サラリーマン サラリーマンのイメージ

サラリーマン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/06/01 16:23 UTC 版)

サラリーマンのイメージ

サラリーマンは、その生活基盤を特定企業に依存していることが多く、これを揶揄して社畜(しゃちく・「会社の家畜」という意味)や会社の犬と呼ばれる(自嘲する)ケースも見られる。このほか、没個性的な組織の歯車・会社への忠誠および依存(宮仕え)・年功序列企業戦士接待ゴルフ・過度の残業ワーカホリック過労死といったイメージとしばしば結びつけられる。時代背景によってもイメージは変わり、高度経済成長期のモーレツ社員や、バブル経済期(バブル景気)当時の栄養ドリンク片手に午前様も厭わず世界を股に掛けて走るビジネスマンバブル経済崩壊後のリストラに怯えるサラリーマンなど様々なイメージが作られている。

大学生が抱くサラリーマンのイメージは、「スーツとネクタイで忙しく残業をしている男が、残業で疲れ、忙しく、愚痴を言っている」 姿を中心に、「汗をかいて頭を下げながら仕事をしている」姿、「車内で疲れきった様子で集団に埋没している」姿、「女性を含めて笑顔で挨拶をしている」姿などで、感情評価としては 「大変そう」 「つらそう」 といった同情や哀れみの感情が多く、「なりたくない姿」 「つまらない」 あるいは 「汚い」 といった軽蔑感情が示されている[22]

脱サラ

サラリーマンを辞めて、サラリーマン以外の違う仕事(起業する・資格を取り専門職になる・実質的な生産業に従事する・創作活動に転向するなど、個人事業主が多い)に就くことを脱サラ(だつサラ・だっサラ)という。ただ一般に「望む職業に就く」ものであるとされているため、「リストラされてやむなく家業を継いだ」や「勤めていた会社が倒産・廃業し、その顧客を引き継ぐ形で新たに自分の会社を起業した」といった受動的な理由によるものや無目的な転職に関しては、通常はこの範疇に含まれない(ただし、病気やリストラをきっかけにしてサラリーマン以外に職を求めることを含む場合もある)。また結婚して専業主婦または主夫になる事は、脱サラ扱いされない。

脱サラ事例としては、個人事業主が多く、以下のような事例がある。

  1. 起業により経営者になること(SOHOによるウェブデザイナー通信販売業・コンサルティング業・学習塾など)
  2. 農業漁業などの一次産業(農業だけでは食べられず、兼業農家となることもある)
  3. 伝統産業などの職人になること
  4. 著作家漫画家写真家イラストレーターなどへの転向
  5. 飲食店や個人経営商店の開業(フランチャイズなども含む)

一方で、脱サラ起業(特に飲食関連)は失敗例も多く[23][24][25]、サラリーマン時代との評価や信用度の違いに苦しむ場合も少なくない[26][27]

フィクション

サラリーマンを冠した作品

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  1. ^ a b 日本国語大辞典,世界大百科事典内言及, デジタル大辞泉,世界大百科事典 第2版,日本大百科全書(ニッポニカ),精選版. “サラリーマンとは”. コトバンク. 2021年4月11日閲覧。
  2. ^ 日本国語大辞典,世界大百科事典内言及, ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典,デジタル大辞泉,百科事典マイペディア,とっさの日本語便利帳,世界大百科事典 第2版,精選版. “リーマンとは”. コトバンク. 2021年4月11日閲覧。
  3. ^ 総務省|統計基準・統計分類|日本標準職業分類(平成21年12月統計基準設定) 分類項目名”. 総務省. 2021年7月14日閲覧。
  4. ^ ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典,, 世界大百科事典内言及. “サラリウムとは”. コトバンク. 2023年7月13日閲覧。
  5. ^ サラリーの語源(古代ローマ)”. 塩と暮らしを結ぶ運動. 2023年7月13日閲覧。
  6. ^ 鈴木貴宇(2022)『<サラリーマン>の文化史』青弓社、p.23
  7. ^ 大野明男「前田一」『現代日本朝日人物事典』朝日新聞社、1990年
  8. ^ salaryman” (英語). Cambridge University Press & Assessment. 2023年7月13日閲覧。
  9. ^ Googleニュース検索における"salaryman"の検索結果
  10. ^ Google書籍検索における"salaryman"の検索結果
  11. ^ 溝上憲文 (2019年11月11日). “リストラ数は6年ぶりに1万人超え。業績好調でも早期退職者を募集する理由”. www.businessinsider.jp. 2020年4月30日閲覧。
  12. ^ 河合薫. “再来した大リストラ時代と「雇用流動化」礼賛の幻想”. 日経ビジネス電子版. 2020年4月30日閲覧。
  13. ^ 週刊SPA!編集部 (2019年4月23日). “45歳以上はクビ!? NEC、富士通、コカ・コーラetc.でリストラが進行中”. 日刊SPA!. 2020年4月30日閲覧。
  14. ^ https://archive.fo/oO2E[リンク切れ]
  15. ^ a b 長野誠治「サラリーマンの生活と生きがいに関する調査: 中高年の会社員と公務員の比較」『年金研究』、年金シニアプラン総合研究機構、2018年。doi:10.20739/nenkinkenkyu.9.0_30https://doi.org/10.20739/nenkinkenkyu.9.0_302020年4月30日閲覧 
  16. ^ http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/Xlsdl.do?sinfid=000000640309
  17. ^ 第36回ワークス大卒求人倍率調査(2020年卒)”. リクルートワークス研究所. 2020年5月18日閲覧。
  18. ^ 【2020年版】有効求人倍率とは? 全国・都道府県・職種別推移から転職事情が分かる!”. マイナビ転職. 2020年5月18日閲覧。
  19. ^ 松原孝俊「五ヶ山・小川内 昭和点描」『福岡県文化財調査報告書』、福岡県教育委員会、241-260頁、2008年。hdl:2324/17962https://hdl.handle.net/2324/17962 
  20. ^ 金口木舌」『琉球新報』2011年12月8日https://web.archive.org/web/20130623141533/http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-184946-storytopic-12.html 
  21. ^ a b 菅谷和宏「サラリーマンの生活と生きがいの変化(団塊の世代を追って)」『年金研究』、年金シニアプラン総合研究機構、2017年。doi:10.20739/nenkinkenkyu.7.0_2https://doi.org/10.20739/nenkinkenkyu.7.0_22020年4月30日閲覧 
  22. ^ 上瀬由美子「大学生が抱く社会人・サラリーマン―ステレオタイプに関する予備的研究描画を用いた検討」『情報と社会』第18巻、江戸川大学、2008年3月、102-118頁。 
  23. ^ 「脱サラ起業」の成否... その肝は「ポジティブマインド」だった”. J-CAST 会社ウォッチ (2019年10月20日). 2020年4月30日閲覧。
  24. ^ 脱サラしてロックバーを開業した男性の「こんなはずじゃなかった」顛末”. www.msn.com. 2020年4月30日閲覧。
  25. ^ 飲食店経営に手を出したら、その先には「地獄」が待っている(三戸 政和) @moneygendai”. マネー現代. 2020年4月30日閲覧。
  26. ^ 勘違いで独立するな。他人は社名や肩書きにペコペコしているだけだ”. まぐまぐニュース! (2015年12月21日). 2020年4月30日閲覧。
  27. ^ 脱サラで、得すること・損すること。クレカさえ審査落ちする現実”. bizSPA!フレッシュ (2019年6月18日). 2020年4月30日閲覧。


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