ジムII ジムIIの概要

ジムII

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/09/25 00:38 UTC 版)

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前作に当たるアニメ『機動戦士ガンダム』に登場する地球連邦軍の主力量産機であるジムの改良型で[1]、軍閥であるティターンズや連邦正規軍、および反地球連邦組織エゥーゴの各勢力で主力機として運用される。基本的にはジムのマイナーチェンジバージョンに過ぎず[1]、劇中ではジム同様に「やられ役」としての描写が多い。続編の『機動戦士ガンダムΖΖ』や、OVA『機動戦士ガンダムUC』にも登場する。

デザイン

メカニックデザインは、近藤和久による初期稿をもとに藤田一己がクリーンアップをおこなった[2]。また、模型化用に明貴美加が三面図を描いている[3]

小説版『UC』では、カトキハジメによって新たに設定画が描かれ[4]、同時に登場するジムIIIとフォルムの統一化がなされている。アニメ版ではほかの『UC』登場メカと同様、作画用に細かいディテールを簡略化した設定画が改めて描かれるとともに、バリエーション機としてジムII・セミストライカーも設定された[5]

型式番号

おもにRMS-179とされることが多いが、RGM-79Rという型式番号も『Ζ』放送当時から設定されており、前者はグリプス製のものであるとされ[6]、1988年のムック『MS大全集』でも踏襲された[7]。ただし同書で前者は "RGM-179" と誤記され、その後の『MS大全集』シリーズ(2003年度版で修正[8])や『ENTERTAINMENT BIBLE』[9]、『データコレクション』[10]などにもそのまま引き継がれた。

『UC』では、原作小説版ではRGM-79Rとされるが[11]、小説版の設定資料集である『カトキハジメ メカニカルアーカイブス』ではRMS-179とされた[4]。アニメ版の設定資料集ではおもにRMS-179とされるが、両方について触れたものもある[12]

なお、『Ζ』での藤田による設定画には「RX-79・改」と記されている[3]。また、『Ζ』と設定やストーリーが異なる近藤の漫画『サイドストーリー・オブ・ガンダムΖ』での型式番号はRGM-82、同様の雑誌企画「TYRANT SWORD Of NEOFALIA」の設定ではRS-82Bとされる。

設定解説

諸元
ジムII
GM II
型式番号 RGM-79R → RMS-179
生産形態 改修機 → 量産機
全高 19.1m[13] / 18.1m[14]
頭頂高 18.1m[13]
本体重量 40.5t[14]
全備重量 58.7t[14]
装甲材質 チタン合金セラミック複合材[14]
出力 1,518kW[14]
推力 15,500kg×4[14]
総推力:62,000kg[13]
センサー
有効半径
8,800m[14]
武装 ビーム・ライフル
60mm[15]バルカン砲×2
ビーム・サーベル
シールド
他(武装を参照)
搭乗者 地球連邦軍一般兵
その他 姿勢制御バーニア×10[14]

宇宙世紀0080年10月に可決された「連邦軍再建計画」を受け[16]一年戦争時に主力MSとして大量生産されたジムを有効活用すべく[17]、バージョンアップ研究が開始される[16][注 1]。0083年にはRGM-79Rの型式番号を割り当てられ[19]基本的な仕様(機動性の強化、索敵能力の向上、武装の改良[20]、1,500kW級ジェネレーターの搭載など[16][注 2])が確定し、ジャブローやグラナダの工廠で第1陣として58機が改修を受けている。これが本機の最初のモデルであるが、この時点では全天周囲モニター・リニアシートは採用されておらず、0085年以降に改修された機体には導入されている[16]

ADVANCE OF Ζ ティターンズの旗のもとに』では、連邦軍による本機の制式採用が決定したあと、ティターンズがみずからの部隊でその採用を検討するため、評価試験機としてジム改を本機の仕様に合わせたRGM-79CR ジム改高機動型を製造しており[21]、0084年12月にはティターンズ・テスト・チーム(T3部隊)による試験運用が確認できる[22]

また、旧ジオン公国軍の技術を導入した新型量産機であるハイザックの開発時にトラブルが発生し、純連邦産であるジム・シリーズの再評価の機運が高まる[16](連邦軍内部の派閥闘争の激化にともない、調達容易な機体へのニーズが急速に高まったともいわれる[18])。これを受けて、グリプス工廠ではR型ジムIIとほぼ同じ仕様の機体をRMS-179 ジムIIとして新規に増産する運びとなる。以上より、厳密には既存のジムの近代化改修機はRGM-79R、新規製造された機体(後期生産型とも呼ばれる[12])はRMS-179となるが[注 3]、しばしば両機は混同され、軍内で製作された書面であっても型式番号だけで新規製造分かどうかを判別するのは難しいとされる[16]。両機にスペック上の違いはないが、新規製造がもたらすパーツ間の優れたマッチングや、近代化改修機の運用と同系列機によるテストで蓄積されたデータを投入したRMS-179の信頼性は圧倒的に高いという[12]

ハイザックの配備がティターンズに優先的に進められたため、本機は連邦正規軍に振り分けられているが、グリプス戦役の初期にはティターンズとエゥーゴの双方が正規軍部隊に対して取り込みをおこなっており、対立する両陣営で運用されている[16]。生産数は10,000機を上回り[24]、原型機であるジム(派生型含む)の総生産数3,800機[17]の倍以上となっている。装甲強度を除けば初代ガンダム以上の性能を誇るが[25]、台頭する第2世代MSに対して運動性の面でおよぶはずもなく、次第に最前線の戦闘から支援に回されてゆき、マラサイバーザムネモといった新型量産機に取って代わられている[16]。グリプス戦役後には一部の機体がジムIIIとして本格的な改修を受け、前線に返り咲いている[注 4]

標準塗装はジムを踏襲した白と赤を基調とし(塗り分けは一部異なる)、連邦正規軍やティターンズで運用されている。エゥーゴで運用された機体は緑と白(ややくすんでいる)を基調とする。その他の塗装バリエーションについては劇中での活躍を参照。

機体構造

おもに原型機であるジム(初期型)との相違点について記述する。

頭部
基本的に原型機を踏襲しているが、後頭部右側にポール・タイプ・アンテナ、左側にリア・シーカーが増設され、索敵および通信機能が大幅に向上している[16]
胴体
ジムはその原型機であるガンダムと異なりはコア・ブロック・システムを廃しているが、コア・ブロック構造自体は残されているため、本機の1,500kW級ジェネレーターへの換装や全天周囲モニター・リニアシートの導入は比較的スムーズにおこなわれている[16]。また、左肩口にはサブ・センサーが増設されている[20]
腕部
0080年代のMSのトレンドにのっとり、肩アーマー側面に姿勢制御用のスラスターが2基ずつ増設されている。腕部自体はマウント・ラッチが戦後規格のものに変更された程度で、大きな変更点はない[20]
バックパック
D型以降のジム系の標準となっているメイン・スラスター4発のタイプに変更されており[20]、ここから本機はD型をベースに宇宙用に改装した機体であるとする説もある[26]。また、後方警戒用のサブ・センサーが増設されている[20]ジム改の生産ラインをほぼ流用して供給される[18]
脚部
脹脛部にスラスターが3基ずつ増設されている[20]。一部の機体に採用されていた開閉式のものを固定装備とし、生産性と整備性を維持しつつ機動性を向上させている[18]。ただし、『UC』に登場した機体にはこのスラスターは確認できない。また、膝部にはショック・アブソーバーが追加されている[20]

武装

ビーム・ライフル
ボウワ社製(型式番号:BR-S-85-C2)で[27]、出力1.9メガワット[14]。従来のビーム・スプレーガンの生産ラインを転用して生産される[27]。規格的にはローエンドであるが、フォアグリップの追加により使い勝手が向上している[27]。徹底したユニット構造により、メンテナンス性は高い[28]。センサー・システムは小型化とコストダウンを両立しているが、ロングレンジでの射撃性能はパイロットに「バルカン砲のほうがまし」と言わしめるほどである[28]。エネルギーは従来通り本体から供給されており、継戦能力に課題を残しているとされるが[18]、実戦ではバースト射撃で24連射可能な性能と、最低エネルギー・リチャージ時間(エンプティから次の1発が撃てるまでの時間)が約15秒という実用性により、多くのパイロットに支持されている[28]
0080年代なかばに連邦軍MS主力兵装として採用されており、本機のほかネモも標準兵装としている。また、推奨ジェネレーター出力は1,500kWとされるが[28]、これを下回るジム・クゥエルも携行しており[27]、さらに『Ζ』第12話では旧式であるジム・キャノンガンキャノン重装型も携行している。

その他の標準兵装は原型機を踏襲しているが、ビーム・サーベルの発振器は一年戦争以来の量産品の更新部材が採用されている[18]

アニメ版『UC』では、ダカールで登場する機体のうち2機はスタークジェガンのハイパー・バズーカとジム改のシールドを携行・装備。トリントン基地所属の2機のうち、1機はアクア・ジムのハープーン・ガンとジム改のシールド、もう1機はジェガン(エコーズ仕様)のバズーカ(連邦軍汎用)と陸戦型ガンダム陸戦型ジムのシールドを携行・装備する。

劇中での活躍

『Ζ』では量産機として各話で登場。第1話では、サイド7コロニー「グリーンノア2(グリプス)」内で、ガンダムMk-IIと同様の濃紺のティターンズ・カラーに塗装された機体が倉庫に格納された状態で足先のみ確認できる[注 5]。本格的な登場は第2話からで、「グリーンノア1」に侵入したアーガマリック・ディアス小隊に対してティターンズ所属機(白と赤の標準塗装)が多数迎撃に出るが、少なくとも11機が撃破または行動不能にされる。

第3話では、アーガマの僚艦であるサラミス改級巡洋艦「モンブラン」所属の1機が2カットのみ登場するが、機体色はエゥーゴ・カラーではなく標準塗装であり、クワトロ・バジーナのリック・ディアスに邪魔者扱いされる。第6話ではモンブラン所属機(このときからエゥーゴ・カラー)が3機出撃するも、1機はライラ・ミラ・ライラガルバルディβに撃破され、直後にモンブランも撃沈されるが、残る2機は第7話でアーガマに回収されていることが確認でき、サイド4の暗礁宙域にてスペースデブリの監視を担当している。第10話では月のアンマンでネモとともに1機がアーガマに追加配備されるが、カクリコン・カクーラーキッチマンのハイザックによる急襲の防衛で2機が損傷する。その後のジャブロー降下作戦では、ネモとともに主力機として多数が投入されている。

第12話・第32話では、ネモと同様の塗装が施された機体が登場するが、頭部の塗り分けはそれぞれ若干異なる。

続編の『機動戦士ガンダムΖΖ』第20話では、月のグラナダの宇宙港を警護する1機(エゥーゴ・カラー)が1カットのみ登場する。

宇宙世紀0096年を描いた小説およびアニメ『機動戦士ガンダムUC』にも登場。原作小説版では、ジムIIIへの更新が滞っているトリントン基地の主力としてビーム・ライフルやハイパー・バズーカを携行して複数登場するが、公国軍残党のザク・マリナーゼー・ズールカプールに撃破される。機体色は、アニメ『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』に登場するトリントン基地所属のジム改やザクII F2型と同様のデザート・ピンクと濃紺を基調とする[4]。アニメ版では、ダカールでの戦闘に4機、トリントン基地港湾部で2機のみ登場する。前者では2機がカプールに行動不能にされ、最終的にすべてシャンブロの大口径メガ粒子砲で焼き払われる。後者では2機ともゼー・ズールとゾゴックによって撃破される。いずれも標準塗装であるが、デザート・カラーのアニメ版カラー設定画も描き起こされている[29]。漫画版『機動戦士ガンダムUC バンデシネ』では、ダカール戦で多数が登場するが、全機とも両肩はジムII・セミストライカーと同型となっている。トリントン基地所属機は通常の肩である。

アニメ版『UC』の外伝漫画『機動戦士ガンダムUC 星月の欠片』では、グリプス戦役時に連邦軍のジュン・ビオレッタ曹長が搭乗するほか、0095年にはラプターブルー隊の2機が登場。胸部が青で塗られており、ガンダムを彷彿とさせる。エンデ・アベニール中尉とユーディン・トーパナム中尉が搭乗し、インダストリアル7のアナハイム工専の実習場の警護を担当する。エンデ機は整備の実習に使用され、頭部を外されて分解されるが、実習場がジオン共和国の急進的右翼団体「風の会」の襲撃を受けたため、急遽実習用のレプリカ・ガンダム・ヘッドを強引に取り付け、「風の会」のハイザック3機を撃破する。同じく外伝漫画『機動戦士ガンダムUC 『袖付き』の機付長は詩詠う』では、トリントン基地での戦闘直後に海賊が鹵獲した機体の1機として登場。公国軍残党カークス隊のアジトである洞穴を襲撃するが、「袖付き」のアヴリル・ゼックのゼー・ズールに撃破される。

漫画『機動戦士ガンダム MSV-R ジョニー・ライデンの帰還』では、0090年にコンペイトウ宙域でザンジバル級機動巡洋艦「サングレ・アスル」を捜索するエメ・ウィルヘッドアイザックの護衛として、Federation Survey Service (FSS) クリストバル・ラザフォードが搭乗。標準塗装で、型式番号はRGM-79R[30]。十字のレリーフを除去したシールドに、クリストバルのパーソナル・エンブレムである「角の生えた髑髏」が描かれている。

漫画『機動戦士ガンダム U.C.0094 アクロス・ザ・スカイ』では、主人公のブレイア・リュードらが所属する連邦軍マリアナ基地のMS隊が6機(2小隊)を運用する。機体色は『UC』と同じデザート・カラー。

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注釈

  1. ^ ジムの後継機の開発開始は0080年代なかば以降とする資料もある[18]
  2. ^ 『Ζ』放送当時の設定では装甲材質も変更されたとされるが[20]、原型機であるジムの現在の設定では本機と同じチタン合金セラミック複合材とされる。
  3. ^ GUNDAM OFFICIALS』では、既存改修分も新規製造分も "RGM-79R" と表記している[23]
  4. ^ ジムIIIの総生産数は800機程度とされる[17]
  5. ^ ガンダムMk-IIにない足裏のスラスターが確認できる。
  6. ^ 一方で、ウェアラブル・アーマーであるとする資料もある[5]

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