各機種版
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「ハイドライドシリーズ」の記事における「各機種版」の解説
オリジナルの開発にはキャリーラボのBASE-80が使用されている事に加え、製品版ではバイナリパッチによる修正があるため完全なソースコードは存在せず、移植に際しては一部でグラフィックデータの流用こそあったものの各機種の担当者がプログラムは書きなおす形になった。その際、移植の担当者によってハードウェアにあわせた変更や独自の変更が行われている。同様に海外から移植の打診も2件程あったが、ソースコードを理由に話が流れたという。 PC-8801以降 1984年12月13日発売。本作のオリジナルとなる版。BGMはビープ音1声のみで構成されており、処理の間に発声ルーチンを挟む形で演奏される。曲は他の機種と異なり、ゲームスタート時にはジョルジュ・ビゼーの組曲アルルの女に含まれるファランドールから数小節を奏で、ゲーム中は、同じくビゼーのオペラカルメンに含まれる闘牛士の歌からの数小節を繰り返し演奏する。エンディングではカール・マリア・フォン・ウェーバーのオペラ魔弾の射手から狩人の合唱の一部を繰り返し演奏する。 X1シリーズ 1985年1月発売。カセットテープ版と5インチ2Dフロッピーディスク版が発売され、フロッピーディスク版はドライブ仕様の問題から、X1turboIIでは動作しない。X1の持つPCG機能の利用により背景が4方向スクロールになっている他、マップパーツを他機種版の約5倍にあたる256種類保持する事により他機種よりも美しいグラフィックス表現を実現している。PSGによるオリジナルBGMが存在し、そのBGMは他の移植でも採用される形となった。登場キャラクターのうち、ドラゴン、オクトパス、ゴブリンが省略され、ゴブリンの代わりにウィスプが登場する。経験値の設定が変更されレベルがあげやすくなっている他、バラリスも弱くなっているなど全体的に難易度は下げられている。反面、フィールドがスクロール方式になっているため画面切り替えによる敵の回避が出来ないほか、カギの取得やウィスプの強さなど、部分的に難易度が向上している。 PC-6001mkII以降 1985年3月8日発売。画面解像度は低く色も特殊なものの、PSGによる3重和音のBGM再生、ジョイスティック対応、画面高速切り替えなど、PC-8801版よりゲームとしての完成度は高かった。PC-6001mkII以降用のカセットテープ版とPC-6601以降用のフロッピーディスク版、フロッピーディスクのPC-6601SR専用版が発売された。オリジナル以外では内藤自身が手がけた唯一の移植。 MSX カセットテープ版が1985年3月発売、要メインメモリ32KiB。約半年後の11月にROMカセット版が発売されている。64KiBのメモリを前提としたゲームを32KiBに収めるため自己書き換えやデータの圧縮等によりほぼ同内容を実現したほか、空いた部分にメモリセーブ、画面切り替えスクロールなどの処理が実装されている。ユーザーの強い要望によって実現したROMカセット版はメインRAM8KiBの機種での動作を実現し、パスワードを利用したセーブ方式や、5段階の速度調整機能があるほか、テープ版では1色だった妖精も各々に色が付けられることとなった。原作登場キャラクターのうち、オクトパス、ゴブリンが省略され、ブラックアーマーがグリーンアーマーとなっている。 MSX2 1985年7月発売。MSX2の登場とほぼ同時期のリリースだった。VRAM容量に合わせてVRAM64K用(16色)、VRAM128K用(256色)を選択できる。カセットテープ版とフロッピーディスク版が発売された。後に月刊誌MSX・FANの1992年10月号にVRAM128K対応版が若干の変更を伴い収録されており、グラフィックファイルが付録ディスク専用形式で圧縮されていると共に、MSXturboRでは標準モードに切り替わるようになっている。 FM-7シリーズ 1985年4月発売。PSGによるBGMの再生に対応し、FM-7のハードウェア仕様から方向を指定してから5を押下するまでキャラクターは直進し続ける。見た目はほぼオリジナルそのままであるものの難易度は大きく調整されており、安全地帯の存在、経験値の取得タイミングの増加の他、バラリス戦で退路が維持されたままであり不死の薬も何度も取得することが出来る。但し、盾やブルーストーンの入手に必要な敵の討伐数は増やされている。他の機種では削減傾向の登場キャラクターはオリジナルに登場するものはすべて登場するほか、隠れキャラクターも追加されている。 PC-9801U/F以降 1985年9月発売。PC-8801版を完全に再現することを目指しており、10段階の速度調整機能以外に特色を持たない純粋な移植となっている。 MZ-2000/2200/2500用 1985年12月発売。キャリーラボによる移植、並びに販売。PC-8801版にI/O周りのパッチを当て処理を実現しているため、再現性は非常に高い。発売の経緯については、前述の手法によって動作するものが完成した後、打診が事後にT&E SOFTにあったというもの。カセットテープ版で発売され、テープのA面にMZ-2500、2200用のカラー版を、B面にMZ-2000用の「グリーンディスプレイ」版を収録している。グリーンディスプレイ版はグラフィックスRAMの3プレーン目を、カラーディスプレイ版は、テキストVRAMをワークエリアとして利用している。MZ-2500ではMZ-2000モードでの実行が必要。MZ-2520/2861ではMZ-2000モード並びにデータレコーダが削除されたので動作しない。 『ハイドライド 異次元バージョン』 X1turbo(1987年3月発売ブラザー工業) X1では垂直帰線期間にしかできなかったPCGへのアクセスを、水平帰線期間にもできるようになったX1turbo専用にマップを総入れ替えした高速版で、背景からキャラクター描写までグラフィックがかなり異なっている。 『ハイドライド・スペシャル』 ファミリーコンピュータ(1986年3月18日発売 東芝EMI) 「スペシャル」という名称は、すでに発売されていた『ハイドライド2』の要素である魔法などを取り入れたことによる。BGMも『ハイドライド2』のBGMが使われている。パソコン版『ハイドライド』とは基本的に大差がないが、ある条件を満たすと出現する隠しキャラクターは、雑誌の読者公募によるアイデアが採用されており、迷宮シーンなどが簡単になった他、登場する敵キャラクターにやや違いがある。また、ちわきまゆみが歌うハイドライド・スペシャル公式イメージソング『エンジェル・ブルー』もシングルレコードで発売されている。この曲はゲーム中には扱われてはおらず当時放映されていたテレビCMでサビの部分が使用されていた。箱絵は絵本作家、プロモデラーとして知られる松本州平。 PCゲームの人気作品であった『ハイドライド』であったが、ファミコンに移植した本作はファミコンで遊んでいた当時の低年齢層には不親切なゲームシステムであったようであり、何の説明もないまま冒険を続けて行かなければならないのは当時の子供たちには厳しすぎたという評価もある。 なお、1999年3月にT&E SOFTから発売されたプレイステーション用の恋愛パラレルRPG『ソナタ』ではある一定の条件をクリアするとプレイ可能となるおまけゲームとしてこの『ハイドライド・スペシャル』が収録されている。2019年12月13日より、この『ソナタ』に収録されていた『ハイドライド・スペシャル』がゲームアーカイブスにて配信開始。また、2020年5月19日よりプロジェクトEGGにて配信開始。さらに2021年10月12日に本作の海外版タイトルである『ハイドライド』もプロジェクトEGGで配信された。
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PC-8801シリーズ 1985年12月13日発売。基本的にBGMは無く、効果音のみで進行する。タイトル画面、精霊登場時、ラスボス出現、エンディング等のシーンでのみBeep音によりメロディーが流れる。幾つかの英単語についてスペルミスが存在しており、MZ以外の機種では発売時期がずれたこともあり移植時に修正された。V1モード専用のため、V2モードでは表示色がおかしくなる。開発にはキャリーラボのBASE-80が使用されている。 X1シリーズ 1986年2月発売。PSG音源に対応しており、全シーンにBGMが付いている。またPCGを活用し、マップ移動時の処理に瞬時切替とスクロール切替の選択が可能となっている他、マップパーツの書き換えによる川、マグマが流れる処理が追加されている。カセットテープ版とフロッピーディスク版が発売された。 カセットテープ版では、主人公の姿が装備に関係なく常時、剣と鎧と盾が装備された姿になっている。 FM-7シリーズ 1986年2月発売(FM-77版は1986年11月発売)。メインテーマ(タイトル画面)とエンディングテーマの二曲がFM音源に対応。他のBGMはX1版等と同様、PSGで演奏される。FM-7/NEW7用のカセットテープ版とフロッピーディスク版(5"2D)、FM-77以降用のフロッピーディスク版(3.5"2D)が発売された。 カセットテープ版では、主人公の姿が装備の状態に関係なくフェアリーランドでは何も装備せず洋服姿、地下帝国では剣と鎧と盾が装備された姿になっている。敵キャラもいくつか削減・共通化されていて、同じ姿で違う名前になっていたり、主人公の洋服姿と同じものも存在する。 MZ-2000/2200/2500 1986年9月MZ-2000/2200用のフロッピーディスク版(5"2D)と、MZ-2500/V2用のフロッピーディスク版(3.5"2DD)が発売された。前作と同じく移植を行ったのはキャリーラボだが、販売元はT&Eソフトになった。スペルミスの放置や挙動などから、PC-8801版をベースにI/O周りを書き換えることにより移植していると思われるが、地下帝国へのパスワードは異なる他、スタッフロールに移植者の名前が追加されている。MZ-2500版はメディアが3.5インチ2DDである以外は同一であり、MZ-2000モードでの実行が必要。グリーンディスプレイモードも実装されており、起動時に選択出来る。前作同様、MZ-2520/2861では動作しない。 MSX 1986年11月発売。PSG音源に対応。低解像度の都合上、マップ細部が若干変更されている他、X1同様PCGの書き換えによる演出がされている。電池式バッテリーバックアップ方式のROMカセット(1メガROM+SRAM)で発売。ROM容量がぎりぎりだったためかゲームの進捗フラグは厳密な物ではなく、それを利用したアイテム、所持金の増量、本来必要なアイテムを入手せずにクリアする事などが可能になっている。 Windows95/98 1999年11月発売。『ハイドライド3 GoldPack』の中にPC-8801版を再現した物のみが収録されている。
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PC-8801mkIISR以降 1987年11月21日発売。市販ゲームソフトとして初のサウンドボードII対応作品。 画面切り替え時にFDDへのアクセスが行われてもBGMが途切れない特徴は、FDDがインテリジェント型のため、FDDからのデータの読み込みと、ゲームの処理が同時に行われることによって実現したとされる。このため、CPUがデータをPIO転送する機種への移植は困難になった。 拡張RAMに対応し、ディスクキャッシュとして利用でき、PC-8801mkIIMRなど拡張RAM 128KB搭載の場合はFDDへのアクセスが減り、1MB搭載されている場合はオンメモリで動作する。 アナログパレットに対応しており、PCGを持つ機種のみだった画面のスクロール切り替えも実装された。 BGMは、SSGにメインを割り振り、残りのパートが拡張される形でアレンジされているため、OPNA、OPN、SSGと別の音源でありながら大きな違和感を生まない形になっている。サウンドボードIIを使用した場合はパンポットに対応する。 MSX 1987年12月発売。ROMカートリッジ。データ保存先はテープ・PAC(SRAMカートリッジ)に対応。音楽はPSGのみ対応。 副社長の「容量が足りないならしょうがない」という英断で、RPGとしては初の4Mビット大容量ROMが採用された。 ROMカートリッジはデータ転送を伴わず、実メモリ空間にマッピングできる形であるため、移植が実現できたとされる。 MSX1版は画面切り替えスクロールを実装した。 名前入力時、TABやSELECTを押すと「III」や「(ふ)(実際には●に“ふ”)」の字を出すことができる。(ふ)についてはレイドックを参照。 MSX1版でも、その細かなマップパーツにより、比較的奇麗な画面が描画される。MSX1の低解像度で漢字表示を実現した事から、判読が困難な文字もあり、解読表が説明書に添付されていた。 ROMのみではセーブが不可能であり、テープセーブにしても説明書が無いと保存操作が分からない作りとなっている。実際は宿屋でクイックセーブとSRAMセーブが同時に行われるため、電源を入れっぱなしにしてプレイすればゲームオーバー後もセーブ地点からロードが可能。ハイドライド ブロンズパックとして、ハイドライドIIとセットになったパッケージも販売された。 MSX2 1987年12月発売。ROMカートリッジ、データ保存先はテープ・PAC(SRAMカートリッジ)に対応、PSGのみ対応。 MSX1版とは異なり、スクロール切り替えではなく単なる画面切替。MSX2ならではの高解像度モードと16色表示により、PC-8801mkIISR以降版以上に美しいグラフィックを実現している。 オープニングでは2画面切替による擬似32色表示を実現した他、アニメパターンも増え、表現が自然になっている。 X1 1988年7月発売。FM音源に対応。上記の理由によって困難とされた移植であり、当初はDMAの使えるturbo専用で発表された。しかし、BGMルーチン等の工夫により、若干他機種に比べて処理が重いものの最終的にX1でも動作するように移植された。 BGMはOPMに対応しており、音色、パート割りはPC-8801mkIISR以降版と異なりPSGを利用せず、FM音源のみで演奏されるBGMは他の機種よりも丸いイメージを与える。また、FM音源ボードが未搭載の場合、MSXシリーズ同様PSGでBGMが演奏される。 オープニングのアニメーションパターンも88版に比べ追加された。
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