証言・用例
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「タコ部屋 (日本の官僚)」の記事における「証言・用例」の解説
「タコ部屋」は法律改正業務など締切のある大事な仕事を任された職員が寝泊まりする(こともある)庁内の執務部屋のこと。—— 浅野史郎(政治家、元・厚生官僚)、月刊『年金時代』寄稿記事(2013年11月) 先日、経済産業省内のいくつかの部署をまわりました。(中略)通称、タコ部屋というものが存在していることを知りました。ある人は、ホワイトボードの行動予定欄に、一言、タコと書いてありました。—— 谷合正明(政治家)、谷合正明 公式サイト『活動記録』投稿記事、2008年12月15日 ある日、省内の廊下を歩いていると、会議室に椅子や冷蔵庫が運び込まれていた。どうやら、タコ部屋ができるらしい。—— 林雄介(元・農水官僚)、『霞ヶ関の掟 官僚の舞台裏』(日本文芸社、2003年) 1996〜98年、厚生省(当時)に出向。児童家庭局と保険局で一年ずつ働きました。児童家庭局では、中庭に臨時増設されたプレハブの「タコ部屋」で、若手職員5名のチームで寝食を共にするような生活をしながら、50年振りとなる児童福祉法改正、児童虐待防止法の原案作成に取り組みました。(中略)2年目の保険局でも引き続き「タコ部屋」の住人となり、今度は医療保険改革に取り組みました。—— 宇波弘貴(財務省主税局総務課企画官 1989年大蔵省入省)、「職員からのメッセージ」(財務省職員のキャリアパス2、2009年) 平成7年1月17日の朝、阪神淡路大震災が発災し、テレビでその被災状況を見たときには信じられない思いだった。私は平成6年3月まで兵庫県庁に出向し、東京の建設省に戻って1年も経っていなかったからだ。(中略)その頃の私は大臣官房地方厚生課(現在の地方課)で入札・契約制度の改革に携わっており、震災とは直接関係のない仕事に追われていたのだが、発災2、3日後に上司に呼ばれ、震災対応の立法を行う可能性が高いので都市局へ応援に行ってもらうと言われた。当時、都市局ではその年の立法作業のため、プロジェクトチーム(いわゆるタコ部屋)が立ち上がっており、そこにもう一人神戸出身の後輩と一緒に放り込まれ、発災1週間後から改正作業に取り組むことになった。既に都市局のメンバーが法案に盛り込むべき事項を整理していたが、元々の立法作業が継続していたため、応援の2人で作業を開始し、その後にメンバーが加わってくる形となった。—— 大藤朗(国土交通政策研究所 所長、1980年建設省入省)、「大災害時における立法」、『国土交通政策研究所報』第56号(2015年 春季) 昨年末、首相官邸の真向かいにある新築の内閣府4階に法制化準備チームの“タコ部屋”が新たに設置された。(中略)そのタコ部屋に集められた要員には、増田和夫同局統括・調整班長(内閣参事官・88年旧防衛庁)をヘッドに、赤瀬正洋戦略・企画班長(内閣参事官・89年同)ら防衛省組と、若い入谷貴之内閣企画官や、藤本健太郎内閣企画官ら外務省の条約畑らがいる。—— 歳川隆雄(ジャーナリスト)、『連載 永田町・霞が関インサイド』寄稿記事(ZAKZAK、2015年1月20日) 年賀状出発式に参加するため、三条郵便局の玄関に近付くと、金子政務官をお待ちしている総務本省の方の姿があったので、通常の挨拶をしつつ、その方のお顔を改めて直視すると、地上放送のデジタル化の“タコ部屋”(プロジェクトのために省庁内に急遽参集されるチームの総称。当時は会議室や倉庫に無理やり机と椅子を運び入れ執務室としたことから、こうした呼称となったことと思われます)勤務時代の直属の上司だったのです。—— 国定勇人(政治家、元・郵政・総務官僚)、『三条市長日記』投稿記事、2017年1月5日 e-文書法に取り組むきっかけは、2002年4月に経団連が企業の効率化を図る手段として、書面の電子化を求める意見書をIT戦略本部に提出してきたことにあります。(中略)ただし、関係する法律の数がとんでもない数になるので、一本一本改正していたら業務がパンクしてしまうので、それを全部まとめてやろうという事で、「通則法」という形で法律整備をすることになったのです。(中略)現在はその調整作業に追われて、毎日帰りが朝3時くらい、という状況になっています。今年の4月に、その作業を専門に実施するために、IT担当室に13人くらいの「法制準備室」というタコ部屋を作り、各省庁から優秀な人を出していただいて、調整作業に入っているところです。—— 山田安秀(1988年 通産省入省)、CNET Japanインタビュー記事(2004年7月26日) 法律をつくったりするときに、各府省から人を出し合ってタコ部屋をつくってやるぞということはありますね。そういう意味でのタコ部屋でしょう。まだ法案の前ですけれども、非常に関係する部分でタコ部屋というか舞台をつくって、そこに人を拠出してやるということを、そろそろ考えるべきではないかということですね。だとすると、それこそ人材配置の問題もあるし、本当にそれが可能かどうか少し確認をしないと、その場ではそうですねとなかなか言いにくい問題があります。—— 大串博志(政治家、元・大蔵・財務官僚)、第7回 子ども・子育て新システム検討会議、2010年8月26日 通常、省内で法改正に当たる際は通称「タコ部屋」といって、一部の職員を囲い込んで法改正の作業に専念させるのですが、今回はそういった囲い込みをしませんでした。総勢50名を超える下水道部の職員ほぼ全員が何らかの形で法改正に携わりましたので、まさに総力戦の様相でした。—— 茨木誠・橘有加里(国交省水管理・国土保全局下水道部 下水道企画課長補佐)・山縣弘樹(下水道部 流域管理官補佐)、下水道循環のみち研究会 第25回セミナー講演録(2015年8月28日) いずれにしろ、わざわざ面倒な法律をつくって変える必要があるのかということですね。貴重な労力を、役人の方々、これは法律をつくるとなったら、これまたタコ部屋といいますか専門の室をつくって何人か張りついてやるわけであります。これは、前向きなことをするならともかく、何か体裁を整えるためだけのことをする必要があるのか、こういうことであります。—— 近藤洋介(政治家、元・官庁担当新聞記者)、第168回国会 経済産業委員会 第6号、2007年12月21日 ジェー・シー・オーの事故を機に、原子力災害特別措置法というものをつくろうということになりまして、私もタコ部屋に放り込まれまして、そこでさまざま、その一部でも貢献をさせていただいたということもありました。—— 伊佐進一(政治家、元・科技庁・文科官僚)、第183回国会 原子力問題調査特別委員会 第3号、2013年4月8日 電波利用料というのは、私が平成元年に役所に入ったときに最初に手がけました法律、いわゆるタコ部屋に入っておりまして、係員でありましたけれども、これをつくったときのプロジェクトの一員でございました。非常に感慨深いものがございます。当時は、小さく産んで大きく育てると言っておりましたけれども、二十年たって、大きく育って、電波行政に非常に役立っているという認識をしているところであります。しかし、二十年たって少々古くなってきているのかなという思いもございますので、そういった観点から質問をしてまいりたいと思います。—— 奥野総一郎(政治家、元・郵政官僚)、第183回国会 総務委員会 第7号、2013年5月21日 機構・定員要求をして、そして座布団をつけてもらって、しかし、実際は、一年の中で急いで法案をつくらなきゃいけないといって、役所なんかでよくタコ部屋なんて言い方をしたりしていますけれども、そういう実際についたものと違う部屋を慌ててつくって、それはもう、帳簿上のものと実際役所に行って座席表なんかを見るとそれが全然違っているわけでありまして、これは何なんだろうというところが確かにあるんでございます。—— 朝比奈一郎(実業家、元・経産官僚)、第185回国会 内閣委員会 第10号、2013年11月8日 まず、国が自ら漁場整備を行うという新しい制度を創設するためには、法律の改正や制令の策定が必要です。これについては、漁港漁場整備法改正準備室(いわゆるタコ部屋)の担当者のおかげで、漁港漁場整備法の改正が5月に、また政令の制定が8月に無事終了しました。担当者におかれては、ご苦労に敬意を表したいと思います。—— 岡貞行(水産庁整備課 上席水産土木専門官)、「私からの本音トーク」、『漁港漁場漁村のメールマガジン』第24号(2007年9月11日) 振り返ってみると、今から15年前、日光での研究生活に後ろ髪を引かれながらいろは坂を下り、研究指導課に設置された水産研究所組織再編準備室(通称タコ部屋)に異動したのが自分の回遊の始まりでした。1年と少しのお勤めの後、日光、霞ヶ関(内閣府)、日光、上田、伊勢、みなとみらい、波崎、横浜市金沢と回遊を続け、この4月にまた水産庁に舞い戻ってきました。—— 生田和正(水産庁増殖推進部 参事官)、「回遊魚の話」、水産庁施策情報誌『漁政の窓』(2013年8月号) 「俺たちいったい、貴重な青春時代を何に使ってんだろうな……。本当は女の子のお尻を追っかけてる年ごろだよな」「いや、こんなクリスマスイブもなんかいいじゃないっすか。青春っぽくて」とボヤきながら、ラーメンをドカ食いしたのは結構いい思い出です。—— 宇佐美典也(元・経産官僚)『30歳キャリア官僚が最後にどうしても伝えたいこと』第3章 キャリア官僚制度には意義がある: 「タコ部屋」の思い出(ダイヤモンド社、2012年)
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