術語とは? わかりやすく解説

じゅつ‐ご【術語】

読み方:じゅつご

学問・技術などの専門分野で、特に限定された意味で用いられる語。専門用語学術語。テクニカルターム


学術用語

(術語 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/12/28 01:20 UTC 版)

学術用語(がくじゅつようご、: terminology)は、学問に関する事柄を記述するための用語のこと。専門用語の一種。しばしば術語(じゅつご)と略される。

一般の言葉と比較して、定義のはっきりしていることが求められる。議論を進めるにあたって、事柄の意味自体にずれがあっては結論が導けないからである。結果として学術用語は、一般で使われる場合よりも意味の範囲が狭いことが多く、何らかの定義がなされている。用語によっては、一般で使われる場合と意味が違っているものもある。

経時的な意味の変化を防ぐため、ラテン語ギリシア語など変化の少ない言語を利用することも多い。

一般と意味にずれがある学術用語

法律用語

  • 権利 - 一般に、法的な根拠と関係なく他人になんらかの要求ができるという意味で使われることがあるが、法律用語としては正確ではない。
  • 公共の福祉 - 社会全体の利益を指す訳ではない。
  • 検閲 - 定義につき争いがあるが、判例によれば検閲の主体は行政権に限られ、また事後審査は含まれない。
  • 死刑囚 - 死刑が執行された人物を指す。
  • 善意悪意- 事実やその事情を、知らないか・知っているかを指す。
  • 果実 - 植物の「実」に限らない。
  • 条件期限 - 少なくとも法律行為の効力が関係していなければいけない。
  • 時効 - 一般的に、ある程度時間が経過して過去の行為の意味がなくなることをさすが、法律用語としては正確ではない。民事上の時効と刑事上の時効とがある。
  • 代理 - 本人に代わって他人が法律行為をすることをさす。事実行為をすることは代理ではない(準委任)。
  • 取消 - 解除とは区別される。
  • 相殺
  • 混同 - ものを勘違いすることではない。
  • 事務管理 - デスクワークではない。
  • 認知 - 何かを覚知し理解することではない。
  • 罰金 - 刑罰の一種であり、反則金違約金とは区別される。
  • 故意過失 - 両者の具体的な内容・区別、および体系的地位については争いがある。
  • 緊急避難- 安全な場所への移動を意味するわけではない。
  • 確信犯 - 悪いことだと知りつつ実際に悪行をした者をさすわけではない。
  • わいせつ(猥褻)
  • 強姦 - 男性器の女性器に対する挿入が無い限り、いかに暴力的な姦淫も強姦ではない。
  • 賄賂賄賂罪) - たんなるリベート(金銭)をさすわけではない。少なくとも公務員という地位が関係している必要がある。
    • 法改正により、私企業の取締役等についても贈収賄が成立するようになった(会社法第967条)。
  • 殺人 - 故意がなければ殺人ではない。
  • 暴行 - 強姦は含まれない。
  • 誘拐 - 欺罔や誘惑を手段として、他人の身体を自己の実力支配内に移すことをさす。暴行や脅迫を手段とした場合は含まれない(略取罪
  • 業務 - 職務のことではない。刑事法では、娯楽も業務に含まれる。業務上過失致死罪を参照。
  • 詐欺 - 一般的には、単に他人を欺くことを詐欺と呼ぶことがあるが、それだけでは民事上も刑事上も詐欺は成立しない。
  • 社員 - 社団法人の構成員のことであり、従業員やサラリーマンをさすわけではない。
  • 資本金
  • 著作者著作権者 - 両者は基本的には同一だが、著作権の譲渡相続などにより分離することがある。
  • 裁判 - 裁判所が下す判断のことであって、訴訟手続の全体を指すのではない。
  • 事件 - 裁判所に訴訟手続が係属している場合など、具体的に問題となっている事柄のみをいう。
  • 被告被告人 - 被告という呼称は民事訴訟行政事件訴訟においてのみ使用され、被告人という呼称は刑事訴訟においてのみ使用される。
  • 当事者 - 民事訴訟では原告と被告のみを指す。それ以外の当事者は訴外と呼ばれる。原告・被告・訴外の総称は関係者である。
  • 緊急逮捕 - 捜査機関は、緊急性のみを要件として被疑者逮捕することはできない。
  • 未必の故意

哲学用語

  • 要請 - 要求ではない。
  • 疎外 - ヘーゲル哲学およびマルクス経済学では、単に除外されているだけでは疎外とは呼ばない。
  • 理性 - ヘーゲル哲学では、真理を洞察できる優れた知性という意味。一般的な意味での理性は悟性と呼ぶ。
  • 契機 - きっかけではない。ヘーゲル哲学では、全体を構成する有機的な諸部分のこと。
  • 搾取 - マルクス哲学では、生産手段の所有者が生産階級から生産物の利潤を無償で取得すること。

その他

意味は同じだが表記が異なる学術用語

ターミノロジー

以上に挙げた「ずれ」や表記揺れなどの問題は、その用語をもちいる業界全体、分野全体、あるいは社会全体に混乱をもたらす。したがって、そのような混乱を取り除く作業が必要になる。つまり例えば、問題のある用語を改定したり、表記や定義命名方法を規格化(標準化正規化)したり、共起語や連想語による誤解の恐れを予測したり、問題が生じた原因(用語の成立過程や翻訳の歴史)を調査したりする作業、いわば「学術用語学」(術語学・用語学・専門用語学)が必要になる。英語の「terminology」という単語には、そのような「学術用語学」という意味もある。「学術用語学」は、日本語では「ターミノロジー」または「ターミノロジー学」というカタカナ表記で言及される。[1][2][3][4]

ターミノロジーは、辞書学の隣接分野にあたり、言語学情報学翻訳学などの諸分野によって学際的に研究される。関連する概念にサイエンスコミュニケーションがある。ターミノロジーの創始者・先駆者として、「ウィーン学派」のオイゲン・ヴュスター英語版がいる[4]。具体的な改善作業は、各分野の専門家によって実行される。(例えば、日本遺伝学会による「優性」→「顕性」など)

なお、「ターミノロジー」という言葉には、以上の内容と関連して「用語集」「用語体系」「用語規格」という意味もある。例えば、サッカー用語の「ターミノロジー」はそのような意味をさす。

脚注

  1. ^ 岡谷大; 尾関周二 (2003). ターミノロジー学の理論と応用 情報学・工学・図書館学. 東京大学出版会. ISBN 4130010379 
  2. ^ 山本昭; 井上孝; 太田泰弘; 長田孝治; 笹森勝之助; 諏訪秀策; 戸塚隆哉『ターミノロジー基本用語集の作成』一般社団法人 情報科学技術協会、2014年。doi:10.11514/infopro.2014.0_169https://doi.org/10.11514/infopro.2014.0_1692020年6月29日閲覧 
  3. ^ 森口稔. “翻訳とターミノロジーについての諸問題 -- 情報知識学会ニューズレター No.45 (1997.8.1) - 情報知識学会”. www.jsik.jp. 2020年6月29日閲覧。
  4. ^ a b FELBERHelmut; GALINSKIChristian (著) 著、大島富士子 訳『学問としての用語学―ターミノロジー学に関するウィーン学派としての考察―』国立研究開発法人 科学技術振興機構、1982年。doi:10.1241/johokanri.25.659https://doi.org/10.1241/johokanri.25.6592020年6月29日閲覧 

関連項目

外部リンク


術語

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/13 07:56 UTC 版)

風の聖痕」の記事における「術語」の解説

超越存在オーバーロード「神」呼称されるに相応し存在を指す。劇中では精霊王風牙衆の神が該当する契約者コントラクター) 神や精霊王などの超越的存在契約交わし、その力を借り受けることを許された者。 力が莫大すぎるため、人の身ではその全能力を長時間行使し続けることなどできない。そのため、和麻は普段契約者としての能力封印しているが、その状態でも風の精霊無条件彼に従う(神器用いる、精霊発狂させる等の特殊な方法使われ場合を除く)。 和麻は現存する唯一の契約者であり、真に力を開放した際は神凪一族ですら凌駕するほどの絶大な力を行使できる。ただし5分間という制約があり、それ以上は脳が焼き切れてしまうとしている。また力を解放した後は確実に戦闘不能になる。 過去には、神凪初代宗主炎の精霊王と契約したという伝承があり、その際賜ったのが神器炎雷覇であるとされている(実際に風の精霊王と邂逅したであろう和麻が、それを事実だと匂わせる発言をしている)。 煉はインターネット上で契約者の話を知り、それが和麻ではないか当初から考えていた。 アニメ版では和麻が煉に初代神凪宗主契約者であったことや、精霊王との契約により神凪一族が炎術を使えるようになったことを語っている。 神炎しんえん神凪炎術師として極めて高い能力の者にだけ発現する能力通常神凪家の浄化の炎最高位黄金色であるが、能力極限まで研ぎ澄ませる事に成功したとき、操る炎に自分霊気の色が宿る霊気染まった炎は最高位黄金容易く凌駕する威力を誇る。神炎使い 上述用い術者総称作中確認される術者は、重悟の「紫炎」、厳馬の「蒼炎」、綾乃の「紅炎」の3つ1000年数え神凪歴史上でも12人しかおらず、1つ時代これだけ神炎使い存在するのはきわめて異例である。 資格者シード4巻5巻登場した異能振るう少年たち。ヴェルンハルトの妖魔憑依実験によりインターネット回線用いて言葉巧み憑依させられたもの。力の行使更なる力を求めることで「契約」として扱われ徐々に魂を喰らわれ妖魔化していく。妖魔被害者結びつくことで能力開花することからシード種子)と呼ばれる実際に妖魔が力を与えているのではなく妖魔に魂を喰らわれる過程中に一時的に能力行使できる期間があるに過ぎない憑依している妖魔正体は、地獄大公爵ベリアル」の電子コピー何人かは内なる妖魔倒されたことで生き延びたものの、113人がこの実験のために妖魔化し「用済み」として処分されコピー通じてベリアルへの生贄として捧げられた。 能力が高まる(妖魔化進行するに連れてクラス上がっていき、第一階位第二階位、と昇華していく。心の弱い者は妖魔精神食い潰され死んでしまう。 聖痕スティグマ風の精霊王と契約した証。劇中では主に、契約者の力を解放した和麻の蒼い瞳を指す。蒼穹のごとく鮮やかにどこまでも澄み渡っている。 劇中において、72魔王支配したソロモンユダヤの民を率いヤーウェ契約したモーセ神凪初代宗主伝説上の契約者として語られている。 独覚どっかく) 本来は仏教用語で、正当な師に就かず独学修行積み真理到達した者のことを指す(独学至った真理など大抵はロクでもないものと言われているが)。魔術世界においては、誰の教え受けずに力の発言至ってしまった者を称するこうした人間比較対象周りにいないため、自分を「選ばれ人間」「新人類」などと称し宗教興して教祖になったり、「旧人類」の駆逐行ったりする危険な思想を持つ。 前述の「シード」たちの大半がこれに当てはまる。異能得た少年たち暴走により、公園で暮らすホームレスたちが「掃除」されてしまった。 妖気 普通の人間では持てないとされている魔性の気。年季積んだ黒魔術師作中ではミハイル・ハーレイが該当)や妖魔などがこれを発する作中では一貫して禍々しいものとして扱われており、肌に触れると焼かれるような痛みを伴うのが特徴。また尋常ではない妖気放つ場合、「地面粘つく」「生臭い風が吹く」など自然界にまで影響を及ぼす妖魔 「超解!」によれば妖怪悪魔ひっくるめた呼称」とされている。東洋妖怪西洋悪魔という風に分けられており、同著では「堕落した神が悪魔になったならば、神も妖魔同一ではないか」と述べている。 妖魔契約した人間は力を授かったり、眷属使役する権限与えられる風巻兵衛、流也などが該当)。また何かしら理由人間そのもの妖魔化するパターンもある(大神操が該当)。

※この「術語」の解説は、「風の聖痕」の解説の一部です。
「術語」を含む「風の聖痕」の記事については、「風の聖痕」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「術語」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ

術語

出典:『Wiktionary』 (2021/08/25 13:15 UTC 版)

名詞

じゅつご

  1. 学問技術分野において特に定義して用いられる語。

「術語」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「術語」の関連用語

術語のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



術語のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの学術用語 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの風の聖痕 (改訂履歴)、名家 (諸子百家) (改訂履歴)、二次元NMR (改訂履歴)、ケスラーシンドローム (改訂履歴)、ブルネシャ (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。
Text is available under Creative Commons Attribution-ShareAlike (CC-BY-SA) and/or GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblioに掲載されている「Wiktionary日本語版(日本語カテゴリ)」の記事は、Wiktionaryの術語 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、Creative Commons Attribution-ShareAlike (CC-BY-SA)もしくはGNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS