水質汚濁への対策(千波湖・霞ヶ浦)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/08 00:53 UTC 版)
「那珂川」の記事における「水質汚濁への対策(千波湖・霞ヶ浦)」の解説
水戸市は長年下水道の普及・整備が遅れ、47都道府県で最も遅れている部類に入っていた。この為下水はそのまま市内の中小河川に流入し、これが原因による深刻な水質汚濁が進んでいた。特に千波湖や桜川は上流部に団地が整備され人口密度が高くなったことで付近を水源とする支流の沢渡川や逆川の汚染が激化、汚水はそのまま流入し悪臭とヘドロを伴う河川となった。 こうした水質汚濁の進行防止と水質浄化を図る為、関東でも屈指の清流といわれる那珂川から浄水を導入した水質改善を水戸市は計画し、渡里用水を介した導水による浄化対策である「千波湖浄化事業」を1986年(昭和61年)より開始した。他方、1976年(昭和51年)より建設省は土浦市・石岡市など流域下水道整備の遅れに因り、やはり深刻な水質汚濁の進む霞ヶ浦の水質浄化と首都圏への上水道・工業用水道の供給を図る為「霞ヶ浦導水事業」を着手、那珂川の水をトンネルを通して霞ヶ浦へ導水し水質浄化と水需要の確保を目指した。同時に建設省は千波湖と直轄管理区間である千波大橋より下流の桜川の水質を環境基準以下に抑制すべく、霞ヶ浦導水事業の目的に千波湖・桜川浄化を加え、那珂川から桜排水機場を介して浄水を桜川に放流し水質改善を図っている。 こうした水質浄化事業によって次第に桜川や千波湖の水質は改善が図られるようになり、悪臭も次第に減少していった。那珂川本川については高いレベルでの水質が維持されており、夏には御前山や千代橋など那珂川中流部で泳ぐ人が多い。しかし比較的流れの速い河川であり毎年水難事故に遭う河川利用者が後を絶たない。一方、栃木県では那須疏水に近年家電製品などの粗大ゴミを投棄する事例が増加している。これは家電リサイクル法の施行に伴い、廃棄に困ったすえ用水に投棄しており、管理する那須野ヶ原土地改良区は頭を悩ませている。
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