ニューポール_24とは? わかりやすく解説

ニューポール 24

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/06/01 01:28 UTC 版)

ニューポール 24

ニューポール 24 C.1 (2機目以降。一番手前は27)

  • 用途:戦闘機、高等練習機
  • 設計者:ギュスターヴ・ドラージュ
  • 製造者:ニューポール
  • 運用者**フランス軍
    • イギリス陸軍航空隊
    • イギリス海軍航空隊
  • 初飛行:1917年

ニューポール24(Nieuport 24)は第一次世界大戦期のフランスニューポール戦闘機である。設計主務者はギュスターヴ・ドラージュ。

設計と開発

ニューポール 24は成功作であったニューポール 17の発展型で、機体の特徴は主翼が一葉半(セスキプラン)である事とそれを支えるV字型の支柱、曲線的な垂直尾翼である。空気力学的に改善された形態の胴体と丸い翼端を持ち、尾部は小さな固定式のひれと曲線形の方向舵を採用していた。尾橇は内部にばねを持ち、それ以前のニューポール機に比べて露出が少なかった。ル・ローン製の130馬力ロータリーエンジンを装備した軽快な戦闘機であった。

実際に使ってみると新しい尾部には問題があることが判明した。そのため生産型の大部分は、胴体と翼は24のままとし、尾翼と尾橇は17のタイプに戻して方形の方向舵としたニューポール 24bisとなった[1]。新型の尾部はニューポール 27において実用化された。

ニューポール 24bis.はイギリス海軍航空隊のためにイングランドでも生産された。

ニューポール 17の標準武装(フランス軍のヴィッカース同調機銃1挺、イギリス軍のフォスター銃架によって上翼に置かれたルイス機銃1挺)は重量増大を防ぐためそのまま継続され、良好な性能が維持された。ただし高等練習機として使用された24の多くでは武装は取り外された。

運用歴

ニューポール 24と24bis.は1917年夏に生産ラインから現れてきた。しかし軽快な機体ではあったが被弾には弱かった為、スパッド製の戦闘機と交代し、新造機の多くは戦闘機訓練学校や、ロシア、イギリスなどの友好国に多数振り分けられ、また練習機としても運用された。イギリスはS.E.5a戦闘機が不足していたため、1918年までニューポール機を活用した。フランスでも一部の部隊は1917年終盤までニューポールを使用した。また本機はナンジェッセ等のエースの乗機でもあった。

ニ式24型戦闘機

ニューポール高等練習機はアメリカによって購入され、1917年11月以降、フランスに置かれた飛行学校で使用されたが、その一部は24または24bisであったと考えられる。

日本では1917年大正6年)に輸入され、ニ式24型戦闘機[2]と呼ばれ、フォール教育団での教材となり、更に陸軍補給部、砲兵工廠、中島飛行機で量産された。1921年(大正15年)には甲式三型戦闘機に名称が改められている。

運用者

性能諸元

ニューポール 24

諸元

性能

  • 最大速度: 187 km/h[1]
  • 実用上昇限度: 5,550 m
  • 上昇率: 5,000 mまで22分

武装

(イギリス軍) ルイス7.7 mm機銃 × 1(フォスター銃架による上翼装備)

使用されている単位の解説はウィキプロジェクト 航空/物理単位をご覧ください。

脚注

  1. ^ a b c d e 古田 2022, p. 62.
  2. ^ 数字の「二」でなく片仮名の「ニ」(ニューポールの頭文字)である。(日本航空機辞典上巻p.29)

参考資料

  • Nieuport Fighters in Action published by Squadron/Signal Publications.
  • Bruce, Jack M. "More Nieuport Classics". Air Enthusiast, Number Five, November 1977-February 1978. Bromley, Kent, UK: Pilot Press. pp.14—28.
  • Cheesman E.F. (ed.) Fighter Aircraft of the 1914-1918 War Letchworth, Harletford Publications, 1960 pp. 96-97
  • 古田和輝『世界の戦闘機図鑑 1915-1945』株式会社ダイアプレス、2022年4月1日。 
  • 『日本航空機辞典』(上巻)(モデルアート社、1989年)

関連項目


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