ウクライナ語
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/01/17 02:43 UTC 版)
文法
名詞
名詞は、男性・中性・女性の3つの性に分かれ、単数形(■)・複数形(■)を持つ。 名詞の語尾は、男性名詞は子音、-й、-ь、-о、女性名詞は子音、-а、-я、-ь、中性名詞は-о、-е、-яである。子音で終わる女性名詞があり、яで終わる中性名詞の語尾も多彩であるため、性の見分けはやや困難である。
雄猫(男性) | 雌猫(女性) | 子猫(中性) | |
---|---|---|---|
単 | кіт(キート) | кішка(キーシュカ) | кошеня(コシェニャー) |
複 | коти(コティー) | кішки(キーシュクィ) | кошенята(コシェニャータ) |
名詞の格は主格、対格、属格、所格、与格、具格、呼格の7種類である。ロシア語とは異なり、呼格が存在するのが特徴である。
名詞の活用 | чоловік(男性名詞) | місто(中性名詞) | риба(女性名詞) | |
---|---|---|---|---|
単数 | 主格 | чоловік | місто | риба |
対格 | чоловіка | місто | рибу | |
属格 | чоловіка | міста | риби | |
所格 | чоловікові/чоловіку | місті | рибі | |
与格 | чоловікові/чоловіку | місту | рибі | |
具格 | чоловіком | містом | рибою | |
呼格 | чоловіче | місто | рибо | |
複数 | 主格 | чоловіки | міста | риби |
対格 | чоловіків | міста | риб | |
属格 | чоловіків | міст | риб | |
所格 | чоловіках | містах | рибах | |
与格 | чоловікам | містам | рибам | |
具格 | чоловіками | містами | рибами | |
呼格 | чоловіки | міста | риби |
形容詞の活用は以下の通りである。
形容詞の活用 | гарний | |||
---|---|---|---|---|
男性 | 中性 | 女性 | ||
単数 | 主格 | гарний | гарне | гарна |
対格 | гарний(活動体)/гарного(不活動体) | гарне | гарну | |
属格 | гарного | гарного | гарної | |
所格 | гарному/гарнім | гарному/гарнім | гарній | |
与格 | гарному | гарному | гарній | |
具格 | гарним | гарним | гарною | |
呼格 | гарний | гарний | гарна | |
複数 | 主格 | гарні | ||
対格 | гарні(活動体)/гарних(不活動体) | |||
属格 | гарних | |||
所格 | гарних | |||
与格 | гарним | |||
具格 | гарними | |||
呼格 | гарні |
人称代名詞
単数 | 複数 | |
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一人称 | я -私は〈I〉 | ми -私達は〈we〉 |
二人称 | ти -君は〈you〉 ви -貴方は〈敬称〉 |
ви -貴方達は〈you〉 |
三人称 | він -彼は〈he〉 вона -彼女は〈she〉 воно -それは〈it〉 |
вони -彼らは 彼女らは それらは〈they〉 |
表中は全て主格を用いている。
- ^ より厳密には、憲法第10条により、唯一の「国家語」と規定されている。
- ^ ソ連邦に属していた時代の1933年から1990年にかけて、この文字の使用が禁じられた。
- ^ ウクライナの法律・公式文章に使用されるローマ字表記(Рішення української комісії з питань правничої термінології)
- ^ a b 外来語で用いる半軟音。
- ^ 軟音の前に半軟音になる。
- ^ a b дзの二重音字。
- ^ a b джの二重音字。
- ^ 発音は[ɪ̞]と同じ。
- ^ [j]の後と軟子音の前の間に[ɛ]は[ɪi]として発音する。
- ^ 無声音の前に[s]となる。
- ^ 発音は[ɛ̝]と同じ。
- ^ a b c d 無声音は有声子音の前で有声音に変わる。
- ^ 円唇化に伴う音。
- ^ 1999年に制定され数年間使われた正書法、及び、その基となった「ハルキウ正書法」では、иで始まる文字もあった。例:інший→инший、іноземець→иноземець
- ^ ウクライナ語には音だけが残っており特別に説明する場合を除いて文字は用いられないが、ベラルーシ語には文字も残っている。
- ^ ヤヌコーヴィチが大統領として2011年に訪日した際、日本では常にウクライナ語で発言をしていた。日本側もウクライナ語の通訳を初めて用意した(ユシチェンコが大統領在籍の際の訪日では宇→英→日だった)。
- ^ 「正しい表現、誤った表現」「ロシア語からの借用、純ウクライナ語の表現」等の比較本がしばしば書店で見られる。一部はオンライン版もある。
ウクライナ語と同じ種類の言葉
固有名詞の分類
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