准士官
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/12 02:27 UTC 版)
沿革
近代的軍隊草創期においては、士官は貴族・士族等の階層の出身者によって構成された。このことから、一般の下士官が士官に昇進することは困難であった。そのため、下士官の中で功労があり特別に処遇すべき者に、士官でもなく下士官でもない士官相当の待遇を与える必要が生じた。そこで、設けられたのが准士官の制度である。英国また後の米国でのWarrant Officer(米音でウォーラント オーフィサー、英音でウォラント・オフィサ)の名称と階級は初期英国王立海軍と共に発する。当時は軍人である貴族が艦長(captain)や海尉(lieutenant)となり、王または国家より委任(commission)を受けた士官(commissioned officer)として、民間から借上げた船に乗り込み指揮を取った。これらの士官達は多く船や航海等に関する知識や経験が乏しくその船の船長(master)や船員に航海や操船などの技術を頼った。その為本来軍の指揮系統では無いが、船の上級職である航海士、経理官、船医、従軍聖職者、水夫長、職人長などには一般水夫や兵士とは別の待遇と権限を与える為に王または国家より認可状(warrant)が与えられ、これがwarrant officer(准士官)となった。[2][3] 米国のwarrant officerは現在もこの様な職能に基づく独立した階級である。英国海軍においてwarrant officerの役割・役職、階級、名称は兵器や装備の進歩、軍のシステムの変化(初期には海軍は民間商船を徴用し軍船とし後の時代でも艦長の責務・権限は船員の募集・徴募、給料、教育にまで及んでいた)等により士官と下士官にそれぞれ吸収されたり無くなったりした。西欧諸国では、准士官中を更に複数等級に分類する国が多い。
准士官と同じ種類の言葉
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