元帥 (日本)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/31 04:44 UTC 版)
日本における元帥(げんすい[1])は、日本軍における最高位の階級または称号である。
注釈
- ^ 大元帥に官等が無いのと同様に、明治4年8月の官制等級改定では太政大臣・左右大臣・参議の三職は天皇を輔翼する重官であって諸省長官の上になるため等を設けなかった[2]。
- ^ 明治4年8月に兵部省に大元帥及び元帥を置きその官等は大元帥は等無し[注 1]、元帥は一等とされ、このときの大元帥及び元帥は明治5年1月に廃止している[3] [4] [5] [6] [7]。明治5年10月の海軍省官等表に再び大元帥及び元帥を置くが明治6年5月に廃止している[4] [8] [9]。
- ^ 海軍でも海軍武官服制の案に元帥服を記載していたが海軍省が太政官へ伺い出る前に元帥が廃止となったため、海軍省は大将を1等繰り上げて元帥服を大将の服とみなしたいと伺い出たが許可されなかった[15]。
- ^ 天皇の陸軍式御服はその後、 明治8年7月31日に夏御服は差し掛かりにつき当分のところ陸軍省調書の通りとし[16]、明治13年10月11日太政官達第55号によって定めた[17]。
- ^ a b 1873年(明治6年)1月調べの職員録によれば陸海軍の大元帥や海軍の元帥[8]として掲載された者はいない[21]。
- ^ 台湾出兵後、清国政府との交渉中の1874年(明治7年)9月に海軍大輔河村純義より太政大臣及び左右大臣へ上陳があり、その中で海陸元帥を選任して両軍を統括させることや両軍統括の人選についてその元帥には陸軍大将の西郷隆盛が適任になるなどの申し入れがあったが[22]、清国政府との交渉が合意に至り沙汰止みとなっている。
- ^ 「大将昇進後に卓抜の功績を挙げた者」と言う意味であるため、大将昇進前に卓抜の功績を挙げても元帥叙任要件には含まれない事となる。現に秋山好古(日露戦争でロシアのコサック騎兵に勝利を収めた当時は少将)のように、著名な功績があっても元帥に叙されなかった大将も存在する。
- ^ そのため、後述の山本五十六と古賀峯一のように、要件を満たしながら元帥に叙されず、かつ現役のまま死去した大将には、死亡日付で死後追贈される事もあった。また終身現役だけに、最高軍事顧問としての職務自体は(他の新補職との兼任を伴わない限り)老齢や病身でも堪えうる閑職で、奥保鞏が高齢に伴う聴力低下を理由に元帥辞任を願い出た際にも、体調への配慮がされず却下となっている。
- ^ 元大韓帝国皇帝。李王となって後、陸軍大将の礼遇を受けていた。4月26日に元帥の礼遇を受ける[28]。李王坧はこの前日に没しているが、追贈という形ではなく、その死が正式に報告される前のことであった[29]
出典
- ^ 国立国会図書館 2007, p. 91.
- ^ 内閣官報局 編「太政官第400 官制等級ヲ改定ス(8月10日)」『法令全書』 明治4年、内閣官報局、東京、1912年、317頁。NDLJP:787951/195。
- ^ a b 「単行書・大政紀要・下編・第六十五巻・官職八・陸軍武官」JACAR(アジア歴史資料センター)Ref.A04017112800、単行書・大政紀要・下編・第六十五巻・官職八・陸軍武官(国立公文書館)(第7画像目から第9画像目まで)
- ^ a b c d 「単行書・大政紀要・下編・第六十六巻」JACAR(アジア歴史資料センター)Ref.A04017113000、単行書・大政紀要・下編・第六十六巻(国立公文書館)(第9画像目から第10画像目まで)
- ^ a b 内閣官報局 編「兵部省第57 兵部省職員令、官位相当表、兵部省陸軍部内条例書(7月)」『法令全書』 明治4年、内閣官報局、東京、1912年、715頁。NDLJP:787951/394。
- ^ a b 「兵部省官等改定・二条」国立公文書館 、請求番号:太00424100、件名番号:001、太政類典・第二編・明治四年~明治十年・第二百二巻・兵制一・武官職制一
- ^ 内閣官報局 編「太政官第16号官等表(正月20日)」『法令全書』 明治5年、内閣官報局、東京、1912年、45−47頁。NDLJP:787952/78。
- ^ a b c d e 内閣官報局 編「太政官第305号海軍省官等表(10月13日)」『法令全書』 明治5年、内閣官報局、東京、1912年、205頁。NDLJP:787952/159。
- ^ a b 内閣官報局 編「第154号陸海軍武官官等表改定(5月8日)(布)」『法令全書』 明治6年、内閣官報局、東京、1912年、200−201頁。NDLJP:787953/175。
- ^ a b c d 「第20号壬申7月19、20、21、22、23、24、25、27、29、晦日」JACAR(アジア歴史資料センター)Ref.C08010381400、明治5年 陸軍省日誌 坤 坤丙 第16号従6月同年第36号至12月(防衛省防衛研究所)(第1画像目、第15画像目)
- ^ 国立国会図書館 2007, p. 29.
- ^ a b c 大蔵省印刷局「元帥府条例(明治31年1月20日勅令第5号)」『官報』明治第4362号、日本マイクロ写真、東京、1898年1月20日、161頁、NDLJP:2947651/1。
- ^ 「参議西郷隆盛任陸軍元帥兼参議」JACAR(アジア歴史資料センター)Ref.C04025036200、明治5年 「大日記 壬申8月 太政官之部 戊」(防衛省防衛研究所)
- ^ a b 内閣官報局 編「明治5年9月7日太政官第252号陸軍元帥服制ヲ定ム(布)」『法令全書』 明治5年、内閣官報局、東京、1912年、190頁。NDLJP:787952/152。
- ^ 「海軍武官及文官服制改定」国立公文書館、請求番号:太00452100、件名番号:019、太政類典・第二編・明治四年~明治十年・第二百三十巻・兵制二十九・徽章三(第2画像目から第3画像目まで)
- ^ 「夏御軍衣」国立公文書館、請求番号:太00272100、件名番号:056、太政類典・第二編・明治四年~明治十年・第五十巻・儀制五・諸儀式三
- ^ 内閣官報局 編「太政官第55号達 御服並御馬具制御改定(10月11日 輪廓附)」『法令全書』 明治13年、内閣官報局、東京、1912年、530−550頁。NDLJP:787960/314。
- ^ 刑部 p 67
- ^ a b 「陸軍武官俸給表」国立公文書館、請求番号:太00455100、件名番号:003、太政類典・第二編・明治四年~明治十年・第二百三十三巻上・兵制三十二上・会計一上(第2画像目)
- ^ 「太政官日誌明治6年第67号」JACAR(アジア歴史資料センター)Ref.C07040156400、明治6年自4月25日至7月8日 太政官日誌 自第60号至第130号(防衛省防衛研究所)(第1画像目)
- ^ 「職員録・明治六年一月・袖珍官員録改」JACAR(アジア歴史資料センター)Ref.A09054280400、職員録・明治六年一月・袖珍官員録改(国立公文書館)(第100画像目、第148画像目)
- ^ 「河村海軍大輔ヨリ三大臣ヘ海陸軍折衝ノ順次元帥撰任戦艦准備等四個条上陳」JACAR(アジア歴史資料センター)Ref.A03031141000、単行書・処蕃提要後編・第四巻(国立公文書館)
- ^ a b 大蔵省印刷局「元帥徽章ノ制式及装著ニ関スル件(明治31年5月25日勅令第96号)」『官報』明治第4468号、日本マイクロ写真、東京、1898年5月25日、317頁、NDLJP:2947757/1。
- ^ a b 大蔵省印刷局「元帥佩刀制式(大正7年8月29日勅令第331号)」『官報』大正第1823号、日本マイクロ写真、東京、1918年8月29日、599-600頁、NDLJP:2953936/1。
- ^ a b 半藤 2013, 位置No. 134-159, 第一章 大将と元帥-元帥府の誕生
- ^ a b 半藤(2009) p24-25
- ^ a b 大蔵省印刷局「元師府条例等廃止ノ件(昭和20年11月30日勅令第669号)」『官報』昭和第5666号、日本マイクロ写真、東京、1945年11月30日、225頁、NDLJP:2962171/1。
- ^ 「元帥ノ礼遇ヲ賜フ」 アジア歴史資料センター Ref.A10110717300
- ^ 新城道彦『朝鮮王公族 ―帝国日本の準皇族』中公新書、2015年3月。ISBN 978-4-12-102309-4。、Kindle版、位置No.全266中 181 / 68%
[続きの解説]
「元帥 (日本)」の続きの解説一覧
- 1 元帥 (日本)とは
- 2 元帥 (日本)の概要
- 3 ギャラリー
「元帥 (日本)」の例文・使い方・用例・文例
- 陸軍元帥
- 《主に米国で用いられる》 = 《主に英国で用いられる》 an admiral of the fleet 海軍元帥.
- 《主に米国で用いられる》 陸軍元帥.
- 《主に米国で用いられる》 空軍元帥.
- (フランスの)陸軍元帥.
- (英国の)空軍元帥.
- 大元帥閣下
- 1745年の戦争で、サクセ元帥率いるフランス軍がカンバーランド侯爵率いる英国軍とその同盟軍を破った
- ドイツの陸軍元帥で政治家
- フランスの陸軍元帥で、第二次世界大戦中に、フランスで連合軍を指揮した(1852年−1931年)
- 英国の陸軍元帥(1850年−1916年)
- ロシアの陸軍元帥で、ナポレオンに対するロシアの抵抗を指揮した(1745年−1813年)
- ドイツの陸軍元帥で、第二次世界大戦中の北アフリカでの優れた統帥力で知られる(1891年−1944年)
- ポーランド征服とアルデンヌ反攻を指揮した第二次世界大戦中ドイツの陸軍元帥(1875年−1953年)
- フランスの陸軍元帥で、オーストリア継承戦争で名をあげた(1696年−1750年)
- 第二次世界大戦での北アフリカの英国の陸軍元帥
- 元帥府という,旧軍隊における天皇の顧問機関
- 軍人の最高の階級である元帥
- 元帥の地位にある人
Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。
- 元帥_(日本)のページへのリンク