位相空間_(物理学)とは? わかりやすく解説

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位相空間 (物理学)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/12/31 00:15 UTC 版)

位相空間

物理学における位相空間(いそうくうかん、: phase space)とは、力学系の位置運動量座標(直交軸)とする空間のことである。数学における位相空間topological space)と区別するために、相空間と呼ぶ流儀もある。

ハミルトン形式においては位置と運動量が力学変数となり、力学変数の関数として表される物理量は位相空間上の関数となる。

1個の質点の運動の状態は、その位置と運動量を指定することで定まる。d-次元空間における運動では、位置と運動量がそれぞれ d 成分あり、合わせて 2d 成分となる。これらを座標とする 2d 次元の空間が位相空間である。1個の質点の運動の状態は位相空間上の1個の点として表現され、これは状態点と呼ばれる。運動方程式に従って位置と運動量は時間変化し、時間の経過とともに状態点は1本の軌跡を描く。

d-次元空間を運動する N 個の質点系の運動の状態は 2d 次元位相空間上の N 個の状態点の分布として表現され、時間とともにその分布が変化する。

質点系は上記の分布による表現だけではなく、N 個の質点の各々の位置と運動量のすべてを座標とする 2Nd-次元の位相空間を考えることができる。質点系の運動の状態はこの 2Nd-次元空間上の1個の状態点として表現され、時間の経過とともに1本の軌跡を描く。前者の 2d-次元の位相空間は μ-空間、後者の 2Nd-次元の位相空間は Γ-空間と呼ばれる。

一次元調和振動子の例

1次元で粒子が1つなので位相空間は2次元の平面となり、粒子の位置を x、運動量を p とすると、位相空間上の点は (x,p) であらわされる。

ばね定数をk として、ハミルトニアン


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