はか【▽計/▽量/▽果/▽捗】
りょう【量】
読み方:りょう
[音]リョウ(リャウ)(漢) [訓]はかる かさ ます はか
2 軽重・大小などをはかる。「量器/計量・測量・斗量・無量」
3 はかって得られる軽重・大小などの程度。「量産/雨量・軽量・減量・質量・酒量・重量・少量・数量・声量・総量・多量・大量・適量・熱量・微量・物量・分量・容量・肺活量」
[名のり]かず・さと・とも・はかり
りょう〔リヤウ〕【量】
量
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/11/26 14:59 UTC 版)
この記事では量(りょう、羅: quantitas、英: quantity、独: Quantität)について解説する。
概説
「量」の概念は様々に定義されている。
- 広辞苑では、測定の対象となる、ものの大・小や多・小[1]、としている。
- [誰?]「大きさを持ち、計測したり大小を比較したりできるもののこと[要出典]」としている。
- 日本産業規格(JIS) Z8000規格群では、量(英: quantity)とは「数と計量参照(英: reference)との組合せとして表すことができる大きさ(英: magunitude)をもつ、現象、物体又は物質の性質」であると定義されている[2]。
- JIS Z8103では、「現象、物体又は物質の持つ属性で、定性的に区別でき、かつ、定量的に決定できるもの」であると定義されている[3]。
- 計量標準総合センター 国際計量室が訳出した用語集では、「測定可能な量 Quantity(measurable) 」とは「現象、物体または物質の属性であり、その属性は大きさを持ち、その大きさを数値および計量参照(reference)として表せるもの」としている[4]。
「量より質」の表現のように、「量」(英: quantity、クオンティティ)の対比的概念としては「質」(英: quality、クオリティ)が挙げられる[1][注 1]。また「定量的(研究) / 定性的(研究)」という対比もある[注 2]。
ほとんどの文書では特に断らない限りは量は実数値(自然数値のみのときも含む)を取るスカラー量である。本項目の以下の記載でも単に量と言えばスカラー量とする。
- 量と数
(測定できる量は)数(すう)と単位(または単位に準ずるもの)の積の形式で表せる。
対応する数の種類で量が分類されることもある。個数や貨幣のように分割できない最小量が存在する量は、「離散量」または「分離量」と呼ばれる。整数に対応している。一方、最小量(最小単位)がない量は「連続量」と呼ばれ、これは実数に対応する[注 3]。離散量と連続量はそれぞれ、デジタル量およびアナログ量とも呼ばれる。 離散量と似た言葉で可算量という言葉も使われる。ただし、数学における可算集合とは自然数と1対1に対応する集合のことであり、有理数は可算集合である。有理数は稠密集合なので、有理数で表した量が離散量とは言えない。有理数のみに対応する量の例はほとんどないが、多くの場合に量の値は有限桁数の小数、すなわち有理数の一部で表されている。しかしこれは通常は、実数値である真の値の近似値と見なされる。
単位(または単位に準ずるもの)によりその量の具体的種類の範囲が示される。また、物品、人員、服、紙、本などの可算量を数える助数詞の「個(こ)」「人(にん)」「着(ちゃく)」「枚」「冊」などは単位ではなくて「単位に準ずるもの」と見なされる[5][注 4]。
- 統計学と尺度
統計学ではデータを示す変数を、名義尺度、順序尺度、間隔尺度、比率尺度(比例尺度)、の4つの尺度水準として分類している。この中で、名義尺度は定性的な値、そのほかの量は定量的な値に区分される[6]。
物象の状態の量
日本における計量についての基本を定めた計量法においては、量のうち具体的に「取引または証明、産業、学術、日常生活等の分野での計量で重要な機能を期待されている」事象等として89量を列挙し、これを「物象の状態の量」(quantity of the state of physical phenomena)と規定している。この89量のうちの重要な72量については、計量法が定める計量単位のみを取引又は証明に使用することを計量法は強制している。詳細は法定計量単位#物象の状態の量を参照。
これらの89量は以下であり、これらが実際に用いられる量の具体例である。
確立された計量単位の存在する72の物象の状態の量
「典型72量」と呼ばれる。1)長さ、2)質量、3)時間、4)電流、5)温度、6)物質量、7)光度、8)角度、9)立体角、10)面積、11)体積、12)角速度、13)角加速度、14)速さ、15)加速度、16)周波数、17)回転速度、18)波数、19)密度、20)力、21)力のモーメント、22)圧力、23)応力、24)粘度、25)動粘度、26)仕事、27)工率、28)質量流量、29)流量、30)熱量、31)熱伝導率、32)比熱容量、33)エントロピー、34)電気量、35)電界の強さ、36)電圧、37)起電力、38)静電容量、39)磁界の強さ、40)起磁力、41)磁束密度、42)磁束、43)インダクタンス、44)電気抵抗、45)電気のコンダクタンス、46)インピーダンス、47)電力、48)無効電力、49)皮相電力、50)電力量、51)無効電力量、52)皮相電力量、53)電磁波の減衰量、54)電磁波の電力密度、55)放射強度、56)光束、57)輝度、58)照度、59)音響パワー、60)音圧レベル、61)振動加速度レベル、62)濃度、63)中性子放出率、64)放射能、65)吸収線量、66)吸収線量率、67)カーマ、68)カーマ率、69)照射線量、70)照射線量率、71)線量当量、72)線量当量率の72量である。 (注)各々の物象の状態の量の前に付した数字は、計量法第2条第1項第1号における列挙順の番号である[7]。
確立された計量単位のない17の物象の状態の量
73)繊度、74)比重、75)引張強さ、76)圧縮強さ、77)硬さ、78)衝撃値、79)粒度、80)耐火度、81)力率、82)屈折度、83)湿度、84)粒子フルエンス、85)粒子フルエンス率、86)エネルギーフルエンス、87)エネルギーフルエンス率、88)放射能面密度、89)放射能濃度の17量である。 (注)各々の量の前に付した数字は、計量単位令第1条における列挙順序であり、典型72量からの通し番号である。
量体系
量体系(りょうたいけい、英: system of quantities)とは、量を関係付ける矛盾のない方程式の集合を併せ持つ量の集合である[2]。量体系には相互に矛盾がなければ異なる表現方法が存在してよく、どの方法を用いるかは、あくまで取り決めによって合意される[2]。任意の量体系における量の間の数学的関係は量方程式(りょうほうていしき、英: quantity equation)と呼ばれる。
物理科学の全域に亘ってほぼ普遍的に受け入れられている量体系として国際量体系(ISQ)がある。
基本量と組立量
基本量(きほんりょう、英: base quantity)とは、慣習的に選択された任意の量体系の部分集合に含まれる量であって、その部分集合の中のいずれの量も、その部分集合の他の量では表現できないものである[2]。
組立量(くみたてりょう、英: derived quantity)とは、ある量体系の中で、その体系の基本量によって定義される量である[2]。
どの量をいくつ基本量とみなすかは、選択の問題である。また、組立量を定義するためにどの方程式を使用するかも、選択の問題である。
量の値
量の値(英: quantity value, value of a quantity)、あるいは単に値(英: value)とは、量の大きさを表現する数と計量参照との組み合わせである[2]。計量参照を除いた量の値の数を量の数値(英: numerical quantity value, numerical value of a quantity)、あるいは単に数値(英: numerical value)と呼ばれる[2]。
量方程式は測定単位の選び方に依らないが、特定の測定単位を用いた場合の数量値の間の数学的関係は数値方程式(すうちほうていしき、英: numerical value equation)あるいは数量値方程式(すうりょうちほうていしき、)と呼ばれる[2]。
可能な演算による量の分類
順序尺度量
順序尺度量(英: ordinal quantity)とは、取決めによる測定手順によって、他の同種の量との間で大きさに基づく全順序関係を確立することができる量である[2]。順序尺度量の間には代数関係は存在せず、その差や比に物理的な意味はない。順序尺度量の値の目盛によって並べられる。順序尺度量は経験的関係だけを通して他の量と関係付けられるため、通常は量体系の一部とはみなされない。また、測定単位も量の次元も持たない。
- 例
ポテンシャル量
![]() | この節は検証可能な参考文献や出典が全く示されていないか、不十分です。(2015年8月) |
ポテンシャル量とは何らかの積分として与えられる量である。積分であるため空間上の点と強く結びついている。ここでいう空間とは幾何学的な空間だけでなく、時間を併せた時空や、位相空間や状態空間などのより抽象的な空間も含まれる。 ポテンシャル量の大きさには積分定数に相当する任意性があり、適当に基準点を選び、基準点におけるポテンシャル量の大きさを定めることで、任意の点におけるポテンシャル量の大きさが定まる。基準の選び方に依存して変わるためポテンシャル量の絶対的な大きさには意味がない。その為、同種のポテンシャル量の間での比にも意味がない。 また、基準点に依存するため、ポテンシャル量の和に意味がない場合もある。 一方、ポテンシャル量の差は基準点への依存性が相殺されるため不定性なく定義が可能で、○○差や○○間隔と呼ばれる新たな量を定める。
ポテンシャル量の例としては、山の標高や飛行軌道の高度、重力ポテンシャル、静電ポテンシャル(電位)、温度などが挙げられる。 例えば、標高や高度は一般的に海面を高さゼロの基準に定めて海抜で表される。また、局所的に存在する電荷による静電ポテンシャルであれば、場を生じさせる電荷から無限の遠方においてゼロとなるように選ばれる。摂氏温度は当初は氷点をゼロ基準としたが、現在では273.15Kの絶対温度をゼロ基準として定義されている。
そもそも空間の座標、例えば1次元空間での例として東海道線の駅の位置を東京駅からの線路に沿った距離で表した座標などは、ここでいう間隔尺度的な量であり長さの次元を持つ。座標間の差である位置間隔は長さそのものである。また時間軸に沿って言えば、時刻や日付は間隔尺度的な量であり、時間間隔は比例尺度的な量である。
加法的な量
質量や体積などの素朴な加法が成り立つ量は加法的な量と呼ばれる。素朴な加法とは部分の量の和が全体の量となるということである。例えば、物体Aと物体Bを合わせた物体A+Bの質量m(A+B)は、物体Aの質量m(A)と物体Bの質量m(B)の和m(A)+m(B)となる。 熱力学においては加法性による区別は重要であり、加法的な量は示量性(英: extensive)の量(示量性変数)、加法的でない量は示強性(英: intensive)の量(示強性変数)と呼ばれて区別される。 加法的でない量としては温度や圧力、電場の強度や磁場の強度などが挙げられる[8]。
各領域とさまざまな量
量は以下に示すように、領域ごとに、様々の観点から分類することができる。
物理量
JIS-Z8103における物理量の定義は「物理学における一定の理論体系の下で次元が確定し、定められた単位の倍数として表すことができる量」である[3]。[注 5]
また『丸善-単位の辞典』での定義・説明では、物理量とは「物理現象や物質の、一つの測定できる属性」である[5]。[注 6]
また[誰?][いつ?]「物理量とは物理的実体について客観的に測定可能であり測定器等による測定方法が定められた量である[要出典]」ともされる。物理量を表す単位を物理単位という。
この定義では測定器等としてどのような範囲のものを想定するかによる任意性がある。「だが、極めて狭義に解釈すれば、国際単位系における7種の基本量(長さ、質量、時間、電流、熱力学的温度、物質量、光度)およびそれから誘導される量のみ、例えば、速度、加速度、濃度、比重、密度、 圧力、エントロピー、 エンタルピー、体積、モル濃度、 電力、 照度、 ラド、 ベクレル、 シーベルト、レイノルズ数などを指すと言える[要出典]。」 広義に解釈すれば例えば、分子数、微粒子数、細胞数、生物個体数、恒星数、他様々な物体の個数も測定方法が確かな物理量である。また個数の測定にもパーティクルカウンターやセルソーター等の測定器を使うことも多い。また、固体の硬度、引火点、ガラス転移点など正確な値を定義しにくい量でも広義には物理量と見なすことができる。
ただし「物理量」という言葉は自然科学分野の文書中でさえ特に明確な定義なしで使われることが多く、それが指す範囲には曖昧さがあり、著者と文脈により異なることがある。つまり、ある特定の量が物理量であるか否かという判断が著者と文脈により異なったり判断できなかったりする。
物理学(や化学)で用いられる量の大きさを表すためには、2つの因子が必要である[9]。ひとつは、問題としている量と同じ種類の「標準量」、つまり「単位」である[9]。もうひとつは、この「単位」との大きさの比を表す数値である[9]。
ある物理量というのは、それとは相違した2種以上の物理量との関係式によって定義される[9]。したがって、適切な「基本量」をいくつか選ぶということをすると、他の様々な物理量は 基本量の組み合わせで定まることになる[9]。このような方法で、基本量の組み合わせによって導かれる量を「誘導量」という[9]。「基本量」としては、通常は、「長さ」「質量」「時間」を選択している[9]。ただし物理学で、熱の問題を扱う場合は、これら3つに加え「温度」を加えている[9]。
物理学では、1つの数値だけで表わされる量だけでなく、複数の数値の組(セット)で表わされる物理量も扱う[9]。ただ一つの数で表される量を「スカラー量」と呼び、複数の数の組で表される量を「ベクトル[要曖昧さ回避]量」と呼ぶ[9]。「ベクトル量」としては、例えば力や速度などがある。これらは空間内のベクトルに対応している(「3次元空間ではベクトルはx軸、y軸、z軸、それぞれの3つ数値を持つ」と考え、その結果、3つの数字の組わせとなる)。
また物理学では、テンソルに対応するテンソル量(例. 固体の応力など)、複素数に対応する複素数量(例.量子力学での波動関数[疑問点 ])もある。
古典物理学では「測定可能な物理量は、理想的な実験を行えば(任意の精度で)決定され、その結果は数値または数値の組で表現される」と 考える[9] (考えた)。だが量子力学では、不確定性原理を認め、「ある物理量とそれに共役な物理量とを同時に正確に測定することはできない」とし、物理量を状態ベクトルに作用する演算子(行列)で表現する[9]。
Quantity in numerator (分数の)分子の量 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
Amount of substance 物質量* Symbol 記号: ![]() 外部リンク
量出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/03 05:11 UTC 版) 「ケイ酸塩ペロブスカイト」の記事における「量」の解説 ケイ酸塩ペロブスカイトはマントル下部の主な構成要素(容積で93%以上)であると考えられている。マグネシウムケイ酸塩ペロブスカイトはおそらく地球上で最も豊富な鉱物相である。ケイ酸塩ペロブスカイトが最も多く存在することは、マントル上部よりもマントル下部でケイ酸塩鉱物が豊富であること示唆しており、地球の総コンドライト組成とも一致している。 ※この「量」の解説は、「ケイ酸塩ペロブスカイト」の解説の一部です。
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