ハデスサイズ(冥王の吐息)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/02 01:21 UTC 版)
「クロノアイズ」の記事における「ハデスサイズ(冥王の吐息)」の解説
第1部の敵。“冥王”ハデスを首領とする時空犯罪者の結社。それぞれ異なる理想(目的)を持つ時空犯罪者たちが集まり、歴史上の大きな転換点となる20世紀末から21世紀初頭にかけて揺さぶりをかけ、歴史を変化させようとしている。時間移動には相応の設備や資金を要する為、目的の為に互いを利用し合っているに近い関係であり、幹部達はハデスに忠誠を誓っている訳ではなく、ハデスも幹部達を自由にさせている。 ハデス ハデスサイズの首領であり、全ての歴史を支配する事を目論む。普段は道化師のような仮面とローブで素顔を隠しており、素顔は大きなロイド眼鏡を掛けた長い髪の女性。パペッティアが齎した未来の技術を自ら望んで受け、その身体はほぼナノマシンで構成された細胞レベルでのサイボーグとなっており、これにより不死に近い寿命と、周囲のあらゆる物質を取り込む事による驚異的な再生能力、身体を液状化しあらゆる場所への侵入や脱出、生身による敵マシンのハッキングなどを可能とする。なお、液状化から戻ると全裸であるが、羞恥心は見せずそのまま堂々と振る舞う。ただし眼鏡だけは作り出し着用する。 本名はディーナ・キンネアド。航時理論を生み出した歴史上重要人物の娘であるということ以外は普通の少女だったのだが、母の失踪と父が事故で行方不明になり、かつ最後に残された母の研究成果すら奪われたことで、自分の生きる歴史そのものを憎悪するようになり、そこをパペッティアに唆された事で元々手にするはずだった時の研究成果、しいては時の全てを手中にと考えるようになり、さらにナノマシンサイボーグ化による人間性の欠如がそれに拍車を駆け、全てを自らの物としたいという欲望のままに暴走、全ての者と時間が自らの為に存在すると考え、それを口と態度に出すことを憚らない悪逆非道の"冥王"と化し、最早唆したパペッティアですら御することが出来ない。しかし本来は決してそのような人物ではなく、ハデスにならない最良解においては20年もの歳月を掛けて宇宙で行方不明となった父を助け出したほどの強さを持った女性であった。 度々映像のみで登場し相手を挑発していたが、21世紀へ逃亡したアトランティス王国からの打診により初めて本人が登場。アトランティス島王宮を訪問したハデスはそこで同盟を持ち掛けられるが、全てを自らの下に見るハデスには同盟自体が成り立たず破談となる。ここで即座に用意されていた装置で囚われるが、全身を液状化させることで悠々と脱出し、先行して潜入していたスリーピィと合流した。事前の戦闘で半壊状態だったデラックス・トーイ「サマンサ」に自らのナノマシン細胞を移植し、1体だったものを3体へと増殖させると、自らその1体に乗りこみ、改めてアトランティス王家のトーイ「オルハリオン」に戦闘を仕掛ける。しかし相手のパワーに圧倒され破壊されるが、残った上半身のみで飛びつくと、そのままナノマシン細胞を用い文字通り浸食しながら融合。同時にハデス本人は「オリハルコン」の制御室へ液状化して侵入し、アトランティス王を含む操縦員全員を制圧することで制御を奪取した。「オリハルコン」に搭載されたミサイルを21世紀の世界に向け無差別に発射することで紛争を巻き起こそうとするが、駆けつけた「ウズメ」によりミサイルは撃ち落とされ、さらに「ペルセディア」も加勢したことで「オルハリオン」は半壊に追い込まれ、制御室にも踏み込まれる。そこに至り、ハデスは制御室を諦め「サマンサ」側へ引っこむと、融合したままの「オリハルコン」ごと島の外に出て近海に呼び寄せておいた軍艦を破壊することで紛争の種を撒こうとするが、「サマンサ」部分のみをアナによる正確な射撃で撃ち抜かれ、その場は撤退した。 アトランティスでの戦いの後、クロノアイズの上層部を唆してクロノスを拘束し、未来世界の支配者となる。未来に乗り込んできたタイキ達を一度は敗北に追い込み、タイキ達を捕えると、タイキのみを自らの寝所へと連れ出し、「叶えられなかった願いを自らの身体を使って叶え」ようとするが、事情を知らないタイキに拒絶される。そしてタイキを「正史で死を迎える日」へ送り、「歴史通りの死を辿らせる」形で抹殺。更にアナ達も公開処刑しようとしたが、戻ってきたタイキからクロノアイズとタイムパラドックスの真実を聞かされ半狂乱に陥り、心身のバランスが崩れた結果、ナノマシンの機能が暴走して巨大な怪物へと変貌。世界の全てと同化するべく暴れ始める。 最後は自身の制御すら出来なくなったまま時空間を暴れ回るも、タイキと共に時空貫通弾で太陽系誕生の瞬間に飛ばされる。しかし狂乱の末、かつパペッティアに「自らを止める攻撃」を受けたことで最期の瞬間に本来の自分を取り戻し、妄念を晴らしてくれたタイキに感謝しながら、原始太陽誕生の爆発からその身と引き換えに彼を守って消滅した。この際の暴走で、図らずも「父が事故の一年後に無事帰還しディーナと再会する」という分枝を生み出したが、クロノスの意思もあり、ただの部分分枝として放置された。 パペッティア 首領ハデス直属のビメイダー。所属不明のクロノダイバー「パペッティア」と様々なスペシャルドレス(追加兵装)を駆使する。 ペルなどの他のビメイダーとは異なり殺人ができる(偶然未来社会に迷い込んだ金子を殺害している)が、誰かに「殺してよい」と許可されない限り行うことはできない。 実は311世紀よりも更に未来から来た存在であり、ビメイダーが迫害される暗黒時代の到来を防ぐべくある時代から送り込まれた。自分に都合の良い命令をする傀儡として「強い意志で歴史を恨む者」を探し、その結果ハデス(の前身)を覇道にそそのかした張本人でもある。だがハデスを本人の望み通りに細胞のナノマシン化を行った事でその野望は暴走を始め、自分の思惑から外れた為に望み通りの命令をしなくなったハデスを始末しようと画策。自身を敗北に追い込んだペルに協力を持ち掛けるも一蹴された為、ハデスが完全に人間でなくなった時を見計らって自ら始末しようとした。しかしその前にハデスが怪物と化した事で、ハデスを再び唆して制御下に置こうととするが、パペッティアこそが自分を狂わせた全ての元凶だと思い出したハデスに吸収される。その後自身の暴走が齎した結果により半狂乱になったハデスが「誰か私を止めて」と叫んだことにより、それを命令と解釈することでハデスへの攻撃が可能となり、最期の力で行った攻撃が結果的にタイキ達がハデスを止める一手となった。 プロフェッサー・スパイディ 四大幹部の一人。名前の通りに蜘蛛をあしらったコスチュームに身を包んだ10代半ば程度の外見の女性。科学者であり、幹部の中では一番のインテリ。全てが管理された未来世界を嫌悪し、(殺人や戦争を含む)あらゆる自由が認められた世界を作る事が目的。スーパージェッターに登場する時間犯罪者スパイダーから名付けられた。タイキと最初に戦ったハデスサイズでもある。目的の為に手段を選ばない冷徹な悪女だが、タイキにあっさり投げ飛ばされたり、ジャギィのテンションにキレるなどコミカルな姿を見せる事もしばしば。 最終的にパペッティアの戦闘力を引き出す為の捨て駒にされ、タイキに助けようとしてもらった(一緒に踏み潰された)ことで彼に好意を抱くようになった。ハデスに見限られた事で四大幹部共々、タイキを新たなリーダーとして頼ってきたがそれがタイキの命を救い、未来をも救う切っ掛けとなる。時空間の真実を知った後は自分のしてきた犯罪行為の無意味さを悟って歴史改変を諦めた。ハデスとの最終決戦では恥ずかしがりながら偽クレオに扮し、偽クロノアイズとしてタイキに協力した。決戦後は他の3人共々逮捕されるが、事態の収束に貢献した事もあってか4人とも軽い罪で済んだ。 第2部ではドクター・スパイディと呼称され、成人女性と言える外見に成長している。「未来屋」の協力者としてカロス17のAIの性格設計をした。カロス17が大破した際にも修理に協力している。タイキへは未だ好意を持っているらしく、アナに対してはそっけない態度を取る。それは彼女が設計したカロス17の性格にも現れている。 ジャギィ 四大幹部の一人。ハンターを名乗る。頭部以外を覆うボディスーツの上からブラジャーを付けワンショルダーのドレスを羽織っている。グルメで、あらゆる種類の絶滅動物(または一時代限定の食品)を食べるのがハデスサイズに所属する目的であり、歴史の改変自体には興味は無い。幹部の中でも極めて能天気で考えなしに行動するトラブルメーカーで、脊椎動物の祖先にあたる生物「ピカイア」を食べようとしたり、時間犯罪とは関係無しに美味しいもの目当てで20世紀を訪れていたりする。アポロ11号の中でタイキ、エルザと共に三日間過ごした事もあり、その際にエルザと仲良くなった。やはりスーパージェッターの時間犯罪者ジャガーから名付けられている。 時空間の真実を知った際は「どこかに絶滅動物が大繁殖してる世界があるなんて思っただけで食欲を無くす」と、時空犯罪者をやめた。ハデスとの最終決戦では偽クロノアイズの一員として偽エルザに扮した。 自他共に「学が無い」と認められるタイプだが、妹は出来が良いらしい。第2部では最終巻のカバー裏のおまけ漫画に登場し、実はナスターシャの姉であった事が判明する。 侵略大帝(しんりゃくたいてい) 四大幹部の黒一点で全身鎧を着ている。「大帝」は自分で名乗っているだけなので、「大帝なのに幹部」という事に作中でもツッコまれている。「未来では男性の肩身が狭い」として、女性の社会進出が本格化した20世紀に男性の象徴たる戦国武将を呼び込み、再び覇権争いをさせる事で未来の女性中心社会を変えようとした。実は自分が恐妻家であり、傍若無人な妻の横暴に日頃から耐えていた為、歴史を変えて「妻」の存在を消そうというのが動機。セコい小悪党じみた性格だが戦闘能力はあり、鎧姿も伊達ではなく肉弾戦や剣術でも相応に戦える。 あくまで妻から自由になれればよい為、時空間の真実を知った際にもあまりショックを受けた様子は無かった。ハデスとの最終決戦では偽クロノアイズとして偽退屈丸に扮した。 第2部ではクロノアイズの極秘下部組織「地図作製人(マッパー)」において時間樹の学術的研究を行う傍ら、グランサーへの依頼人の仲介もしているが、これもルール違反である。また、素顔は線の細い美男子であるという事実も明かされた。素顔の時はスーツ姿で紳士だが、鎧を着用した際には普段通りの三下っぽいハイテンションな性格に変わる。タイキ曰く、「付き合いは長いけど、あれはよく分からない」。この鎧は私物であり、損傷した際には未来屋に修復を依頼している。妻との離婚も成立し、ナスターシャと婚約するがジャギィという思わぬ方面から反対される。 千界の王との決戦の際に置いてけぼりを喰ったヒルダの連絡を受けて協力する。以後ナスターシャ、ニンニくんと共に「未来屋」の新メンバー(バックアップ)として参加する事となる。 元々は『マップス』や『わかりすぎた結末 あるいは失笑した宇宙 もしくはキャプテン・オーマイガーの華麗なる挑戦』など複数の長谷川作品に跨って登場するキャラであり、「幹部なのに大帝」なのも名前がそれに由来するからである。但し、作品毎にそれぞれ別人扱い。また本作品以降にも『スタジオ秘密基地劇場』等にセルフパロディとして登場している。 スリーピィ 四大幹部の一人。首のない女騎士の姿をしたサイボーグ。時空の狭間でなくした自分の頭部を探している。 首が無い状態でどうやって思考しているかは不明だが身体の方は生身な為、鎧なしの状態だと不気味すぎて仲間内でも不評。幹部の中では最もドライ且つ冷静な性格で、時空間の真実を知った際も「諦めてサイボーグの頭を付けちゃおうか」と吹っ切れていた。変装時にはマネキンやズダ袋などの「ダミー頭部」を着けており、ハデスとの最終決戦ではラクガキ状態のダミー頭部を付けて偽アナに扮した。第2部には登場していない。
※この「ハデスサイズ(冥王の吐息)」の解説は、「クロノアイズ」の解説の一部です。
「ハデスサイズ(冥王の吐息)」を含む「クロノアイズ」の記事については、「クロノアイズ」の概要を参照ください。
- ハデスサイズのページへのリンク