軒猿とは? わかりやすく解説

軒猿

作者司馬遼太郎

収載図書司馬遼太郎短篇全集 3 1960
出版社文藝春秋
刊行年月2005.6


軒猿

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/01/28 08:18 UTC 版)

軒猿(のきざる)とは、戦国時代に活動したとされる忍者の呼び名のひとつ。

概要

伊賀の藤林左武次保武が著した忍術書『万川集海』において、日本の忍びの呼び名のひとつとして「簷猿(のきざる)」が挙がり、「軒下に猿のように潜んで敵の内証を探る役」と説明されているが、同時に同書で扱う忍びとは別のものとも書かれている。[1]

また、『北条記』に、小田原の由井源蔵(北条氏照)の配下である横江忠兵衛と大橋山城守が、北条方の軒猿として名前が挙げられている。[2]

戸部新十郎の著作をはじめ、忍者の解説書ではしばしば中国の公孫軒轅(黄帝)が「軒猿」の由来と説明されている。これは、『万川集海』や『正忍記』などの忍術書において、黄帝の時代に忍術が盛んに行われたと書かれていることが論拠だが[3]、これらの忍術書に「軒轅」が軒猿の由来だと書かれているわけではない。

上杉方の忍者

火坂雅志の『軒猿の月』をはじめ、歴史小説などでは越後の上杉氏に仕えた忍者集団の呼称とされることが多い。

ただし、『 川中島五戦記』、『 上杉三代日記[4]、『 越後軍記[5]などの上杉謙信の事績を中心的に扱う軍記物に登場する上杉方の忍者は、「夜盗組」「伏齅」「聞者役」と呼ばれていて、「軒猿」「担猿」などの言葉は出てこない。また、敵方の真田氏の関連史料である『一徳斎殿御事蹟稿』にも「越後方夜盗組の物聞共」という一文がある。[6]

関連作品

脚注

  1. ^ 藤林保武『完本 万川集海』国書刊行会、2015年5月22日。ISBN 978-4336057679 [要ページ番号]
  2. ^ 塙保己一編『續群書類從 第21輯上 合戦部』続群書類従完成会、1923年5月。ISBN 978-4797100808 [要ページ番号]
  3. ^ 藤一水子正武『忍術伝書 正忍記』新人物往来社、1996年8月。ISBN 978-4404023988 [要ページ番号]
  4. ^ 黒川真道編『越後史集 天巻』越後史集刊行会、1916年。 [要ページ番号]
  5. ^ 中村孝也校訂『真田三代記・越後軍記』博文館、1929年。 [要ページ番号]
  6. ^ 小林計一郎編『真田史料集』人物往来社、1985年1月。ISBN 978-4404012692 [要ページ番号]

軒猿

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/05/28 00:59 UTC 版)

軒猿 (漫画)」の記事における「軒猿」の解説

長尾景虎忍び衆。軒猿には、春日山城内で正体隠して生活し、いつでもすぐに景虎元に行けるようにする「春日山城番」と、越後を囲む各国境の人や物の出入り動きなどを長期渡って監視する国境番」がある。 旭(あさひ) 本編の主人公。「耳疾し」という異常聴力を持つ少年幼い頃耳疾し能力を持つ旭は盗賊売られ長尾影昌の元で監禁される生活を送っていた。監禁生活加え虐待などもあった為自身の耳を呪ってちぎろうとするほど精神的に追いつめられていたが、長尾景虎助けられた。その後落武者捕縛しながら一人豪雪越後過ごし鍛えてきた。その為景虎対す忠誠心人一倍強い。しかし忍び・戦の現実見てもなお己のやり方通そうとする部分があり、その優しさ甘さゆえに物語序盤失敗を招くことも少なくなかった。しかし忍びとしての経験重ねるにつれそういった弱さ改善されていった一千いっせん) 軒猿の棟梁厳しく優しく接する旭の保護者的な者。軒猿の不始末全て焼き金」で、己の身をもって償っている。その傷を隠すため、体に包帯巻いている。棟梁名に恥じぬ実力者であり、特に苦無の腕に優れる。作中では、奇襲受けた風魔が、苦無使われたことから、一千攻撃認識するシーンもある。 初陣1542年長尾為景葬儀で、当時10歳だった。当時13歳景虎と、ある約束をする。1548年にはすでに棟梁になっている崇緑によれば、あの歳で棟梁になったのは一千くらいらしい。 崇緑(たかみどり) 春日山城番の一人。元は町医者とあって、高度な医療技術持っている。またどこかの領主主治医でもあったが、仕えていた領主老衰死んだのに、毒殺したという濡れ衣を着せられ処刑待ち罪人になった。それに目を付けた一千意向で、軒猿になった当初は旭のような優しさ持っていた。初任時に、人の死などを割り切るために「鬼」になった。 彼はケガのことを「故障」、治療のことを「修理」、死のことを「壊れた」と表現している。 たちばな春日山城番の一人。旭が最も親しんでいる。得物弓矢。妹がいる。 壬上(みかみ) 甲斐番。後に春日山城番になる。非常に軟派性格で、橘を口説いている。得物は、大道芸駆使する火薬である。

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軒猿(のきざる)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/15 08:20 UTC 版)

炎の蜃気楼」の記事における「軒猿(のきざる)」の解説

冥界上杉軍所属する忍者集団で、もとは上杉家お抱え忍者衆。主に諜報活動奔走する

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