三藁(さんわら)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/31 03:39 UTC 版)
「地獄少女の登場人物」の記事における「三藁(さんわら)」の解説
あいの代表的な3人の使い魔(妖怪)。主に、地獄流しの依頼者やそのターゲットの身辺調査などを行う。使い魔とはいえ、あいに拾ってもらってからは彼女への服従と信頼と忠誠心や人間だった時期からの思慕の他にも、それぞれ独自の思考や感情を持つ。それぞれ通常時の人間態、妖怪変化態、藁人形態と3つの姿に変化する。人間態時には特殊な術を用いているため、普通の人間からはたとえ以前に会ったことがあったとしても、同一人物だと気付かれない。また、たとえ気付ける者であってもその人物が記録した写真などに干渉し、それを消去することもできる。 藁人形態は、あいが地獄通信で依頼をしてきた者に契約を結ぶ印として手渡し、「地獄流し」発動まで依頼主に帯同する際のみに用いる特別な変化態。人形の首部分に結ばれた赤い糸が解かれると、変化した使い魔の「怨み、聞き届けたり…」という台詞が響き渡り、正式な契約が結ばれた旨を依頼者に告げる。 第1期では依頼に当たる際に輪入道しか藁人形態に変化せず、他の2人はあいと行動を共にすることが多かったが、『二籠』では他の2人も不定期に藁人形態へ変化し、依頼に随行している。また、第1期ではほとんど描かれなかった、三藁が妖怪化してあいのもとに加わるまでのエピソードが明かされている。 『三鼎』から『宵伽』最終話までは新規に山童が加わっており、この間は「四藁」となっていた。その後、山童は『宵伽』最終話であいのもとを離れてミチルの使い魔となっているため、本節では第1期からの慣例に従い、「三藁」とする。 輪入道(わにゅうどう) 声 - 菅生隆之 / 演 - 小倉久寛 / 島津健太郎 / 麿赤児 三藁の中では最も(妖怪)人生経験豊富と思しきリーダー的存在。三藁の中で最初にあいの使い魔となり、その当時は雲水のような姿をしていた。最も貫禄のある台詞を言うことが多い。人間態は和装(山高帽に袴)を粋に着こなす、禿頭の好々爺。正体は車輪の形をした妖怪。藁人形態の色は黒で、首に掛けている赤い襟巻きを巻き付けて変身する。調査を行う際の主な偽名は、不破 龍堂(ふわ りゅうどう)。怪力の持ち主で、暴走するトラックを止めたり、絡んできた不良をあっさり投げ飛ばしたりする場面もある。 妖怪になる前は、数百年前にある姫を追手から逃がすために使われた馬車の車輪だった。しかし、姫を守り切れなかったうえ、彼女の後を追うこともできなかった無念から妖怪化して人々を驚かせていたが、あいと出会ったことで彼女の使い魔となる。 あいのことは自分の孫、三藁のことは恋人のように思う(かなり「歳」は離れており、洒落っ気を含んでのことではある)。若い女性(特に女子学生)に強く感情移入することがあり、本人も気軽に彼女らから話しかけられるなど、親しみやすさを持つ。また、一目連ほどではないがナルシストでもあるほか、釘を打たれたり肥溜めに捨てられたりと、実質的な被害を受けたことがある。 あいがターゲットのもとへ向かう際には、妖怪の輪入道としての姿に変化して彼女を乗せ、車輪に炎をまとって天空を高速で飛びながら送る役も担う。 『三鼎』では、校務員として市立賽河原第四中学校に潜入する。あいと再会するまでは工事現場で働いていたが、きくりによってあいと再会する。 一目連(いちもくれん) 声 - 松風雅也 / 演 - 加藤和樹 / 小澤亮太 / 楽駆 三藁の1人。人間態の容姿は主にパーカーとズボン(『二籠』ではスタイリッシュなジャンパーに、靴は行動的なスニーカー)というカジュアルな服装をラフに着こなす好青年風で、かなりの美形に描かれている。両耳に銀色のピアスをしている。藁人形態の色は青で、身に着けているペンダントへのキスで変身する。 妖怪になる前は、数多くの人に斬殺目的で使われてきた刀の九十九神であった。やがて戦場に廃棄されていたところをあいと出会い、彼女の使い魔となる。 主に、あいの命令で依頼者やターゲットに関する情報を集め、彼女が動く(依頼を受ける)に値するかどうかを見定める役目を担う。情報収集時には少し長めの前髪や頭頂・後頭部などに隠された「目」(頭頂の目も黄色のような色)を使い、どんな場所でも対象に気付かれずに覗き見ることが可能。この「目」は、場合によっては相手を威嚇したり、目玉だけがあらゆる場所に入り込み、ターゲットや依頼者を監視する目的にも用いられる。「目」を光らせ、突風を起こしながら瞬間移動するように姿を消したこともある。相手が好き者だった第1期第六話では、身体を張った斥候もこなす。 自身の美貌に自覚的なナルシストであるうえ、軽口を叩くことが多く、しばしば骨女にたしなめられる。調査を行う際に使う主な偽名は「石元 蓮(いしもと れん)」。 三藁とあいを家族のように思っている。また、兄弟の片割れを亡くした者への感情移入が散見され、兄弟絡みの依頼になると積極的にあいに付いて行く。 『三鼎』では、理科教師として市立賽河原第四中学校に潜入する。それまでは銭湯で働いていたが、山童との出会いであいと再会することになる。ある理由から生徒に怨まれ、地獄通信に名前(もちろん偽名)を書かれたこともある。 映画版では、日本刀を携行しており、地獄流しの際に使用している。 骨女(ほねおんな) 声 - 本田貴子 / 演 - 杉本彩 / 瀬戸早妃 / 橋本マナミ 三藁の1人。人間態の容姿は主に露出度が高いオフショルダーの着物(『二籠』では艶やかな牡丹柄の振袖)を妖艶に着こなす、妙齢の美女。正体は骸骨で、身体の一部を白骨化させることが可能(主に地獄流しの際に相手を脅すため、変化させる場合が多い)。また、炎をまとわせたクナイを放つ攻撃もする。藁人形態の色は赤で、首に赤い帯締を器用に巻き付けて変身する。 あいの命令で、変装してさまざまな場所に忍び込んだり、妖艶な雰囲気と色っぽい仕草で男性を誘惑したりすることが得意。この活動時は外見年齢に合わせ、OL風の赤いスーツやナースなど、さまざまなコスチューム姿となる。 三藁の中でもあいへの忠誠心は高く、彼女の邪魔をする者は率先して排除すると公言しているが、三藁の中では一番の人情家でもあるため、特に女性の依頼者に感情移入することも多い。 妖怪になる前は人間の娘・つゆであり、商家に奉公していたが、同家の息子に駆け落ちしようと騙されて連れ出され、そのまま遊廓に売り飛ばされた。しばらくは遊女として生活していたが、妹のように思っていた別の遊女に裏切られ、その相手の男性に殺害されて川へ流された後、死に切れずに骨女と化して人々を驚かせていたところ、あいと出会って彼女の使い魔となる。 三藁とあいを仲間のように思っている。三藁の中では最も社交的な性格をしており、友人を作るなど、時には人間に入れ込むこともある。あいや他の2人と同様に長い年月を経ているにもかかわらず年齢には非常に敏感なところがあり、つぐみと初対面を果たした際には「おばさん」と見なされたことから使い魔らしからぬ失態を犯して一目連に呆れられ、『二籠』ではきくりから年増呼ばわりされたことで激怒している。 第1期第五話では、現世で行動する際に恩田(おんだ)と名乗るが、『二籠』第十話において現世で行動していた際には、根来 哲郎(ねごろ てつろう、声 - 千葉繁)から曽根 アンナ(そね アンナ)という芸名を貰っており、それ以後も必要があれば使用している。 『三鼎』では、体育教師として市立賽河原第四中学校に潜入する。それまでは「骨」というスナックを営んでいたが、突如現れたあいによって新しい地獄少女の存在を知った。なお、スナック「骨」は『宵伽』回顧録にて劇メーション内での主要舞台としても登場した。 山童(やまわろ) 声 - 椎名へきる 『三鼎』で新たに登場した使い魔。人間態は長袖のシャツと短パン姿の、大人しい少年。第一話において、銭湯で働いていた一目連の前に突如現れた。藁人形の色は黄色で、頭に葉を乗せて変身する。 素直で礼儀正しい性格。きくりを「姫」と呼び、常に彼女の傍に居る。当のきくりからも気に入られており、他の3人は「ハゲ」「エロ目玉」「おばさん」などという呼ばれ方なのに対し、「わろわろ」という呼ばれ方で家来扱いされる。 正体は山で生まれた妖精の一種であり、山へ入ってくる人間の前に裸の童子の姿で現れていた。『三鼎』以前にも1人で生きていたところをあいに誘われていた経緯を持つが、その時は1人で生きることに疑問を持っていなかったため、断っている。しかし、麓の屋敷に暮らす家族を見たことから人間との交流に興味を持ち、しばしばこの家族の様子をうかがうようになり、その家の息子が屋敷周囲の沼で消息を絶った後、偶然山童の姿を見かけたその家の夫人・芦屋 富士子(あしや ふじこ、声 - 藤田淑子)に「息子」として迎え入れられ、他者との交流を知る。ただし、その家の主人である学者・芦屋 利三郎(あしや りざぶろう、声 - 大木民夫(老年期)、浜田賢二(壮年期))は山童を息子と見なさず、人ならざるものと知った後は夫人を延命させるための冬虫夏草を寄生させる実験台として扱った。夫人を救うためにと山童は納得のうえで身体を提供していたが、夫の所業を知った夫人の手によって逃がされたことで親しい者との離別と孤独感を知り、あいの使い魔となる。 能力は風を操る類であることが示唆されており、第六話で初めて発揮する。また、第二十五話ではゆずきの母の死に際し、自分自身の過去を思い出しながら彼女のそばにあった桜の木を一気に開花させ、満開にした。 『宵伽』では、あいや依頼者の前に現れて地獄流しを再考するように促していたミチルのことを気に留めており、彼女が最終話で2人目の地獄少女と化したことを機にあいへ暇乞いを出して了承され、ミチルの使い魔となる。
※この「三藁(さんわら)」の解説は、「地獄少女の登場人物」の解説の一部です。
「三藁(さんわら)」を含む「地獄少女の登場人物」の記事については、「地獄少女の登場人物」の概要を参照ください。
- >> 「三藁」を含む用語の索引
- 三藁のページへのリンク