エネイーダとは? わかりやすく解説

エネイーダ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2012/08/03 08:13 UTC 版)

20世紀初頭の『エネイーダ』の表紙。コサック軍を率いるエネーイ棟梁。

『エネイーダ』ウクライナ語Енеїда)は、ウェルギリウスの『アエネーイス』をモチーフに現代ウクライナ語口語で書かれたパロディー叙事詩。6巻から構成する。イヴァン・コトリャレーウシキーの著作。初めて1798年に出版された。全巻の出版は1842年である。原本の『アエネーイス』は、トロイ戦争に惨敗したアエネーイス武将が諸国を遍歴し、ローマの地で自国をローマ帝国として再建するという話であるが、ウクライナの『エネイーダ』はトロイロシア帝国に亡ぼされたコサック国家に例え、アエネイス武将(ウクライナ語風にエネーイ)とそのコサック軍が異国を放浪し、ついに新たな地でコサック国家を再建して繁栄するという話になっている[1]。近代ウクライナ文学の発祥作とされる。19世紀初頭に始まったウクライナ民族ルネサンスを促進させた一作である[1]。ウクライナ研究では一級資料となっており、「ウクライナ学大事典」とも呼ばれる。

目次

脚注

  1. ^ a b 中井 1998:233.

参考文献

  • (日本語) 伊東孝之, 井内敏夫, 中井和夫編 『ポーランド・ウクライナ・バルト史』 (世界各国史; 20)-東京: 山川出版社, 1998年. ISBN 9784634415003
  • (日本語) 黒川祐次著 『物語ウクライナの歴史 : ヨーロッパ最後の大国』 (中公新書; 1655)-東京 : 中央公論新社, 2002年. ISBN 4121016556
  • (ウクライナ語) Котляревський І. П. Енеида на малороссійскій язык перелицїованная И. Котляревским [1] / На обкл. назва: Малороссійская Енеида в трех частях: С пріобщеніем значенія Малороссійских слов как содержащихся в оной, так и многих других. – Санкт-Петербург: Иждивеніем М. Парпуры, 1798. – 178 с. (видання 3 частин коштом Максима Парпури без відома і згоди автора)
  • (ウクライナ語) Котляревський І. П. Енеида на малороссійскій язык перелицїованная И. Котляревским. – Санкт-Петербург: О. А. Волохінов, 1842.
  • (ウクライナ語) Котляревський І. Енеїда [2] [3]/ ком. О.Ставицького; мал. А. Базилевича. — Київ: Радянська школа, 1989.

外部リンク

関連項目


エネイーダ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/09 10:55 UTC 版)

ヴェルナツキー・ウクライナ国立図書館」の記事における「エネイーダ」の解説

イヴァン・コトリャレーウシキーによってウクライナ語口語書かれた『エネイーダ』の初版5冊が収蔵されている。

※この「エネイーダ」の解説は、「ヴェルナツキー・ウクライナ国立図書館」の解説の一部です。
「エネイーダ」を含む「ヴェルナツキー・ウクライナ国立図書館」の記事については、「ヴェルナツキー・ウクライナ国立図書館」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「エネイーダ」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「エネイーダ」の関連用語

エネイーダのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



エネイーダのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのエネイーダ (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaのヴェルナツキー・ウクライナ国立図書館 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS