西門家の人々
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「ごちそうさん (2013年のテレビドラマ)」の記事における「西門家の人々」の解説
大阪・天満東に居を構える。元は造り酒屋であり、先祖代々200年続き相撲取りのタニマチをする程の名家。なお、後述の他に悠太郎の姉にあたる次女、三女、四女、五女(#西門四姉妹)がいるが、彼女たちは和枝が持ち込んだ縁談で結婚し、家を出ている。 西門 正蔵(にしかど しょうぞう) 演 - 近藤正臣(若き日の正蔵:小堀正博) 悠太郎らの父親。飄々とした人物だが、普通は捨ててしまう食材を活かし美味しい一品を作り上げる「始末の料理」の達人で、源太らから「師匠」「ほうるもんじいさん」と呼ばれている。 後添いの元芸妓・静と出戻りの長女・和枝の諍いに耐えきれなくなり家族を捨てて家出した過去があり、残された西門家の人々から故人として扱われていた。静との馴れ初めに関しても、当初は彼女を庇って自分から強引に結婚したことにしていた。 元鉱山の技師であり、国に貢献していることを誇りに銅山の掘削現場での仕事に取り組むなか、鉱毒発生問題で被害者への対応の矢面に立たされ苦悩し、前妻の死を口実に仕事を辞め逃げ帰った。失踪中は「酉井 捨蔵 (とりい すてぞう)」と名乗りミナミの花街に潜伏し、子供たちに読み書きを教えていた。 仕事に思い悩む悠太郎に、先述の自らの仕事での経験を手紙に綴った上で助言したことを機に、孫のふ久が誕生した夜に和解、西門家に戻る。 周囲から問題児と思われていた孫のふ久の隠れた才能にいち早く気付き、第一の理解者になる。また悠太郎が亜貴子との浮気を疑われてめ以子に家を追い出された際にはわざわざ職場まで悠太郎を訪ね、自身の過去と照らし合わせながら悠太郎の真意を聞き、温かく見守った。 その後発作で倒れるが、娘一同揃った上でのめ以子夫妻の祝言、そして息子の仕事ぶりを見届けた後、大往生を遂げる。 西門 静(にしかど しず) 演 - 宮崎美子(少女期:古和咲紀) 悠太郎らの継母。元は「千代菊」の名でブロマイドが発売されるほどの人気の芸妓だった。10歳の半玉時代に親切にしてくれた正蔵に初恋をし、後に妻を亡くして荒れていた正蔵と座敷で再会したおりに強引に結婚し、西門家に後添いとして入った。 家に入った当初は義母として西門家に馴染もうと努力していたが、後妻を快く思わない義娘・和枝らから度重なる「いけず」をされるうちにやがて家事を放棄、腹いせに高価な着物を買い続け家計を圧迫するようになる。 和枝への対抗心から、嫁いで来ため以子には好意的な態度で接する。座敷で鍛えた話術と明るく社交的な性格の持ち主で、鈍感なめ以子の気づかない男女の機微に良く通じている。反面、着道楽による無駄遣いなど都合の悪い話題はのらりくらりとかわしている。三味線が得意で師匠の資格も持っており、芸妓をやめてからも置屋で教えているので多少の小遣い稼ぎになっている。 め以子の嫁入り当初は「老け込むのが嫌」という理由から、家族にも「お静さん」と他人行儀に呼ばせていたが、め以子の働きで家族が一つになるにつれ「お義母さん」と呼ばれるようになり、次第に家内の事にも協力的になる。正蔵が西門家に戻ってからは穏やかな夫婦生活を送り、夫の最期を看取った。 め以子の子供達とは血のつながりはないものの、彼らを実の孫同然に可愛がる。ふ久が周囲から問題児と見なされ、実母のめ以子も持て余していた際には、ふ久を「世界一の別嬪(べっぴん)さん」と呼んで庇い、無償の愛情を注ぐ。 戦時下では食事の内容が貧しくなっていく有様に不満を露わにする。め以子が大量のステーキを焼いて近所の人々に振る舞い「贅沢は敵」と婦人会の女性達から非難された際には「贅沢は素敵やで」と巧妙に切り返し、荒んだ雰囲気を和ませる役を買って出る。 昭和20年に空襲で西門家が焼失した後、桜子の家の別荘へ疎開する。戦前から戦中まで一貫して和服を着ていたが、終戦後にめ以子と再会した際には洋装になっており、大阪に戻るや否や早速着道楽を再開しようとする。蔵座敷の完成後は、元芸妓の才能と経験を活かして接客を担当する。 昭和23年、泰介の初恋を聞かされて、今度は女の子の曾孫を期待し喜んでいたものの、桜子から相手・真沙子の人となりを聞かされると、あまりにも和枝にそっくりである事に怯えていた。 西門 和枝(にしかど かずえ) → 山下 和枝(やました かずえ) 演 - キムラ緑子 悠太郎の長姉で西門家の長女。船場言葉で話し、一人称は「わて」。几帳面な気質で総領娘として家の一切を仕切り、伝統や格式を保つ事にこだわり、家事も完璧にこなす。料理も繊細で、得意とする鰯料理でめ以子は苦手な鰯を克服する。 借金を抱える西門家の資産を増やすために株取引の場に頻繁に出かけていた。め以子には入籍を許さず女中扱いするなど、彼女に対し極端なまでの「いけず」な扱いをする。 婚家の姑から冷遇され、一人息子の事故死を機に離縁され西門家に出戻った過去を持ち、再婚を決意した安西から騙されるなど、不遇な身上を憂い自殺未遂を起こす。その後、倉田の薦める縁談で豪農に後妻として嫁ぐ。 再婚して西門家を離れても、め以子とは「お互い死ぬまで『いけず』し合う」という約束から、出産を控えため以子に糸を玉止めしていない産着やおむつを贈ったり、め以子と同じく創作料理のレシピを「Mrs.キャベジ」との匿名でラジオ番組に投稿して、め以子の採用を阻止して倍の数採用されるなど、手の込んだ「いけず」を続ける。 嫁ぎ先の夫や姑らを看取った後は一人暮らしで、太平洋戦争中は買い出しの人々を相手に、骨董品や着物等と引き換えに食糧を配る。姑の他界後、周囲への借金の取り立てを厳しくしたり農業の方法を改善し、一部の近隣住民から嫌厭されるものの、これにより恩恵を受けた小作人たちからは感謝される。 空襲により疎開してきため以子達を受け入れ、泰介の出征の際にはい草と笹の葉をちまき風に包んだ寿司で送り出し、活男の戦死告知に悲しむめ以子には、自身もかつて子を失った経験と重ね、厳しくも愛情のこもった叱咤激励で立ち直らせる。 戦後、め以子の蔵座敷に大量の鰯を持ち込んで来訪。め以子への口ぶりは相変わらずだったが、満足そうな笑顔を浮かべて料理を楽しんでいた。その帰り際、悠太郎が帰ってきたら伝えるようにと、疎開の際め以子が一筆認めた西門家の権利書を掲げて去っていった。 戦後、実家が破産して売りに出された「うま介」の権利を買い取り大家となる。当初は馬介らを追い出して洋食店を出すつもりであったが、共に事業を起こすはずだった真沙子が実家の鰯料理店を手伝うことになったため、「いわしサンド」を新たなメニューとして出すことを条件に、馬介に店を貸し出す形で事業継続を認めた。ただし馬介からは高額の家賃を取っているらしい。 オープニングにおいてのクレジットの際、一度だけ、彼女が最後の紹介(トメ)となっていた回がある。 演じたキムラ曰く、役柄の反響から普段キムラと親しい人から連絡来なくなり、暫く人と会わなくなったという。 西門 希子(にしかど のりこ) → 川久保 希子(かわくぼ のりこ) 演 - 高畑充希(少女期:荒田悠良) 悠太郎の妹で西門家の六女。大正12年当時は16歳の女学生。幼少から和枝と静との喧嘩を目の当たりにしていたため、め以子と出会った当初は内向的で無口な性格で、和枝の威圧からめ以子に対して寡黙を貫く。しかし、家族を思うめ以子の働きかけや努力に触れ、彼女を「ちい姉ちゃん」と呼んで慕い、喫茶店「うま介」の街頭宣伝の場で「焼氷有り.mw-parser-output .jis2004font{font-family:"源ノ角ゴシック JP Normal","源ノ角ゴシック JP","Source Han Sans Normal","Source Han Sans","NotoSansJP-DemiLight","Noto Sans CJK JP DemiLight","ヒラギノ角ゴ ProN W3","ヒラギノ角ゴ ProN","Hiragino Kaku Gothic ProN","メイリオ",Meiryo,"新ゴ Pr6N R","A-OTF 新ゴ Pr6N R","小塚ゴシック Pr6N M","IPAexゴシック","Takaoゴシック","XANO明朝U32","XANO明朝","和田研中丸ゴシック2004絵文字","和田研中丸ゴシック2004ARIB","和田研中丸ゴシック2004P4","和田研細丸ゴシック2004絵文字","和田研細丸ゴシック2004ARIB","和田研細丸ゴシック2004P4","和田研細丸ゴシックProN",YOzFont04,"IPA Pゴシック","Yu Gothic UI","Meiryo UI","MS Pゴシック";font-feature-settings:"jp04"1}〼の唄」(やきごおりありますのうた)を歌い美声を披露したり、自殺を図った和枝を叱咤するなど、次第に自分の意見を言い、社交的で明るい気質を表すようになる。 父・正蔵の説明によると、「希子」の名は「希望(きぼう)」に由来するとのこと。 1927年(昭和2年)、「大阪ラヂオ放送」の採用試験にて歌を披露して難関を突破しアナウンサーとして採用され、当時としては最先端の職業婦人となる。少女期は源太に密かに憧れていたが、不審な男に付きまとわれるため帰り道を共にするようになった同僚の川久保に次第に惹かれ、結婚する。 結婚後も仕事を続け、夫と共に西門家で同居を続ける。「うま介」での源太の壮行会では、無事を祈り「いちごの唄」を披露する。 昭和18年、正確な情報を伝えたい思いに反し、検閲を受けた原稿しか読めなくなった上、戦意を高揚するばかりの放送内容に嫌気が差すようになる。そのような折、室井がラジオの生放送で世界平和を唱える物語を即興で語った事に共感し、夫と共に機転を働かせて室井を役人の追及から庇う。昭和20年には大阪が空襲の被害を受けるも、仕事上疎開を許されず、夫と二人で大阪に留まり続ける。 終戦後は行方不明の家族や知人たちの情報を調べてめ以子に連絡する。また、放送局が進駐軍の管理下に置かれ街頭取材が可能になるが、め以子の料理を気に入った進駐軍のモリス大尉と、アメリカを憎みモリスを拒絶するめ以子との仲介役を強要される。この頃では、治安が悪化していた大阪に舞い戻ってきため以子を厳しく諫めて、彼女を憂慮しながらも強気な態度で疎開先に戻るように説得したり、モリスの苦言に対して堂々と反論を返したほか、大会の実況担当から漏れてしまい甲子園に行けなかったことをぼやくなど、内向的だった少女期から見違えるほどの成長を遂げている。 昭和22年の時点では英語力が飛躍的に上達し、蔵座敷でのめ以子とモリス大尉の通訳も務めた。 川久保 啓司(かわくぼ けいじ) 演 - 茂山逸平 大阪ラヂオ放送に勤務する希子の同僚。希子を付け狙う不審な男から守るため希子と帰りを共にするようになり、その後結婚。不審な男にも無駄に立ち向かわずに上手くかわすという穏やかな人物である。自ら平和主義者を語り、怒ることは滅多にないが、たまに怒ると(本人としては)怒りを押し殺し努めて平静に振る舞いつつも、その怒りを完全には抑えられず声や態度から漏れ出てしまい、他人に読まれてしまう所がある。 結婚後は希子と共に西門家に同居。集団生活になじめないふ久に対して「居場所がないなら自分で作るという手もある」と助言を与えたり、自身が野球をやっていた経験から入手しづらくなった野球のミットを泰介のために見付けて来たりと西門家の子供たちを気にかける。また義兄の悠太郎とは仕事の面で相談し合うようになる。 放送局員の仕事柄、社会の情勢に詳しく、戦時中の軍部の情報や戦後の進駐軍の動きをいち早く掴み、希子と共に対処法を家族に助言する。昭和22年に再開が決まった甲子園大会がGHQにより中止させられそうになった時には非常に憤慨し、大会復活のために泰介や諸岡と協力して嘆願運動の先頭に立ち、野球の事になると誰よりも熱くなる意外な一面を見せた。
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