大映テレビ
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大映テレビ株式会社(だいえいテレビ)は、東京都港区麻布台に本社を置く、主にテレビドラマの制作を請け負う日本の会社である。
- ^ 例:「NONFIX バリアフリーコミュニケーション」(フジテレビ 2014年)
- ^ 自費出版で回想記、『昭和思い出の記 大映テレビ独立の記録』(講談社出版サービスセンター、2005年)がある。
※著者安倍道典は、旧大映本社のテレビ事業本部製作部長で、倒産に際しては混乱の中で、大映テレビ株式会社を設立、長年にわたり専務・社長等を務めた。のち全日本テレビ番組製作社連盟の設立発起人となり、副理事長になった。 - ^ “『テセウスの船』は、令和時代のネオ・大映ドラマだ”. リアルサウンド. 2020年3月2日閲覧。
- ^ 小林信彦「「大映テレビの研究」批判」『コラムは笑う エンタテインメント評判記 1983-1988』筑摩書房、1989年
- ^ 大野宏「「赤い疑惑」 百恵主演、大映テレビ調の代表作」『テレビ番組の40年』読売新聞芸能部編著、日本放送出版協会、1994年、p262-p267
- ^ “TBSもさんまも60歳 伝説のドラマ&バラエティ全部見せます!夢共演も大連発 2015年10月12日放送回”. gooテレビ (2015年10月12日). 2016年10月28日閲覧。
- 1 大映テレビとは
- 2 大映テレビの概要
- 3 大映ドラマ
- 4 所属スタッフ
- 5 脚注
大映ドラマ
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特に1980年代に大映テレビが制作した実写ドラマは、当初から同業他社のプロダクションが制作する作品に比べて、以下のような特徴が際立っている。 主人公が運命の悪戯に翻弄されながら幸運を手に入れるといういわゆる「シンデレラ・ストーリー」。 衝撃的で急速な起伏を繰り返したり、荒唐無稽な展開。 「この物語は…」の台詞でオープニングに挿入され、ストーリーの最中では一見冷静な体裁をとりつつ、時に状況をややこしくするナレーション。 出生の秘密を持つキャラクターの存在。 感情表現が強烈で、大げさな台詞。物音を誇張する。 これらの独特な演出から、他の制作会社のドラマと区別する意味で「大映ドラマ」と呼ばれていた。 大映ドラマには原作を持つ作品も多いが、いずれも原作をとどめない程改変されている。『不良少女とよばれて』の原作者である原笙子はドラマの内容を知って愕然とし、本編をまともに見ることが出来なかったというエピソードが残っている。 ドラマのキャラクターも、少女あるいは青年女性を主人公にした作品が多かったり(例外:『スクール☆ウォーズ』)、当初は不良で荒廃していたが、生来の力強さで成功・成長するキャラクターが特徴的である。同じ時期の他の作品では、『おしん』や『小公女セーラ』に近い作風になっている。 1980年代の「大映ドラマ」は、TBSとフジテレビの2局で大多数が放映され、芥川隆行がTBS系大映ドラマのナレーター、来宮良子がフジテレビ系大映ドラマのナレーターを務めた。当初はTBS火曜20時台のみが大映ドラマの枠であったが、最盛期の1984年になると、TBS火曜20時台、TBS土曜21時台、フジテレビ水曜20時台の、計3つが大映ドラマの枠になった。 しかし、1980年代末期になると、こうした過剰な演出の大映ドラマは全盛期のような高視聴率を得られなくなり、独特な演出を抑えたコメディタッチのドラマ(『デパート!夏物語』等)が制作されていた。特に全盛期の作品(特に『スクール☆ウォーズ』と『スチュワーデス物語』の2作品)は後年の名場面集やパロディなどで取り上げられることが多く、現在でも根強い人気を保っている。 1990年代以降は『ストーカー・誘う女』『略奪愛・アブない女』『聞かせてよ愛の言葉を』等で過去の大映ドラマを思わせる演出やナレーションを導入した作品が散発的に製作されており、2020年には『テセウスの船』が、かつての大映ドラマを彷彿させる作品として、評論家の脚光を浴びることになった。 2000年代以降、韓国ドラマが日本でも放送されるようになると、大映ドラマを長年独自に研究してきた竹内義和のように「大映ドラマが韓流ドラマの原点」と評論する人も出てきている。また、鈴木おさむ脚本作品のように、他の会社でも大映ドラマの演出をオマージュした作品も制作されている。 キャスト陣は宇津井健、石立鉄男らが常連主役級で、中条静夫や倉石功ら『ザ・ガードマン』のレギュラー出演者らも大映テレビ制作ドラマの常連であった。1980年代以降は男性では国広富之と松村雄基、鶴見辰吾が、女性ではいとうまい子と伊藤かずえ、堀ちえみ、杉浦幸が常連俳優として主演していた。脇役は、男性では名古屋章、下川辰平、高橋昌也、松村達雄、坂上二郎、梅宮辰夫、前田吟が、女性では赤木春恵、梶芽衣子、松尾嘉代、松原智恵子、岡田奈々、岡まゆみ、初井言榮が常連だった。 音楽は菊池俊輔が大映テレビ作品の劇伴を多く手掛けていた。主題歌も、1980年代には洋楽の日本語カバー曲が大半を占めており、麻倉未稀がTBS系大映ドラマの主題歌の歌い手、椎名恵がフジテレビ系大映ドラマの歌い手になった作品が多かった。 1980年代のオープニングまたはエンディングの出演者テロップは、TBSが丸ゴシック体、フジテレビが角ゴシック体となっていた。 従来の映画会社や独立プロダクション系列の制作ドラマが、まだフィルム撮影に固執していたなかで、大映テレビは1982年の『ひまわりの歌』でいち早くビデオ撮影に着手し、1990年から1991年まで放送された『スクール・ウォーズ2』を最後に連続ものにおけるフィルム撮影から撤退している。
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