量 量の概要

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/09/20 01:39 UTC 版)

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概説

まずは各リファレンスで量についてどのように説明しているか解説する。

  • 広辞苑では、測定の対象となる、ものの大・小や多・小[1]、としている。
  • [誰?]大きさを持ち、計測したり大小を比較したりできるもののこと[要出典]」としている。
  • JIS Z8000規格群では、量(: quantity)とは「数と計量参照(: reference)との組合せとして表すことができる大きさ(: magunitude)をもつ、現象、物体又は物質の性質」であると定義されている[2]
    • JIS Z8103では、「現象、物体又は物質の持つ属性で、定性的に区別でき、かつ、定量的に決定できるもの」であると定義されている[3]

計量標準総合センター 国際計量室の用語集では、「測定可能な量」とは「現象、物体または物質の属性であり、その属性は大きさを持ち、その大きさを数値および計量参照(: reference)として表せるもの」であると説明されている[4]

「量より質」の表現のように、「量」(: quantity、クオンティティ)の対比的概念としては「」(: quality、クオリティ)が挙げられる[1][注 1]。また「定量的(研究) / 定性的(研究)」という対比もある[注 2]

ほとんどの文書では特に断らない限りは量は実数値(自然数値のみのときも含む)を取るスカラー量である。本項目の以下の記載でも単に量と言えばスカラー量とする。

量と数

(測定できる量は)(すう)と単位(または単位に準ずるもの)のの形式で表せる。

対応する数の種類で量が分類されることもある。個数貨幣のように分割できない最小量が存在する量は、「離散量」または「分離量」と呼ばれる。整数に対応している。一方、最小量(最小単位)がない量は「連続量」と呼ばれ、これは実数に対応する[注 3]。離散量と連続量はそれぞれ、デジタル量およびアナログ量とも呼ばれる。 離散量と似た言葉で可算量という言葉も使われる。ただし、数学における可算集合とは自然数と1対1に対応する集合のことであり、有理数は可算集合である。有理数は稠密集合なので、有理数で表した量が離散量とは言えない。有理数のみに対応する量の例はほとんどないが、多くの場合に量の値は有限桁数の小数、すなわち有理数の一部で表されている。しかしこれは通常は、実数値である真の値の近似値と見なされる。

単位(または単位に準ずるもの)によりその量の具体的種類の範囲が示される。物品、人員、服、紙、本などの可算量を数える助数詞の「個(こ)」「人(にん)」「着(ちゃく)」「枚」「冊」などは単位ではなくて「単位に準ずるもの」と見なされる[5][注 4]

統計学と尺度

統計学ではデータを示す変数を、名義尺度順序尺度間隔尺度比率尺度(比例尺度)、の4つの尺度水準として分類している。この中で、名義尺度は定性的な値、そのほかの量は定量的な値に区分される。[6]

量体系

量体系(りょうたいけい、: system of quantities)とは、量を関係付ける矛盾のない方程式の集合を併せ持つ量の集合である[2]。量体系には相互に矛盾がなければ異なる表現方法が存在してよく、どの方法を用いるかは、あくまで取り決めによって合意される[2]。任意の量体系における量の間の数学的関係は量方程式(りょうほうていしき、: quantity equation)と呼ばれる。

物理科学の全域に亘ってほぼ普遍的に受け入れられている量体系として国際量体系(ISQ)がある。

基本量と組立量

基本量(きほんりょう、: base quantity)とは、慣習的に選択された任意の量体系の部分集合に含まれる量であって、その部分集合の中のいずれの量も、その部分集合の他の量では表現できないものである[2]

組立量(くみたてりょう、: derived quantity)とは、ある量体系の中で、その体系の基本量によって定義される量である[2]

どの量をいくつ基本量とみなすかは、選択の問題である。また、組立量を定義するためにどの方程式を使用するかも、選択の問題である。

量の値

量の値: quantity value, value of a quantity)、あるいは単に: value)とは、量の大きさを表現する数と計量参照との組み合わせである[2]。計量参照を除いた量の値の数を量の数値: numerical quantity value, numerical value of a quantity)、あるいは単に数値: numerical value)と呼ばれる[2]

量方程式は測定単位の選び方に依らないが、特定の測定単位を用いた場合の数量値の間の数学的関係は数値方程式(すうちほうていしき、: numerical value equation)あるいは数量値方程式(すうりょうちほうていしき、)と呼ばれる[2]


  1. ^ この「質」は、あえて言えば「品質」の「質」である。
  2. ^ [誰?]性質というものも、複数の「量」を組み合わせて総合的に判断したものと見ることもできる。[要出典]
  3. ^ 領域ごと、学問分野ごとに、扱うのは離散量が多いか、連続量が多いか、異なっている。
  4. ^ なお、量同士の演算においては、これら助数詞も離散量の単位と見なして式の変形などにおいて単位と同様に扱うことが可能である。
  5. ^ [誰?]"一定の体系の下で"とは実際上は国際単位系の下でということであり[要出典]"次元が確定し"とは基本量およびその組立量である[要出典]解釈できる。これは複数の物理的条件により変動するため測定条件を約束事として定義する工業量との区別を意識した定義であろう。[要出典]」 また"定められ単位の倍数として表すことができる"ということは比例尺度または間隔尺度だと言うことであり、例えば順序尺度でしかないモース硬度JIS-Z8103の定義では物理量とは言えない。
  6. ^ この物理量の定義は、心理量と比較すれば、測定者によらない物理現象や物質固有の属性であるという点に特徴を見た定義だと言える。[要出典]」心理量は「心理的要素によって評価される量」とされ、測定対象の物理現象や物質が同じでも測定者が異なれば異なりうる量である。
  7. ^ [誰?]感覚量は、感覚を生ずる物理化学的刺激の強さとほぼ相関している[要出典] [要検証]」と考えている。
  8. ^ [いつ?] [誰?]物理的実体はなく、物理量ではないと言える。[要出典]」と言った人がいる? 「ただし「コインの数」「紙幣の枚数」などは物理量であるとも言える。」とも。
  9. ^ [誰?]は「人為的に定められた量で物理的実体はなく、物理量ではないと言える。[要出典]」とコメントした。
  1. ^ a b 広辞苑第六版「りょう【量】」
  2. ^ a b c d e f g h i j JIS Z8000-1 量及び単位-第1部:一般
  3. ^ a b c d JIS Z8103 計測用語
  4. ^ 計量標準総合センター 国際計量室 ホームページ用語集
  5. ^ a b 二村隆夫『丸善 単位の辞典』丸善、2002年3月
  6. ^ Stevens, S. S. (1946). “On the Theory of Scales of Measurement”. Science 103 (2684): 677–680. Bibcode1946Sci...103..677S. doi:10.1126/science.103.2684.677. PMID 17750512. http://www.sciencemag.org/cgi/rapidpdf/103/2684/677. 
  7. ^ 長倉三郎、他(編)『岩波理化学辞典-第5版』岩波書店、1998年2月
  8. ^ a b c d e f g h i j k l ブリタニカ百科事典
  9. ^ NIST Guide to the SI 8 いくつかの量とその単位についての注
  10. ^ 「IUPAC 物理化学で用いられる量・単位・記号 第3版 日本化学会監修 産業技術総合研究所計量標準総合センター訳]
  11. ^ a b c 遠山啓(Toyama, Hiraku)『遠山啓著作集数学教育論シリーズ(6)量とはなにか』太郎次郎社、1981年7月,p16,69
  12. ^ a b 銀林浩『量の世界-構造主義的分析-』むぎ書房、1986年
  13. ^ 星田直彦『単位171の新知識』講談社ブルーバックス、2005年 ISBN 4-06-257484-5






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