三式十三粍固定機銃とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > ウィキペディア小見出し辞書 > 三式十三粍固定機銃の意味・解説 

三式十三粍固定機銃

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/04/10 16:08 UTC 版)

三式十三粍固定機銃
三式十三粍固定機銃の側面。
概要
種類 航空機関砲
製造国 大日本帝国
性能
口径 13.2mm
銃身長 900mm[1]
ライフリング 8条左回り[2]
使用弾薬 13.2x99mm
装弾数 ベルト給弾式
作動方式 銃身退却式
全長 1,530mm[2]
重量 28kg[2]
発射速度 800発/分[2]
銃口初速 800m/s[2]
テンプレートを表示

三式十三粍固定機銃(さんしきじゅうさんみりこていきじゅう)は、大日本帝国海軍第二次世界大戦中に開発した航空機関銃である。

概要

本銃は、アメリカ合衆国製のブローニングM2重機関銃をコピーして製作された。試作銃の完成は1942年昭和17年)12月、制式採用は1943年(昭和18年)9月である。

弾薬は、海軍が艦載用機銃として使用していた九三式十三粍機銃(保式十三粍機銃)と同じ 13.2x99mm (ホッチキス規格)を使用、この弾薬筒を保弾子により連結して弾帯とした。弾頭重量は、原型の12.7x99mm弾と同じく52gである(M2航空機搭載型であるAN/M2用の弾薬では弾頭重量は40~46gである)。弾薬筒の全長は136.6mm、全備重量は118gであった。薬莢形状は無起縁式である。陸軍も、M2重機関銃をコピーしたホ103を採用していたが、その12.7x81mmSR弾(ブレダ・ヴィッカース規格)は、本銃と弾薬の互換性がない。アメリカ軍海軍で機銃と弾薬を共用したのと比較するならば、日本では陸軍と海軍が同クラスの機関銃を個別に開発・生産し、弾薬も共用できなかった。これは、補給と弾薬の量産という点で大きな欠点ではあったが、海軍内では既に量産されている九三式十三粍機銃の弾薬を利用できるという面もあった。弾薬には普通弾、曳跟弾焼夷弾二型、徹甲弾を使用した。

射撃の1サイクルをなす作動機構はM2重機関銃と同様で、発砲すると銃身と銃尾が後退する。銃尾機関部は空薬莢を薬室から抜き出して排出、新しい弾薬を保弾子から抜き出す。後退が終了すると、銃身および銃尾が復座バネによって前進を開始する。銃尾機関部は、抜き出した弾薬を薬室へ装填、閉鎖する。この作動方法は、海軍において銃身退却式と呼称された。

本銃の弾道特性は優良であった。銃口初速は800m/s、発射速度は800発毎分を発揮する。ただし、プロペラ同調装置を介した場合は600-700発毎分となる。高度5,000m、飛行速度555.6km/hで撃ち出された弾頭は以下の秒時で飛翔し、弾道が引力に引かれて下がっていく。

弾丸の
射距離(m)
到達時間
(秒)
低下量
(cm)
100 0.107 5
200 0.217 23
300 0.330 52
400 0.445 94
500 0.563 149
600 0.685 215
700 0.810 303
800 0.938 404
900 1.070 520
1000 1.204 652

この弾道の低下率は、7.7×56mm弾九七式七粍七固定機銃よりも低い。

搭載機

本銃は、以下の機体に採用された。

  • 零戦五二乙型、零戦五二丙型、零戦五四丙型。翼内銃は各弾薬240発を携行。
  • 烈風一一型
  • 銀河 (航空機)一一乙型と丙型が装備、乙型は後部旋回機銃を動力式の連装機銃に変更、丙型は乙型の機種の機銃を13ミリに変更

脚注

注釈

出典

参考文献

関連項目


三式十三粍固定機銃

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/13 23:15 UTC 版)

ブローニングM2重機関銃」の記事における「三式十三粍固定機銃」の解説

海軍でもM2をベースに、オチキス(保式)系である九三式十三粍重機関銃銃身と13mm弾(13.2x96mm)を用いる三式十三粍固定機銃として採用したが、搭載機大戦後期登場零戦五二乙型以降少数海軍戦闘機のみに留まった。こちらはM2と比べ発射速度勝りサイズ重量はM2とほぼ同等なおかつ弾頭重量大きく一発あたりの威力上回る初速は低い。

※この「三式十三粍固定機銃」の解説は、「ブローニングM2重機関銃」の解説の一部です。
「三式十三粍固定機銃」を含む「ブローニングM2重機関銃」の記事については、「ブローニングM2重機関銃」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「三式十三粍固定機銃」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「三式十三粍固定機銃」の関連用語

三式十三粍固定機銃のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



三式十三粍固定機銃のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの三式十三粍固定機銃 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、WikipediaのブローニングM2重機関銃 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS