序ノ口 序ノ口の概要

序ノ口

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/09/08 14:28 UTC 版)

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6つある番付上の階層(幕内十両幕下三段目序二段序ノ口)の内、一番下の地位である。ただし、更に下に番付外(前相撲)の力士がいる。

呼称・由来

元々は、番付の上り口という意味で「ノ口」と表記したが、「上」は上位と紛らわしくなるため、「ノ口」が用いられるようになった。上から数えると五段目であるため、かつては「五段目」とも呼ばれた。

特徴

前相撲を取り出世した者が、初めて番付に名前を載せることができる地位である。番付表では最も小さい文字で書かれるため[注釈 1]、「虫眼鏡」とも呼ばれる。

取組

本場所では通常15日間で7番の相撲を取る[注釈 2](1960年7月場所以降)。ただし、全段での休場力士の兼ね合いなどで、1人だけ八番相撲が組まれることもある。

定員

定員は特に決まっておらず、人数は毎場所変動する。あらかじめ定員が定まっている三段目以上の人数の余りを序二段と分け合っており、21世紀以降は5月場所のみ序二段と序ノ口で3対1、5月場所以外は4対1が目安とされている。5月場所は前場所に入門した新弟子が大量に登場するため、それに応じて序ノ口の比率を高めている。

終戦直後は極端な新弟子不足で、1945年11月場所と1946年11月場所は序ノ口に力士が1人も在位していなかった。新弟子が激増した1990年代前期から中期にかけては東西70枚以上ある場所もあった。史上最多枚数は1992年5月場所における77枚(77枚目は東のみ・延べ153人)である。平成以降の最少枚数は2013年平成25年)3月場所における14枚(14枚目は東のみ・延べ27人)である。

優勝

優勝賞金は10万円。

毎年、中学卒業力士が入門する3月場所や、高校・大学卒業見込みの相撲経験者が多く入門する1月場所の、それぞれ翌場所には激しい優勝争いになることもある。かつては幕下付出に相当する実力の持ち主でも、2000年9月以降に厳格化された幕下付出基準に届かなかったり、大学卒業を優先して付出の有効期限が切れたりして、前相撲を経由して序ノ口に在位するようになり、特にこれらの力士が各場所の有力な優勝候補となる。

同点者が複数いる場合は千秋楽に優勝決定戦を行う。幕下以下の他の地位に比べて人数が少ないことが多く、特に2010年代に力士数が減少して以降は、部屋が異なる複数の序ノ口力士が初戦から6連勝して相星決戦が発生するケースが少なくなっている[注釈 3]。一方、6勝1敗の力士2~3名による決定戦が年に1場所の割合で発生している。1場所7番となって以降、ほとんどの場所で全勝あるいは1敗の力士が優勝しているが、1973年9月場所のみ、5勝2敗の力士が優勝した[注釈 4]。2019年7月場所では序ノ口で史上初めて同部屋3人が7戦全勝で決定戦(巴戦)を行った[注釈 5]

昇進・陥落要件

序ノ口に限らず、「番付は生き物」と俗称されるように、成績と翌場所の地位との関係は一定ではない。特に序ノ口、序二段は場所ごとに人数が変動するため、なおさら一定ではない。

現行の番付編成の傾向として、序ノ口で1勝でも挙げれば、翌場所の番付で前相撲から上がってきた力士より下位になることは無い。そのため、特に3月場所では負け越しても、翌5月場所では新弟子が大量に序ノ口に登場するため、繰り上げの形で序二段に昇進する場合がある。勝ち越した場合は、2007年9月場所以降は全員序二段に昇進しており、相場としては「勝ち越せば確実に昇進」である[注釈 6]

一方、番付外への陥落は、序ノ口で全休(不戦敗含む)した場合に限られている。一旦番付外に陥落した力士は、再び前相撲を取って再出世する必要があるため、序ノ口で休場している力士でも、13日目以降の1番だけを強行出場することも多い。序ノ口で全敗した場合でも、序ノ口の中で番付が下がることはあっても、番付外へ陥落することはない。そのため、体格・技能が著しく劣る力士がこの地位で負け続けて連敗記録を作るケースもある。




  1. ^ 序ノ口力士の四股名が載る番付表の最下段は、親方等の名も載せるため、序ノ口力士に割り当てられるスペースは極めて小さい。
  2. ^ 初日から12日までは2日ごとに1番組まれ、最後の3日間の間に7番目が組まれる。
  3. ^ 2016年7月場所13日目・周志大和(木瀬部屋)対福倭毅(春日山部屋)のケースから2018年7月場所13日目・津志田亜睦(時津風部屋)対浪満六満(立浪部屋)のケースまで、2年間にわたり6戦全勝同士の序ノ口決戦は発生しなかった。
  4. ^ 当場所の序ノ口の枚数は東西17枚と少なく、更に、休場力士も8名と多く、必然的に初戦から6連勝する力士が不在となり得る状況であった。事実、6番相撲を終えた時点で5勝1敗が2名しかおらず、両者の対戦は既に組まれていたため、相星決戦を行うことができず、両者がそれぞれ別力士と対戦し、いずれも敗れたため、5勝2敗の優勝決定戦(6名)となった。優勝は中村山。
  5. ^ 鳴戸部屋の3人による決定戦となり、元林の優勝となった。
  6. ^ 力士数が大幅に増えた1990年代半ばには、序ノ口下位で4勝しても翌場所据え置かれる例が多数あった。
  7. ^ 番付外新序・新弟子といった番付表に載らない者を除く。


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