百獣海賊団
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「海賊 (ONE PIECE)」の記事における「百獣海賊団」の解説
四皇カイドウ率いる海賊団。海賊旗は大きな2本の角が生えたドクロに、4本の骨が交差したマーク。新世界のワノ国を拠点にしており、将軍黒炭オロチと手を組んで実質的に国を支配している。「ロード歴史の本文」の一つを所有している。 「百獣」の名の通り、動物系悪魔の実の能力者が多く所属しており、大看板や飛び六胞は動物系古代種の能力者で構成されている。実力主義の海賊団で、より上の地位を狙う野心家が多い。兵力は約2万人。戦闘員は3つの階級に分けられており、人造悪魔の実「SMILE」を食べて獣の力を得た「ギフターズ(与えられた者達)」、SMILEを口にしたもののハズレを引き、笑うことしかできなくなった「プレジャーズ(笑う者達)」、まだ何も口にせず力を得るチャンスを待っている「ウェイターズ(待つ者達)」で構成されている。プレジャーズ以上の者は、ファッションで頭に角をつけていることが多い(プレジャーズは1本、ギフターズ以上は2本つけてよいというルールがある)。肩書には「大看板」「真打ち」「飛び六胞」など落語や歌舞伎関連の用語が使われている。 カイドウ 声 - 玄田哲章 百獣海賊団総督。四皇の一人。元ロックス海賊団見習い。異名は「百獣のカイドウ」。懸賞金46億1110万ベリー。 「偉大なる航路」出身。59歳。誕生日は5月1日。身長710cm。おうし座。血液型F型。好物は酒、魚の皮。 黒い乱れ髪に2本の大きな角を生やし、長いナマズ髭を蓄えた、筋骨隆々の大男。左腕に髑髏と鱗のような赤い刺青、右腹部にかつておでんにつけられた大きな十字傷があり、黒い毛皮のマントを羽織っている。生きとし生けるあらゆる者の中で「この世における最強生物」と呼ばれる怪物で、一騎討ちならばカイドウが勝つだろうと万人から目されており、白ひげが戦死した後の新世界編では、世界最強の海賊として君臨する存在。ワノ国では国を守る「明王」とされている。大の酒豪で、泣き上戸から突如怒り上戸に変わるなど気性が激しい性格。ローは「話し合いが通じる相手ではない」と評しており、決して怒らせてはならない存在と見ている。酔った状態では見境ないが、直近の部下に対しては柔軟な対応を取る。味方であろうと自分の戦いに横槍を入れられることを嫌うなど武人肌な一面があり、戦いでは相手の攻撃を真正面から受け止めることが多く、自分を脅かす強者には胸を躍らせる。おでんとの戦いで不本意な形で決着を付けてしまった後悔と、おでんの死に様を見て「死は人の完成」という考えを持ったことから、自殺が趣味とされるほど死に場所を求めており、自分の思い通りにいかない退屈な世界など壊れてもいいという破滅願望を抱いている。そのため、自身の死を飾るに相応しい世界最高の戦争を起こそうとしている。最強の軍隊を作るため、常に強い兵隊を欲しており、気に入った者は殺さず心を折り、服従させようとする。さらに自らが望む恐怖と戦争による「暴力の世界」を実現するため、古代兵器と「ひとつなぎの大秘宝」を狙っている。かつては白ひげやロジャーを「強いがどこか甘い奴ら」とみなしていたが、現在ではその死に様を認めている。ルフィやローなどの最悪の世代を「海賊ごっこ」と称し見下していたが、直接交戦した際はその実力を認めている。笑い声は「ウォロロロ」。 動物系幻獣種の悪魔の実「ウオウオの実 モデル“青龍”」の能力者。巨大な青い龍に変身することができる。口からは絶大な威力の火炎を吹き、雷・かまいたち・竜巻を発生させることもできる。「焔雲」を生み出し、雲を渡り歩くように空を飛ぶことができ、焔雲に3万5000人以上の人間が乗る島一つを浮かべて移動させることも可能で、その傍らで赤鞘九人男や最悪の世代、ヤマトとの幾つもの戦闘を継続できるほどの凄まじい体力の持ち主。 武器は金棒「八斎戒(はっさいかい)」(位列なし)。規格外の耐久力・生命力を有しており、過去に海賊として7度の敗北、敵船の海賊及び海軍に捕まること18回、1000度を超える拷問、40回の死刑宣告を経験したが、死ぬことはなかった。上空1万mからの落下でさえも、無傷で生き延びている。身体能力も極めて高く、「武装色の覇気」「見聞色の覇気」を扱い、強者のみが使える「覇王色の覇気」を纏うことも可能。 かつてロックス海賊団に、見習いとして所属していた。38年前の「ゴッドバレー事件」の日に、当時の仲間だったビッグ・マムから「ウオウオの実」を与えられた。ロックス海賊団壊滅後は一度政府に捕らわれ、研究所から脱出する際にルナーリア族の少年・アルベルを解放する。研究所を脱出後、アルベルに「キング」の名を与えて共に百獣海賊団を結成し、個人の強さのみで凶暴な海賊達の尊敬を集め、四皇に上り詰めた。 26年前にワノ国の将軍オロチと手を組み、国を支配下に置く。光月おでんが帰還した25年前、彼とヒョウ五郎が手を組むことでワノ国中の侍を敵に回すと分が悪いと判断し、おでんを騙して戦いを回避した。23年前、ワノ国鈴後でのゲッコー海賊団との戦争でモリアを破る。20年前、討ち入りを起こしたおでんと赤鞘九人男を1000人の部下で迎え撃ち、おでんによって腹に十字の傷をつけられるが、おでんが黒炭ひぐらしの罠にはまった隙を突き、彼を倒す。おでんの処刑では、1時間の釜茹でに耐えきった彼の生き様を認め、自らの手で銃殺した。光月家を滅ぼすため、逃亡した赤鞘九人男やおでんの妻トキらの命を狙い、おでん城に火を放った。さらに、オロチへの従属を拒否し反乱を起こした霜月康イエら各郷の大名や民を返り討ちにし、ワノ国を焼き尽くした。おでんに憧れるようになった娘のヤマトに対しては、一切認めようとせず、彼女を20年も鬼ヶ島に監禁した。 頂上戦争の前日、新世界にてシャンクスと小競り合いを起こした。ワノ国編の数か月前、モモの助や家臣の錦えもん達が20年の時を超えワノ国に現れると、彼らから秘密を聞き出すため、追っ手を差し向ける。 ドンキホーテファミリーから人造悪魔の実「SMILE」を大量に買い付け、全て能力者の最強の海賊団を作ろうとしていたが、ドフラミンゴがルフィとローに倒されたことで実現不可能になり、二人に怒りを向ける。ドレスローザ編で空島・バロンターミナルからの飛び降り自殺を行い、その真下にあったキッドのアジトに落下するも生き延びて彼らの前に現れ、歯向かったキッドを返り討ちにし、アジトに連行した。ホールケーキアイランド編後、ルフィへの報復に燃えるビッグ・マムからワノ国に赴くことを告げられるが、ルフィへの恨みから迎撃の意思を示し、警告した。 ワノ国編では、博羅町での騒動でルフィ達がワノ国に来ていることを知り、龍の姿でおこぼれ町上空に出現する。ホーキンスからルフィとローがおでん城跡にいる事を知らされると、城跡を消し飛ばす。直後ルフィの奇襲を受け、「ギア4」の猛攻撃を食らうが物ともせず、一撃でルフィを下した。気絶してもなお威嚇してくるルフィの闘志を認め、心をへし折ればいい戦力になると、兎丼の囚人採掘場に連行させた。クイーンによって鬼ヶ島に移送されてきたビッグ・マムと対面すると、宣言通り激突。夜通し戦い続けるも勝負はつかず、協力して世界を取ってから決着をつけることで意気投合し、ビッグ・マムと海賊同盟を結ぶことを宣言する。火祭りの夜の宴席でヤマトが姿をくらますと、大看板への挑戦権を報酬として、飛び六胞達にヤマトの捜索を命じる。ライブステージにて部下達にスピーチを行い、鬼ヶ島を花の都に移しヤマトを新将軍とする「新鬼ヶ島計画」を発表。計画に異を唱えたオロチの首を即座に斬り落とし、オロチの部下1万人に「自分と共に海賊になるか挑んで死ぬか」を迫り、傘下に加える。その場でモモの助を処刑しようとするが、錦えもんら赤鞘九人男の奇襲を受け、場所を鬼ヶ島ドーム屋上に変えて、迎撃。1対9の激闘を繰り広げ、侍達の技と気迫におでんの影を見るが、それでもおでんには及ばないと見なし、圧倒。さらには鬼ヶ島を焔雲に乗せて、花の都へ向かわせる。ルフィたち新世代の海賊が屋上に到着すると、ビッグ・マムと共に迎え撃つ。ルフィが自分と戦えるレベルに達したことに感心し、嬉々として応戦。人獣型に変身して、覇王色を纏った一撃でルフィを気絶させる。ビッグ・マムが引き離されるとルフィに止めを刺そうとするが、ゾロの渾身の一撃に阻まれる。意識を取り戻し、覇王色を纏う技術を会得したルフィに一騎討ちを挑まれるも、返り討ちにし海に叩き落とす。その後モモの助を狙い、立ちはだかった錦えもんを討ち取る。さらにモモの助を追い詰めるが、島の外に逃げられる。ルフィの味方についたヤマトと激突し、連戦の疲労を物ともせずヤマトを追い込んでいくも、モモの助と共に復帰したルフィが再び立ち塞がる。 技一覧 熱息(ボロブレス) 獣型及び人獣型で口から強力な火炎を吹く。おでん城跡を跡形もなく消し飛ばすほどの威力。 雷鳴八卦(らいめいはっけ) 渾身の力を込めて相手を「八斎戒」で殴りつける。「ギア4」のルフィに一撃で瀕死の重傷を負わせ、地に叩き伏せるほどの威力を誇る。スピードも凄まじく、「見聞色の覇気」で未来が読めるようになったルフィでも完全には回避しきれないほどで、人獣型では雷の如く一瞬で、離れた相手を殴り飛ばす。 壊風(かいふう) 獣型で口から咆哮と同時に、多数のかまいたちを発生させる。菊の丞の左腕や岩を両断する切れ味を持つ。 龍巻(たつまき) 獣型でとぐろを巻くように体を回転させ、複数の巨大な竜巻を起こす。ゾロ曰く「ただの災害」。 龍巻壊風(たつまきかいふう) 「龍巻」と「壊風」を合わせた技。竜巻にかまいたちを上乗せして、周囲を切り刻む。 降三世 引奈落(こうさんぜ ラグならく) 上空に飛んで「八斎戒」を振り回し、落下と共に「覇王色の覇気」を纏った「八斎戒」を振り下ろす。 金剛鏑(こんごうかぶら) 「八斎戒」を振り回して、衝撃の塊を撃つ。 ヤマト 声 - 早見沙織 カイドウの娘。自称「光月おでん」。 28歳。誕生日は11月3日。身長263cm。さそり座。血液型F型。好物はおでん、サーモン(生、まるかじり)。 乱れ髪をなびかせる、和装の女性。先端部が青緑色にグラデーションされた白髪と、2本の角が特徴。登場当初は、般若の面を被っていた。両胸に紋が入った上着、腰に巻いた仁王襷、下駄など、おでんに似た服装をしている。憧れのおでんが男であることから自分は「男になった」と主張しており、カイドウや百獣海賊団員からも「息子」として扱われている。長年監禁されたことや、過去に何度も殺されかけたことから、父・カイドウを嫌っている。一人称は「僕」で、少年のような穏やかな口調。ルフィからのあだ名は「ヤマ男(ヤマオ)」。部下からは「ヤマト坊ちゃん」と呼ばれており、幼少期は「鬼姫様」と呼ばれていた。 動物系幻獣種の悪魔の実「イヌイヌの実 モデル“大口真神(オオクチノマカミ)”」の能力者。冷気を纏った、白い狼に変身することができる。「覇王色の覇気」「武装色の覇気」「見聞色の覇気」の持ち主。 武器は金棒「建(タケル)」(カイドウの八斎戒と比べると細身)。戦闘力は高く、ナンバーズの八茶を一撃で倒したり、父と同様の必殺技「雷鳴八卦」で飛び六胞のうるティを不意打ちとはいえ一撃で気絶させるほど。ルフィの「ギア3」による攻撃も軽く金棒でいなしてみせている。 20年前(当時8歳)、おでんが処刑された「伝説の一時間」を目撃し、その立派な最期に強く感銘を受ける。同時に、彼を死に追いやった父やオロチへの反感を抱くようになった。その後、おでん城のふもとの川でおでん自らの半生を書き記した「航海日誌」を拾い、彼の豪快な人生が綴られた日誌を自分の「聖書(バイブル)」とし、ますますおでんに心酔。やがて自らを「光月おでん」と名乗るようになり、赤鞘九人男に代わっておでんの遺志を継ぎワノ国を開国すると決意するようになった。しかしカイドウには認められず、鬼ヶ島を出ると爆発する手錠をかけられ、20年間鬼ヶ島に監禁されていた。監禁されて間もない頃、部下相手に1週間暴れ続けたことで天の岩戸に閉じ込められ、その中にいた霜月牛マルらワノ国の元大名達と出会う。彼らに殺されることを覚悟するも一人分の食事を譲られ、彼らの優しさに涙を流した。そして、おでんの航海日誌を読んでもらい、内容を知る。幽閉から10日後、牛マル達によって天の岩戸から解放された。その後もカイドウに反抗し続けるも、自分に味方した者は全員殺されたという。4年ほど前、カイドウの首を取るため鬼ヶ島に攻め込んできたエースと交戦し、共に強大な海賊を親に持つ似た境遇から、意気投合する。海外のことや、エースの弟(ルフィ)のことなどを聞かされる。エースのビブルカードを作って彼の出航の日に渡し、再会を約束するもエースは頂上戦争で死んでしまったため、それは叶わなかった。 ワノ国編での火祭りの夜の大宴会において、「新鬼ヶ島計画」発表のために自分の出席を待つカイドウの意に反し、姿をくらませる。連れ戻そうとする部下達から逃走している途中にルフィを見つけ、うるティを気絶させると強引にルフィの身を担いで、その場から逃亡。同時に自身が「カイドウの息子」であることを明かす。抵抗するルフィから信用を得るため、おでんに憧れるようになった経緯を話し、面を外して女性としての素顔をさらけ出し、改めてルフィに共闘を志願する。共闘を認めたルフィの手で手錠を外され、それが爆発したことで完全にカイドウと決別し、おでんの息子であるモモの助を守るため奮闘する。モモの助を狙うササキ率いる装甲部隊の前に立ちはだかり、乱入した八茶を倒すとその場をフランキーに任せ、モモの助としのぶを連れ逃走。ドーム内「開かずの倉庫」に避難し、モモの助にエースのことを話し、おでんの航海日誌を譲る。メアリーズに居場所を知られるとモモの助達を城内1階天井裏に避難させ、自ら囮となって敵を引き付ける。ルフィが敗れるとカイドウと対峙し、親子の縁を切ることを宣言。ルフィとモモの助が駆けつけるまで、単身でカイドウを足止めした。カイドウの相手をルフィに託すと、花の都への鬼ヶ島落下の被害を防ぐため、ドーム最下層にある武器庫へ向かう。 技一覧 雷鳴八卦(らいめいはっけ) カイドウと同じく、「建」で相手を殴り飛ばす技。威力はカイドウより劣るようで、うるティからは「雷鳴四卦」と評されている。 鳴鏑(なりかぶら) 「建」を振り回して、衝撃の塊を撃つ。 無侍氷牙(ナムジヒョウガ) 人獣型で、口から冷気の息吹を吐き出して攻撃する。カイドウの「熱息」を打ち消すほどの威力を誇る。 鏡山(かがみやま) 人獣型で体全体に薄い氷の膜を張って、相手の攻撃から身を守る。 氷諸斬り(ひもろぎり) 人獣型で上空に飛んで、冷気を纏った「建」を回転させながら振り下ろす。 神足 白蛇駆(しんそく はくじゃく) 高速で相手に接近し、覇気を纏わせた「建」を叩き込む。
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