十二人会
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裏会を取り仕切る最高幹部会合。形式上は裏会総帥も出席する会合で奥の座敷に席も用意されているが、作中で総帥が十二人会に出席した事は一度もない。全員が尋常ならざるレベルの異能者。幹部に任命された者には、身分を示す数字入りの札が与えられる(墨村正守ならば第七客であるため七の数字)。建前上は、番号に意味は無く皆同列とされており、札を壊してしまうか、もしくは失うと降格させられる。だが実際は、不慮の死(他の幹部に秘密裏に殺害される)による交代が最も多い。同列ではあるものの幹部昇進時期による序列が存在し、基本的に早期に幹部に昇進した者の発言力が強い。会議中の席はその序列順となっている。また、会議中に力を使った場合も降格処分となる。その身分を周りに対して秘匿しなければならないというしきたりがある(声 - 金子由之、永井誠、諏訪道彦、岸本みゆき)。 夢路 久臣(ゆめじ ひさおみ) 声 - 中多和宏 裏会十二人会第一客にして、一番の古株。正体は裏会創設者である逢海兄弟の弟・逢海月久であり、実質的に裏会の支配者であった。詳細は裏会#玉側参照。 鬼童院 ぬら(きどういん - ) 十二人会第二客。鬼使いの小柄な老婆で夜未の大伯母。何百体もの鬼を従えており裏会随一の兵力を持つが、争いごとを嫌う性格で、家督を継ぐもすぐ下の弟に譲り若いうちから隠居し、その後は義理で裏会幹部になったものの活動は好まない。性格は極度の内気で人との交流も好まないが、鬼を大切に扱う心優しい女性で、鬼を大切に扱う夜未とは親しく目をかけており、竜姫とも50年来の友人。支配される鬼の方が恍惚さえ覚えてしまうほどの強い支配能力(彼女の存在で支配しているため、竜姫は『超自然支配系能力』と称している)を持っており、能力を全開にする際には肉体が若返り、彼女による支配の前には精神支配系能力でさえ無力化される。しかし心が乱れると支配能力にも影響が出る。 夢路が殺された後の会議にて、夢路に次ぐ序列の幹部として十二人会のまとめ役に挙げられるも辞退し、脱退の意志を示す。冥安の説得で辞意を取り下げるもののその後の幹部会は欠席する。正守の協力の申し出も断ったが、竜姫の説得により日永打倒に加わる。裏会総本部奪還戦では要となり、日永の精神支配能力を上回る鬼への支配能力で充当に攻略するが、自身が日永の精神支配能力に支配されそうになってしまう。しかし日永側のハプニングにより全員の支配が解け、事なきを得た。 総帥の死後は竜姫に押し切られ嫌々ながらも裏会のトップに就任する。ギン ぬらの側近的存在である鬼で、美形の青年のような外見をしている。大雑把な性格が多い鬼たちの中で繊細な仕事がこなせる珍しい鬼。「氷蕾」と呼ぶ氷の塊を発生させ、それを炸裂させることで凍結させる能力を持ち、不意打ちとはいえ裏会総本部奪還戦では紡岐一親を一撃で戦闘不能にした。 騒動後は、裏会のトップに就任させられたぬらを補佐している様子が描かれている。 クロ ぬらの側仕えの鬼の一匹。中学生くらいの少年のような外見だが、膂力が強く、自分の背丈ほどの岩を軽く持ち上げている。戦闘時には、鎧を着用。夜未を姉ちゃんと呼んでいる。 ハク 一つ目で翼を有する巨大な鬼。多くの者が人の姿に近い鬼の中では珍しく着物を着ていない上に飛行能力を持つ。裏会本部奪還戦ではぬらを抱えて空を飛ぶも、咒宝の攻撃で重傷を負い、地上に落下してしまった。 竜姫(たつき) 十二人会第三客。詳細は#元幹部を参照。 冥安(めいあん) 十二人会第四客。僧の格好をした老人で、研究室特別顧問も兼任している。研究室では非道な人体実験を多数繰り返していた為、竜姫からは毛嫌いされている。能力は不明だが竜姫曰く「スピードには弱い」とのことで直接戦闘は作中では行っていない。 序列では夢路、鬼道院に次ぐ幹部で、夢路が殺害された後十二人会のとりまとめを行い、正守に特務役を命じる。異を唱える幹部を威圧し黙らせるなど相応の実力も備えており、正守曰く「手段を択ばない強硬派」とのこと。日永率いる部隊による総本部襲撃においては、自ら改造した強化型黒兜2体を操り応戦するも、黒兜もろとも日永に洗脳され支配下に置かれる。裏会総本部奪還戦では、黒兜2体を動かして防衛するも、銀魅霞玄に黒兜を2体とも破壊され、最期は竜姫の依頼を受けた七郎の手によって殺害・消滅させられた。 腐部 骸次(くさりべ がいじ) 十二人会第五客。体に各所に包帯を巻いており、顔には傷がある男。人間の死体や骨を自分の忠実な兵隊として操る能力を持つが、死体がなければ能力が発揮できないので、墓から死体を呼び覚ましたり、戦場での死体を操ったりする。 日永率いる部隊による総本部襲撃で、裏山の墓場から死体を呼び起こして迎え撃つも、日永によってあっさりと洗脳され、支配下に置かれた。裏会奪還時の戦いでは七郎に吹き飛ばされ、総帥の死後は咒宝や紡岐もろとも竜姫に半ば強制され、裏会の立て直しに尽力する事になる。 銀魅 霞玄(しろみ かげん) 十二人会第六客。詳細は#元幹部を参照。 墨村 正守(すみむら まさもり) 声 - 宮内敦士 十二人会第七客。年齢は21歳。裏会内の実行部隊・"夜行"の頭領も務めており、良守と利守の兄。 常に和服で、良守曰く「親父臭い」。また、私服のセンスは変だと思われていたが、実際は父の修史が買ってきた服を文句も言わずに着ていただけである。斑尾曰く体に薄い膜を張っているため臭いがしないらしい。そのためか斑尾や白尾からは好かれていない。また、正守に限ったことではないが、結界師であるため精神系の能力にかなり敏感であり、精神系の攻撃を絶界で防ぐこともできるほか、考えもまったく読めないため精神系の異能者からも良く思われないことが多い。間流結界術もさることながら、さらに強力な絶界の使用、異界との抜け道の作成、空間の綻びの修正などかなり上級の術者である。良守と同じく、クリームソーダやチョコレートパフェ、和菓子などを好む甘党。無道の影響なのか、何種類かのマフラーを首に巻いている(後に、首にほどこした鋼夜との契約の痕を隠すという意味も付加された)。 戦闘では、主に間流結界術で相手の動きを止め、絶界で相手を消し去るという方法を行う。だが十二人会クラスの実力者相手の桁違いの攻撃には絶界でも攻撃を消し切れずにダメージを負う。 面倒見が良く、部下たちからは慕われているが、敵と認識したものには容赦なく殺気を向ける。墨村家の長男として生まれながら、正統継承者の方印が出なかったことに対し、深いコンプレックスがあり、自らの負の部分を受け入れた事が吉と出るか凶と出るか不明。そのような自らの境遇のためか、訳の分からない古いしきたりを壊したがる傾向がある(烏森、十二人会など)。それは「訳の分からない大きな力に振り回されるのが我慢ならないため」と語っており、それらに振り回されないだけの力を欲していることを認めている。逢海月久からは間時守に少し似ていると言われている。末席幹部であることに加え、十二人会幹部が彼と関わると死んでいるため他の幹部から疑われている。 初登場時からその強さを見せつけており、逢海日永の推薦もあり、史上最年少で十二人会に昇進した。黒芒楼の存在が明らかになったとき、夜行の本部を烏森に移そうとしたが黒芒楼と手を組んだ扇一郎に邪魔され、そのせいで志々尾限が命を落とすこととなる。第二次黒芒楼襲来の際は牙銀を絶界で消し去った(アニメでは左金)。その後黒芒に行った良守と閃を救出するため時子のつくった空間の抜け道で繁守らとともに黒芒に向かう。そして良守、閃を救出し黒芒から脱出した。 烏森を狙う扇一郎からの嫌がらせは日に日に激しくなっていき、ついには扇一郎が正守を陥れようと土地神を暴れさせて夜行の人間を(間接的にだが)3人殺し、行正に(土地神が神佑地を失い暴走状態だったとはいえ)土地神殺しの汚名をかぶせた。正守はその横暴さに怒り、扇一郎と交戦、なんとか後一歩で彼を消し去ろうとしたが分裂して逃げられてしまう。その後兄弟から切り捨てられ傷ついた肉体として残った扇六郎を助け、裏会の浄化のために奥久尼と手を組んだ。神佑地狩りがあるたびに、後始末に追われている。 奥久尼と共に扇を神佑地狩りの犯人として告発しようと、夜行の仲間と共に再び彼を討ちに行った。しかし、夜行が討つ直前に、扇兄弟5人は七郎に殺されていた(同じ頃、奥久尼も零に殺された)。それ以降他の幹部から殺害の疑いをかけられることもあった。その後細波から蛇の目が解体されたと聞き、総帥が一連の事件の犯人ではないかと疑いだす。 烏森がカケル達に襲撃されている夜、夢路久臣に裏会の立て直しのために協力して欲しいという名目で彼の屋敷に呼ばれた。その際に奥久尼の考えた質問を夢路にぶつけ、一連の事件の元凶を「総帥と夢路の兄弟げんか」と言い切り、総帥に対抗するために組織される新生裏会に参加するのを断ったところを零に急襲されてしまい、夢路に逃げられてしまう。なんとか夢路に追いつき、総帥を倒すために手を組むことを提案するが、夢路の能力で洗脳されかけてしまう。絶界で防いだものの、夢路から信用されたいなら絶界を解くことと要求され、最終的に絶界を解き、自身と夢路を結界で囲むことで、正守が夢路に洗脳・攻撃されかけた場合は自分もろとも滅する覚悟を見せるが、零の攻撃で夢路が殺害されてしまう。その後現れた奥久尼の霊から、烏森の正体を聞き、急いで烏森へ向かったが、全てが終わった後だった。扇七郎が墨村家を訪れた際に、七郎から、扇六郎を助けた恩などとして彼への依頼を受けつける電話番号(死神使用権)を渡された。 その後の十二人会会議で裏会のとりまとめ役となった冥安から補佐を任せられる。裏会内の権限を拡大し、総帥の情報を得るため記録係を集め、彼らの記憶を探るものの「彼らのボスが夢路」「記録係の情報全てが蓄えられているのが水月という女性」、程度しか判明しなかった。総帥に近づくために奥久尼の部下のまじない師を使って禁術に手を出し、人間の頃の記憶を持つ無道(能力は持たず、通常の霊魂よりも弱い)を復活させた。 裏会総本部で総帥を迎え撃つが、味方も無差別に攻撃する幹部たちに失望し、戦意を失う。その後総帥の海蛇を絶界で防ぎ、一人だけ落ち延びた。総帥を討って裏会を復興させるべく、春日夜未のつてで鬼童院ぬらを当たるも断られ、間時守のアドバイスにより死神使用権を使用して雷神(竜姫)と対面。彼女が主体となり、裏会総本部奪還に向けて動く。 預言により自身は日永打倒の役目を受け、覇久魔の異界に突入したが、標的であった日永は零号(月久)と戦いで、傷つき倒れていた。日永の過去を知り、処刑ではなく審判を勧めるが日永に拒まれ、遠と遥を託された。その後水月から蒼士を託され、蒼士、遠、遥と共に異界を脱出した。 総帥の死後も裏会の幹部には残ったが、再度末席からのスタートとなり、竜姫から「ヤング層の取り込み」を命じられている。また、刃鳥美希や無道の霊から、春日夜未との関係をからかわれている。 なお、彼の登場については当初1話からのはずだったが担当の指示で結局時音と良守の話に一本化された。また、当初のデザインも坊主だったが、担当から地味と言われた。そのため、額の三日月型のキズとあごのヒゲが付け加えられた。黒姫(くろひめ) 正守の召喚する、黒い鯉の姿をした管理者。影を使う際に使用する。 鋼夜(こうや) 声 - 江原正士 生前(500年前)から斑尾と組んでいた妖犬。自分たちが死ぬことになった原因が、間接的とはいえ人間にあったために人間を強く憎んでいる。400年前に自分のいた山を間時守に封印され山に入れなくなり、力を手にいれて封印を解くため、烏森の地に現れた。烏森では変化して人狼のような姿となり、良守や時音を圧倒したが、封印を解いた斑尾と良守の連携の前に敗北し、烏森の力によって死亡。良守はその死を悼み、鋼夜の残った体の一部を故郷だった山に埋めてもらうよう正守に託した。 だが、正守によって強制復活させられ、時守が山に施した封印を解くという条件で共闘することとなった。それ以降、正守のことを「人間」と呼ぶ。 裏会崩壊事件後、約束通り故郷の山に帰るが、その山は裏会の重要施設があり、時守が施したもの以外にも数え切れないほど魔除けがかかっていた。まじない返しの首輪をつけたものの、正守からはそのままではまじないに身を焼かれ死んでしまうと言われる。しかし本人(犬)は生まれた山で死を迎えたかっただけと語り、別れ際に正守に感謝の言葉を述べながら山に帰って行った。 扇 一郎(おうぎ いちろう) 声 - 郷里大輔 十二人会第八客。詳細は扇一族を参照。 奥久尼(おくに) 十二人会第九客。裏会記録室の最深部・奥書院の管理者。 小柄な女性。自分の知識欲を満たすために、ありとあらゆる不老不死の外法に手を出していたらしいが、本人曰く「解明できなかった」。「謎食いの奥久尼」と呼ばれ、裏会の抱えるあらゆる情報に精通している。古い秩序を重んじているようで、烏森のことを危険だと感じ、反論した墨村繁守、良守、雪村時子、時音に対して殺気を向け、烏森に干渉した扇一郎に対し警告を発している。落ち込む正守に気遣う言葉をかけるなど、基本的には「真実を知る」ことを追求する善人で、事を荒立てるようなことは好まない。度量も広く、記録室には規範を守れば所属できるという寛大な方針のため、部下の数は裏会でも最多。奥久尼の部下は彼女を崇拝しているところがあるらしく夕上は信者といっている。 式神は横に3本のちょっとカーブした線が入ったマーク。移動の際は部下と共に雲に乗って移動している。力を使う際は手に持っている鈴を鳴らす。鈴を鳴らすことにより、空間を切り開く、また巨大な力で対象物を押さえ込むことができる。夕上によれば使う術の多くは自分の部下の力を一つにまとめたものだったらしい。 正守と取引として情報の交換をした。その後、波平(なみひら)に連れてこられた良守に正守が扇一郎の元へ乗り込んだことを話し、正守の元へ行こうとする良守を止めていた。正守と扇一郎の戦闘後、良守の純粋さ(若さ)を見て思うところがあったのか、正守と裏会の浄化のために正守と手を結んだ。 正守が夜行と共に扇一郎を襲撃していた時と同じ頃に零の手で斬り殺された。十二人会第九客の札も斬られ、屋敷も燃やされた。その後霊体の状態で正守と共に夢路を訪ね、正守に4つの質問をさせた。そして、夢路との戦いが終わった後で、正守に烏森の力の謎を話して成仏した。 紡岐 一親(つむぎ かずちか) 十二人会第十客。顔が髪に覆われていて素顔が見えず、片目のみが頭髪の間から窺うことができる。生き物でないもの(死体も含む)に髪の毛の一部を結ぶことでその物体を自在に操る能力を持つ(本人曰く、死体よりも建物などといった巨大なものを操るのが得意とのこと)。日永率いる部隊による総本部襲撃で、総本部の建物を操って迎え撃つも、日永によってあっさりと洗脳され、支配下に置かれた。裏会奪還時の戦いではギンに氷漬けにされ、総帥の死後は腐部や咒宝もとろも竜姫に半ば強制され、裏会の立て直しに尽力する事になる。 狐ノ塚 奇平(このづか きへい) 十二人会第十一客。常に狐の面を被っているため素顔は見えず、扇一郎に次ぐ体格の持ち主。言葉を発する際、不自然なタイミングで間を取る癖がある。なぜか扇一郎との戦いに挑む前の奥久尼と正守のやり取りを知っていて、奥久尼と扇一郎の殺害について正守を疑っていたが、その後扇七郎に殺害された。 咒宝 (じゅほう) 十二人会第十二客。顔に布をつけており鼻と口は隠れている男。式神を一度に数十体ほど使えるほか、龍脈をあやつり、龍穴から気の流れを気柱としてビームのように放出して攻撃できる。その攻撃はかなりの威力を誇る反面、能力の使用中は地面から動けず、土地の力にも左右される(神佑地や裏会総本部といった強い力のある土地ではかなりの力を発揮できる)。 日永率いる部隊による総本部襲撃で、冥安・腐部・紡岐・正守と共に迎撃を行うが、味方を蔑ろにする姿勢から正守に「最低だな」と軽蔑されるも、「青い」と一蹴した。その後は日永によってあっさりと洗脳され、支配下に置かれた。裏会奪還時の戦いでは七郎によって戦闘不能にさせられ、総帥の死後は腐部や紡岐もろとも竜姫に半ば強制され、裏会の立て直しに尽力する事になる。
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