海軍大将とは? わかりやすく解説

海軍大将

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/01/02 13:09 UTC 版)

海軍大将(かいぐんたいしょう、英語: admiral; full admiral[注釈 1]フランス語: amiral)は、海軍階級の一つ。通常は海軍中将[注釈 2]の上に位置する。一般に将官の最高位であり、海軍軍人の最高位である。提督(ていとく)とも訳される。

NATO階級符号は通常OF-9とされるが、旧ドイツ海軍やロシア海軍のような上級大将四階級制を採っている国々の海軍では上級大将がOF-9に相当するため、そしてスペイン海軍では海軍大将が陸軍および空軍中将と同格で、海軍上級大将が陸軍および空軍大将と同格となっているため、これらの国々では一部の国を除いて海軍大将はOF-8に相当する。

名称

英呼称である“admiral”はアラビア語で「海の司令官」を意味するアミール・アルバール“amīr al-baḥr”に由来する。ほかの海軍将官の階級と区別するためフル・アドミラル (Full admiral)と呼称することもあれば、 オランダの様に国によってはアドミラルを元帥位とし、ルテナント・アドミラル (Lieutenant-admiraal)、それに類する呼称を使用することもある。

概要

海軍大将は、通常は海軍で最高位の将官である。ただし、元帥上級大将などの階級を置く制度をもつ国もあり、例えばアメリカ海軍では海軍元帥が最高階級となる。またロシア海軍ではロシア連邦元帥が制度上の最高位であるが、これは連邦軍共通の階級であるため海軍のみとしては海軍上級大将が最上位である。

一方フランスにも元帥が存在するが、これはフランス元帥という称号であって狭義の階級ではない。さらに大日本帝国にも元帥は存在したが、ただ陸軍元帥西郷隆盛を除いて陸海軍ともに称号として存在しており、例えば元帥号を贈られた東郷平八郎の階級はあくまで海軍大将であり、元帥海軍大将と呼ばれる。

また、小規模な海軍では大将がない場合もある。例えば、アイルランド海軍では海軍代将が最上級である。

海上自衛隊の最上階級である海将は、海軍中将に相当するが、統合幕僚長又は海上幕僚長たる海将は在任中は特別の階級章が定められ、海軍大将の地位と待遇を与えられる。

特異なケースとしてイタリア海軍では1947年に元帥共々廃止された嘗ての大将-Ammiraglio d'armataは戦時または動員時のみに到達できる最高位であり、1997年に制定されたAmmiraglioは国防参謀総長就任者の名誉階級として元帥待遇のためOF-10となっている。現在大将相当となっているAmmiraglio di squadra con incarichi specialiは嘗てのAmmiraglio designato d'armataの改称であり、厳密にいえば大将勤務中将というべきものである。

日本の海軍大将

各国の海軍大将

アジア

アメリカ

ヨーロッパ

脚注

注釈

  1. ^ 1872年2月20日(明治5年1月12日)に兵部省が定めた外国と国内の海軍武官の呼称によるとアドミラルを大将に対応させている[1][2]
  2. ^ フランス海軍のように准将が無く、上級中将が他国海軍の中将位として制定されている例がある。

出典

  1. ^ 内閣官報局「海軍元帥ヨリ水夫マテ彼我ノ称呼ヲ定ム 明治5年正月12日  兵部省」『法令全書』 明治5年、内閣官報局、東京、1889年1月26日、789-790頁。doi:10.11501/787952NDLJP:787952/453 
  2. ^ 「海軍武官彼我ノ称呼ヲ定ム」JACAR(アジア歴史資料センター)Ref.A24011259400、太政類典・第二編・明治四年~明治十年・第二百十巻・兵制九・武官職制九(国立公文書館)

関連項目


海軍大将(Kaptan-ı Deryâlık)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2015/09/30 18:00 UTC 版)

ディーヴァーヌ・ヒュマーユーン」の記事における「海軍大将(Kaptan-ı Deryâlık)」の解説

1878年以降海軍省(Bahriye Nezareti)となった以降内閣にはシェイヒュルイスラームもまた加わった帝国あらゆる海洋上の業務監督し海路征服された場所の記録担った

※この「海軍大将(Kaptan-ı Deryâlık)」の解説は、「ディーヴァーヌ・ヒュマーユーン」の解説の一部です。
「海軍大将(Kaptan-ı Deryâlık)」を含む「ディーヴァーヌ・ヒュマーユーン」の記事については、「ディーヴァーヌ・ヒュマーユーン」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「海軍大将」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ

「海軍大将」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「海軍大将」の関連用語

海軍大将のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



海軍大将のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの海軍大将 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaのディーヴァーヌ・ヒュマーユーン (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS