アストラル関係者
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/21 01:40 UTC 版)
以下は以前は所属していた、あるいは所属の有無が定かではない人物。 伊庭 司(いば つかさ) 「アストラル」創業者で初代社長。最後の妖精博士であり、一部の人間から「魔法を使わない魔法使い」と呼ばれている。人好きで自由奔放かつ軽薄な性格で、隻蓮からは「見た目は礼儀正しい」と言われるなどしているが責任感が非情に強くその性格の一端は息子であるいつきにも受け継がれている。新入社員だった猫屋敷をからかうためにその当時大変高価であったパソコンをアストラルに導入し、ホームページを開設しようとするほど。普段は仕事をせずスーパーファミコンやゲームボーイ、パズル雑誌などの一人遊びを熱心に行ったり、線路模型を会社に広げて遊んでいた。「道化師と騎士が混在しているな性格」と評されるように常に忙しく立ち回っている。先代「アストラル」が発足から十年足らずでBBBランクにまで登り詰めたのは「アストラル」に所属する魔法使いたちの優秀さと司自身の水際だった手腕による部分が大きい。その能力の優秀さは「協会」が把握出来無い問題を掴み、「アストラル」の仕事とし表面的な解決だけでなく根本にある問題を撃滅・駆逐するからであるらしい。大変羽振りが良いそうで、時には億単位で金を使用する。20年以上前にプラハの錬金術通りで部品が失われて朽ちかけていたユーダイクスを見つけ、明らかにふっかけられた高額な代金にもかかわらず喜んで購入。その後、3年以上の時間をかけて世界中に散逸した彼の部品を自らの手で集め、設計図を手に入れて完全に修復。いつきの父で7年前に行方不明になったままである。長らく登場していなかったが第三部にて登場。現在はある南アジアの山脈で、時が止まったかのように眠りについている。 魔法使いの家系でない普通の人間であるために魔法を一切使うことが出来ない。代わりに、魔術ひとつひとつの効用や術式をパターン化し、組み立てた対魔法用理論を用いて味方に鋭い迎撃指示を出すことができる。精度は「妖精眼」に匹敵するほどであり、異名「妖精博士」の所以でもある。指示をする時は眼鏡を外す。掛け声は、妖精眼が開いたいつきと同じ「社長命令だ」。その精度は対峙した魔法使いが「妖精眼」と勘違いするほどであるが、影崎によると当てずっぽうで8割方勘であるらしい。 12年前に布留部市にて「螺旋なる蛇(オピオン)」と「竜」を巡って戦うことになり、それがきっかけで今の場所に事務所を移転した。普通の魔法使いなら思いつかない彼らの目的を看破し、その魔法使いらしからぬ思想は「螺旋なる蛇」からも恐れられるほど。12年前の戦いの顛末について「いつか今日の夜のことを後悔するかもしれない」とこぼした。 いつきを遥かに超える五行拳の使い手でもある。しかし、本人曰く「一発芸」。いつきの戦闘スタイルは彼に酷似している。身体能力は普通の人間と変わらず、霊視能力も霊体の黒羽が見える程度であるがその部分を技術で補っており、その技術はオルトヴィーンの攻撃や黒羽のポルターガイストを躱してしまうほど。 『白の魔法使い』の最後で隻蓮に発見され、約二ヵ月後経過した『魔法使いの思い出』の舞台である倫敦で9年ぶりに目覚めた。現在は長い間眠っていた身体の運動機能を取り戻すためにリハビリ中。その性格は眠りに付く前と変わらない様子を見せ、何らかの思惑を抱きつつ『舞台に上がる』ことを宣言する。『協会』の副代表であるダリウス・レヴィとは旧知の間柄であるらしい(業務日誌より) 『騒乱の魔法使いたち』では『大魔術決闘』中の布留部市に来訪し、竜蓮寺で『紅い種』を回収しようとしていたオルトヴィーン達の元を訪れ手練の魔法使いであるはずの『アストラル』社員達を翻弄。そのまま『紅い種』を持ち去ろうとするが、やってきたいつきと再会。いつきのどのような状況においても冷静であろうとする思考を賞賛し、彼の目論見と人間性を見抜き『人に自分の考えを無理強いすることができない人間』と述べて動揺している隙に隻蓮に任せて去った。その後ダリウスに『紅い種』と一緒に『協会』に捕縛された。冷静ぶっていたが10年でのいつきの豹変ぶりに驚いたようで、ニグレドの前で息子が成長していたことについて動揺していた。いつきとは違う方法で「魔法使いが幸せになる」方法を考えている。「紅い種」を使用することで、ニグレドやタブラ・ラサに続く「アストラル」に第3の霊的象徴を作り、「アストラル」を新たな監視機構に据えるのが目的で会った。「死線の魔法使いたち」では「アストラル」を解散し消息を絶っていた理由が明かされた。司が消息を絶っていた理由は「幽霊屋敷」で起きた出来事で命を失いかけたいつきと穂波を助けるために自分の全てを投げ打った柏原を救うため。そのために自身の夢であった「アストラル」を設立し「魔法使いがまっとうに幸せになってもいい」という夢と第三団を作り「アストラル」を第三の監視機構にする未来を諦めている。ヘイゼルから教わった「非想非非想」を修得するためと、ダリウスが影崎(柏原)と結んだ最後の契約を使用するタイミングを待つ必要があったためであった。自分が目覚めなかった保険として自身の『源書』に第三団の作り方を記している。 司自身は非常に才能に溢れた人間で大抵の事柄をそつなくこなす、いわゆる「天才」に当たる人間であるが、逆にそのことに虚しさを感じていた。故に人生に対して熱くなれない一面があったらしいが、ある時「魔女の中の魔女」と呼称されていたヘイゼルと彼女を追っていた影崎と出会い、「魔法」の存在を知る。その存在は衝撃的だったらしく「人型の嵐」と呼称している。何とかして自分も魔法を使おうと調べ尽くしたが、魔法使いの血筋でない自分では魔術を使用出来ないという事実だけが残った。しかし、それでも「自分には出来ない事がある」という結果が自身の人生に情熱を与え、魔法に対して憧れを持つようになり魔法使いの為に何かをしたいと「アストラル」という結社を作るに至っている。一般の魔法使いよりも魔法に精通していたためにヘイゼルから教わった「非想非非想」を実行して影崎(柏原)を救うことを決意させてしまった。先代社員達やいつき達の援護を受けながら「非想非非想」の状態で呪力の塊である巨人に突入。同じく羽化登仙で呪力の塊となったサタジットの妨害を受けるが持っていた「紅い種」を使用して自身の霊体に刻んでいたあらゆる術式を発動させ、消えかけている影崎を救おうとする。しかし後少しで阻まれてしまい、最終的に突入してきたまなみの声を受けてヘイゼルから託された術式によって影崎の存在を救い出し、柏原として助けだしている。その代償は凄まじく半病人状態となっているが、相変わらず軽口を叩いている。本人によると「アストラル」を解散し失踪してから最初の三年間は自身の霊体にあらゆる術式を刻んで回り、残りの9年は霊体の回復と「非想非非想」を体得するために費やしていたらしい。その後布瑠部市に散らばる魔法使いに指示を行い、飛行船に向かったいつきを援護している。「大魔術決闘」終了後はいつきと会話を行い彼に「アストラル」を託し、再び行方を眩ませているがまなみによると自らの霊体の修復と未だ不調の柏原と共に霊地を巡る旅に出ている。「未来の魔法使い」においても旅を続けており、旅の先でディアナと出会う。 ユーダイクス・トロイデ 声 - 安元洋貴 「アストラル」創業者の一人で元取締役。赤髪で彫りの深い顔立ち。2メートル近い巨体に純白のインバネスをまとった錬金術師。いつきの父・司が「アストラル」を設立する際に共に参加したが、司が失踪後は最初に脱退した。「アストラル」の経営権の2割を保有していた。司への忠誠心から『世界最高の猟犬』と揶揄され、彼の下した命令なら躊躇なく実行すると言われるほど。 人間ではなく、伊庭司に拾われた機械人形(オートマタ)。司が失踪した後は「アストラル」を抜けて司の跡を追おうと研究を進める。錬金術師の事件では、いつきから「アストラル」を取り戻すために「アストラル」の現メンバーと魔術決闘をする。三回の決闘の中でいつきと現在の「アストラル」の在り方を認めたのか敗北を認めた。その後、ラピスと共にエジプトへ向かった。彼の保有する2割の経営権は後にアディリシアに引き継がれることになる。「アストラル」が「協会」の審査を受けるために向かった先、ロンドンで発生した「螺旋なる蛇(オピオン)」による襲撃事件で物語へ再び登場。いつきの眼帯の材料を手にいれるために「螺旋なる蛇」の魔法使いと魔術決闘を行うが敗北。その際に自分自身の身体を勝利の品として賭けていたために身体を奪われてしまうが、ラピスの機転で辛うじて首だけが残った。奪われた身体は「螺旋なる蛇」の「礎」によって利用されてしまう。いつきたちとの戦いの後、何かが変わったようで『作品』であるラピスのことを気にかけたり、いつきから隻蓮の名を聞いて溜息をつくなどといった人間らしい感情を見せるようになった。 いつきの眼帯の製作に関わった3人のうちの1人。幼い頃の穂波にいつきがいずれ穢れた「妖精眼」により喰われると予言し、ある意味で彼女が「一番の魔法使い」になるというキッカケを作った人物とも言える。「襲撃事件」後に「協会」から拘留される。いつきたちに12年前の先代「アストラル」と「螺旋なる蛇」の戦いの顛末を話した。第三部では「協会」の監視下にあるが自分の工房に篭っており、いつきの妖精眼を抑制するコンタクトレンズを作成する。『白の魔法使い』では「協会」の会議に出席するためにGWを利用して渡英してきたいつきと再会。いつきに対して「血が繋がっていなくても司の息子」だとも取れる発言をしている。大英博物館に集結した「協会」と「螺旋なる蛇」が互いの切り札を出し膠着状態に陥っている最中にアディリシアに連れられて登場。両者の切り札を無効化する術式を発動し、戦闘を一旦収拾させた。『騒乱の魔法使いたち』ではいつきの動向を監視していた穂波と猫屋敷と接触。二人を連れてかつていつきの妖精眼が「紅い種」を写しとった「幽霊屋敷」に案内し、自分が司の陣営に加わることと12年前の事件の顛末を語る。その際に穂波からラピスのことを尋ねられた時は既にラピスが自分の所有物でなく、一個の独立した存在であると告げてそのまま去った。「死線の魔法使いたち」では司のことを「主人」と呼んだ。 「大魔術決闘」では先代「アストラル」の社員たちと共に司の援護を行なっている。その後司の指示でかつて「アストラル」事務所を半壊させた「トートの槍」を発動させ、光の道を作り出し速射砲の如くいつき達を飛行船まで送り届けた。「大魔術決闘」終了後は旅に出た司の後を追って行った模様。 「未来の魔法使い」においてはロンドンの工房に滞在しており、猫屋敷の訪問を受けもてなしている。その際司の動向を訪ねていたため司の動向は把握していない模様。 柏原 代介(かしわら だいすけ) 「アストラル」創業時に初代社長である司に誘われて「アストラル」へ参加した。どこかオドオドとした口調で喋るお人好しそうな表情の男だが、時折全ての感情を消した無感情ともいえる表情を見せることがある。着古したダークスーツを着用した魔法使い。道術を使う。当時の「アストラル」にいた理由は「司の傍なら魔法使いでいることが面白いかもしれない」から。その後本編開始前の10年前に「幽霊屋敷」の事件が起こり、命を失いかけていたいつきと穂波を救けるために「天仙」となる「羽化登仙」を行い二人を救うことに成功するがその代償として世界に溶け込んでしまう。その後ダリウス・レヴィの手によって「契約」の力で無理矢理地上に縛り付けられて彼の部下として働くことになった。変わり果てた影崎としての姿が司に救うことへの後押しとなった模様。その後の経緯は影崎の項を参照。 「最後の魔法使いたち」ではダリウスが執行した最後の契約によって天仙となり、巨大な呪力の塊となり同じく羽化登仙をしたサタジットとぶつかり合う。しかし、「非想非非想」を体得した司が呪力の塊となった自分の中に入り込んできてしまう。司が「紅い種」に刻まれたあらゆる術式を行使するが、ほとんど成果がなくこのまま終わりかと思いきやいつき達の援護を受けたまなみの声によって覚醒。ヘイゼルが用意していた「世界に溶け込んだ個性を検索し収集し再構築する」術式を司によって打ち込まれ、呪力の大半を失ってしまっているが復活を遂げた。そして「柏原」として復活を果たし、12年振りに司と会話を行った。その際にかつて被っていたソフト帽を再び被っている。その後まなみに連れられて最後の戦いの場に赴き、ダリウスに「退職金」代わりとして「大魔術決闘」における「協会」の権利を「アストラル」に譲渡するように提案した。「大魔術決闘」決闘後は司の霊体修復と自身の不調の回復を行うために霊地を巡る旅に出たようで話をしたまなみによると1 - 2年で戻るらしい。「未来の魔法使い」において司、まなみと同じく旅を続けている。その時の呼び名は再び「影崎」に戻っている。 正体は「協会」所属の「魔法使いを罰する魔法使い」である影崎。
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