対決列島 〜甘いもの国盗り物語〜
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「水曜どうでしょうの企画 (日本国内)」の記事における「対決列島 〜甘いもの国盗り物語〜」の解説
2001年6月13日 - 9月5日放送、全10夜。 DVD第23弾『対決列島 〜甘いもの国盗り物語〜』に収録。 放送時のサブタイトルは『~the battle of sweets~』。 甘味を中心に食には目がない“魔神”こと藤村Dに安田を加えた「チームびっくり人間」と、藤村Dと対照的に甘味が不得意な鈴井に大泉を加えた「ミスターチーム」の2チームによって、日本各地を移動して名物(主に甘いもの)の早食い対決を行う企画。日本列島を1週間に渡って縦断する長期ロケとなったが、企画立案を担当した藤村Dによると「北海道から九州までを車で縦断する」ことがそもそもの原案で、「対決の要素やキャスティング面は後から構築された」「各地の温泉地を回り、夜は温泉に入ることが本当の企画の趣旨であった」ことをDVDの副音声で明かしている。 当番組の企画といえば、内容を何も知らされていない大泉のリアクションを他3人が楽しむ流れだが、通常であれば企画会議の段階から参加している鈴井も今回は完全にシャットアウトされ、一切内容を知らされなかった。このため、安田による企画発表時には鈴井が「(何も知らされない)大泉君の気持ちがよく分かった」と発言した。 放送期間はレギュラー放送で最長全10回に及び、2001年後半の放送は本企画とその罰ゲーム企画、そして5周年記念として行われた「3夜連続深夜バスだけの旅」の3企画のみが放送された。そのため第1夜の前枠では、大泉が「今年後半の『どうでしょう』は、今日の企画発表を見ないとついてこれません」とコメントを行っている。企画で使用されたレンタカーはトヨタ・エスティマ(2代目)。 この企画の前枠・後枠で、TEAM NACSのメンバー全員と鈴井が出演している(第1夜は音尾と鈴井が出演、その後第4夜から安田、第6夜から戸次重幸(当時:佐藤重幸)、第9夜から森崎と徐々に増えていく。大泉は第1夜から出演しているが説明役、最終夜EDでのみほか5人とは違う体操服で登場している)。 チーム ミスターチーム 大将 鈴井貴之 - 酸味系に極端に強く(本人曰く「梅干しなら1壷いける」)、アイス・フルーツ系も比較的強い。反面、アンコ・餅系は極端に苦手。ちなみにこの企画前までダイエット中だった。 副将 大泉洋 - 「桜前線捕獲大作戦」でわんこそばを105杯食べている。嫌いなものはないが、強いものもない一般人。 魔神チーム(チームびっくり人間) 大将 藤村忠寿 - 甘いもの全般、特にアンコ・餅系は極端に強い。その反面アイス系で頭痛が発生することが多く、酸味系は極端に苦手。嗜好面で鈴井のほぼ対極に位置すると言える。 副将 安田顕 - 牛乳早飲みでは他の追随を許さない。大泉曰く、「その昔は早食いで名を馳せた」とのこと。しかし、初戦の北海道では買ったソフトクリームを途中で地面へ落下させて大幅なタイムロスを招き、岩手県ではペースを考えずに牛乳を飲み過ぎて大リバースする など、安田が原因での敗北の危機がしばしばあった。そのため中盤以降は藤村Dがあまり戦力として計算せず、安田が参加しようとすると「何もするな」などと牽制することもあった。 とはいえ、大将藤村の早食いに鈴井・大泉とともに唖然となることも多々あった。 嬉野Dはカメラマンなので不参加。基本は中立の立場を取っているが、ディレクター側の人間であるためか魔神チーム寄りになることがある。 ルール 各地の名物・名産を早食いし、早く食べ終わった方の勝ちとなる。原則として食べ終わったら口から舌を出すか口を開け、食べ終わったことを審判にアピールして初めて勝利が確定する。名産がいくつかある場合、アピールしなければ次の名産を食べられない。 勝利した都道府県の面積がポイント(1km2=1pt) として計算され、より広い領土(ポイント)を獲得した方が勝者となる。通過しない都道府県は“積み残し”とし、最終決戦である鹿児島対決で勝った方が総取りとなる。また、追加ルールとして関東、近畿、四国、九州では地方大会を実施し、各地方で通過した都道府県のポイントが獲得できる。 勝者特典ミスターチームが勝利した場合、次回企画は「ハワイでバカンス」となり、鈴井の称号がミスターからエンペラーに昇格する。 魔神チームが勝利した場合、次回企画は「ユーコン川を1週間テント生活で川下り」となり、藤村Dの称号が魔神から大魔神に昇格する。 対戦結果 主な対戦地対戦地・使用した食べ物ポイントミスターチーム魔神チーム北海道函館市でソフトクリーム3本勝負 83,000 - 青森県アップルクーヘン&気になるりんご対決 - 10,000 秋田県鹿角市内の道の駅「あんとらあ」できりたんぽ1本勝負 - 12,000 岩手県小岩井農場で牛乳早飲み&牛乳まんじゅう対決 15,000 - 宮城県青葉城跡でずんだもちハンデ戦 - 7,000 山形県ラ・フランス羊羹+フルーツゼリー - 9,000 栃木県宿の夕食で出されたデザートのずんだもちにて急遽開催 - 6,000 福島県前日通過したものの未開催のため、早朝{奇襲}ゆべし対決 - 14,000 関東大会川越市内の菓子屋横町で駄菓子対決 18,000 - 長野県宿泊先の下呂温泉の旅館でおやき対決 - 14,000 岐阜県早朝{奇襲}水羊羹対決 - 11,000 愛知県藤村Dの実家の喫茶店で小倉トースト(+ミックスジュース)対決 - 5,000 近畿大会三木市で明石焼き+牛乳対決 - 19,000 岡山県深夜{奇襲}サンフルーツ対決 7,000 - 四国大会讃岐うどん対決 - 19,000 九州大会(除鹿児島県)熊本市のサービスエリアでスイカ対決 28,000 - 鹿児島県+未通過県最終白くま対決 - 97,000 通算成績151,000 223,000 備考 ^ a b 夜明け前の早朝に藤村Dが鈴井に奇襲。 ^ 群馬県+埼玉県+東京都+神奈川県+山梨県を合わせた分のポイントとなっている。 ^ 野沢菜2個・あんこ2個(実際は全てあんこ)計4つのおやきから2つをランダムに選び対決。 ^ 滋賀県+京都府+大阪府+兵庫県を合わせた分のポイントとなっている。 ^ この対決のみ大泉と安田の副将戦。 ^ 深夜に鈴井と大泉が藤村Dに奇襲。 ^ 香川県+愛媛県+高知県+徳島県(ただし徳島県と高知県は通過していないが加算された)を合わせた分のポイントとなっている。 ^ 大分県+福岡県+佐賀県+熊本県+宮崎県を合わせた分のポイントとなっている。 ^ 8枚に切り分けられたスイカを、大泉・安田がジャンケンして4枚ずつ取り合った後に対決。 その他 北海道大会の敗戦でいきなり83000ポイントのリードを奪われ、勝ちに対してポイントが増えずにいたチームびっくり人間だが、初戦から窮地に追い込まれた失地を回復すべく深夜に鈴井の部屋へ「奇襲攻撃」を仕掛け、鈴井が苦手な甘いもので対決を行った(この際の号令は大泉によるもの)。「奇襲」を仕掛けた理由については、副音声において「全部の勝負で勝利すること前提でいたため、焦りを覚えたから」と藤村Dが語っている。岐阜の奇襲では朝早くから「ものすごいスピード」で水羊羹1本を食べ切った藤村Dに、鈴井が「朝っぱらからこんなもの食えるやつおかしいよ」「かえって自慢してるけどテレビに映しちゃいけないことだよ」と訴えかけ、安田は「(藤村Dの)親の顔を見てみたい」とぼやいたが、数時間経たないうちに藤村Dの実家を訪れたため、期せずして実際に顔を見ることになった。 岡山でも同様の方法できびだんご対決を計画していたが、逆にミスターチーム側からの奇襲に遭い、藤村Dの苦手な酸味の強い食材で対決して敗北。手持ちのきびだんごは大泉に没収された。 函館から青森までは津軽海峡線の特急「はつかり」に乗車し、青森からレンタカーを利用している。 秋田県のきりたんぽ対決では、藤村Dが「きりたんぽをスタートと同時に一気に口の中へ押し込み、そのまま飲み込む」という荒技を使った。前述の「焦り」から出た行動の一つだが、これを見た安田・大泉は唖然とし、戦意喪失した鈴井は「翻弄されたもん…」とぼやく一幕があった。大泉も「(中国の)鉄の球を飲むおじさんに近いものがあったよね」「初めて怖いと思ったよ。藤村くんを」とコメントした。 長野県のおやき対決では、外見から中身が判断できない「野沢菜2つ、あんこ2つ」の4つから、鈴井に先行で2つランダムに選ばせるという運絡みの手法が採られたが、藤村Dは大泉に野沢菜入りのおやきを試食させ、実際の対決用としてこれとは別に「4つともあんこのおやき」を用意していた。この用意周到ぶりに騙された鈴井は当然敗北を喫した(この騙し討ちについては安田は気づかなかったようだが、大泉は途中で気づいたようで「途中で言えばよかった」「でもね、(鈴井が騙されて翻弄する姿を)見たくなっちゃった」といっている)。 愛知(名古屋)の対決場所は藤村Dの実家の喫茶店「ラディッシュ」(2014年1月に閉店)だったため、「(これ以上いるのは恥ずかしいから)早く出たい」と嘆く藤村Dをよそに、鈴井の提案により食べ終わったらテレマークではなく「おいしかったよ母さん」とコールすることが急きょ決定。藤村Dは早く平らげたものの、最後は言葉に詰まったあげく「かぁちゃんおいしかったよ」と言わされて対決に勝ちこそしたが撃沈した。この時提供された小倉トーストは定番メニューである普通にトーストに小倉あんを乗せたものだけではなく、藤村Dの好物ということで「小倉あん+生クリーム入り」が特別に提供された。しかし、放送後に番組ファンが小倉トースト目当てに店を訪れるようになり、裏メニューとして定着した。 その後、藤村Dのプライベートや結婚写真を母親に暴露されて鈴井・大泉・安田にいじられる結果となり、車中で「後悔してます僕、今…連れてきたことを。」とぼやく一幕があった。 大泉のセレクトによるカセットテープも車内を盛り上げた。埼玉から岐阜へ向かう道中では松田聖子を再生しながら向かった。さらに岡山から四国へ向かう道中では、途中のサービスエリアで購入した小林旭のカセットテープ「小林旭ベストヒット全曲集 2」を再生しながら向かった。この際、瀬戸大橋を渡り始めるタイミングで「自動車ショー歌(ソニー時代にセルフカバーしたバージョン)」が流れ始め、車窓の景色を映しながら鈴井が「対決列島西日本編テーマソング」と銘打った曲紹介をした後、カセットテープに合わせて大泉が小林旭のモノマネで歌った。なお、「自動車ショー歌」は最終日のエンディングでも使われる事となった。 最終日の白くま対決は750mlのものは夏季限定のためロケ当日には鹿児島空港内に売っておらず、急遽鹿児島市内の「天文館むじゃき」まで買いに行くという予想外の事態となり、飛行機に乗り遅れそうになる(鹿児島空港は鹿児島市内より宮崎県寄りに所在するため、当初の予定では余裕で間に合うはずだった)。また、鹿児島空港から鹿児島市内に向かう途中、電話番号案内・日本道路交通情報センター・天気予報案内に電話を掛けるという、携帯電話によるウェブが発達していない当時ならではの一幕があった。 最終日前夜の宮崎の宿では深夜に大泉が布団の中で試合開始のコールの寝言を叫んだという。なおこのとき大泉は「宮崎決勝戦」と発言したが実際に白くま対決が行われたのは鹿児島空港近くにある西郷公園である。 藤村Dはこの企画の反動で甘いものに飽きてしまい、しばらく体が受け付けなかったそうである。 2004年7月9日に、HTBからこの企画を基にしたタイピングゲーム『水曜どうでしょう対決列島タイピングゲーム』が発売された(現在は販売終了)。 沖縄県はポイント加算が無かった。 九州における車内の会話において後の企画でも大泉と藤村Dのあだ名として使われることが多い「かぶとむし(藤村D)」「すずむし(大泉)」の名称が初登場している。
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