行政府・新統合軍
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「マクロスFの登場人物」の記事における「行政府・新統合軍」の解説
キャサリン・グラス (Catherine Glass) 声 - 小林沙苗 新統合軍参謀本部所属の中尉。2036年12月26日生まれの23歳。身長173cm。通称キャシー。フロンティア大統領ハワード・グラスの息女にして、大学を首席卒業した明晰な頭脳と、過去に準ミス・フロンティアにも選ばれた美貌を併せ持つ。オズマの元恋人で、別離後、大統領府首席補佐官レオン・三島の婚約者となる。 シェリルのツアー期間中担当責任者となる。のちに転属となり、マクロス・クォーターにオブザーバーとして乗艦し、航空機管制を担当する。当初は融通の利かない言動でブリッジクルーにからかわれるが、戦いを経るうちに急速に絆を深めていき、談笑するような間柄となる。やがて三島の行動に疑念を抱くようになり、内偵を進めるうちにオズマとよりを戻し始める。そして三島にクーデター計画の証拠を突きつけるも、阻止には失敗して父を失い、以降は追われる身となりオズマと行動をともにする。 娘ドラ◎ - 『娘ドラ◎ドラ2』の「パイン・ケーキ」においてオズマとの馴れ初めが語られ、13歳のころに見学に行った軍の演習で、差し入れで持っていったパインケーキの作り方をオズマから教えてほしいと頼まれたのがきっかけで、キャサリンが18歳になるまで待ってから交際を始めたとされている。 テレビ版漫画 - 名前は「キャシー・グラス」。新統合軍所属であることは明記されているが、オズマや三島との関係、マクロス・クォーターに転属となる経緯、その他の背景などは描かれていない。 テレビ版小説 - 職務中には内心でオズマに毒づきながら民間軍事会社であるS.M.Sと新統合軍の練度の格差に悩む部分も見せる。オズマとの馴れ初めは、ミドルティーンのころに飛び級で入学したフロンティア総合大学で一目惚れして自分から熱烈に交際を申し込んだ結果で、オズマは交際を開始して数か月間、キャサリンの実年齢を知らなかったとされる。短編「アクターズ・スカイ」(『マクロスF フロンティア・メモリーズ』に収録)では、アキラ神島を7年前の子供番組に出演していたころからチェックしていた熱烈なファンとされている。 劇場版 - 三島との接点はない。グレイスをスパイ容疑で逮捕しようとするが、上層部がギャラクシー船団からのSOS信号を無視する決定を出したことに動揺する。その後、みずからマクロス・クォーターに搭乗する。 劇場版小説 - 劇場版ではマクロス・クォーターに乗艦する理由について明確な説明はないが、本作においてマクロス・クォーターに同行する理由は、新統合軍人の同行によって目撃証言の信憑性を上げるため、「クォーターごと闇に葬られる」ことを避けるためとされている。その後もクォーターに在籍する理由は、建前上はS.M.Sおよびその監視下にあるシェリルの情報を参謀本部に提出するためとしているが、本心はオズマが目当てである。シェリルが死刑宣告を受けたあと、憲兵隊に身柄確保されたランカを卓越した手腕でS.M.S側に引き取らせ、バジュラ本星における決戦前にはオズマが乗るはずだったYF-29をアルトに託し、父を敵にしても戦う覚悟を示す。 制作・備考 - ブリッジオペレーターとしては『超時空要塞マクロス』の早瀬未沙に相当する位置のキャラクターである。高橋はデザインにおいて難航したキャラクターとしてキャサリンを挙げており、設定から当初は高飛車な雰囲気だったが何度もやり直しを要求され、頼りない部分もあることを意識したデザインとなった。 レオン・三島(レオン みしま / Leon Mishima) 声 - 杉田智和 フロンティア大統領府首席補佐官。2033年生まれの26歳。キャサリンの婚約者(のちに破棄)。 若くして新統合軍参謀の座を得た秀才で、軍の士官服を着用している。大統領府のバジュラ対策の責任者として、バジュラに関する情報の規制や、11年前の第117次大規模調査船団遭難事件の関係者情報の隠蔽工作を行う。その一方で、グラスのあずかり知らぬ部分でギャラクシー船団のグレイス・オコナーとひそかに接触し、ビルラーとグレイスの両者を利用して最終的に自身が野望を実現させるという思惑を抱く。また、ランカの能力には早くから目を付け、監視・干渉する。 のちにアイランド1で大量発生したバジュラの騒乱に乗じてグラスを暗殺。最高位の「文官」として大統領代行を名乗り、速やかな権力の掌握に成功し、第5代大統領に就任するも、バジュラ本星における決戦中、S.M.Sにギャラクシー船団との繋がりと大統領暗殺を告発され失脚する。 テレビ版漫画 - 前述のようにキャシーとの関係は描かれておらず、クーデター計画を探られるという展開もない。グラスを暗殺し大統領に就任したあと、バトル・フロンティアの勇姿を見るために、みずからマクロス・クォーターの艦長となり反抗するS.M.Sクルーらを拘束するが、グレイスが融合したバジュラクイーンによって一撃でバトル・フロンティアを沈められたことで恐れをなして自艦だけを撤退させようとし、「海賊」と化したS.M.Sクルーに排除される。 テレビ版小説 - 苛酷な環境の辺境惑星出身で、苦学してリチャード・ビルラー基金という奨学金で地球の中央大学に通い、名門出身のエリートでありながら恵まれた環境を当然のものとして退廃的な生活を送る学友たちを心中で見下しつつ、モニュメントとなっているSDF-1 マクロスを見上げ、「マクロスの王」になるという野心を抱くようになった過去が描かれている。またクーデターから失脚までが詳細に描かれており、正・副大統領を殺害すると共に上院・下院・最高裁判所を武力制圧するクーデターを成功させる。のちに手駒が暴走したときの予防策としてリチャード・ビルラーが周到に練っていた策をワイルダーに利用され失脚する。 劇場版 - L.A.Iが開発したバジュラに干渉するフォールドウェーブシステムの技術を狙い、ルカの姉ジュリアとの政略結婚をもくろむ。ギャラクシー船団の陰謀に気づいていないと装いつつグレイスとシェリルの監視と通信傍受を続け、ギャラクシー船団幹部がフロンティア船団の乗っ取りを実行に移そうとした機先を制してギャラクシーの工作員を殲滅し、シェリルとグレイスの身柄を拘束する。グラス大統領を言葉巧みに誘導し、ギャラクシーの計画を横取りするかたちで銀河支配の野望を抱き、バジュラを操りフロンティア船団をバジュラ本星に降下させるが、土壇場でギャラクシー船団幹部にバトル・フロンティアを乗っ取られ、CIC(戦闘指揮所)に突入してきたブレラに射殺される。 劇場版小説 - 錬金術などに関する衒学趣味の持ち主で、権力に溺れた「俗人」「俗物」であることが繰り返し述べられている。開拓惑星出身で苦学してエリートの地位を獲得し、死後、低所得者層の不公平税率見直しや奨学金制度の整備といった業績により、本人の望みとは異なるかたちで一部に名を残すことになる。 制作・備考 - 高橋による当初のデザインは普通の短い髪だったが、「振り向く時にリアクションのある」キャラクターにするためにキノコのような髪型となり、監督の菊地康仁が面白がって採用した。この髪型から担当声優は杉田しかいないということで決まったといい、現場では「キノコ杉田」と呼ばれていたという。吉野によるとこの髪型は、悪役である自分に酔っていることの表れであり、三島が「彼なりのカッコよさを追究した結果」であるという。高橋は三島を単なる脇役だと思ってデザインしたといい、劇中における邪悪さをあらわにした表情は担当したアニメーターのアドリブであると述べている。当初の髪型はグレイスの男性形態「G」に流用された。テレビ版において、シナリオ段階では死亡する予定だったが、最終話におけるメドレーの流れを止めることになるためカットされた。劇場版では、ルカの謀殺を指示したのち、「健康ボール」と呼ばれる球体をつねに手のなかで動かすようになるが、これは三島の感情の動きを表現したものである。 ハワード・グラス 声 - 西村知道 マクロス・フロンティア第4代大統領。キャサリンの父。バジュラの存在を初めて公表する。のちにアイランド1内部に潜んでいたバジュラが引き起こした騒乱に対処すべく、バトル・フロンティアへ向かう途中、三島とその部下によって暗殺される。 テレビ版漫画 - テレビ版よりも登場は少なく、暗殺も事後に触れられるのみである。 テレビ版小説 - 旧マサチューセッツ以来の政治家一門の当主であり、改革派と保守派の間を取り持つ中道派の政治家として大統領に就任したとされている。 劇場版 - テレビ版とは逆に、ギャラクシー船団からのSOS信号を無視する決定を下す。三島の弁舌に丸め込まれ、シェリルの死刑宣告や対バジュラ反攻作戦「ヒプノシス」の始動を命じ、念願の移民惑星を目前にしながら、バトル・フロンティアのCICに突入してきたブレラに、三島やCICクルーとともに殺害される。 劇場版小説 - 国会議員となる前は死別した妻とともに社会活動家をしていた。 ペリオ フロンティア船団新統合軍司令兼バトル・フロンティア艦長。階級は准将。バジュラとの戦いでは終始苦戦を強いられ、S.M.Sの奮戦でかろうじて船団を維持する。グラス大統領の死後、CICで尊大な振る舞いを見せる三島に不快感を抱きながらも、軍人として任務の遂行に徹する。バジュラ本星の戦いでは、S.M.Sが三島の罪状を告発すると、その場で身柄を拘束し、バジュラが身を挺して船団を守るのを見ると、ただちにバジュラと共同戦線を張る。 テレビ版漫画 - 登場しない。バトル・フロンティアはバジュラクイーンにより撃沈される。 テレビ版小説 - フロンティア宇宙軍司令とバトル・フロンティア艦長は別人とされ、前者はケルヴィン・バックフライト提督、後者はジャン・リュック・タルコフスキーと名づけられている。バックフライトは「保身と体面」にとらわれた人物でありながら、そうした性格ゆえ後世に汚名を残さぬよう、バジュラ本星の戦闘で劣勢に立たされても逃げ出すことなく戦い抜く覚悟を示す。 劇場版 - バジュラ本星の戦いで、CICに乗り込んできたブレラに殺害される(直接の描写はなし)。 劇場版小説 - テレビ版小説と同じく防衛艦隊司令と艦長は別人で、それぞれバックフライト、タルコフスキーの名をもつ(フルネームの記載はなし)。バックフライトは有能ではなく自分の立場にしか興味のない一方で、「こわもての軍人」の役には忠実であろうとする人物とされる。のちにブレラによって最初に射殺される。 ジェシカ・ブラン ミハエルの姉。2032年生まれ、2055年没。両親の死後はミハエルの親代わりとなり、新統合軍のエースVFスナイパーとして活躍していたが、不倫関係にあった上官の機体を誤射した際、故意を疑われて軍法会議に掛けられ、自殺した。その死はミハエルの心に暗い影を落とし、のちにS.M.Sに入隊する一因となった。 このエピソードはテレビ版、テレビ版漫画、テレビ版小説で語られるが、それぞれ語る状況や人物が異なっている。 マルヤマ、ジュン 声 - 三戸耕三(マルヤマ) 新統合軍に編入したアルトの部下となるサジタリウス小隊員。マルヤマ准尉は大柄で、ジュンは少年のような風貌。マルヤマはシェリルのファンで、機体に彼女の姿をペイントしており、訓練中にアルトとシェリルとの仲を囃して、たしなめられる。マクロス・ギャラクシーとの最終決戦でゴーストV9に撃墜される。 テレビ版小説 - マルヤマはバジュラとの交戦中に致命傷を負って帰還し、母親を演じるアルトに看取られながら息を引き取る。 両者とも登場はテレビ版とテレビ版小説のみ。
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