のふんどし」の略と発想するような突飛な性格でもある。本人は「アホ」であることを認めているようで、「わたしはアホはアホでも並大抵のアホではない」と熱弁したり、「馬鹿」と言われた際に「わたしは馬鹿ではなくてアホだ」と反論したことがあるなど全くコンプレックスが無いように見える(むしろ、他人から見て美点と思われることを言われると逆に怒ることすらある)が、実はハゲであることを気にしており、ハゲと直接言われた際に激怒したこともある。他にも、たこ八郎に似ていると言われることも気にしているようで、見間違えられた際は率直に怒る。常識知らずの面が多い反面、ウーパールーパーを盗んだ際には「かわいいというだけで見せ物にするのはよくないことだから」と故郷に送り返したり、仲良しだったぬけちゃんロボットが死んでしまったと思われた時には寂しそうに記念写真を眺めるなど、情は持っている。 下宿先のアパート久荘(くそう)の大家が大の苦手。また回を重ねるに連れて、吉沢先生の求愛を避けたり、「逆らうと怖い」とも思っており、同じく苦手としている。アニメで吉沢先生の剣幕を見て、天地と2人で「女の人って怖いですね」と恐怖したこともある。最終回では、未来の礼院棒町にて吉沢先生から逃げて隠れている自分を見て、震えていた。 いつも口を開けて間の抜けた顔付きをしており、両手を使わない時は常に猫かがみに曲げている。口の中には大きな前歯が2本だけ生えている。原作では口を閉じることは一切ないが、アニメでは一部の喋る場面で一瞬だけ見られる。また顔は常に斜めか横のアングルのみだが、アニメでは正面を向いたときもある。自身の容姿を普通だと思っているようで、他人から「面白い顔」と言われても「普通なのに」と言ったり自身の顔を見て大笑いする人に対して「どうして面白いのでしょうか」と言っている。 頭の中は基本的に空で、脳が入っていない。本人によるとIQ(知能指数)はマイナス500で、東風と甘子にIQ200の珍平を合わせて他の3人のメンバーのIQの合計を400としても、とんちんかん全体のIQは抜作のせいでマイナス100になってしまうという。頭にはフタがあり、それを開けて中を自由に見せることができる。中から外を見ると、着ぐるみのようになっており、目を裏から突くと障子のように破ける。目と歯は取り外しが可能であり、目を取り外して映写機に掛けて再生すると目に映った物を映像として再生することができる。この目は眠っている時も開けたままで、他人からは死んでいるように思われてしまうこともある。一度死亡してエンマ大王より地獄行きの判定を下されて地獄に落ちたことがあるが、地獄を天国のように覆すことをしたためエンマ大王のブラックリストに載せられ「こいつだけは二度と連れてくるな」と厳命されて死ねなくなった。 その肉体は不死身で、体内で1日に1個は命が作られているという。多くの殺し屋から命を狙われているが、毒蛇に噛まれる、頭や体を刃物で刺される、銃で撃たれる、高電圧を掛けられる、ロードローラーで轢き潰される、薬品で溶かされるなど、普通の人間がされたら確実に死ぬようなことをされても本人は「い…いたい」とつぶやく程度で大したダメージを受けている様子はなく、たとえ全身を粉々に破壊されても、ジグソーパズルのように組み立て直せば生き返ることができる(ただし、呪いのワラ人形を使った攻撃だけは効果があるらしく、実際にダメージを受けている)。また、空気のない宇宙空間でも普通に生きられるどころか話すことさえできる。なお、警察がX線カメラで撮影したところ、彼の骨格は魚の骨そのもので、頭の骨は素顔と変わらず間の抜けた顔つきであった。聴診器を心臓に当てると、「ドクドク」ではなく「ドカナイドカナイ」という音が聞こえる。また、特異体質であり、頭と胴体の大きさおよび手足と舌の長さを自由自在に変化させることができる。 得意のギャグは服の下半身を脱いで自分の尻を見せる「いきなり尻見せ」。特技はファイヤーダンスで、大会では3年連続で優勝(作中で4回目の優勝を果たす)しており、火を見ると本能的に腰蓑姿で「アイヤーッ」と叫びながらファイヤーダンスを始めてしまう。連載中盤以降になると石原真理子や斎藤由貴といった当時の人気女性タレントに扮する女装ネタやSMネタが登場し、後期ではゴジラ風の怪獣の着ぐるみを着て巨大化し、大怪獣ヌケゴンとなって「アンギャー」と叫びながら町の中で暴れまくっていた。「いきなり尻見せ」のギャグは後に尻見せのポーズをした上で自分の陰嚢を尻の下から手で伸ばす「袋のしわのばし」に発展している。 原作の最終回では、ぬけちゃん王国の王子様であること、花火で遊んでいる最中に間違えてビッグバンを起こしてしまい、宇宙空間を彷徨って地球に辿り着いたことが判明する。同時に「アホ」と思われつつも追出仁町の多くの人々から慕われていることも判明。とんちんかんが町の人々の声援を受け抜作を盗みに行くところで物語の幕は閉じる。その後、続編の『ミラクルとんちんかん』では美楽留(みらくる)高校の校長になっていた。 怪盗とんちんかんのリーダーとして活動している時も覆面を付けずに素顔でいるにもかかわらず、なぜか正体を気付かれることはない(そのことは他のとんちんかんのメンバーも劇中で言及している)。 キャラクター人気投票では第1位。 抜作のキャラクターはえんどの高校時代の落書きから生まれたもので、えんどの連載作品『アノアノとんがらし』の「阿呆作(あ ほうさく)」、『死神くん』にもエキストラで登場しており、「コイツを主人公にしたら面白そうだ」と思っていたとのこと。ぬけ子 抜作がカツラをかぶり女装したバージョン。作品中盤以降になると、抜作が天地と出会うとなぜかぬけ子になって天地に襲われ、レイプ寸前までいってしまう。後半にはぬけ子をメインとし、会社を舞台とした本作とはパラレル的なエピソードが描かれている。女子プロレス大会では甘子とタッグを組んだこともある。キャラクター人気投票では第15位。 また、『ミラクルとんちんかん』では瓜二つの姫・ホアード姫が登場している。 中 東風(ちゅん とんぷう) / レッド 声 - 塩沢兼人 誕生日は5月5日。身長165cm、体重51kg(アニメでは身長176cm 体重60kg)、血液型B型。礼院棒中学の学生。転校生で、珍平・甘子と同時期に転入してきた。カンフー(拳法)の使い手。やや長髪。性格は面倒臭がりで短気でもあるが、クラス内では密かに女子に人気が高い。連載が進むにつれ、甘子と相思相愛になる。美術が苦手。家族構成は祖父の存在が明らかになっているが、その他の家族は一切作中に登場しない。拳法の才能は確かだが、調子に乗りやすい性格であり、また達人クラスの実力者には歯が立たない場合が多いなど、心身ともに未熟な面が見られる。怪盗とんちんかん・レッドとしての活動時のコスチュームは、赤い道着風のもの(原作では後にパンツルックスタイルのものに変更)。甘子とは「喧嘩するほど仲がいい」の関係で、連載初期からよく口喧嘩をしており、正式なカップルになってからも口喧嘩は絶えないが、甘子を誰よりも大切に想う気持ちは本物である。甘子が学校のナンバー1美少女の座をかけてコンテストに出場した時には、甘子がわずか1票の差で敗れたが、東風はこの時、甘子が優勝してみんなのアイドルになってしまうのが嫌だという理由でわざと別の女子に投票したことを後に告白している。 発山 珍平(はつやま ちんぺい) / グリン 声 - 金丸淳一 誕生日は1月1日。身長・体重は非公開(背が低いことを気にしているため。アニメでは身長90cm 体重30kg)、血液型O型。礼院棒中学の学生。転校生で、東風・甘子と同時期に転入してきた。他の2人のメンバーと比べて非常に背が低く、腕力も弱いが、IQ200の天才で、ミラクルボックスなど様々な自作のメカを操りメンバーたちをサポートする。しかし、えんどがメカを描くのが苦手なため、なかなか活躍できず、他のメンバーたちはもとより様々なサブキャラクターたちにも出番を奪われていた。その結果、連載中のキャラクター人気投票では第9位であり、後述のどんより雲や近所のノラ犬にさえ負けてショックを受け、以来そのことを非常に気にするようになり、事あるごとに「どうせオイラはどんより雲やノラ犬より人気がないんだ」などと自虐的につぶやいていた。作中、私服姿が全く見られず、いつも学生服と学帽を身に着けている(水着・浴衣はあり、番外作品では学帽を脱いでいることもある)。怪盗とんちんかん・グリンとしての活動時も、紺の学生服風コスチュームである(原作では後にオーバーオールのものに変更)。東風と甘子の仲を応援している。後に怪盗あんぽんたんのメンバー・本田ぽんとカップルになった。家族構成は父・江治損(えじそん)、母・新(しん)、妹・明(あき)。なお、父親によると家族4人のIQの合計は1000以上(うち父親のIQは300)とのことである。他の家族は全員が珍平よりも身長が高いが、珍平と同じく全員が眼鏡をかけている。 白井 甘子(しらい かんこ) / シロン 声 - 日髙のり子 誕生日は6月6日。身長154cm、体重43kg(アニメでは身長162cm 体重51kg)、血液型A型。スリーサイズは「何で私だけそんなこと聞くの?」(本人談)、アニメではB78 W55 H82。礼院棒中学の学生。転校生で、東風・珍平と同時期に転入してきた。緑髪蒼眼。超能力者で、使える能力は念動・読心術(テレパシー)・透視など。念動力はおよそ80kg以上の物は動かせないという弱点がある。また、吸血鬼や魔女、大家のババアなど一部の特殊な力を持つ者には超能力全般が通用しない。しかし怒りが爆発するなどした場合には建物を半壊させるほどの威力を出す。カエルや蛇・ゲジゲジなど、爬虫類・両生類・虫の類が苦手で、猫などの動物が好き。焼き芋が好物。趣味は読書、スポーツ、料理。普段は頭にカチューシャを付けている。怪盗とんちんかん・シロンとして活動時のコスチュームは、オレンジのレオタードにレッグウォーマー(原作では後にスーツ風のものに変更)。コイチの他の作品(例・『死神くん』の「カーテンコール」というエピソード)に時々カメオ出演している。家族構成は父・母・兄だが、父・母は兄・玉夫に「フレンチ甘々」を任せるシーンのみの登場で、その他の詳細は不明。甘子自身も放課後や休日などに店を手伝っている。なお、彼女が超能力者であることはメンバーなど一部の者を除いて秘密であり、家族でさえも知らない模様。
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