旗本関係者
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左近が関わった様々な旗本の関係者を以下に記す。 斉藤数馬(さいとう かずま) 斉藤家の長男で攫った女に客を取らせていた上、哲次郎の賭場の景品にしたりして金を巻き上げていた。悪事がばれて言い逃れが出来なくなった相馬に勘当を申し渡された後、斉藤家は取り潰しとなり堀川に浮かんだという因果応報な最期を遂げた。 斉藤相馬(さいとう そうま) 数馬の父で二千石の旗本。息子や哲次郎の悪事により金をもうけて幕閣にばらまいていたものの左近によって悪事が家綱に知れ渡ると数馬を勘当して木村に対し娘を攫い幕閣の側室にした事を告げ、切腹した。 戸田広之(とだ ひろゆき) 旗本小十人頭で戸田流の遣い手。後述の山本玄内に左近を暗殺させようとしたが、逆にバレてしまい左近と小五郎に道場内へ乗り込まれる。玄内を倒されて暗殺を命じた者の名を聞こうとするも猛毒の吹き矢を受けて死亡、今わの際に若年寄・石川の名を告げた。 久貝勝信(くがい かつのぶ) 駿河台に住む二千石の旗本。美濃屋と伏見屋を使い奉公に来た娘を家宝損壊の罪を着せて殺害の上、親元に多額の賠償金を要求する悪事を繰り返していた。しかし小五郎に探らせた左近が屋敷に乗り込んできたため殺害しようと自慢の槍術で立ち回るものの葵一刀流の前に倒された。 品川忠常(しながわ ただつね) 八王子千人同心頭で旗本身分。温厚な性格で地元の民には好かれている。近頃現れた鬼坊主一味に頭を悩ませていた。江戸へ帰る途中の左近らによって事件を自分の手柄にしてもらった。 磯貝清尚(いそがい きよなお) 三千石の旗本。高井屋六兵衛の企みに乗り、おりょうを襲うも店から出ないのでもう一度同じ事をしようとしたものの、すり替わっていたかえでに不意打ちされた。さらに店に来た左近により公儀の詮議を受けて僅かな禄で本所の旗本屋敷で暮らす羽目になった。 藤堂又十郎(とうどう またじゅうろう) 二千石旗本で与力の坂上とは同じ剣術道場に通った間柄。そのため身内の不祥事に関して金で揉み消す事を度々頼んでいた。重い病に伏せるも辻斬りを止めない息子に頭を痛めている。 藤堂和馬(とうどう かずま) 又十郎の息子で深川・本所界隈の辻斬り事件の犯人。過去のトラウマゆえ人を切る事を何とも思っておらず夜鷹や無宿人、同心等は切られて当然で世直しと称して辻斬りを繰り返す。事態を重く見た用人の黒岩に引き留められるも逆に殺害して屋敷を出て辻斬りしようとしたところを泰徳に倒されて御家断絶となった。 黒岩景勇(くろいわ かげゆう) 藤堂家の用人で坂上とも親しい。辻斬りを繰り返す和馬を守るべく事件のもみ消しを願うも肝心の和馬が辻斬りを止めず坂上からも見放される。その際坂上親子を襲撃し、又十郎の遺言に従い和馬を無理やり止めようとするも脇差で刺された。 江草庄三郎(えぐさ しょうざぶろう) 直参旗本で嫌がる娘の尻を触っていた所を浪人の浅島に助けられる。後に自信を被害者と思わせて兄に助けを求めた。 江草文四郎(えぐさ ぶんしろう) 庄三郎に泣きつかれて浅島に浅草・聖福寺での決闘を申し込む。助っ人を用意するも浅島に加勢した宇木と共に次々と倒され自身も浅島の木刀を真っ二つにして優勢になったと思いきや竹光で傷を負わされ真剣の脇差を突き付けられたため潔く負けを認めて去っていった。 井上春正(いのうえ はるまさ) 千三百石井上家の次男で左近を陰間茶屋へと誘う。しかし、それは本当に好きな相手が命を狙われないための狂言であった。一方的な片思いで声もかけられず、婿養子の話と板挟みになって悩んでいる。 井上寛春(いのうえ ひろはる) 春正の件で左近の命を狙わせようとしたものの正体を知って愕然とする。その後、成り行きで左近と共に息子の恋煩いを何とかしようと奔走する。 大柳彦次郎(おおやなぎ ひこじろう) 井上家の用人で春正の思い人と勘違いした左近を襲撃しようとしたが、その剛剣ぶりにおののき金を無理やり掴ませて別れを乞う。後に井上家にやって来た左近が綱豊と知るや腹を切ろうとするも左近と寛春に止められた。 若佐利重(わかさ とししげ) 元勘定方で直参旗本だったが同輩だった本田の手により傷を負わされ妹の夏美も手籠めにされたショックで精神を病んでしまう。その結果改易となり浪人となるも本田を付け狙っていた。左近により一度は襲撃を止めるも夏美を殺害されて逆上、復讐しようとするも返り討ちに遭ってしまう。直後に現れた左近に真相を託し息絶えた。 見崎義孝(けんざき よしたか) 勘定方で若佐の同輩だったが真相を揉み消したのが本田であると気づき自身を守るために役目を辞していた。若佐の件について調べていた左近に全てを打ち明けて事件解決のための糸口を作った。 本田正成(ほんだ まさなり) 幕府勘定方で悪い噂が聞こえないほどの務めぶりであり若佐に襲撃された際に左近に助けられた時も礼を失さない性格である。その一方で公金を横領して出世の賂にしていた。真相を知る若佐を口封じしたものの小五郎により裏帳簿が目付に渡り屋敷に乗り込んで来た左近により一刀のもとに倒された。 本田絹江(ほんだ きぬえ) 森田備後守の娘であり父親に似て出世欲が強く打算的な性格である。そのため許婚の若佐を裏切って本田の妻となった。また自身に子供が出来るまでに父親と夫の更なる出世を急かしてもいた。左近が屋敷に来た際、抵抗するもかえでに止められ、うなだれていた。 玉山(たまやま) 直参旗本である川田家の用人。天城屋に金を借りに来たのだが直後に主の長兵衛が殺害されて頭を抱えていたものの息子の長太郎が後を引き受ける事を知り安堵する。長太郎の妹であるお幸が兄の身を案じていたので左近に天城屋の用心棒をするように頼んだ。 橋本智道(はしもと ともみち) 二千石の旗本であり血気盛んな性格。そのため当初は天城屋長兵衛の下手人と疑われたほど。借金も実際は長兵衛に囲碁の賭けと称した指南料であった。しかし息子にその死を知らされた際は深く悲しみ潔く全額を返すほど情が深い人物。 坂東則成(ばんどう のりなり) 先手組頭で安芸大竹藩の大名行列を皆殺しにした人切り大夫を綱吉直々に成敗を命じられるも失敗し刀が持てぬ傷を負う。そのため丹波哲次郎に言いがかりをつけて脅して切らせようとするも坂東の配下が左近を相手だと思い敵わぬとみて逃げてしまう。哲次郎と間鍋を伴って屋敷に来た左近を浪人と馬鹿にしていたが間鍋に「たわけ者め」と左近の正体を知らせると「それがどうした」と言うもののすぐに気づいて詫びた。また哲次郎が安芸大竹藩士と知るや己の過ちを恥じ深く頭を下げるなど、芯の通った一面もある。 田崎兼続(たさき かねつぐ) 幕府鉄砲方のお役目を代々世襲しており腕も確かである。威力が怪しい新式銃を嫌い、そのせいで同輩の千端と疎遠になっている。どちらが将軍家の銃として相応しいかを決める勝負に名乗りを上げるも直後に襲撃される。そのため自身を上回る腕を持つ久利江に託した。 田崎久利江(たさき くりえ) 兼続の妹だが銃の腕は兄をはるかに上回る男勝りな性格。その一方で流行りの櫛が売り切れた際には一月待ってでも購入しようとする年頃の娘らしい一面も持つ。兄に代わり綱吉の前で鉄砲の腕を披露して褒められ自身の鉄砲隊を任せたいと言わせるほどだった。 石田頼近(いしだ よりちか) 旗本で頼之助の父親。息子同様軽く見られているのか若年寄の高町から「使うには容易い」と言われる。また田崎兼続を苦手としているものの同道して当然と言わんばかりの息子と渋々ながら一緒に久利江の鉄砲披露取りやめをお願いしに行った。 石田頼之助(いしだ よりのすけ) 石田頼近の息子で世間知らずの馬鹿息子と言われている。そのため久利江が鉄砲を撃つのを止めさせようと父親を巻き込んで一緒にお願いしに行くほど。一方で高町の企みに気づく等、洞察力に長ける。自身も狙われるも小五郎に助けられ生き証人として綱吉の前に来た。 千端恒興(せんばた つねおき) 田崎と同じ鉄砲方であり新式銃推進派である。若年寄の高町らと共に新式銃に変えさせようと田崎を襲い、久利江や許婚の頼之助まで殺害しようとしたが左近や小五郎達の活躍で企みは阻止された。 朝倉衿道(あさくら きんみち) 御先手組の1人で堀田に一目置かれている存在。武芸に富み他の旗本衆からの人望も厚く将軍家御用達の商家が立て続けに襲われた際、堀田に盗賊改を任される。一度は盗賊一味を見つけるも自身の危機が迫った際に小五郎に命を救われ一味の情報を伝えた。非常に礼を重んじる性格で、それは岡っ引きを含めた配下の者達にまで伝わっており庶民からも好感を持った眼差しで見られている。小五郎が甲州藩の家臣と知って恩義を感じたのか、左近による大掛かりな捕り物を行う際にいざ鎌倉とばかりに真っ先に駆け付け「甲州さま、お指図を」と左近の前に片膝ついて指示を待った。 安倍康秀(あべ やすひで) 三百石の旗本であるが、どこか憎めない性格をしており、そのせいか人望が厚く倉吉道場支援者の中では御意見番的存在だった。道場の跡継ぎに指名された池鯉鮒玄十郎を高く買っており娘の郁美と夫婦にしようとしていた。しかし玄十郎に関して良く思っていない片山正岑の手によって息子の孝康共々殺害されてしまう。 安倍孝康(あべ たかやす) 康秀の次男で倉吉道場に通っており玄十郎とは親友関係にあった。父と共に道場の跡目争いを避けるべく故郷へ帰ろうとした玄十郎を引き留め倉吉道場は自身が、玄十郎は別の道場を構えて切磋琢磨しようとしたものの片山の手によって殺害されてしまった。 安倍康正(あべ やすまさ) 康秀の長男で父と弟が殺害された際に、評定所に呼び出されていた。いったん改易されかけるも泰徳、左近らの活躍により御家再興を許された。 安倍郁美(あべ いくみ) 孝康の娘であり玄十郎と夫婦の約束をしていた。彼女の存在が玄十郎が故郷へ帰らせる事をためらわせ一連の事件が解決したのち、晴れて夫婦となり倉吉道場主となった玄十郎を支えて三人の子供を育て上げ、道場を盛り立てて行った。 片山正岑(かたやま まさみね) 二千石の大身旗本であるが息子たちの事は道具としか見ておらず自分がいれば御家安泰という傲慢極まりない人物。安倍親子殺害の件で一度は揉み消すものの真実を泰徳が左近に話したことが分かり頭を下げるくらいなら、と自害したため片山家は改易となった。 片山正時(かたやま まさとき) 片山家の長男で近々寺社奉行見習いに昇進するとの噂もある人物。玄十郎の果し合いに正長共々参戦するも泰徳の助太刀を得た玄十郎に刺されて息絶えた。 片山正長(かたやま まさとき) 正時の弟で倉吉道場の時期道場主の有力候補であった。しかし遺言により玄十郎が後継ぎと知るや襲撃しようとして逆に腕を切断される。玄十郎に果し合いを求められて戦うも深手を負わされ命乞いをしながら止めを刺された。 春日井正親(かすがい まさちか) 片山家の縁者で幕府の要職に就いていた。その力を利用して安倍親子殺害を揉み消して同家を改易にしかけたものの真相を知った泰徳が左近に告げたことで自身は御役御免となり蟄居を命じられるという因果応報な結末となった。 横手忠重(よこて ただしげ) かつて四代将軍家綱の側衆として使えていた。父親は関が原と大阪の陣で戦功を上げている。そのため他の旗本からも人望が厚く生類憐みの令に反対し左近を将軍にすべきと明言していた。そのため他の者達と結集して左近を総大将にして一線を交える覚悟でいた。しかし肝心の左近に乗り込まれ「無益な殺生をしなければ問題ない。旗本は上様を守るための存在だ」と説得された結果、天下泰平のためとして大人しくなり大事には至らなかった。怒りに燃えつつも若い旗本の勢いを抑える等、分別をわきまえた人物である。 高坂河内守(こうさか かわちのかみ) 千石の旗本。以前、自身が起こした刃傷沙汰を与力の佐久間哲守に揉み消してもらって以来両者の関係は続く。田村屋長七に出入りしていた坂手静を側室にしようと文左衛門に罪を擦り付けて我が物にしようとしたものの左近に企みがばれて阻止される。観念したのか公儀の調べが入る前にその場で切腹して果てた。 曽我光義(そが みつよし) 千五百石の旗本で三月前に弓組頭に抜擢された。仁左一家を使い金を集めて賂とし、果ては老中の座まで狙っていた。真相を知った左近らに屋敷へ乗り込まれ周囲の者全て倒されたのを見て観念した。犬や鶴を多く殺していたので綱吉の逆鱗に触れ切腹ではなく打ち首にされ御家も改易にされた。 坂田時宗(さかた ときむね) 八百石の直参旗本。大角屋に入れ知恵して大量の金を手に入れていた。その一部が奪われたので手下の前園に与吉を殺害させた。後に左近が金を持っていると知ると仙蔵らを閉じ込めておく代わりに家来全員で引き取りに来る事になる。そうやって根津の藩邸に丸々引き入れられてしまい、左近が綱豊である事を知るや、あっさり観念した。しかし大角屋に全て擦り付けようとしたり命乞いする等、未練がましい失態をさらした。 前園(まえぞの) 坂田の家臣で、大角屋に預けさせていた金を返さないために主などを次々に始末していた。二千両持ち出した三人組を追って手始めに与吉を殺害した。後に左近の前で小五郎にその事を暴露されると大角屋を口封じで殺害しようとするも藩主に取り押さえられた。 秋月金吾(あきづき きんご) 一刀流の使い手であったが尾張藩の付家老の与力になろうとした矢先、屋敷で奏山に一撃で倒された。屋敷の工事中だったが来ていた大工達には笑顔で優しく権八が鼻をすすりながら泣くほど死を惜しまれていた。 黒田一哲(くろだ いってつ) 美川以来の家柄で直参旗本。黒田家は婿養子として入った。奏山に襲われていた所を左近に助けられる。剣の腕はからきしも茶の湯に関しては玄人並みで、それを買われて秋月と同じ命を帯びて市ヶ谷の屋敷に入る前に下女として雇われた女に毒を盛られていて殺害された。
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