ガラパゴス化 バズワード化

ガラパゴス化

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/06/16 10:27 UTC 版)

バズワード化

「ガラパゴス化」とは本来、前述のように世界の潮流、「デファクト」から取り残されて、日本国内の独自規格(主に技術面)が不利になる現象を言うのであるが、単に日本国内の独自性が高い制度や文化に対して批判的な文脈としてバズワード的な用法も見られる。また、グローバル化に対する賛否それぞれの立場からもバズワード的に用いられる。

交通・輸送の「ガラパゴス化」

自動車

日本独自の主な自動車文化

自動車に関して、日本独自でガラパゴス的であると指摘されるものとして、軽自動車5ないしは7ナンバー/4ないしは6ナンバー車(いわゆる小型自動車で、道路交通法による普通自動車に該当する車)の存在、カーナビの高い普及率、3列シートミニバン、軽自動車を除くスライドドアを採用した一部の5人乗りのハイトワゴン型乗用車(例:トヨタ・ポルテ/トヨタ・スペイドスズキ・ソリオ/三菱・デリカD:2ダイハツ・トール/トヨタ・ルーミー/トヨタ・タンク/スバル・ジャスティなど)、ドアの開くタクシー、有人フルサービスのガソリンスタンド、ドリフトを魅せるD1GP痛車ハザードクラクションの使い方などが挙げられることがある[41]。 なお、軽自動車については、今後の新興国攻略の鍵となる、との議論もある[42]。また国内登録車販売戦略での「安全パイ」であるミニバン、およびごく一部の国内の交通事情に特化した小型セダン、小型ステーションワゴン以外のジャンルにおいて5ナンバー規格の車種は激減する一方であり、2018年5月現在の時点で新車で販売されている車種のほとんどがフルBセグメント以下の車種である。これは1990年代にはDセグメント以上、2000年代にはCセグメントの車種が「世界戦略車」の名のもとに、という側面もありそれぞれ大型化(あるいはグローバル化)したからである。

4ないしは6ナンバー/5ないしは7ナンバーサイズ車(小型自動車)

3ナンバー車の税金が一律に高額だった時代が終わって相当の年数が経った2010年代においても、その時代に(5ないしは7ナンバー車、および4ないしは6ナンバー車を基準として)設計・建設された道路や車庫、駐車場と言ったインフラ事情が関係して5ないしは7ナンバー/4ないしは6ナンバーサイズ車(分類番号5xxないしは7xxの乗用車、および4xxないしは6xxの商用車)への需要は根強く残っている。そのため、3ナンバー車、および1ナンバー車の普及が進んでいた1990年代後半以降において、例えばトヨタ・プログレの「小さな高級車」と言うキャッチコピー[注釈 9]カローラルミオンを除く日本国内市場向け10代目トヨタ・カローラシリーズ(初代カローラアクシオ/2代目カローラフィールダー)の「新しい尺度。」、後期型トヨタ・ベルタの「ジャストなセダン、誕生。」、初代ホンダ・フリードの「ちょうどいいミニバン」、2代目ホンダ・インサイトの「寸尺(サイズ)に収める、という美学。」などといったキャッチコピーのように5ナンバーサイズであることを明確に売りにしたケースも存在している。

原動機付自転車(特に側車のない総排気量125㏄以下のオートバイ)

日本では側車サイドカー)のない総排気量125㏄以下の自動二輪車(道路交通法においては、普通自動二輪車の一部に該当する)は、道路運送車両法においては原動機付自転車として扱われている。世界的に見ても、二輪車の原動機(エンジン)の総排気量は50㏄を超えること(特に総排気量50㏄を超える二輪車は、日本以外の国では道路運送車両法による自動車に該当することが多い)が多く、道路運送車両法による原動機付自転車に該当する二輪車としての排気量の上限が高い(特に日本の道路運送車両法による原動機付自転車は総排気量125㏄以下)のは日本ぐらいといわれている[要出典]

自転車

日本の自転車環境には、歩道走行可[注釈 10]、左側通行の不徹底、自動車に対しては厳格なまでになされている違法行為取り締まりが実質的にされていないこと、格安自転車の大量流通という4つのガラパゴス状況がある[43]、との指摘がある。

法制度のガラパゴス化

選択的夫婦別姓

日本では、選択的夫婦別姓制度は導入されておらず、夫婦別姓、という婚姻形態をとることはできない。日本は明治31年にドイツ民法などを手本に夫婦別姓から夫婦同姓に転換したが、手本となったドイツ等はすでに男女差別の撤廃などを目的に選択的夫婦別姓に移行し、現在では法的に夫婦同姓を強制している国は世界で日本が唯一となっている。池田祥子や出口治明は、この状況がガラパゴス的だと指摘している[44][45]

税務調査

税務調査においては、様々な事実認定や法律解釈などが独自に進化しており、ガラパゴス化しているとの指摘がある[46]。例としては重加算税の取り扱いが、法人税調査と所得税調査で異なることなどが挙げられる[46]

酒税

日本の酒税法では自家醸造の厳格な規定や日本酒級別制度などの歴史的な経緯による規定の他、焼酎を大衆酒と位置付けて低税率とし、ウイスキーブランデーなどの洋酒は高級酒とし高税率とするなど単純にアルコール度数に比例しない税率であり、海外から非関税障壁との批判で改正されるなどしている。またビールのように当初は富裕層向けだったが庶民に広まった後も税率が維持されたため、メーカーから発泡酒第三のビールのような法律の隙間をついた『節税ビール』が登場し、普及する度にピンポイントで課税したり酒類の定義を調整するなど場当たり的な改正を行っている。この結果、一部の酒類のみ定義が複雑化するなどの歪みが生じている[47]

文化の「ガラパゴス化」

案内マーク

日本独自の温泉マーク

道路標識と同様に、日本の案内マークは半数以上がJIS(日本工業規格)に基づいたデザインで観光地などに掲げられている。これは世界標準で定められたISO規格(国際標準化機構)のデザインとはかけ離れており、訪日外国人がマークの意味を誤解するケースが相次いでいる。例えば日本の温泉マークは、外国人にはコーヒーカップに見えるという。これをうけて、2020年の東京オリンピックには訪日外国人が大勢やってくるのを見据えて、既存のJISマークをISO準拠のマークに取り替える取り組みが進んでいる[48][49]

長距離走

日本ではマラソンより駅伝競走に人気があり、学生も社会人も挙って駅伝大会に出場している。駅伝に力を入れることによりマラソンの強化ができていないとの指摘があり、世界で大きな駅伝大会を実施している国は日本以外では少ない。世界がマラソンを強化する中で駅伝は日本だけで盛り上がっている状況である。日本は長距離走の分野で世界の潮流とはやや異なり、独自路線を行っており、襷をつなぐ駅伝は「個」より「和の文化」を重視する日本らしい、と評されている[50](ちなみに駅伝は日本独自の競技)。

防衛(軍事)の「ガラパゴス化」

自衛隊は法的な制約が大きいため活動に多くの制約があるが、特に防衛装備品に関しては救難飛行艇や4発エンジンの哨戒機など防衛省のニーズに合わせた専用品が多く、武器輸出三原則により輸出がほぼ不可能なため製造数が少なく価格が上昇しがちであった。また海外製装備の輸入も商社に依存していることから、世界のスタンダードとかけ離れガラパゴス化しているという指摘がある[51]


[ヘルプ]
  1. ^ なお当初から国際規格(または欧州など有力なブロック内規格)として制定、運用される場合にはデジュリスタンダードと言う。この文脈で表現する場合には以下、「」付きの『「デファクト」』として記述する。
  2. ^ 実際スズキ・ダイハツ主要車種の多く(アルト、ワゴンR、MRワゴン、ジムニー、キャリイ/エブリイ、ミラ、ムーヴ、ハイゼットなど)は輸出や現地ブランド(デーヴ国民車(現:韓国GM)マルチプロドゥアアジア(キアに吸収)等)による海外生産の実績がある。
  3. ^ 端的な例に餃子の王将の中国進出がある。餃子の王将のメニューは中国人が外食で食すということはほぼあり得ないにもかかわらず、中国進出を決行して頓挫した。
  4. ^ それまでも輸出仕様車には1600ccを設定していたが、韓国は課税額が変わる基準が日本と同じく500cc刻みであるため内需向けには1600ccよりも税金が1ランク低くなる1500cc車の需要があり、メーカー各社はそれぞれのエンジンを作る必要があった。それが1600ccに引き上げられたことにより必要がなくなった。
  5. ^ 日本でのMNPの導入は2006年10月。
  6. ^ キャリアのロックを解除するサービスが日本と違い合法で安価に存在する。SIMロックが諸外国にないということはない。
  7. ^ Apple社は世界での総数は発表しているが国別の出荷数は発表していない。日本のJAITAの統計は海外メーカーの出荷数を含んでいない。
  8. ^ ぎゃる☆がん』など。
  9. ^ ボディサイズはほぼ5ナンバー枠に収まっているが、その排気量の大きさのため実際には3ナンバーである。
  10. ^ 1970年代の死亡事故増加に対処するため、道路交通法を所管する警察庁交通局がとった措置による。






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