【烈風】(れっぷう)
三菱 A7M1.
1944年に三菱が開発した戦闘機。
当時、海軍航空隊の主力戦闘機だった零戦を上回る機体が出現するのに備え、昭和15年から三菱に開発が命じられていたが、零戦の活躍が著しいのとそれへの対応、及び雷電の再設計に追われ、技術者の不足で一時中断していた。その後、17年に開発を再開した。
零戦と同等の航続力や機動性に加え、更に最高速度を639km/hに上げ、上昇力も6分/6,000mとしたことから相当厳しい要求であった。
特に翼面荷重値の制限が厳しく、それに対して主翼の面積を増やすことにより解決を試みたため、翼面推力比に欠け、運動性能は芳しい物ではなかった。
当初、三菱航空機は自社製の「ハ-43」エンジンを搭載する予定であったが、開発が先行していた「誉22型」エンジンに変更された。また、軍部からの度重なる要求変更が更に開発を困難にした。
試作1号機は昭和19年4月にようやく完成するものの、誉22型エンジンでは最高速、上昇力不足が解消できず開発は暗礁に乗り上げた。この時点で艦上戦闘機としての開発は中止された。
昭和19年10月には、局地戦闘機「烈風改」として改めて「ハ-43」を搭載し、これを飛ばしたところ要求性能をみごと達成した。
しかし、量産化の為の修正や改修にてこずり、試作/初期生産型の8機を製造しただけで終戦となった。
性能諸元(烈風11型)
機体略号 | A7M2 |
乗員 | 1名 |
全長 | 10.98m |
全高 | 4.23m |
全幅 | 14.0m |
翼面積 | 31.30㎡ |
空虚重量 | 3,267kg |
全備重量 | 4,719kg |
最大速度 | 624km(高度5,760m/時) |
発動機 | ハ-43一一型(MK9A)空冷星形18気筒(離昇2,200馬力)×1基 |
上昇力 | 6,000m/6分5秒 |
上昇限度 | 10,900m |
航続距離 | 1,600km |
武装 | 九九式20mm機銃(携行弾数各200発)x4挺 |
爆装 | 30kg又は60kg爆弾×2発 |
派生型
- 十七試艦上戦闘機/試製烈風(A7M1):
誉二二型(離昇2,000馬力)を装備した試作型、試作8機のみ。
初期試作機と後期試作機では燃料タンク配置や防弾装備が異なる。
- 烈風一一型(A7M2):
発動機をハ-43一一型(離昇2,200馬力)に換装した型。
発動機以外は基本的にA7M1後期試作型とほぼ同じ装備を持つ。
量産型は武装を九九式20mm機銃4挺に強化し、発動機を高高度性能の高いハ-43一二型(離昇2,150馬力)に換装する予定だった。
艦上戦闘機ではなく局地戦闘機として採用されるが量産一号機の完成直前に終戦。
- 烈風改(A7M3-J):
発動機を排気タービン過給器付きのハ-43一一型ル(離昇2,200馬力)に換装、武装を翼内30mm機銃4挺、胴体30mm斜銃2挺に強化した高高度型。
発動機の換装と排気タービン過給器の装備、武装強化のため操縦席周辺と尾翼を除く機体の大半を改設計した。
試作機の製作準備中に終戦。
- 烈風性能向上型(A7M3):
A7M2の発動機を一段三速過給器付きのハ-43五一型(離昇2,130馬力)に換装、武装を翼内20mm機銃6挺装備に強化した高高度型。
開発開始当初の名称は“仮称烈風三速”。試作機の製作準備中に終戦。
- 次期甲戦闘機:
A7M2またはA7M3-Jをベースにした機体に二段三速過給器付きのハ四四-二一型(離昇2,400馬力)を搭載した高高度戦闘機型。
堀越二郎著『零戦』において二十試甲戦として紹介されている。計画のみ。
烈風
烈風
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/05/27 14:52 UTC 版)
日本海軍が大戦中に完成させた最強のレシプロ艦戦(史実では実戦に間に合わなかった)。 「誉」発動機の改良型である「勲」の登場などによって早期開発に成功、1943年初頭には一部の航空母艦搭載の部隊に配備された。陸海軍機種統一計画により、陸軍でも「疾風(キ-90)」として採用された。
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烈風
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/05/27 14:50 UTC 版)
輸入したフォッケウルフFw190の日本海軍名。三菱がさっぱり一七試式艦上戦闘機を完成させないため、比較的通商が回復したドイツから輸入してきた。陸軍でもFw190を採用を検討しており、採用後には『疾風』となる予定。
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烈風(最弱)
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「東京アンダーグラウンド」の記事における「烈風(最弱)」の解説
アニメ版で使用。絡んできたチンピラを追い返すために加減して烈風を放ったが、周囲に大きな被害を出した事から、威力は全く変わっていない。
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