地獄関係者
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「ゲゲゲの鬼太郎の登場キャラクター」の記事における「地獄関係者」の解説
小学館入門百科シリーズ『妖怪百科』で描かれた原作『鬼太郎の地獄めぐり』およびアニメ第6作では、「千引の岩」をどかすことで地獄へと繋がる道・黄泉比良坂が開かれている(日本神話の黄泉の国の記述に準じている)。基本的には秩序の側だが、中には鬼太郎たちが地獄を訪ねた時に成り行きで敵対したり、現世に現れて悪事を働いた者もいる。 閻魔大王(えんまだいおう) 声 - 永井一郎(第1作)、柴田秀勝(第2作・第4作)、郷里大輔(第3作・第5作)、大友龍三郎(第6作)、津嘉山正種(実写映画版) 伝承でも世間に広く語り継がれている地獄の最高権力者で東洋の地獄神。 鬼太郎たちが見上げるほどの圧倒的な巨体。鬼太郎親子の力を高く評価しており、彼らに助言や協力をしたり、逆に地獄と現世に跨るようなトラブルの調査・解決を依頼したりする。名の初出は貸本『アホな男』で、鬼太郎親子を訪ねて来た記述がある。姿の初出は『死神大戦記』。 アニメ第1作は20話、第2作は34話に登場し、どちらの作品も鬼太郎親子と親しい描写はない。第3作では特に出番が多く、鬼太郎達だけでは為す術がなくなった際に助言や協力をしてくれた。 第4作でも鬼太郎親子とは親しい様子で、事件の依頼をすることもある。怒ると現世に雷雨が轟く。 第5作では地獄の盟主なだけあって、鬼太郎同様に「地獄究極奥義」を繰り出せるが、使用した獄炎乱舞の威力と規模は鬼太郎の比にならないほど強大。閻魔大王の場合、奥義の発動に「地獄の鍵」を必要としない。 第6作では過去作と異なり、鬼太郎親子は終始対等な口調で接している。名無しによって消滅させられた猫娘の復活を嘆願してきた鬼太郎と「密約」を結び、ねこ娘を甦らせる代わりに何者かの手で地獄から脱獄した「大逆の四将」の捕縛任務を鬼太郎に命じた。74話では九尾の狐・玉藻前の本体に食い殺され、地獄を支配されてしまったが、玉藻前が倒されたと同時に復活した。そして、鬼太郎が四将の捕縛を達成すると功績を認め、砂かけ婆、子泣き爺、一反木綿、ぬりかべを復活させた(ねこ娘と違い、通常の状態で復活している)。事件解決後の76話冒頭で誰が四将を解放させたのかは所持する「浄玻璃鏡」をもってしてもわからず、僅かな目撃情報があるのみで引き続き鬼太郎に調査を依頼した。鬼太郎たちの調査が進む内にぬらりひょんが四将を脱獄させた事が判明。しかし、96話でぬらりひょんとバックベアードが手を組み、大量の死者が出たうえに鬼太郎も卑怯な日本政府の女性総理の手で(裏で導いたのはぬらりひょん)消滅させられ、浄玻璃鏡で調べても現世にも地獄にもいないことが判明し、自身も管轄外で手出しができない「あらざるの地」に陥ったと推測して、その旨を目玉おやじ・ねこ娘・まな・アニエス・アデルに説明した。 五官王(ごかんおう) 声 - 広瀬正志(第5作) 伝承では嘘をついた罪を裁く。アニメ第5作に登場する十三王の一柱で閻魔大王の副官。武骨で荒々しく最初は鬼太郎を快く思わなかったが次第に認めていく。剣術を主に戦うが、バリアーや雷と共に飛来する能力を披露している。「地獄の鍵」とその使用法にも詳しいが、彼含め十三王(閻魔以外の十二柱)自身が奥義を使用できるか否かは知られていない。下記の宋帝王と共同で、閻魔大王不在の場合代わりに地獄の保持を司ることも可能。 宋帝王(そうだいおう) 声 - 竹本英史(第5作) 伝承では異性を騙した罪を裁く。アニメ第5作に登場する十三王の一柱で閻魔大王の副官で五官王と双璧をなす。穏やかで物腰の柔らかい人物である。当初は彼に化けた初代ドラキュラ伯爵が登場し、本物は数十年前に血の池地獄に沈められ封印されていたが、ねずみ男と猫娘のおかげで解放された。 泰山王(たいざんおう) 伝承では陰陽道の主祭神でもあり、死者の裁きの最後に控える。別名・太山府君(たいざんふくん)。アニメ第5作では十三王の一柱として、小柄な白ひげの老人姿。 蓮華王(れんげおう) 十三王の一柱。アニメ第5作では顔のほとんどを布で覆った小柄な女性。丸盾に鎖分銅を付けたような武器を背負う。 慈恩王(じおんおう) 声 - 中友子(第5作) 十三王の一柱。アニメ第5作では蓮華王の頭に乗るほどの小柄な女性で、リスのような顔をしている。「〜ちゅうに」が口癖。 五道転輪王(ごどうてんりんおう) 声 - 小西克幸(第5作) 十三王の一柱。アニメ第5作では眉毛を生やした両生類のような顔。 祇園王(ぎおんおう) 声 - 真殿光昭(第5作) 十三王の一柱。アニメ第5作では口ひげを生やしたカエルのような顔で、地獄一クイズ大会で慈恩王・五道転輪王と共に司会を務めた。 秦広王(しんこうおう) 十三王の一柱。アニメ第5作では大柄な白髪の初老男性の姿。 都市王(としおう) 十三王の一柱。アニメ第5作では赤ら顔の巨漢。両端が三日月状の鎖を持つ。 平等王(びょうどうおう) 十三王の一柱。アニメ第5作では長い金髪の青年姿。 初江王(しょこうおう) 十三王の一柱。アニメ第5作では黒い眉と口ひげを伸ばした中年姿。鉞を背負う。 変生王(へんじょうおう) 十三王の一柱。アニメ第5作では黒髪の女性。双身の刀を持つ。 奪衣婆(だつえばばあ) 声 - 増山江威子(第3作)、鈴木れい子(第3作)、山本圭子(第3作・地獄編)、れいみ(第6作) 賽の河原(三途の川)の番人の一人で、死後やって来た全ての亡者の衣を奪うように脱がして、それを河原に生えている木の枝に掛けて、その重さによる枝のしなり具合で罪の有無と罪の大きさを量るという、伝承でも有名な鬼女。 初登場は「死神大戦記」。「奪衣婆」(アニメ化第3作39話)では人間界の新聞で老婆と青年のデートを見て真似たくなり、閻魔大王から「万有自在玉(ばんゆうじざいだま)」を盗んで人間界に来て、美女への変装と玉の力で盗んだ宝で男を誘おうとした。誘ったねずみ男が与えた宝を売って警察沙汰になったことを怒り、彼や鬼太郎を玉の力で消してしまう。目玉おやじは地獄へ調べに行って又五郎鬼から「金剛針」を借り、それで玉を壊すと奪衣婆は無力化し鬼太郎達も元に戻った。婆は地獄へ強制送還される。 地獄編の「血戦三途の川」では閻魔大王の命令で鬼太郎一行の地獄侵入を阻む。相棒の懸衣爺と組み、霧を吐いて一行を分断した後に三途の川の大蛇や十鬼(じっき)を率いて襲う。最後は全てを食い尽くす地獄蟻を琵琶の音で操って鬼太郎達を追い詰めるが、目玉おやじに脳操縦されて自分を襲わせる曲を弾かされ自滅した。アニメ第3作では初めから婆で娘時代の思い出が無いことを嘆き、万有自在玉で地獄への通路を開いて若い男を誘い込み、エキスを取って若返ろうとした。追って来た鬼太郎たちには玉の力で鬼や地獄犬を操って対抗。だが猫娘によって又五郎鬼から借りた針で玉を破壊された上、閻魔大王によって地獄を追放され人間に転生する罰を受ける。被害者たちは閻魔が特別手配した霊界列車で帰された。後に地獄編2話でぬらりひょんによって復活。子供の亡者に化けて鬼太郎を欺き、武器を奪い大蛇に食わせようとしたが、大蛇を撃退されて逃げようとした所を地蔵菩薩の光で消された。 第6作では第7話登場(クレジット表記は脱衣婆)。電車事故で死亡した社長(声 - 手塚秀彰)の魂を乗せた幽霊電車が鉄橋を渡る頃に窓の外に姿を現し、影状の姿で車内を飛び回って天井から実体化、「三途の川を渡る亡者の衣を奪い、罪の重さを計る」という役割の通り、社長のジャケットを奪った。この社長は生前に酷いパワハラを繰り返し何人もの社員を自殺に追い遣った人物で、亡者となった社員の恨みで電車に引き込まれて死亡するが、そのことに気付かず現世を彷徨い続けていたため鬼太郎の手引きで地獄行きの幽霊電車に乗せられた。 懸衣爺(けんえじじい) 奪衣婆の相棒の鬼。「血戦三途の川」に登場し、刀で鬼太郎を襲うが、指鉄砲とリモコン手に敗れた。 牛頭(ごず)と馬頭(めず) 声 - 半田裕典(第6作・牛頭)、高塚正也(第6作・馬頭) 牛と馬の獣人のような姿をした地獄の兵士たち。大王庁の護衛や侵入者の排除、罪人の刑罰を担当している。また、地上で人間が悪事を働くと彼らに目をつけられる。 アニメ第5作では複数個体が登場。アニメ第6作では51話から一個体ずつのみ登場。 三虫(さんちゅう) 声 - 塩屋翼(第3作) 伝承もあるが、本作では「猫娘とねずみ男」(アニメ第1作20話、第3作55話)に登場。人間の体内に棲むとされる虫のような魔物で、宿主の悪行を閻魔大王に報告するなどして寿命を縮める。ねずみ男はそれを利用して「長寿教」を興し、病人や老人に三虫を弱らせると言ってインチキ薬を売りつけたり、悪事で儲けた財産を浄化すると言って寄付を巻き上げたりした。そのため財産を失ってのたれ死んだり、偽薬を飲んでさらに体を壊し死んでしまう老人が続出する。そのため、ねずみ男の体内にいた三虫がこの悪事を報告(原作や第1作は説明のみで、第3作のみねずみ男の体から飛び出し面倒そうに報告に向かう画像が描かれた)、閻魔から処罰指令を受けた鬼太郎は猫娘に協力を頼む。 アクアク 声 - 北川米彦 アニメ第2作第35話「イースター島奇談」に登場。イースター島に伝わる地獄の使者。骸骨のような顔に地面に着きそうな白い長髪が生え、髑髏が付いた杖を携えている。不気味に笑いながら歩き、相手に恐怖を感じさせる。占い師の男・福島(声 - 野田圭一)が商売敵となった同じ占い師の老女・アレスを殺して海外へ高飛びするが、福島は失踪した父親(声 - 増岡弘)が遺した日記に「イースター島の地獄の使者に会った暁には金も命も幸福も思うままにできる」と記されていたのを読み、自分もその術を手に入れるためイースター島へ向かう。鬼太郎はねずみ男と猫娘がアレスの助手をしていた縁で事件を知り、霊界テレビで一部始終を見てアレスを虫けらを捻り潰すように殺した福島の行為に憤慨、ねずみ男の案内で福島の家に向かうが既に引き払った後であった。それでも手がかりとしてイースター島の地図を見つけ悪事の報いを与えようと島へ向かう。そしてモアイ像地下の隠し部屋で見つけた石碑の文字を目玉おやじが解読し「赤い月が中天にかかるとき、13匹の蝙蝠が空に舞うとき、石像の目が血の涙を流すとき、汝の影は三時になり地獄の使者はアクアクの精霊に招かれ汝の呼びかけに応えるであろう」という方法が判明。福島はそれを実行した結果アクアクが現れ、恐れおののいている内にモアイ像が倒れ重傷を負う。アクアクは鬼太郎に福島の身柄を渡すよう頼まれるが「そんな奴ならなおのこと地獄へ連れて行かねばならん。儂に任せとけ、お前の気が済むような処罰はしてやる」と笑いながら告げて福島を地獄へ連行した。帰国後に猫娘から福島が自首してきたと聞いた鬼太郎たちが留置所に行くと、福島は彼らの目の前で突然白骨と化した。鬼太郎たちは「これが地獄の処罰だ」と評し驚いていた。 極楽鳥(ごくらくちょう) 「死神大戦記」に登場。サタンからユニコンの鏡を取り戻そうと考える水木達に、閻魔大王が付けさせた鳥。その姿は妖怪画にある陰摩羅鬼そっくりである。千里眼を持っており、喋ることも可能。人間を掴んで空を飛ぶこともできる。溺れていた少年・カラスを助けた後、なぜか姿を見せなくなった。 又五郎鬼(またごろうおに) 声 - 西尾徳(第3作) 「奪衣婆」(アニメ化第3作39話)に登場した、地獄の鬼の一人。太目の体格でギョロ目と大きな前歯が特徴。原作では名の読みは「またごろうき」。現世に現れた奪衣婆の事を地獄へ調べに来た目玉おやじと会い、奪衣婆が盗んだ「万有自在玉」を壊す「金剛針」を渡した。 火男(ひおとこ) 地獄編「最後の出会い」とアニメ地獄編6話に登場。地獄に住む溶岩の妖怪。燃え盛る灼熱の体を持ち、大きな声を上げると集団で襲いかかってくる。鬼太郎達を襲い、血の池へ追い込んだ。 ヌルリ坊 声 - 塩屋浩三(第3作・地獄編) 地獄編「最後の出会い」に登場。血の池地獄の主を名乗る妖怪。海坊主に似た姿で、怪力と口から吐く息が武器。血の池に入った鬼太郎一行を体内で飼っている蛭の群れに襲わせるが、体内電気で蛭を倒され、自身はリモコン手と指鉄砲で倒された。アニメでは初登場の地獄編6話にて津波を起こして鬼太郎達を離れ離れにさせた。最終話ではぬらりひょんの部下として登場しており、その怪力で鬼太郎達を追い詰めた。最後は鬼太郎のリモコン下駄で天井の岩を落とされその岩が頭上に突き刺さり破裂した。
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