パワーボートとは? わかりやすく解説

パワーボート

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/06/25 01:43 UTC 版)

パワーボート

パワーボート (powerboat) は、モーターボートを使った競技(モータースポーツ)及びそれらで使われる船体のことを示す。クラスによっては最高速度は200km/hを越えるものもあり、「海のF1」などとも呼ばれる。

クラス

2005年現在のレギュレーションブックによると、概要は以下のとおりである。また、いずれのクラスにおいてもハイドロフォイル(水中翼)の使用は認められない。

フォーミュラクラス

更に「F550」「F850」「F3000」に細分化されている(以前は他に「S550」というクラスがあった)。エンジンはそれぞれ数字の排気量以下。艇体はカタマラン双胴船)。

ハイドロクラス

更に「OSY400」「K400」「0:350」に細分化されている。エンジンはそれぞれ数字の排気量以下。艇体はハイドロプレーンと呼ばれる、比較的平面に近い艇底を持ち、水面を飛び跳ねるように浮いて走る(プレーニング)タイプのものが使われる。現在、競艇に使われているものと同じタイプのボートである。

Vクラス

更に「V850」「V3000」に細分化されている。エンジンは、前者は870cc以下、後者は3000cc以下。艇体は「ランナバウト」と呼ばれる、艇底がV字型をしたもの(モノハル艇とも呼ぶ)。よく見掛けるモーターボートに比較的近い形態である。

オフショアクラス

更に「OFF1 - OFF4」「オフショアオープン」「オフショアスーパー」に分かれる。艇体の様式には制限がないが、カタマラン(双胴船)タイプのものが多い。エンジンは、クラスによって許容排気量・許容出力・搭載可能数が異なるほか、インボード(船内機)とアウトボード(船外機)でも細かく異なる。オフショアオープンクラスのインボードガソリンエンジン艇の場合、排気量16,387 cc、1,000馬力以下のエンジンを2基まで搭載することができる。日本でも、過去にはオフショアスーパー艇として4基掛け(エンジンを4基搭載)などというものが登場したこともある。

操縦

ランナバウト艇はコーナリングの際にオートバイのようにバンクローリング)することができ、旋回方向の内側に船体を傾けてコーナーを回る(傾きは大型船舶のそれとは逆になる)。対してカタマラン艇・ハイドロプレーン艇は、四輪車のようにバンクせず(ドリフト走行のよう)に回る。

「フォーミュラクラス」、「ハイドロクラス」、「Vクラス」は単座であり、乗員1名が搭乗して操縦する(Vクラス艇はサイズとしては複座にすることも可能)。

特徴的なのは競争水面が沖合が中心の「オフショアクラス」である。このクラスでは一般に機関出力をコントロールするスロットルマンとドライバー(操舵手)の2名構成、時にはナヴィゲーションマンが加わった3名構成で操縦する。スロットルマンはエンジンの制御を行い、ドライバーは進路を決める。ナヴィゲーションマンはレースコースを指示するいわば航海士のような役目をする。このうち最も熟練を要するのはスロットルマンであるという[注釈 1]。また、外洋レースでは、ヘリコプターなどを使って上空からのナヴィゲーションや戦略指示などが行われることもある。

レース

アメリカ合衆国地中海などでは比較的ポピュラーなレースだが、日本ではあまり盛んであるとは言えない。

日本国内でも、比較的小さいクラスのボートを使うレースは各地で行われている。対してオフショア艇もエントリーできるビッグレースは数が少なく、木曽川で行われる日本グランプリパワーボートレースが唯一となっている。過去には、瀬戸内ローズカップや熱海オーシャンカップなどが行われていた時期もある。

脚注

注釈

  1. ^ パワーボートは吃水が浅くプロペラが離水することもしばしばである。このときスロットルを開けた状態だとプロペラに水の抵抗が掛からないため、容易にエンジンが過回転となり、エンジンを壊してしまう。したがってパワーボートが水面を飛び跳ね、プロペラが離水した瞬間にスロットルを戻し、かつプロペラが着水したときにはスロットルを開けてエンジンが出力を出した状態に戻すという、相反するスロットル操作が求められる。

出典

関連項目

外部リンク

日本パワーボート協会


パワーボート

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/02 15:17 UTC 版)

「コジマエンジニアリング」記事における「パワーボート」の解説

4輪レースからの撤退後小嶋松久興味持っていたパワーボートレースに活動を移す。オリジナル設計のレーシングボート「KE CAT シリーズ」をリリースした小嶋は自らドライバーとしてオフショアオープン級などのレース出場し複数日本チャンピオン輝き2007年末に現役引退する

※この「パワーボート」の解説は、「コジマエンジニアリング」の解説の一部です。
「パワーボート」を含む「コジマエンジニアリング」の記事については、「コジマエンジニアリング」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「パワーボート」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ

「パワーボート」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「パワーボート」の関連用語

パワーボートのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



パワーボートのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのパワーボート (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaのコジマエンジニアリング (改訂履歴)、モータースポーツ (改訂履歴)、ドン・ジョンソン (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS