分枝
分枝
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/19 06:58 UTC 版)
根は、ふつう根端から比較的離れた場所で、側根 (lateral root; 分枝根 branch root) を形成して側方分枝 (中軸分枝) する。根の内部の中心柱の最外層にある内鞘 (またはその外側の内皮) から新たな側根の原基が生じ、これが皮層や表皮を突き破って伸長する (右図3a)。すなわち根の分枝は内生的 (endogenous; 新たな根が内部に形成される) であり、茎の分枝が外生的 (exogenous; 新たな茎が表面から形成される) であるのとは対照的である。 根はしばしば分枝を繰り返す。主となる根から生じた側根は一次側根 (primary lateral root)、そこから生じた側根は二次側根 (secondary lateral root) のように順によばれることがある。 側根はふつう根の中心柱に対して特定の位置に由来し、特に原生木部に面する部分 (横断面で木部が外側へ突出している部分) から生じることが多いが、他にも原生師部に面する部分や原生木部と原生師部の間から生じる例も知られている。そのため、側根は縦列 (または螺生) して生じることが多く、その列数から中心柱の構造が推定できる。側根が2列であるダイコン (アブラナ科) は二原型木部、側根が4列であるニンジン (セリ科) は四原型木部、側根が5列であるサツマイモ (ヒルガオ科) は五原型木部をもつ。 上記のように根の分枝はふつう内生的であり側方分枝であるが、例外的にヒカゲノカズラ植物の根はその茎と同様に、根端分裂組織が2分することによって二又分枝する (右図3b)。つまりヒカゲノカズラ植物の根の分枝は外生的 (新たな根が表面から形成される) である。またヒカゲノカズラ植物は、根の木部が内原型である点でも他の維管束植物とは異なっている (上記)。このようにヒカゲノカズラ植物とそれ以外の維管束植物 (真葉植物、大葉植物) の根は大きく異なる特徴を示し、一般的にこれらの根は異なる起源をもつものと考えられている。ただしヒカゲノカズラ植物の根も、根冠や根毛をもつ点や、茎から内生発生する点では真葉植物の根と共通している。
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分枝
「分枝」の例文・使い方・用例・文例
- 軸に沿って存在する、扁圧されたあるいは膨らんだ小さな分枝が特徴の褐藻
- 迷路を供給する基底動脈の分枝である動脈
- 脚と足の内側に皮枝を供給する大腿神経の分枝
- 武装イスラム集団のアルジェリアの過激派イスラム教の分枝
- 温帯北部地域の主に多年生の直立して分枝する草本の大きな属で、有毒のものもある
- 熱帯中央アジアおよびアフリカ産の直立生の一年草で、葉を生ずるほとんどの節に分枝した一対のとげを持つ
- 堅く分枝した旧世界産の一年生植物で薄い黄色の花が咲く
- 分枝した木性の茎と明るい黄色の花を持つ多年生草本
- カリフォルニアおよびメキシコ産の丈が高く、分枝する亜低木で、銀青色の葉と大きな芳香性の白花が目的でしばしば栽培される
- 北米産の多く分枝するよく見られる多年草で、ヒースに似た葉と小さい星形の白い花を持つ
- 北米西部産の低く分枝する低木の属
- よく分枝する植物で、有毛の葉と茎を持ち、茎のそれぞれに細い白、ピンクまたは薄紫の舌状花を持つ単性の頭花をつける
- 華やかな花を持つ、丈の高い、直立性あるいは分枝した一年生あるいは多年生の草本:ヒマワリ
- 銀色がかった葉と小さい白花を持つ、テキサスとメキシコ北部産の、多く分枝する亜低木
- 綿毛で覆われた茎と葉と、黄色い花を持つ、分枝し、香りのよい地中海沿岸の低木
- 非常に白い羊毛の茎と葉がある地中海の地域硬い多分枝性の多年生植物
- 大きな黄色からオレンジ色の頭状花序を持つ、分枝する丈夫な一年生植物
- 米国中部で牧草としていくらか価値のある細く分枝するアメリカの草
- 地上にある球根から成長する明るい緑の茎のために装飾物として栽培される多分枝性の葉のない巻きつく南アフリカのハーブ
- 葉または他の植物器官の通道組織と支持組織の分枝状組織を形成する維管束または肋
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