水質浄化対策とは? わかりやすく解説

水質浄化対策

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/26 13:59 UTC 版)

千波湖」の記事における「水質浄化対策」の解説

"水の都"を自負する水戸市においては親しまれる河川・湖沼づくりを環境目標のひとつにあげ、千波湖水質改善行政市民団体取り組んでいる。その取り組み例は以下のようなのである浚渫 アオコ発生原因となるリン多く含んでいる底泥を浚渫によって取り除く事業水戸市主体となって1989年度から1992年度にかけて行われた千波湖全域浚渫船使い湖底から深さ40センチメートル浚渫するという、総事業費10億円千波湖史上かってな本格的な浚渫であった。この事業により、約12立方メートルの泥が浚渫された。 那珂川からの導水千波湖導水事業水戸市渡里町在る渡里揚水機場で取水した那珂川を渡里農業用水路を利用して桜川導水し、更に桜川から千波湖導水し、桜川千波湖水質浄化を図る事業である。1988年10月15日通水式から始まり2020年現在継続して行われている。施設整備は県と市が共同行い予算は7億8千万であった那珂川からの取水量1日最大75600立方メートルで、千波湖には1989年度から2014年度間の平均年間1295立方メートル導水されている。千波湖の水質浄化対策面では、この事業実施前の1987年度千波湖の年度平均CODミリグラム/リットル)は、東側44.3、西側31.0であったのが、事業実施年度の翌1989年度では東側6.7、西側7.0大きな効果出た。なお、導水で渡里農業用水路を利用するのは霞ヶ浦導水事業完成する迄の暫定利用、との扱いである。 2020年現在導水ルート次のとおり。 渡里台地土地改良区が持つ渡里揚水機場で那珂川から取水取水は渡里農業用水路を利用し南流。 市営河和田住宅近く桜川と渡里農業用水路の交差点分水施設桜川導水桜川緑地分水施設桜川西側を併流する水路導水偕楽園公園拡張部内の新坂橋上流の取水施設取水取水偕楽園公園拡張部内の暗渠通り、同園内の月池に導水。 月池から出た千波湖西駐車場内の水路抜けた後、以下に4分岐し千波湖導水される。好文茶屋裏の池に流入後、千波湖導水。(※水の一部は、池からの別の水路(=春雨川)で桜川環流する。) 暗渠抜けた後、好文茶屋近く岸辺から千波湖導水光圀像のある広場下の暗渠通りD51近く岸辺から千波湖導水光圀像のある広場下の暗渠通りふれあい広場近く岸辺から千波湖導水上記4つ箇所位置地形地質節の「図(千波湖水流入出状況図)を参照 3.桜川分水施設河和田画像左上流部 4.桜川分水施設画像右はラバーダム堰き止められ桜川上流部 5.千波湖取水施設画像左上流部 7:西駐車場水路画像上流部 好文茶屋裏の池からの千波湖導水D51近く岸辺導水噴出箇所 流動促進装置設置 超音波オゾンアオコを殺しつつ水流発生装置(=ジェット・ストリーマー)により湖沼内の流動促進させる装置10基置き、水質の改善図った事業1997年12月から開始しており、2020年現在継続実施されている。 この装置長崎市環境設備等メーカーマリン技研開発設置したのである同社1997年8月20日特許出願取得したものであり(発明の名称:水域浄化装置 特許番号:特許3267904/公開番号:特開平11-057699)、"アオコキラー"との商品名つけられている。装置の仕組みは、ジェット・ストリーマーにより水中アオコを筒体に吸入し、筒体内超音波照射しアオコを殺、更にオゾン空気混入させアオコ毒性分解軽減させ、筒体から吐出させる、というものである。これによりアオコの殺行いつつ、水の流動促進させて殺したアオコ湖沼底に沈降する沈降したアオコヘドロ化し湖沼汚濁要因となる)のを防ぐ効果が出る。 千波湖内ジェットストリーマー(流動促進装置) ジェットストリーマー(流動促進装置)位置 流動促進装置湖南東側事業発足当初、この装置一式スワンボート型のボディを上に被せた状態で浮かべられていた。その為、無人スワンボートがいつも湖面点々浮かんでいる、という光景長らく千波湖にあった2018年水戸市ヨシなどの水生植物植栽し人工浮島装置を覆うという、従来より自然を模した見た目改めている。 噴水設置 流動促進装置加え水の流動を更に促進させる為、大噴水1基が西側に、小噴水南側東側それぞれ1基、計3基が設置されている。大噴水打ち上げ高さ約20メートル散水範囲直径50メートル能力持ち、小噴水打ち上げ高さ約6メートル散水範囲直径18メートル能力を持つ。2010年2月18日完成記念式典が行われた。運転時間は8時から22時までで、大噴水南側噴水東側噴水の順にそれぞれ10分づつ運転される日没からはライトアップもされ、夜の千波湖を引き立たせている。 噴水位置について詳細地図上のNo.23、4参照 千波湖噴水 大噴水噴水(南) 湧水導水 水戸はその地形地質特性から、湧水湧き出ている箇所市内多くある。千波湖近く逆川緑地湧出地の一つで、笠原水道水源湧水の他、緑地内数ケ所から湧水湧き出ている。その逆川緑地内の湧水千波湖導水水質改善を図る事業1985年から始まり現在も行われている。逆川緑地湧水2020年現在導水ルート2つあり、ひとつは千波湖南側ハナミズキ広場奥の人工の滝から流れ出てハナミズキ広場ビオトープ」を通って千波湖に注ぐもの、ふたつめ茨城県近代美術館庭園内造られ人工の川から発し湖東端近くに注ぐもの、である。ハナミズキ広場奥からの導水1985年4月22日通水式から開始され、翌1986年に2箇所目からの導水始まった事業発足時導水量(日量)はハナミズキ広場からの導水は約3000立方メートルで、湖東側は600立方メートルである。 湧水落ちる滝の位置について詳細地図上のNo.15を参照 2箇所湧水流入位置地形地質節の「図(千波湖水流入出状況図)を参照 ただ、湧水清浄である一方湖沼富栄養化促進させる窒素多く含んでおり、アオコ発生要因のひとつにもなってしまっている。この解決策としてビオトープ造成成されている。 ビオトープ造成 千波湖流れ込む湧水清浄である一方湖沼富栄養化促進させる窒素多く含んでおり、アオコ発生要因のひとつにもなってしまっている。そこで、植物による窒素吸収効果期待できるビオトープ湖南岸に造成されている。 ビオトープ位置について詳細地図上のNo.16を参照 最初ビオトープ2012年10月21日千波公園内のハナミズキ広場湧水入っていた既存の池に造られた。面積は約130平方メートルで、セキショウハナショウブホタルイ等が植栽された。このビオトープ造成前後行われた水質調査では総窒素T-n)が28.7パーセント削減測定結果出てビオトープ効果実証された。そのデータ下表のとおり。 千波湖ハナミズキ広場ビオトープ総窒素T-n検査結果表(mg/L測定測定場所ビオトープ入口 ビオトープ出口 2012年10月9日(=造成前) 5.46 5.61 2013年1月7日(=造成後) 5.50 3.92 またこのビオトープにおいては造成前の生態系調査2012年10月9日調査)ではスジエビのみが観測されていたのが、造成調査2013年1月7日調査)はスジエビ加えヨシノボリウキゴリテナガエビヌマエビ4種新たに観測されていたり、2013年春にビオトープ内を泳ぐワカサギ群れ観測される等、生物多様性促進効果出ている。 2013年10月27日に2箇所目のビオトープ湖南岸の湖内に造られた。造られた場所は元々ビオトープとして整備されていたが、放置されておりアオコ発生する場所になっていた。事前に整地がされた後、当日ガマセキショウハナショウブ等が植栽されビオトープとして再生した。そのビオトープ内の水質は、造成前の総窒素が136mg/L、総リンが11.8mg/Lであったのが、造成後は総窒素がおよそ1.8mg/L、総リンがおよそ0.6mg/Lに、また、ビオトープ外側千波湖水質比較しても、造成前は総窒素総リンとも外側数値大きく上回っていたのが造成後は半分以下となるなど、水質改善効果認められた。 2014年10月25日には3箇所目のビオトープ前年造成ビオトープ西側さくら広場前に造られた。以後毎年ビオトープ造成整備活動が行われ、2019年6月2日活動時点で総延長300メートルビオトープ千波湖南岸存在している。 これらのビオトープ造成整備活動行政市民協働する新しい公共」での事業として、市民団体である千波湖水質浄化実行委員会主催行われた実際活動水戸市茨城県環境管理協会協働行っている「千波湖環境学習会」の参加者によって行われた千波湖ビオトープ ハナミズキ広場ビオトープ 南岸ビオトープ さくら広場ビオトープ これら事業によっても千波湖水質改善充分では無い。そこで国土交通省進めている霞ヶ浦導水事業では、那珂川霞ヶ浦をつなぐ導水路から桜川への導水が行われるのに併せて桜川から千波湖への導水も行うことで、千波湖更なる水質改善を図ること事業内容一つ挙げられている。2018年時点霞ヶ浦導水事業2023年完了予定している。

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