フライブルク講義(1928-1944)
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「マルティン・ハイデッガー」の記事における「フライブルク講義(1928-1944)」の解説
第27巻 哲学入門:フライブルク大学1928/29年冬講義。茅野良男、ヘルムート・グロス 訳 [目次] 第1段落 哲学と学(哲学とは何を意味するか、学の本質への問い、真理と有。不伏蔵態としての真理の根源的本質について、真理―現に有ること―共に・有ること、真理の本質領域と学の本質、学と哲学との区別に寄せて) 第2段落 哲学と世界観(世界観と世界概念、世界観と世界‐の‐中に‐有ること、世界観の問題、哲学と世界観との連関) 第28巻 ドイツ観念論と現代の哲学的問題状況(1929夏) フィヒテ知識学。未邦訳。 第29/30巻 形而上学の根本諸概念:世界-有限性-孤独:フライブルク大学冬講義1929/30年。川原栄峰、セヴェリン・ミュラー訳。1998年 [目次] 予備考察 この講義題目のいわゆる一般的説明から始めてこの講義の使命とその根本姿勢とを述べる(哲学(形而上学)の本質を規定するためのいくつかの回り道と形而上学を直視することの不可避性と哲学(形而上学)の本質における両義性。世界、有限性、単独化についてすべてを含み込むという仕方で問うことを形而上学と呼ぶことの妥当性の理由づけ。「形而上学」という語の起源と歴史) 第1部 われわれの哲学することの一つの根本気分の呼び覚まし(一つの根本気分の呼び覚ましという課題と、われわれの今日の現有の一つの覆蔵された根本気分の暗示。退屈の第一形式=或るものによって退屈させられる。退屈の第二形式=或るものに際して退屈すること、と、それに帰属している暇つぶしの気晴らし ほか) 第2部 深い退屈という根本気分から展開されるべき形而上学的な問いを実際に問う。世界とは何であるか?という問い(深い退屈という根本気分から展開されるべき形而上学的な問い.世界への問いとともに、形而上学的に問うことが始まる。探究の道とそれの諸困難.比較考察の開始 ほか) 第31巻 人間的自由の本質について 1930年夏学期(カント自由論)。斎藤義一 シュラーダー,W.訳 第32巻 ヘーゲル『精神現象学』1930/31年冬学期。藤田正勝 グッツオーニ,A.訳 第33巻 アリストテレス『形而上学9巻1-3』力の本質と現実性について:1931年夏学期。岩田靖夫 天野正幸 他訳、1994年 [目次] 第1編 『形而上学』第9巻第1章―「運動にもとづいて理解された力」の本質の単一性 第2編 『形而上学』第9巻第2章―テュナミスの本質を解明するための、運動ニ即シタデュナミスの区分 第3編 「運動ニ即シタデュナミス(能力)」の現実性 第34巻 真理の本質について:プラトンの洞窟の比喩とテアイテトス 1931/32年冬学期講義。細川亮一 ブフハイム,I.(イーリス) 訳、1995年 [目次] 第1部 アレーテイアの「本質」への目配せ プラトンの『ポリテイア』における洞窟の比喩の解釈(真理生起の四つの段階、善のイデアと非秘蔵性、非真理の本質への問い) 第2部 非真理の本質への問いに関するプラトン『テアイテトス』の解釈(予備考察、テアイテトスの最初の答え、「επιστημη〈知〉はアイステーシスである」の究明開始。知覚の本質の批判的限定、認取することの完全な関連を一歩一歩展開すること ほか) 第35巻 Der Anfang der abendländischen Philosophie (Anaximander und Parmenides) (Sommersemester 1932) 西欧哲学の原初 アナクシマンドロスとパルメニデス。1932夏学期講義。未邦訳。 第36/37巻 Sein und Wahrheit 存在と真理:「哲学の根本的問い」「真理の本質について」1933。未邦訳。 第38巻 言葉の本質への問いとしての論理学:1934年フライブルク夏講義。小林信之、シュテンガー、G 訳 [目次] 序論 論理学の構成と由来と意義、および論理学を動揺させることの必要性 第1部 いっさいの論理学をみちびく基本的な問いとしての言葉の本質への問い(言葉の本質への問い 人間の本質への問い 歴史の本質への問い) 第2部 これまでのいっさいの問いの土台としての根源的時間、そして一連の問いを逆の方向にもう一度問いなおすこと(人間の歴史性は時間への変化した関係に基づいて経験される) 第39巻 ヘルダーリンの讃歌『ゲルマーニエン』と『ライン』1934/35年冬学期。木下康光 トレチアック,H.訳 第40巻 形而上学入門 1935年フライブルク夏講義。岩田靖夫、ブフナー、H. 訳。単行本訳、平凡社 [目次] 第1章 形而上学の根本的な問 第2章 “有”という言葉の文法と語源論(“有”という言葉の文法、“存在”という言葉の語源学) 第3章 有の本質への問 第4章 有の限定(有と生成 有と仮象、有と思考、有と当為、補説 第41巻 物への問い:カントの超越論的原則論に向けて 1935/36年冬学期講義。高山守、クラウス・オピリーク訳 [目次] 準備部 物についての様々な問い方 主要部 物についてのカントの問い方(カントの『純粋理性批判』が置かれている歴史的地盤、カントの主著における物についての問い) 第42巻 シェリング『人間的自由の本質について』1936年フライブルク夏講義。高山守、伊坂青司訳、2011年 [目次] 予備的考察 第一部 自由の体系の可能性について。シェリングの論考の導入部 《自由の体系の思想における内的な葛藤。導入部の導入部 体系構築の原理についての問いとしての汎神論問題。導入の主要部》 ***第二部 自由の体系の基礎づけとしての悪の形而上学。自由論の本論 《悪の内的可能性 悪の現実性の様式》 結語 単行本訳は『シェリング講義』新書館、1999年、木田元、迫田健一訳 第43巻 ニーチェ,芸術としての力への意志。1936/37年冬学期。薗田宗人、セバスティアン・ウンジン訳 [目次] 第1部 力への意志。ニーチェの思索家としての根本的立場の形態、およびその伝統的形而上学からの来歴。(主著の成立と構成。ニーチェの形而上学的根本的立場。ニーチェの意志説) 第2部 芸術と真理。ニーチェの美学とプラトン主義の伝統(ニーチェの生理学的美学の輪郭、ニーチェ美学の構造と基礎づけ、美学と真理への問いの関連、プラトンの芸術哲学、芸術を仮象への意思とするニーチェの規定) 付録(講義とニーチェ全体について,ニーチェについての2つの講義のために。1936・37年冬学期の講義と1937年夏学期の講義との連関、ニーチェ講義への注記) 第44巻 西洋的思考におけるニーチェの形而上学的な根本の立場 フライブルク1937年夏学期講義。菊地恵善、グッツオーニ、A 訳 [目次] 第一部=等しいものの永遠回帰の教説についての、成立、形態、領域に関する暫定的説明(教説の成立を手引きとした、公刊された著作における回帰教説の解釈/その成立を手引きとした、ニーチェの遺稿における回帰教説の解釈/回帰教説の形態と境域の規定) ***第二部=形而上学的な根本の立場の本質と、西洋の哲学の歴史におけるその従来の可能性(形而上学的な根本の立場という概念の注意的な特徴付け/ニーチェの形而上学的な根本の立場の包括的な特徴付け) 第45巻 哲学の根本的問い 論理学精選諸問題 1937/38年冬学期。山本幾生 柴嵜雅子 訳 [目次] 準備部門 哲学の本質と、真理への問い(哲学の本質への予示、根本的問いとしての真理への問い) 主要部門 真理の問いに関する原則的なこと(歴史的省察としての、真理の本質への根本的問い、本質の真理〈本質性〉への問い、本質把捉の基礎づけとしての、根拠の根拠づけ 真理の歴史の始元からの、真理の本質への問いの必須性、最初の始元の窮境と必須性、並びに別様に問い始元することの窮境と必須性)補遺 第46巻 ニーチェ 反時代的考察第二編 (1938/39冬) 未邦訳。 第47巻 認識としての力への意思についての教説 (1939夏) 未邦訳。 第48巻 ニーチェ ヨーロッパのニヒリズム 1940年第二学期講義。薗田宗人、ハンス・ブロッカルト訳。1999年 [目次] 序論 主標題と、ニーチェ形而上学の歴史的要請をまず提示する 第1部 力への意志の形而上学における価値思想と、西洋歴史の根本的出来事たるニヒリズムの隠れた本質 第2部 価値思想の淵源への問い―有るものへの人間の関係を見やって、形而上学をより根源的に理解しようとする立場から 第3部 主体性の優位およびその展開の隠された根拠である真理と有の本質変移。価値思想から思惟された主観性の形而上学、ニーチェの力への意志の形而上学が、西洋形而上学の完成であること 結尾 有と有るものとの忘却された区別づけと、形而上学としての西洋哲学の終焉 第49巻 ドイツ観念論の形而上学(シェリング) 1941年フライブルク講義。菅原潤、ゲオルグ・シュテンガー訳。2010年 [目次] 緒論=歴史的思索の必然性 第一部=根拠と実存の研究に関する予備考察(根拠と実存の概念史的解明/シェリングによる根拠と実存の区別の起源/シェリングによる根拠と実存の区別の内的必然性/シェリングによる根拠と実存の区別の様々な把捉) 第二部=根拠と実存の研究の解明の核心部の解釈(神から出発する考察/事物から出発する考察/人間から出発する考察/洞察)解釈の復習と進行 補遺 第50巻 ニーチェの形而上学・哲学入門―思索と詩作:フライブルク大学1941/42年冬の未講義草稿と1944-45年冬学期、最後の講義。秋富克哉、神尾和寿、ハンス=ミヒャエル シュパイアー訳 [目次] ニーチェの形而上学―1941/42年冬学期講義(ニーチェの形而上学の五つの根本語の内的統一を形而上学一般の本質から省慮すること、ニーチェの形而上学の五つの根本語、ニーチェの形而上学に対する覚え書き) 哲学入門―思索と詩作・1944/45年冬学期講義(哲学入門―思索と詩作―講義のための考察) 遺産管理人の解説文(ファクシミリの転写) 第51巻 根本諸概念 1941年夏学期。角忍 ヴァインマイアー,E. 訳 第52巻 ヘルダーリンの讃歌『回想』1941/42年冬。三木正之 トレチアック,H. 訳 第53巻 ヘルダーリンの讃歌『イスター』1942年夏。三木正之 ヴァインマイアー,E. 訳 第54巻 パルメニデス。1942/43年冬。北嶋美雪、湯本和夫、アルフレド・グッツオーニ 訳。1999年 [目次] 序論 アレーテイアという名ならびに語とその反対本質への準備的省察。翻訳をする、アレーテイアという語が与える二つの指示(「真理」という女神。パルメニデス断片1、二二‐三二行) 第1部 翻訳をする、アレーテイアという語が与える第三の指示。アレーテイアとレーテー(忘却)との対立に関する有の歴史的な領域(真理の本質ならびにその反対本質の変遷についての最初の省察、アレーテイアの変遷ならびにその反対本質の変遷の解明(真理、確実性、正当性、正シサ、真理、正当性―レーテー 忘却、プセウドス 偽り、虚偽、正しくないこと、虚偽) ほか) 第2部 翻訳をする、アレーテイアという語の第四の指示。有の開けの開けた処ならびに有の自由な開けた場所。「真理」という女神(露‐現の、より充実した意味。主観性への移行。第四の指示―開けた処、自由な開けた場所。西洋におけるアレーテイアの生起。開けた処の地盤のなさ。人間の疎外、テアー(女神)―アレーテイア。有によって開かれた開けた処のうちへ、有が入り込んで観ること。パルメニデスの語への指示が指し示すもの アレーテイアという女神の館への思索家の旅と、元初に寄せる思索家の思考。西洋の言い表わしの元初を言うこと) 第55巻 ヘラクレイトス (1943年-1944年夏)。辻村誠三 岡田道程 訳 [目次] 西洋的思索の元初―ヘラクレイトス(予備考察 思索さるべきものを本来的に思索することとしての哲学。「西洋的」思索の元初について 序論 元初的なものと語とに関する予備的省察 主要部 有の真性 論理学―ロゴスについてのヘラクレイトスの教説(論理学、その名称とその事柄、根源的ロゴスの欠在と接近の道、論理学の根源的方面への遡行)
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