霞ヶ浦
霞ヶ浦は、西浦、北浦、鰐川、常陸利根川の4河川の総称で、茨城県の東南部に位置する海跡湖です。湖面積は220km2と、日本で2番目に大きな湖です。波崎町太田地先で利根川本川に合流しています。 |
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潮来市上空から見た霞ヶ浦(西浦) |
河川概要 |
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1.霞ヶ浦の歴史 |
"霞ヶ浦周辺地域は利根川の東遷によって、洪水の増加や湖水の淡水化などの大きな影響を受けました。また、水運や漁業についても霞ヶ浦独自の発展をしました。" |
特有の歴史、先人の知恵の活用 |
2.地域の中の霞ヶ浦 |
"霞ヶ浦では水質の汚濁により水泳場が閉鎖された後も、広大な水面を利用する水上スポーツが盛んに行われています。また、豊かな自然を活かした野鳥観察や環境教育の場としても利用されています。" |
地域社会とのつながり ・霞ヶ浦の神事 鹿島神宮の御船祭は午年の9月2日に行われる12年に1度のお祭りで、御座船を中心に数十艘の船団が大漁旗や幟を立てて平安絵巻さながらに常陸利根川を進む様は壮観です。また、湖岸地域の神社では御輿を湖水で清める神事「川揉み」が夏の祇園祭で行われます。このような神事に、かつての湖と地域社会との深い結びつきが感じられます。
霞ヶ浦は水泳場に適した遠浅地形の場所が多く、水質の良好な昭和40年代前半までは多くの水泳場があり夏になると多くの人々で賑わいました。しかし、昭和42年頃から水質の汚濁が進み昭和49年の歩崎水泳場の廃止を最後に霞ヶ浦の水泳場が無くなりました。課題の水質改善がなかなか進まない状況ですが、かつての「泳げる霞ヶ浦」の復活を願う横断遠泳大会が浮島・天王崎間 約2.5kmのコースで年に1度開催されています。水泳に代わって、現在の霞ヶ浦では日本第2位の広大な湖水面を利用したヨット、ウィンドサーフィンなどの水上スポーツが盛んで、潮来市の北利根川では8月にパワーボートの全国大会が開催され多くの観客で賑わっています。また、北利根川にはレガッタの公認コースがあり学生の練習や競技会に利用されています。 霞ヶ浦・北浦の湖岸には総延長約250kmの湖岸堤防が整備されており、健康増進のためのウォーキングやサイクリングコースとして多くの地域住民の方に利用されています。さらに、水面と堤防道路の両方を利用したトライアスロン大会も毎年5月に潮来で開催されています。
豊かな自然環境を活かした利用としては、霞ヶ浦に生息している野鳥を観察できる妙岐の鼻や水原白鳥の里等の観鳥スポットではシーズンになると様々な鳥が訪れた人々の目を楽しませています。また、近年の植生保全対策によって新たに創出された湖岸植生帯では、そこを利用した自然観察会や浅瀬への植生の植え付け作業が行われており地元の子供達の環境教育の場所として積極的に利用されています。 |
3.霞ヶ浦の自然環境 |
"霞ヶ浦は、大昔の入り海が淡水化することで形成された海跡湖です。その成り立ちを反映し、多様な魚類が生息しています。また、渡り鳥等の飛来地として利用され、湖岸には大規模な湿生草原も残されています。" |
霞ヶ浦は、西浦・北浦・外浪逆浦の3つの湖沼と常陸川・北利根川・鰐川・横利根川の 4つの河川から構成され、利根川の河口18km付近に合流する一級河川です。湖面積は約220km2で琵琶湖に次いで日本第2位、湖岸線は約250kmに達し日本一を誇ります。流域面積は
2,157km2で、その大部分を平地が占め(91%)、山地は9%とわずかです。
霞ヶ浦は、もともと自然豊かな湖でした。かつては、その遠浅な地形と透明度の高さから、沈水植物等の大群落が広がる豊かな沿岸植生帯を有していました。近年、流域からの流入負荷の増加に伴う水質悪化や、周辺地域の生活を守るための湖岸堤の建設等の様々な要因により、これらの植生帯は減少しています。しかし、これらの植生帯を取り戻すための取り組みが湖の各所で行われており、近年、見られなくなっていた霞ヶ浦本来の水生植物が再生するなどの成果もでてきています。
霞ヶ浦に分布する広大な水域部も、多くの生物にとっての重要な生息環境になっています。霞ヶ浦周辺は、カモ類等の水鳥をはじめ、多くの野鳥が飛来し、一定期間飛来する野鳥の宝庫といわれています。その数は、冬季の水鳥だけで5万羽、夏の渡り鳥を含めると 10万羽以上といわれています。霞ヶ浦の魚類は、海跡湖の名残を反映し、淡水魚、汽水魚、海水魚と多彩な分布がみられます。確認される種類も他の湖沼等と比較して多くなっています。代表的な魚類としては、ワカサギやシラウオ、コイなどが挙げられます。 |
4.霞ヶ浦の主な災害 |
"霞ヶ浦の洪水については江戸時代より数々の記録が残っています。中でも、現在の霞ヶ浦の治水計画の基本となる「霞ヶ浦新放水路計画」の対象洪水の一つとして位置付けられている「昭和13年6月洪水」は地域に大きな被害を与えました。" |
代表的な水害
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5.その他 |
"霞ヶ浦は、生活用水を届けるとともに、漁業、農業、工業などの地域の産業を支えてくれる、なくてはならない存在です。その霞ヶ浦が、いま、近年における都市化の進展などさまざまな要因から、水環境の悪化が大きな問題となっています。" |
霞ヶ浦の水質
近年の水質状況をCODの変化からみると、昭和40年代の高度経済成長と歩調を合わせるように悪化し、昭和54年には11.3mg/lと高い値となりました。その後、水質浄化対策等の促進により改善傾向にあるものの、依然環境基準を大幅に上回っており、長期的な水質汚濁が継続しています。 |
(注:この情報は2008年2月現在のものです)
固有名詞の分類
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