統治神(とうちしん)
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「シャングラッド神紀」の記事における「統治神(とうちしん)」の解説
今作における「神」とは、本編開始より約200年前に天上の彼方から光臨し、神治国家群を築いたシャングラッドの統治者を指す。その正体は、本編開始の約700年前に「Y字架」という物体を身体の何処かしらに埋め込むことで大摂理源から神力の供給を受け、様々な摂理を操ることの出来るようになった元人間であり、その多くは200年に渡り神になりすまし続けた結果、傲慢で怠惰で残虐な性格に歪んでしまい民を顧みなくなってしまっている。また、第5話において神化した人間は生殖機能を失ってしまうことがカルティケーヤによって明かされている。 ヴァースキ 第1話に登場。ヒ連の構成国の1つ、蛇神の国(ボーガヴァティ)を統治する神王。喉にY字架を移植している。傲慢で残酷な性格で民に蛇を神聖な獣「御使い様」と崇めさせ、駆除を「蛇類殺生禁断令」という戒律で禁じた上、殺した者は自らの暇つぶしのため(表向きは神力を示して国内をまとめるため)に有無を言わさず自らの手で公開処刑を行っていた。またそれ以外にも大罪を犯した者や重大な背信行為を行なった者は串刺し刑にしていた。 権現した真の姿は両腕が巨大な毒蛇に変化し、両足にも毒蛇が1匹ずつ突き刺さり、上半身と下半身が分離して本体であるアナコンダ並みの巨体と3本の触角が特徴のコブラが首から伸びて背中を通ってから下半身を貫いた姿をしており、神経毒の唾を用いたスピッティングと鋭く尖った蛇の尾を武器とする他、蛇は分離することで遠隔攻撃ができる。更にピンチの時は本体を分離することもできる。 ウマーとシャンカラの計略で蛇を殺してしまったアダラダを処刑しようとしたところをアルダナーリーシュヴァラに襲われ、両腕と両脚の蛇をすべて殺され、自身の体まで切られてしまったため、アダラダを人質にして窮地を逃れようとするがそのアダラダに返り討ちにあった隙を突かれ、本体さえも切り刻まれ、完全に止めを刺された。そしてその死体は今まで自らが虐げていた民によって歓喜と共に串刺しにされた。 サヴィトリ 第2話に登場した地方官吏に相当する太陽神。現シュヴェータ神王にしてカルティケーヤを軟禁・監視する見張り役だった。人間だった頃はサラリーマンだったらしい。Y字架は喉(胸部?)に移植されている。通常の約2倍の長さの胴体を持ち、この胴体を円形に展開することで必殺光線「神罰覿面」を発動することができるが、アルダナーリーシュヴァラにかわされ、頭部を叩き割られた。 ヴィシュヌ 第2話から名前のみ登場。現ヒ連大神王でウマーとシャンカラにとっては最大の宿敵。彼を中心とする現主流派の神々は人間との全面戦争を防ぎ、同胞の安全を守るためなら騙し討ちも民を神国ごと焼き払うことも厭わない残酷で峻烈な態度で人間たちを支配している。 パラシュラーマ 第3話に登場。ヴィシュヌの親衛隊に所属し、神敵討伐隊の隊長を務める戦神で斧の超絶的な使い手として知られる。頭髪と髭とまつげが斧のような刃に変化している他、胸部と両肩と股間より斧のような刃が飛び出しており、両手と一体化した2本のハルバードと両足の膝から下が変化した戦斧で神敵を切り刻む。 ヴ国との国境でヴィシュヌの治世を乱すアルダナーリーシュヴァラに対決を挑むも敗れて瀕死の重傷を負い、四天王によってヴ国に収容された後、ヒ連との戦端を開くための計略の一環として密かに殺され、顔をマスクにされた。 帝釈天 第3話に登場したヴ国の神。国境付近に建てられた喜見城で四天王と共に統治を行なっている。かつての名はインドラで軍神にして2代目ヒ連大神王だった。Y字架は腹部に移植されている。100年前にヒ連内の抗争でヴィシュヌに敗れて全てを失い、臣下の四天王共々命からがらヴ国に逃亡し、ようやく50年前にヴ国の中央政府(マンダラ)からヴッキョー神としての名前と領地を与えられ、国境警備軍を任されるようになった。 かつては武人の如き立派な風貌をした峻烈な性格の持ち主だったようだが、現在は似ても似つかぬほどの肥満体型とシャンカラに「本物の仏のように身も心も丸くなった」と言わしめるほどに穏やかな性格になっており、ウマー達もヴ国の神となって共に穏やかに暮らしていこうと打診するが、実はヒ連の神敵をヴ国の神に祭り上げた上で殺害し、開戦の口実にしようとする計画であり、その心は悟りどころか復讐心の塊であった。更にヴ国がヒ連を征服した暁には自身が再びヒ連大神王に収まるようにマンダラと裏取引をしていた。 黄金の全身に金剛鈴に似た下半身と多関節のジャバラ状の腕と右手が変化した槍(パタ)が特徴の「怒りの神将形」に権現することで飛行能力を得る他、2段権現することで下半身は金剛鈴、右腕は独鈷杵、左腕は五鈷杵、頭部は三鈷杵に変形し、ヒ連全神中最大の降伏力を誇った戦略法具形態、金剛杵輪身(ヴァジュラモード)となり、額の「千の目」による絶対精度の照準で絶対威力の電撃(プロトンシャワー)を発射し、直径1キロのあらゆるものを蒸発させることができる。ウマーとシャンカラに計略を見破られ、四天王が全滅したためにこの形態で四天王の不始末を見た民衆ごと全ての証拠を隠滅しようとしたが、発射までに時間がかかるという弱点を突かれ、三城征服弓で降伏された(ウマー曰く「四天王を失った時点でお前は滅びてる」)。 話の最後でシャンカラは「インドラを含め他の理不神も昔はみんなあんな奴じゃなかったはずだ」と語っており、「自分たち神々も所詮はヴッキョーで言うところの衆生だ」「人間の精神というのは多分何百年も生きて神様でい続けるようには出来ていない」と結論付けた上で全ての神々を救いたいという自らの想いを語った。 四天王 第3話に登場したヴ国の神々。持国天、増長天、広目天、多聞天の4人の女神からなる帝釈天(インドラ)の忠実な臣下。前述した帝釈天の最大神術・金剛杵(ヴァジュラ)を発動する際に護衛の役を担う。このうちの広目天がヒ連との開戦の口実を作るべくパラシュラーマに変装して衆人の前で韋駄天(カルティケーヤ)を暗殺しようとしたが、ウマーとシャンカラに見破られ、全滅した。 ダルマラージャ 第4話に名前のみ登場したヒ連の神。彼の神治は理不神ではないため、降伏しないことにした。実は彼の領地に来たのには別の目的があった。 ヴァナラ ヒ連情報院の軒猿といわれる猿神だけで構成された特殊工作戦闘部隊。この部隊に所属する神は全てがY字架を胸部に逆さに移植することによって人間態と他の神々を圧倒する力を得たサルである。如意棒のような摂理武装らしき武器を共通武器とし、頭部には人間態時に眉毛となる金の輪っかをはめている。ハニュマーン 第4話に登場したヴァナラの隊長。4年前のカイラーサ事件の首謀者の一人である。ヴァナラの中でも高度な摂理を組む能力と優れた運動性と高い戦闘力を持ち、尻尾を円形に展開することで広域焼夷神術「灼熱の如意尾」を放つことができる。カイラーサの都はこの神術によって破壊された。また、両足首から觔斗雲のような特殊な雲を発生させて飛行することが出来る。更に風の摂理を組むことで掌底の穴から圧縮空気の針を放つ技「風の針(エアニードル)」を発動できる他、三叉の矢の軌道を逸らす程の強力な大気の壁を展開することが出来る。そして胸部を展開して内部の扇風機のような神具の後部に尻尾の先端を差し込むことで摂理武装を起動させ、究極殲滅神術を発動できる。 ダルマラージャ領に現れたウマー一行に襲撃をかけ、真っ向勝負に持ち込むために灼熱の如意尾で作戦区画を焼き払い、三叉の矢を全て使わせ、究極殲滅神術で止めを刺そうとしたところをヴィヤーが放った三叉の矢で後ろから左目を射抜かれ、降伏された。ガルダに回収され、命は助かったもののその後の消息は不明。 ニーラ 第4話に登場したヴァナラの副隊長でハニュマーンの片腕に当たる女神。シヴァとカルティケーヤを分断したが、クマーラシスターズに部下もろとも屠られた。 スグリーヴァ 第5話に登場したヴァナラの隊長。Y字架の周りに炎の装飾が施されてあるのが特徴。ラーマチャンドラに率いられてウマー達を襲撃したが、ラーマとヴァーマナを倒され、撤退を余儀なくされた。撤退の際に仇を討つ決意を決めている。 ガルダ 第4話に登場した鳥神。下半身が鳥の形態をしたヴィシュヌ直属の使いで、ヴィシュヌの命で直に神敵を確認しに来た。ハニュマーンに失態の処分を覚悟する旨を、シャンカラにこれ以上反神活動を続ければ最終戦争(ハルマゲドン)が起こってしまうことを伝えたが、シャンカラに「ハルマゲドンを防げるのは自分だけ」と返され、呆れ果てた表情で撤収した。 ラーマチャンドラ 第5話に登場した英雄神。ヒ連情報院局長を務めるヒ連最高の智将にして現ヒ連の事実上のNo.3。本編開始の4年前にヴァナラの司令官としてカイラーサの襲撃を指揮した。 権現した真の姿は手足が杖のように退化した両腕と両脚に両肩の翼と先端が矢羽の形状をした尻尾と七鈷杵のような仮面が特徴で、飛行能力を有する他、自身の翼を巨大な弓に、仮面と尻尾を七鈷杵状の矢尻を有する巨大な矢に変形させることでカルティケーヤでさえも躱せない「矢(エネルギー弾の一種と思われる)」を放つ必殺技「ハラダヌの神弓」を使うことができる。 消えたはずのシヴァの胴体と胎児を取引材料にしてウマーとシャンカラに無神論の放棄とY字架の返還を迫ったが、実はその身体は偽物で、ウマーとシャンカラを騙して捕獲するために決行した「神母作戦(アディティさくせん)」という計画だった。しかしその計画は既にウマーに見破られており、ハラダヌの神弓をカルティケーヤに放つ直前にダッチワイフに成り済ましていたシャンカラに腹部のY字架を破壊されてしまった。 最後に「人間は神を滅ぼし得るという証を得るためにカイラーサを殲滅しなければならなかった」という自身の無神論に対する儚い想いとウマーの兄弟に対する謝罪の言葉を彼に伝えた後、自ら望んで討たれた。 ジャターユ 第5話に登場した鳥神。ペンギンの着ぐるみをまとったような姿をしている。飛行能力でラーマとシヴァの偽物の体を運搬した。ラーマが倒されたあとの消息は不明。 ヴァーマナ 第5話に登場した矮神。ラーマの部下。普段は小さな子供の姿をしているが、権現すると胴体が球状の巨人となる。シャンカラの偽物の身体の胎内に隠れ、捕獲することに成功したように思われたが、実はそれは既に人形の頭部と入れ替わっており、驚愕している隙にクマーラシスターズに腹部のY字架を破壊されたことで神力を失い、風船がしぼむように元の大きさに戻り、首を切り落とされた。 ダヌヴァンタリ 第5話に名前だけ登場した医神。天才的外科医料摂理で人体を全身の隅々までシヴァそっくりに整形し、シヴァの偽物の身体を世界初の脈打つ神具として完成させた。ラーマはこの胎内にヴァーマナを隠れさせてシャンカラの捕獲を企んだが、シャンカラの自己美化意識も計算に入れ、芸術品と言える程美しく造形したことが仇となり、シヴァの裸体をきちんと見たことがなかったはずのウマーに見抜かれる結果となった(ウマー曰く「シャンカラみたいなヤリマンの乳首はもっと黒ずんでいるはずだ」とのこと)。
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