第1世代 1966年 - 70年とは? わかりやすく解説

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第1世代 1966年 - 70年

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/10/14 14:40 UTC 版)

オールズモビル・トロネード」の記事における「第1世代 1966年 - 70年」の解説

初代のトロネードは1962年オールズモビルデザイナーのデビッド・ノース(David North)が描いたスケッチから始まった彼のデザイン小型スポーツ/パーソナルカーで"フレームレッドカー(Flame Red Car)"と呼ばれ生産考えられていなかった。しかしデザイン完成して週間後にオールズモビル・ディビジョンは1966年モデルとしてリヴィエラエルドラド級のパーソナルカー製造許可通知を受け、ノースデザイン選ばれた。製造コスト観点から、まだ名が無いこの車は1966年モデルとして刷新されるリヴィエラとEボディ呼ばれるプラットフォーム骨格共有することとなりノース想定していたよりも大きなとなったオールズモビルGMデザイン部門の長であるビル・ミッチェルBill Mitchell)がこの車を中型車intermediate)のAボディ(A-body)・プラットフォーム押さえ込もう努力したにも関わらずコスト的な理由から却下された。 1958年以来オールズモビル技術者のジョン・ベルツ(John Beltz、後にオールズモビル・ディビジョンの長となる)に率いられプロジェクト前輪駆動開発行ってきていた。当初はより小型のF-85シリーズ(F-85 line)に応用する計画であったが、コスト実験特性からより大型高価格の車に適用することになったフォード・モーター社の技術者F. J. フーヴェン(F. J. Hooven)は類似の前輪駆動レイアウト特許取っており、フォード社1961年モデルフォード・サンダーバード設計にこれを取り入れることを真剣に検討していた。しかし、このような新規技術そのような短期間開発するというのは懐疑的な計画であったオールズモビルはトロネードの開発7年歳月要した市場導入する前に1,500マイル上の過酷なテスト実施され、トロネードの前輪駆動機構堅牢性信頼性検証された。オールズモビル明らかに新機構の不具合市場出た後で誰にも経験して欲しくはなかった。トロネードの設計如何に念入りであったかは、1970年代GMCモーターホームGMC motorhome)が基本的にトロネードから派生した駆動機構変更無し使用していたことが証明している。 トロネードの命名はそれ自体一大事であった知られている開発中考えられていたその他の名称には:マグナムMagnum)、シロッコScirocco)、レイヴンRaven)がある。 その7年間の開発期間中にGMによるトロネード用の発明と設計いくつかあった: 大容量ターボ=ハイドラマチック(Turbo-Hydramatic)400型3速オートマチックトランスミッション前輪駆動用の名称はTHM425) ロチェスター・クアドラジェット(Quadrajet) 4バレルキャブレター 球状排気管接合部ガスケット排気管自在に動かすことができ、排気漏れ防いだ。 "ドラフトフリー(Draft-Free)"換気システムにより従来三角窓廃することで風きり音激減したファイアストン社はトロネードのためにTFD(Toronado-Front-Drive)と呼ばれる特製の8.85" x 15"タイヤ開発した。このタイヤ通常の物より硬いサイドウォール持ち接地面見栄えのする細く白いピンストライプ独特な物だった。 通常とは異なるトロネードの動力機構はユニタイズド・パワーパッケージ(Unitized Power PackageUPP)と呼ばれた。これはエンジン変速機一体化してエンジンルーム搭載したもので、通常の後輪駆動車よりも小さくまとまっていた。 オールズモビル技術陣はこの車の動力源従来エンジン性能を向上させたものを選択した385 hp (287 kW) と 475 ftlb (644 Nm)のトルク発生するオールズ 425 cu in(7.0 L) スーパーロケットV型8気筒で、これはスターファイアStarfire425より10 hp (7 kW)、オールズモビル・ナインティーエイト(Ninety-Eight)に搭載されていた標準425より20 hp (15 kW)も高出力であった。トロネードの吸気管は独特でボンネット干渉しないように扁平になっていた。 大容量ターボ=ハイドラマチック3速オートマチックトランスミッション(THM400、TH400)はトロネードの開発から生まれ出てきた。前輪駆動用はTH425と呼ばれ変速機遊星歯車機構から分離されトルクコンバーターは、2つ12インチスプロケットをまわしてHy-Voと呼ばれる2インチ幅の静音チェーンドライブを介して歯車機構駆動した。Hy-VoチェーンドライブGMハイドラ=マチック(Hydra-Matic)部門ボルグワーナー社のモース・チェーン(Morse Chain部門共同開発したものであった。このチェーンは非常に強靭な鋼製で、工場特殊な機械であらかじめ張られたのでテンショナーやアイドラープーリーは必要無く変速機ギア回転方向反転させなければならなかったが多く部品通常のTH400型と共用していた。オートマチックトランスミッション使用することで手動シフトリンケージ不要とすることができた。技術者達はオートマチックトランスミッションでも充分な性能発揮できる考えていたのでマニュアルトランスミッション搭載することは考えられていなかった。 トロネードはGM初のサブフレームsubframe構造車であり部分的にモノコック構造採用していた。サブフレーム後輪サスペンションリーフスプリング前端まで伸びており、ここがリーフスプリング取り付け位置になっていた。このサブフレームパワートレーン前輪サスペンション、フロアパンを支持することにより道路やエンジンの振動上手く遮断していた。(これは1967年発表シボレー・カマロポンティアック・ファイヤーバード似た設計思想であったスペース上の理由からオールズモビルはトロネードに通常の不等ダブルウィッシュボーンと共にトーションバー・スプリング式の前輪サスペンショントーションバー方式サスペンション採用した初のGM乗用車)を採用した後輪サスペンション1枚リーフスプリング上に簡潔なビームアクスルが載っていたが、唯一特異な点は1輪に垂直方向と水平方向車輪動き制御するラジアスロッドradius rod役目を果たす)の2本のショックアブソーバー備えていた点であったブレーキ保守的な11インチ(279mm)径のドラムブレーキであり、これはトロネードの弱点であると考えられていた。車重大きい車は何度急ブレーキを踏むと過熱しブレーキ甚だしくフェードして制動距離伸びることとなった1967年モデル実質的な改善策として前輪にベンチレーテッドディスクブレーキがオプション設定された。 トロネードのUPP車内の完全に平坦な床を実現していたが、室内スペースは(主に後席の頭上スペースファストバックfastbackスタイルにより幾らか限定されていた。2ドアクーペながらトロネードはその長いドアにより後部座席への乗降性確保しており、オプション設定されていた後席に装着できるドアノブにより前部座席背後から手を伸ばさなくともドア開けることができた。この機能同時代インペリアルImperial)にも装備されていた。 運転席前にデザイン度の高いハンドル位置しており、運転者はこれに付いた2重デルタ型のホーンリングを通して固定"指針"に垂直方向へ回転する数値印字され回転ドラムという特異な速度計見た。その他全ての計器指示灯、スイッチ類ドライバーの手近にまとめられていた。 テスト重量平均が5,000 lb (2,300 kg)に近いにもかかわらず公表され1966年モデルのトロネードの性能データは、0–60 mph (0–97 km/h)加速が7.5秒、静止状態から1/4 マイル (400 m)を通過するのに16.4 秒 @ 93 mph (150 km/h)で最高速度135 mph (217 km/h)に達したテスト要員はトロネードが顕著に車体前部荷重偏りその結果アンダーステア傾向であるにもかかわらず通常の走行ではその他のフルサイズアメリカ車とは実質的に違いがないことに気付いた実際に多く同時期のテスト要員達はトロネードが他の車より安定し応答性良く限界まで追い込んだときに実質オーバーステアにはならない素晴らしハンドリング特性を示すと感じていた。 W-34という符号呼ばれる特別なオプション品196870年モデルのトロネードに用意されていた。このオプションにはエアクリーナー用の冷気導入システム高性能カムシャフト素早く剛性感のある変速調整され5 mph (8 km/h)時のトルク倍増された"GT"トランスミッション含まれていた。1966–67年モデル似たバンパー割り込んだ2本出しのデュアル排気管W-34には含まれていた。標準モデルデュアル排気管であったが、1本の排気口だけはマフラーがある車体後部右側から幾分隠れていた。 1970年モデルのみのW-34オプションには外装特製"GT"バッジ含まれていた。W-34モデルのトロネードは0–60 mph (0–97 km/h)加速が7.5秒、静止状態から1/4 マイル (400 m)を通過するのに15.7 秒 @89.8 mph (144.5 km/h)であった導入当初のトロネードの販売比較良好1966年モデル40,963台が生産された。トロネードはモータートレンド(Motor Trend)誌のカー・オブ・ザ・イヤー賞やカーライフCar Life)誌の優秀技術賞の様な幾つかの自動車賞を獲得することによりオールズモビル大きな宣伝効果もたらした。トロネードは1966年度のヨーロッパ・カー・オブ・ザ・イヤー第3位獲得した多少フェイスリフト施されオプションディスクブレーキ追加し乗り心地を少し柔らかくした1967年モデル販売おおよそ半分22,062台に落ち込んだ。トロネードが初年度販売記録取り戻すのは1971年モデルであった1967年キャデラックは、キャデラックV8エンジンCadillac V8 engine)を搭載したUPP使用した自前モデルキャデラック・エルドラド導入したエルドラドはE-ボディ・シェルをトロネードとリヴィエラ共用していたがスタイリングは全く異なり、この3車種はまった別のモデル見えた初代のトロネードは通常の度毎フェイスリフト施されつつ1970年モデルまで続いたブレーキ以外の主要な変更点オリジナル425 cu in (7.0 L) V8ロケットエンジン1968年標準375 hp (280 kW)、W-34オプション400 hp (300 kW)の455 cu in (7.5 L) V8ロケットエンジン換装され、1969年にリアクォーターの外板変更側面から見るとスロープを描くような小さなヒレになった)された。1970年にはリトラクタブルヘッドライト廃止されホイールアーチ部が角張った形状張り出し導入された。 僅かな内装模様替えモデルイヤー毎の変遷と共に盛り込まれ1968から70年モデルにはストラト・バケットシート(Strato bucket seats)と共にフロアシフト装着され前後席に渡るセンターコンソール追加料金オプション注文できたが、この仕様注文は僅かであった圧倒的多数購入者前輪駆動構造により実現した平坦な床の恩恵享受できるように標準のストラト・ベンチシート(Strato bench seat)を選択した。床に"膨らみ"が無いことで後輪駆動車よりも遥かに快適に3人が並んで座れ前後席の中央席の者も脚を無様な格好にして座る必要は無かったサスペンション堅さとそれに起因する乗り心地の質は年々徐々に柔らかくなっていった興味深いことに1966年型に使用されトーションバー利用したヘビーデューティ仕様サスペンションは、初代トロネードの後期になってオプション設定された。 諸元 エンジン: 1966–67年 - 425 cu in (7.0 L) OHV V8196870年 - 455 cu in (7.5 L) OHV V8 出力: 1966–67年 - 385 hp (287 kW) @ 4800 rpm196870年 - 375 hp (280 kW) @ 4400 rpm400 (298 kW) @ 5000 rpmW-34オプショントルク: 1966–67年 - 475 ftlbf (644 N•m) @ 3200 rpm196870年 - 510 ftlbf (691 N•m) @ 3000 rpm500 ftlbf (678 N•m) @ 3200 rpmW-34オプション変速機: 3速オートマチックターボ=ハイドラマチック 425 (THM-425) 最終減速比: 1966–67年 - 3.21:1、196870年 - 3.07:1 ホイールベース: 119.0" (3023 mm) 全長: 1966–67年 - 211" (5359 mm)、1968年 - 211.6" (5375 mm)、196970年 - 214.8" (5456 mm) 全高: 52.8" (1341 mm) 全幅: 78.5" (1994 mm) トレッド、前/後: 63.5" (1613 mm) / 63.0" (1600 mm) 重量、乾装/curb: 4,311/4,496 lb (1,955/2,039 kg) 重量配分、前/後(%): 60.3/39.7

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