バーチャルアイドル
バーチャルアイドルとは、主にコンピュータグラフィックス(CG)によって造形され、インターネットなどの仮想世界上で歌手やグラビアアイドルのような活動を展開する架空のキャラクターの総称である。
バーチャルアイドルは、主に2次元コンピュータグラフィックス、あるいは、3次元コンピュータグラフィックスによって描かれる。実在のアイドルやアニメ作品のキャラクターなどと同じように、身長、体重、血液型、趣味などのプロフィールが細かく設定されている例もあれば、一次制作者側からは簡単なイメージのみが提示され、同人活動・二次創作によって具体的なキャラクター像が付与されていく例もある。後者の例では、各キャラクターは一人のバーチャルアイドルとして同一性を持つが、必ずしも細部の統一は図られないことが多い。
バーチャルアイドルとして認知されている代表的なキャラクターとしては、「芳賀ゆい」、「伊達杏子」、「テライユキ」などがある。2007年に発売されたDTMソフト「初音ミク」では、サンプリングボイスに対して「ボーカロイド」というキャラクター設定を与え、ニコニコ動画などで盛んに二次創作が盛んに行われた。初音ミクは、DTMソフトから出現したキャラクターであるため、バーチャルアイドルの中でも、歌手を本職とする「バーチャル歌手アイドル」であると表現されることがある。
Virtual IDOL
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/03/30 08:56 UTC 版)
Virtual IDOL | |
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ジャンル | コンピュータゲーム、声優 |
刊行頻度 | 月刊(前々月22日発売) |
発売国 | 日本 |
定価 | 890円(休刊時) |
出版社 | 徳間書店インターメディア → 徳間書店/インターメディアカンパニー[注 1] |
雑誌名コード | 755 |
刊行期間 | 1996年9月1日(1996年9月号) - 1997年9月1日(1997年9月号) |
発行部数 | 15万部(1997年メディアリサーチセンター調べ) |
特記事項 | 1994年から『PCエンジンFAN』増刊として不定期刊、1996年9月号より独立創刊 |
『Virtual IDOL』(バーチャル・アイドル)は、1994年から1997年にかけて徳間書店インターメディアおよび徳間書店/インターメディアカンパニー[注 1]が発行していた、コンピュータゲームの美少女キャラクターと、アイドル声優の情報誌。
沿革
本雑誌は、同じ徳間書店インターメディアの月刊誌『SUPER FAMICOM Magazine』[注 2]で1994年3月号から9月号(休刊)まで連載されていた「That's Virtual IDOL」が元となり[2]、『PC Engine FAN』1994年11月号の増刊として創刊された。『PC Engine FAN』の増刊という形ではあったが、上記のように『SUPER FAMICOM Magazine』から派生した雑誌であり、創刊号の編集長は『SUPER FAMICOM Magazine』の最終号と同じである。
『SUPER FAMICOM Magazine』の「That's Virtual IDOL」は、当初「ゲームのなかに出てくるかわいい女のコのキャラクタ」[3]の情報を紹介するページとして始まったが、読者からの反響を受けて声優の情報も充実させていた[2]。創刊された『Virtual IDOL』のキャッチコピーは「美少女キャラ&声優のアイドル誌」となっている。なお、本誌においては、誌名である「バーチャルアイドル」(virtual idol)という言葉は、コンピュータゲームに登場する美少女キャラクターを指す言葉として使用されていた[4]。
また、「That's Virtual IDOL」では、声優とともにラジオ『ツインビーPARADISE』の情報についても反響が大きく[2]、『Virtual IDOL』では創刊号からツインビーシリーズ関連の連載が設けられ、形を変えながら休刊まで続いた。
1994年11月10日発行のVol.1から1996年6月10日発行のVol.8まで『PC Engine FAN』の増刊として2〜4か月間隔で刊行された後、1996年9月号から月刊誌として独立創刊を果たした。なお、雑誌のキャッチコピーは独立創刊の際に「美少女キャラ&声優ひとりじめマガジン」に変更されている。月刊化から約1年後の1997年9月号で休刊となった。
表紙
- 1994年
- vol.1:剣野舞、剣野光(負けるな!魔剣道)
- 1995年
- 1996年
- 1997年
連載
- 椎名へきるの「で・じ・た・る・あ・ん・じゅ」(Vol.1(1994年11月発行)〜Vol.8(1996年6月発行))
- 続・どんぶり島通信(Vol.1(1994年11月発行)〜Vol.8(1996年6月発行)[注 3]、)
- 國府田マリ子「くらえ!この元気・あなたのもとへ」(Vol.3(1995年4月発行)〜1997年9月号[注 4])
- 金月真美の「ミシガンより愛をこめて」(Vol.4(1995年7月発行)〜1997年9月号[注 4])
- 誌上「ツインビーPARADISE」(Vol.4(1995年7月発行)〜Vol.8(1996年6月発行)[注 3])
- 冨永みーなの「おしゃべりティータイム」(Vol.6(1996年1月発行)〜1997年9月号[注 4])
- おたっきぃ佐々木のなんでも温故知新(Vol.8(1996年6月発行)〜1997年9月号[注 4])
- db-NETWORK どんぶり島通信&誌上「ツインビーPARADISE」(1996年9月号〜1997年9月号[注 4])
- MOONLIGHT CIRCLE(1997年1月号〜1997年9月号[注 4])
- 電脳戦隊ヴギィ'ズ★エンジェルSR「天使のらくがき」(1997年2月号〜1997年9月号[注 4])
- 柳原みわの「自由奔放・ステキにいこう」(1997年3月号〜1997年9月号[注 4])
- GAMEERS猛烈秘宝館(1997年8月号〜1997年9月号[注 4])
関連書籍
- 『バーチャルアイドルRE☆CO☆MIX』徳間書店、全5巻
- 1996年から1997年にかけて刊行されたアンソロジーコミック。
- 「ミシガンより愛をこめて」徳間書店インターメディア、1997年1月発売、ISBN 4198200157
- バーチャル・アイドル編集部の編集による声優金月真美のフォト&エッセイ集。『Virtual IDOL』で連載されていた同名のエッセイを収録している。
注釈
- ^ a b 徳間書店/インターメディアカンパニーからの発行は、1997年8月号と9月号の休刊前2号。
- ^ 徳間書店インターメディアが1991年から1994年まで月刊で刊行していた、スーパーファミコン専門情報誌(ムック)[1]。
- ^ a b 1996年9月号から「db-NETWORK」内へ統合。
- ^ a b c d e f g h i 同号で休刊。
出典
- ^ メディア・リサーチ・センター株式会社(編)、1994、『雑誌新聞総かたろぐ 1994年版』、メディア・リサーチ・センター ISBN 4895549402 pp. 326-327
- ^ a b c 「That's Virtual IDOL」、『SUPER FAMICOM Magazine』2巻9号(1994年3月号)、徳間書店インターメディア pp. 74-79
- ^ 「That's Virtual IDOL」、『SUPER FAMICOM Magazine』2巻3号(1994年3月号)、徳間書店インターメディア pp. 60-65
- ^ 、1994、「バーチャル・アイドル 現在・過去・未来」、『Virtual IDOL』(通号2号)、徳間書店インターメディア pp. 75-83
バーチャルアイドル
(Virtual_IDOL から転送)
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バーチャルアイドル(英語: virtual idol)は、実在しない架空のアイドルのこと。広義としては美少女キャラクター全般を指す場合もある[1][2][3][4]。
注釈
- ^ 20世紀末には英語圏でも用いられている[8]。
- ^ 大元はalmostにちかい「ほとんどAと同じ」「実質的にA同様の」の意味[10]。ここで"A"は現実に存在する。そこからコンピュータが発展するにつれ、「実体のあるAを元にした仮想のA'」の意味で使われるようになり、さらには「コンピュータ上で仮想構築された」といった現実を元にしない意味にまで派生している[11]。日本において「バーチャル」は、最初から最後の「コンピュータ上で仮想構築された」をさらに「現実を元にしない仮想の」と解釈している。
- ^ 1994年から1997年にかけて徳間書店インターメディアが発行していたゲーム雑誌『Virtual IDOL』ではバーチャルアイドルという言葉をゲームに登場する女性キャラクターを指すために使用しつつも、言葉としてはアニメに登場する女性キャラクターを含むと説明している。1999年にアスキーが出版した「Virtual idol collection」との副題を持つ書籍『幻想美少女コレクション』は、アニメやゲームに登場する女性キャラクターたちを紹介するものとなっている。
- ^ ただし、声優および歌唱を担当した飯島真理名義。
- ^ 映画『超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか』の主題歌「愛・おぼえていますか」がオリコンシングル週間ランキングで最高7位。
- ^ 後にホリプロのバーチャルアイドル「伊達杏子」のプロデュースを担当する堀義貴は、芳賀ゆいの企画にも途中から係わっており、その経験が生かされたとしてる[30]。また、コナミの「ウインビー国民的アイドル化計画」についても、芳賀ゆいの影響をうかがわせるとの指摘もある[31]
- ^ キャラクターデザインはリン・ミンメイを生み出した美樹本晴彦が手がけている
- ^ 雑誌『Virtual IDOL vol.1』の巻頭特集は『卒業II 〜Neo Generation〜』。
- ^ 製作元ではこういう初音ミクのようなキャラクターを「ボーカル・アンドロイド=VOCALOID(ボーカロイド)」と呼んでいる
出典
- ^ 「「バーチャル・アイドル」とは、ディスプレイのなかのアイドルたちのこと。おおまかにいうと、美少女=バーチャル・アイドルということになります。つまり、ゲームやアニメに登場する女のコ全般をさす便利な言葉なのです。」『Virtual IDOL vol.3』 p.114
- ^ a b c d e 「バーチャル・アイドル 現在・過去・未来」 『Virtual IDOL vol.2』 p.75-85
- ^ “バーチャルアイドル とは”. デジタル大辞泉. コトバンク. 2013年5月19日閲覧。
- ^ “バーチャルアイドルとは (Virtual Idol)”. IT用語辞典バイナリ. 2013年5月19日閲覧。
- ^ a b c 「「まさに"この世のもの"とは思えない!!「CGアイドル」の魅力に迫る!」」 『週刊!エキサイト Vol.156』| Excite エキサイト : ニュース 2004/7/13
- ^ 「バーチャル・リアリティ・アイドル 伊達杏子 DK-96 デビュー」 『TVぴあ 関東版 217号』 ぴあ 1996年05月25日 pp.26-29
- ^ 『レプリカント vol.6』 <Bamboo Mook> 竹書房 2000年06月 ISBN 978-4812406236 pp.96-100
- ^ Virtual Idols | Arts and Entertainment | BBC World Service
- ^ “コナミ、ゲームソフトからアイドル”. 日本工業新聞 (日本工業新聞社): p. 13. (1996年2月1日)
- ^ "virtual" - 『Longman Dictionary of Contemporary English 5th Edition』 ISBN 9781408215333
- ^ "virtual" - Wikitionary,en:Virtuality,en:Virtual actorほか。
- ^ 宮原啓彰(インタビュアー)・秋元康「"究極の非日常"追い求めて2次元アイドルへ」『週刊ダイヤモンド 2016年12/31 2017年1/7合併号』第105巻第1号、ダイヤモンド社、2017年1月7日、185頁。
- ^ 『現代用語の基礎知識 1998』 自由国民社 1997年11月 ISBN 978-4426101169
- ^ 「一九九四(平成六)年に発売された恋愛シミュレーションゲーム『ときめきメモリアル』は、各種ゲーム機版あわせて一三〇万本が売れた。(中略) 一二人のアイドルの中で一番人気は藤崎詩織で、歌手デビューしCDを発売することになった。他にもラジオ番組のディスクジョッキー「伊達杏子」、カラオケの案内係「ジェニーちゃん」、ドラマ『エヴァンゲリオン』のヒロイン綾波レイに熱い思いを抱く男や、アイドルの縮小模型フィギアを高値で取引する男たちがいて、架空現実美少女(ヴァーチャル・アイドル)は、ますます多様化を極めそう。[13]
- ^ “あこがれの君はCG映像 バーチャル・アイドル タレント並み人気”. 読売新聞 (読売新聞社): p. 25. (1996年3月13日)
- ^ "Not techncally a music game but the inclusion of rhythm game elements in a vastly popular video game series brought the rhythm game genre to casual gamers of Japan." Philip H. Peng,Stephen H. Lane 「CIS400/401 Project Proposal - Designing Rhythm Game Simulators for Touchscreen Devices」 University of Pennsylvania School of Engineering and Applied ScienceのDepartment of Computer and Information Science(CIS)でApril 23, 2012: CIS Senior Design Winnersの一位獲得論文。参考元はScott Steinberg 『Music games rock: Rhythm gaming's greatest hits of all time』
- ^ “「バーチャルのじゃロリ狐娘YouTuberおじさん」登録者数一万突破なのじゃー キズナアイも祝福”. PANORA. (2017年12月12日) 2018年4月28日閲覧。
- ^ 沓澤真二 (2017年12月18日). “バーチャルYouTuberの草分け「キズナアイ」のチャンネル登録数が100万突破”. ITMedia ねとらぼ 2018年4月28日閲覧。
- ^ たまごまご (2018年1月6日). “「動く抗うつ剤」「ストロングゼロの擬人化」―― バーチャルYouTuber輝夜月(かぐや・るな)を見て今年も元気にやっていこう”. ITMedia ねとらぼ 2018年4月28日閲覧。
- ^ a b c 中森明夫 「初音ミクと「存在しないものの美学」」 『ユリイカ 2008年12月臨時増刊号』 pp.180-181
- ^ 「芳賀ゆいや藤崎詩織の成功と、伊達杏子の不発の意味する所は大きい。芳賀ゆいには深夜ラジオのリスナー、藤崎詩織には恋愛シミュレーションゲームのユーザーといった既に彼女らを支持する層のサークルがあった。伊達杏子にはそれが存在しない。初音ミクの場合、インターネットの動画投稿サイトがその役割を果たしたのだと思う。つまり不在のアイドルは一種のメディア(媒体)として機能して、ファン=ユーザーらのコミュニケーション空間のほうこそ主役なのだ」[20]
- ^ a b c ニコニコ超会議にみたバーチャルアイドルの近未来 (三淵啓自):日本経済新聞 2014/5/9 7:00
- ^ 「バーチャルアイドルはヒットすれば、歌のCDや動画DVD、写真集、グッズからコンサートの公演など、現実世界で新しい市場を切り開く可能性を秘める。ただ多くのファンに支持されるにはバーチャルアイドルが降臨するストーリーが非常に重要になる。逆に強引に仕掛けると反発を買う。11年にAKB48の新メンバーとして登場した「江口愛実」。男性誌のグラビアや菓子メーカーのテレビCMに出て話題になった。だが、これがAKBメンバーの顔のパーツを合成したバーチャルアイドルだと発表されると批判を浴び、早々に姿を消した。」[22]
- ^ a b 飯田一史 「ミライのクルマー未来派からミクへ」 『S-Fマガジン 2011年8月号』 pp.44-45
- ^ 「初音ミクは、やはり同人や二次創作で爆発的な人気を誇る東方Project同様に、公式の設定が少なく、しかしユーザーにその使い方、楽しみ方が委ねられている。だから、結局、ひとびとは自分が見たいものをミクに見る。」[24]
- ^ 「メディアを通して女性を消費する場合は常にコントロールされていて、自分がパラメータをいじることはできません。」「昔、CGアイドルっていましたよね。これがあまり普及しなかったのは、おそらくパラメータをいじれなかったからだと思うんです。CGアイドルはアイドルの代替物であって、それよりも劣るというところが、ネックだったのではないかという気がします。」 『ユリイカ 2008年12月臨時増刊号』 p.99
- ^ 太田省一 『アイドル進化論 - 南沙織から初音ミク、AKB48まで』 pp.263-264
- ^ 太田省一 『アイドル進化論 - 南沙織から初音ミク、AKB48まで』 pp.234-235
- ^ 「What's next!? カリスマ美少女たちの行方〜Ver.2000」 『Megami Magazine vol.03』 学習研究社 2000年1月1日 pp.26-57
- ^ “日本初のCGアイドル 私は「DK96」16歳 来月デビュー”. 読売新聞 (読売新聞社): p. 5. (1996年4月13日)
- ^ ITmedia +D Games:「合い言葉はBee!」へ至る道のり――「ツインビー」 (2/3) 2006-03-23
- ^ 『いまだから語れる80年代アニメ秘話〜美少女アニメの萌芽〜』 pp.113.136
- ^ 冨田明宏 「アイドル進化論〜アイドルとは時代を象徴し映しだす鏡のように変化/進化するアイコン〜」 『W100 LIVEアイドル』p.19-21
- ^ 「アニメのキャラクターは二次元であり、実体を持った三次元の存在ではない。しかし、そのキャラクターの声を担当する声優は実在している。よって、声優はアニメファンがアニメキャラへの愛情を捧げる「代替装置」として機能している。」 岡島紳士,岡田康宏 『グループアイドル進化論 〜「アイドル戦国時代」がやってきた!〜』 毎日コミュニケーションズ 2011年1月31日 ISBN 978-4-8399-3771-3 p.73
- ^ 『中原小麦ファーストコンサート in 日本中年館』 2003年9月10日発売 PNEA-1008
- ^ 日本最古、もしかしたら世界最古のギャルゲー『EMMY』 | コタク・ジャパン
- ^ 小関悠(三菱総研)バーチャルアイドル元年 | Take IT Easy 2007年8月21日
- ^ AKB48“江口愛実”の正体が判明! 顔はメンバー6人のCG合成、声の担当は研究生だった (AKB48) ニュース-ORICON STYLE-
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- ^ 週刊SPA!編集部 (2023年11月25日). “世界初・新人AI女優「木花あい」がAVデビュー。HシーンはどうAIで生成したのか?”. 日刊SPA!. 2024年1月10日閲覧。
- 1 バーチャルアイドルとは
- 2 バーチャルアイドルの概要
- 3 関連する雑誌
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