地獄通信(jigokutsushin.net)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/14 09:56 UTC 版)
「地獄少女」の記事における「地獄通信(jigokutsushin.net)」の解説
強い怨みの情念を持つ者が、深夜0時ちょうど(日本標準時)にのみアクセス可能となる架空のウェブサイト。Google検索のようにシンプルな画面構成であるが、代役を用いてのアクセスには応じないという高い人物認識機能を持つ。また、まったく怨みを持たない人物には、ウェブサイトへのアクセスはできない。このサイトの存在を知る方法は、都市伝説の噂などで人づてに聞く者もいれば、インターネット上の検索サイトで関連する語句を検索することによりリンクを見つける者など、さまざまである(事前にアドレスを知っていても、条件を満たして深夜0時ちょうどでなければ、アクセスできない)。 このサイトにおいて、地獄へ流したい人物の名前を入力して送信ボタンをクリックすることにより、怨みの対象人物名が閻魔あいこと地獄少女の所有するパーソナルコンピューター(Macintosh128K〈第1期最終話のみノートパソコン〉)に届き、地獄少女との接触が成立する。送信ボタンを押した直後、あいが依頼人の部屋へ現れることもあれば、逆に彼女のいる場所へ依頼人が飛ばされる場合もある。送信ボタンを押して送信が完了されるまでカーソル付近に表示されるロード表示は、『二籠』まではWindows XP以前と同様の砂時計だったが、『三鼎』からはWindows Vista/7と同様の円アイコンが表示されるようになった。 その歴史は古く、起源は安土桃山時代後期までさかのぼれ、江戸時代中期頃には存在が作中の文献で確認できる。地獄少女との接触を図る方法も、インターネットの誕生以前(昭和中期頃)には怨みを持つ者が新聞の尋ね人欄の空白欄を見つめると浮かび上がって来る宛先へ依頼の手紙を書き、郵便ポストに投函することで地獄少女と接触を図れるという方法が採られていた(第1期第十三話より)。映画版の設定では、インターネットのない昭和時代には、新聞の求人広告を頼りに電話で依頼しており、本気の怨みがなければ電話が繋がらなかった。また、地獄少女が活動を開始した安土桃山時代後期から江戸時代前期にかけては「地獄絵馬」と呼ばれる真っ黒な絵馬の裏に怨みのターゲットを書き、それを神社に奉納させることでターゲットと接触を図っていた(『二籠』第十九話より)。 依頼人がターゲットを特定できなくても(名前どころか顔すら知らなくても)地獄少女側は正確にそれを割り出し、引き受けてもらえる。中には、無罪のターゲットを自分もろとも地獄に流す者もいるが、これも古くから時折あることだとされる(第1期第二十三話より)。だが、地獄少女側が引き受けるターゲットは一貫して1人のみであり、何度も利用したり複数のターゲットをまとめて地獄に流したりすることはできない。 ターゲットが依頼人の幻影であっても引き受ける場合がある(ドラマ版第六話より)が、「依頼人が死者」、「ターゲットが地獄へ流す前に死亡」(『二籠』第十二話より)、「本来の依頼者の代理人によるアクセス」、「ターゲットが三藁のうち誰か」(『三鼎』第六話より)といった場合は依頼を取り消されることがある[要出典]。また、地獄少女側にもある程度は裁量の余地が委ねられており、通常なら引き受けていたような依頼を断ったり、依頼人が糸をほどくことを引き止めようとしたりすることもある。ただし、依頼者や依頼内容を選ぶことはできない。 地獄流し 依頼人があいから手渡された藁人形(三藁が変身したもの。輪入道が使い魔になる以前にも藁人形が使われていたが、担当者は不明。)の赤い糸を解くことで正式な契約が成立し、ターゲットには三藁によって私刑「地獄流し」が執行され、怨みの内容に応じたパラレルワールド(イリュージョン)で恐怖を与えられてから、あいによって地獄に流される。その際、三藁から罪を認める気になったかを問われても、たいていは謝罪しないことが多いが、仮に謝罪したとしても地獄流しは必ず遂行されるため、あくまでも形式上のものである。地獄へ流されたターゲットは、現世から消滅している(古い時代においては死体となって発見されている)。また、漫画版では行方不明とされていることが多い。ターゲットは自分を流した者が誰なのかを基本的に知ることはない(目の前で糸を解いた場合を除く)が、流されるに至った理由を三途の川とうかがえる広河であいによって見せられることも、まれにある。 地獄流しの執行後、あいは小さな手漕ぎ舟にターゲットを乗せ(この段階になると、ほとんどのターゲットは茫然自失になるか泣き崩れているので、舟上で暴れたり逃げようとすることはほとんど無いが、仮に暴れる気力が残っていたとしても謎の力によって拘束される)、先述の川に屹立する巨大な鳥居をくぐって地獄へ流し、一連の作業は完了となる。 なお、死後に地獄へ堕ちることがすでに決定していた者(犯罪者やモラルの欠落した人間など)には、地獄少女側が一切関知しない別途の代償が要求されるという。 利用の代償 地獄通信を利用して前述の作業が完了すると、その代償として「依頼人も死後は地獄に流される」ことを示す絶対順守の契約が行使され、依頼人の胸元にはその証となる契約の刻印が浮かび上がる。依頼者が死亡すると、あいの手漕ぎ舟によって地獄へ流されるのはターゲットと同様。 寒河江ミチルの地獄通信 第4期『宵伽』でもう1人の地獄少女と化した寒河江ミチルの地獄通信は、あいのそれと見た目は同様だが、ターゲットの名前を入力すると、その依頼が正当な場合はメール形式で依頼を受けた旨の返信が依頼者のスマホなどに届く過程が挟まれている。依頼者がメールを視認するとミチルが出現し、以降は閻魔あいの地獄流しとおおむね同様になる。
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