こてん‐しゅぎ【古典主義】
古典主義
【英】:CLASSISM
語源は、古代ローマ市民の最高階級を意味するクラッシクス(classicus)。美術、文学、音楽、建築など広い分野にわたって使われ、明晰な秩序に基づく完成された表現を目指す様式傾向や芸術理念を意味する。17世紀フランスで芸術理論として高められ、現在では一般的な様式概念としても、歴史上のある特定の時期を示す概念としても用いられる。様式概念としての考え方としては、バロックに対立する表現様式として見る立場と、アルカイスム−古典主義−バロックと展開する様式発展の一つと考える立場があるが、いづれもアルカイスムの素朴で生硬な表現やバロックの激しくダイナミックな表現に対して、合理的秩序に基づく統一性、安定した構築性、調和のとれた静かな表現等を古典主義の特質として挙げている。代表的な時代としては、紀元前5世紀のギリシア、ルネサンス、17世紀、18世紀末から19世紀初頭にかけてのフランスがある。様式概念として広く捉えた時、日本美術などの西欧美術以外の芸術に古典主義の時代を見い出したり、ピカソの「古典主義時代」など個人の様式に適用することがある。
古典主義
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/09/29 17:29 UTC 版)
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古典主義(こてんしゅぎ)は、ヨーロッパでギリシャ・ローマの古典古代を理想と考え、その時代の学芸・文化を模範として仰ぐ傾向のこと。均整・調和などがその理想とされる。文脈により異なった意味合いで使用される。ロマン主義の対概念。
- イタリアのルネサンスは古典古代を復興しようとする文化運動であった。これは各国に大きな影響を与えた。
- フランス17世紀は古典主義の時代と言われる。古代に範を取った演劇が盛んになり、コルネイユ、ラシーヌ、モリエールは古典劇の三大作家とも言われる。

- 劇的なバロック様式がヨーロッパ全土に波及した1600年代にあっても、フランス人には均衡と調和を求める傾向があった。この当時フランス人でありながらローマに住み着いたニコラ・プッサンやクロード・ロランらの作風を古典主義と呼ぶ。また当時のフランス全体にも共通する傾向で、ル・ナン兄弟やジョルジュ・ド・ラ・トゥールそしてフィリップ・ド・シャンパーニュやウスタシュ・ル・シュウールらの静謐で峻厳な作品を古典主義と看做すこともできる。
- フランス革命前後から、バロック美術に対して新古典主義美術が主張された。貴族的なバロックに対して、市民的な新古典主義といわれることもある。
- ドイツ文学は18世紀末、ゲーテ、シラーの二人によって頂点を極め、確立されたとされる。これを「ドイツ古典主義」あるいは「ワイマール・クラシック」と呼ぶ。
- 建築史では、ギリシア建築・ローマ建築を範とするルネサンス建築、新古典主義建築など、主にオーダーを用いる建築を古典主義の系譜と捉える。(対としてゴシック・リヴァイヴァル建築も参照)
- 音楽では、ハイドン、モーツァルト、ベートーヴェンが古典派音楽(古典主義音楽)と言われる。音楽の場合、ギリシア・ローマの古典を復興しようという意識があった訳ではないが、ソナタ形式に見られるように、調和の取れた構成の形式美を重んじている。(クラシック音楽も参照)
- クラシック・バレエがロシアで発達した。
脚注
関連項目
「古典主義」の例文・使い方・用例・文例
- 新古典主義の
- その作曲家は古典主義者とみなされている。
- 古典主義文学.
- 新古典主義を関するものであるか、主唱するさま
- 古典主義の、または、古典主義に関する
- 古典主義は、古代のギリシア人とローマ人の規範からしばしば由来していた
- 新古典主義司祭
- 古典主義を支持する芸術人
- 新古典主義の擁護者
- 米国の新古典主義の彫刻家(1814年−1857年)
- フランスの新古典主義の画家で、作品が活発にフランス革命を支持した(1748年−1825年)
- ドイツの新古典主義作曲者、指揮者で、音楽は社会的な目的を持っているべきであると信じた(1895-1963 )
- 米国の新古典主義の建築家(1847年−1909年)
- 米国の新古典主義作曲家(1894年−1976年)
- 擬古典主義という主義
- 古典主義のヨーロッパ文学
- 新古典主義という,18世紀に起こった美術運動
- 新古典主義という考え方
- 新古典主義という美術運動
- 古典主義演劇という,17世紀のフランスの演劇
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