三蔵法師と訳場列位とは? わかりやすく解説

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三蔵法師と訳場列位

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/16 08:33 UTC 版)

三蔵法師」の記事における「三蔵法師と訳場列位」の解説

歴史上日本人僧の中で唯一三蔵」の称号与えられたのが、近江出身興福寺僧・霊仙である。霊仙804年(和の延暦23年、唐の貞元20年)、最澄空海と同じ遣唐使一行として唐に渡った長安仏典訳経従事し、その功績認められ憲宗皇帝より「三蔵」の称号を賜っている。霊仙が関わった『大乗本生心地観経』は石山寺現存。 なお、仏教中国伝来した当初いわゆる古訳」に属す訳経場合は、サンスクリット等の言語記された梵経を漢語翻訳漢訳)した実態に関して記録残っておらず、その詳細明らかでない。しかし、玄奘以後の、「新訳」と称せられる時代訳経場合漢訳された経典巻首に、経典題目続けていわゆる「訳場列位」を記す慣習定着していた。霊仙三蔵場合も、『大乗本生心地観経』の「訳経列位」に記され記名によって、「筆受」「訳語」の役割務めていたことが明らかとなっている。この場合も、訳経中心である「訳主」となったのは、般若三蔵であり、本経般若訳として経録には記録されている。しかし、実態は、まず、般若梵文記され原典梵語音読し、それを「筆受」者が書き取り、更にそれを漢字置き換えるのが「訳語」である。その後、「証義」や「潤文」「参役」などの各種役割持った人たちが漢訳経典として適切な経文校訂し初め訳経完成する。 つまり、新訳時代訳経事業とは、漢訳組織確立され分担作業によって成り立っている。その結果、「訳主」として全体プロデュースする立場にあった人が、訳経者として名を残しはするが、「訳主」は全体組織の中では、原典音読するだけであり、現代的な感覚でいう「翻訳作業従事するのは、「訳語」者である。それ故に、霊仙三蔵果たした役割評価され三蔵称号受けている訳である。また一方では、完成した訳経対す訓詁的な見地からの疑義を、ひとり「訳主」である三蔵法師帰する問題として取り上げ見方もあるが、それは、実際訳経事業漢訳組織に関する見識欠いた一方的な解釈であり、注意要する。[要出典]

※この「三蔵法師と訳場列位」の解説は、「三蔵法師」の解説の一部です。
「三蔵法師と訳場列位」を含む「三蔵法師」の記事については、「三蔵法師」の概要を参照ください。

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