冠とは? わかりやすく解説

かうぶり【冠】

読み方:かうぶり

こうぶり(冠)


かがふり【冠】

読み方:かがふり

かんむり

次に投げ棄つる御—になれる神の名は」〈記・上〉

古く位階によって冠の色が違ったころから位階

このころ我が恋力(こひぢから)記し集め功(くう)に申さば五位の—」〈万・三五八

[補説] この語がのちに「かうぶり」「かんむり」となる。


かむり【冠】

読み方:かむり

《「かぶり」の音変化

かんむり」に同じ。

和歌俳諧などの初めの5文字また、各句の初めの字。「—付け

鉱脈鉱層の上側にある地盤


かん【冠】

読み方:かん

常用漢字] [音]カン(クヮン)(呉)(漢) [訓]かんむり かぶる

頭にかぶるものかんむり。「冠位衣冠王冠加冠金冠戴冠(たいかん)・宝冠月桂冠

りっぱな地位栄誉シンボル。「栄冠無冠三冠王

冠をかぶる。成人儀式。「冠婚葬祭弱冠

上にかぶせる。かぶる。「冠詞冠水

トップに立つ。すぐれる。「冠絶

漢字組み立てで、上部につく部分。「偏旁冠脚

難読冠者(かじゃ)・冠木門(かぶきもん)・鶏冠(とさか)・圭冠(はしはこうぶり)


かん〔クワン〕【冠】

読み方:かん

【一】[名]かんむり

【二】ト・タル[文]形動タリ最もすぐれているさま。首位に立つさま。「世界に—たる誉れ

【三】接尾助数詞スポーツ将棋などの競技・大会で、勝ち得た称号の数や優勝回数数えるのに用いる。「タイトル三—を達成する


かんむり【冠】

読み方:かんむり

《「こうぶり」の音変化

頭にかぶるもの。特に、許され直衣(のうし)を着て参内する束帯衣冠などのときにかぶるもの。黒の羅(うすもの)で作る。頂にあたる所を甲(こう)、前額部を額(ひたい)という。後方の高い壺は髻(もとどり)を入れ巾子(こじ)で、その後ろに長方形の纓(えい)(俗に燕尾(えんび)という)2枚重ねて垂れる。有文(うもん)と無文冠の区別があり、時代によって形式変化みられるこうむり。かむり。かぶり。かんぶり

漢字構成部位の一。上下組み合わせからなる漢字の上側の部分。「安」の「宀(ウかんむり)」、「」の「艹(草かんむり)」など。

冠の画像
冠の画像
(1)

こうぶり〔かうぶり〕【冠】

読み方:こうぶり

《「かがふり」の音変化

束帯衣冠装束のとき、頭にかぶるもの。→冠(かんむり)

男子成年達して初めて冠をつけること。また、その儀式。元服初冠(ういこうぶり)。

古くは冠の色で位を表したころから》位。位階

「官(つかさ)—も、わが子を見奉らでは、何かはせむ」〈竹取〉

多く「得」「賜ふ」が付いた形で用いられる従五位下叙せられること。叙爵

蔵人より今年得たなりけり」〈源・若紫

年爵(ねんしゃく)」に同じ。

「御賜(たうば)りの年官(つかさ)—」〈源・少女


さか【冠/鶏冠】

読み方:さか

とさか。

「瑞(あやしきとり)を貢(たてまつ)れり。其の海石榴(つばき)のの似(ごと)し」〈天武紀〉


かぶり【被り/冠】

読み方:かぶり

かぶること。かぶるもの。「砂—」「(こも)—」

フィルム印画紙現像したときに、露光しなかった部分生じる黒い曇り

芝居寄席などの終演打ち出し

芝居寄席などの大入り

(冠)

㋐「かんむり」に同じ。

このごろの—は、昔よりははるかに高くなりたるなり」〈徒然・六五〉

官位

其の—に二十六階(しな)あり」〈天智紀〉

《冠(かんむり)をつけるところから元服すること。加冠

男君達の—などし給へるも」〈栄花月の宴

負担としてしょいこむこと。

我が了簡でしたことは、皆此の身の—となる」〈松翁道話・三〉

しくじること。

知れると大—さ」〈洒・古契三娼


読み方:カンムリ(kanmuri)

鉱山において、坑の天井


読み方
かもり
かんむり

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/07/09 03:09 UTC 版)

(かんむり)とは、地位階級などを示すためににかぶる装飾品

機能

世界的に、君主宗教指導者地位を示すのに使われる。それ以外でどれだけの地位や階級の者まで冠を戴くかは、文化圏によって異なる。

月桂冠のように、戦争スポーツでの勝者に与えられる冠もある。

もっぱら装身具としての用途しかない冠もある。

各文化圏の冠

東洋

李淵の肖像。髷にあった冠(幞頭)をかぶる

東洋では儒教によって冠をかぶることが文明化した風俗とされた。

日本

孝明天皇の冕冠

中国

明朝の定陵(万暦帝の陵墓)から出土した冕冠

往古中国ではを切らず、を結い、そこに冠をかぶる習慣があった。前漢には儒教国教となると冠をかぶることが規定され、以来漢民族の習俗となった。などの非漢民族では冠の習慣はなく、ことに辮髪の習慣を漢民族に強制し、大きな抵抗を招いた。

中国文明が他国に伝播するとともに冠をかぶる習俗は各地に広まった。

皇帝がかぶる冠は冕冠(べんかん)と呼ばれ、前と後ろに硝子や玉で作ったビーズを通した飾り紐からなるがあるのが特徴である。皇帝の冠には12本、前後で24本の簾がつくことになっていた。

では冠は髷にあったものとなり、装飾として纓がつくようになった。この習俗は日本、朝鮮に律令制などとともに伝来することになる。

また、皇帝が着用した冠の一つに皮弁冠(ひべんかん)があったが、清になって廃止された。ただし、明から冊封を受けた沖縄県琉球国では、19世紀まで王冠として用いられた。

項目礼冠もある程度参考になる。

西洋

西欧

ヨーロッパでは冠は王権教皇権を誇示するための象徴であった。

東欧

西方教会と異なる文化伝統を有する東方教会の広がる地域(東欧・東地中海)では、冠の形状・用いられ方にも西欧との差が生じた。

正教会主教の冠はミトラ (宝冠)と呼ばれる。

装飾の共通性について

ユーラシア大陸では、樹木状立て飾り[1]、鳥頭冠、鳥翼冠などが伝わっている[2]

関連するもの・ことば

脚注

  1. ^ 石渡美江、1997、「樹木状立飾冠の系譜と意義」『古代オリエント博物館紀要』vol. IX、p45-69
  2. ^ 石渡, 美江 (2019年12月31日). “鳥頭冠と鳥翼冠”. 金沢大学国際文化資源学研究センター. doi:10.24517/00057238. 2022年5月14日閲覧。

関連項目


出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/07/12 10:18 UTC 版)

七色十三階冠」の記事における「冠」の解説

名称冠の素材服の色1大織 織(繍の縁) 深紫 2小織 3大繍 繍(繍の縁) 4小繍 5大紫 紫(織の縁) 浅紫 6小紫 7大錦 大伯仙錦(織の縁) 真緋 8小錦 小伯仙錦(大伯仙錦の縁) 9大青 青絹(大伯仙錦の縁) 紺 10小青 青絹(小伯仙錦の縁) 11大黒 黒絹(車形錦の縁) 緑 12小黒 黒絹(菱形錦の縁) 13建武 黒絹(紺の縁) 不明 位を表す冠は、頂がとがった布製の冠本体に、布製の縁がめぐるもので、さらに金属製の鈿という飾り付いた。背には漆羅を張り、形はに似る。大織小織の冠は織で作り、繍を冠の縁に付けた。大繍小繍の冠は繍で作り、繍を縁に付けた。大紫小紫の冠は紫で作り、織を縁につけた大錦の冠は大伯仙の錦で作り、織を縁に付けた。小錦の冠は小伯仙の錦で作り、織を縁に付けた。大青の冠は青絹で作り、大伯仙の錦を縁に付けた。小青の冠は青絹で作り、小伯仙の錦を縁に付けた。大黒の冠には車形の錦を縁に付けた。小黒の冠には菱形の錦を縁に付けた。建武の冠は黒絹で作り、紺を縁に付けた。大黒小黒の冠が何で作られたかは『日本書紀』記されないが、建武同じく黒絹であろう小錦上の鈿は金銀まじえて作り大青小青の鈿は銀、大黒小黒の鈿は作り建武には鈿が無かった。 錦は二色上で織って模様出した絹布で、大伯仙、小伯仙などはその模様の形である。大伯仙、小伯仙は、唐代の書『初学記』に錦の一種として見える大博山・小博山のことである。海中にあるという博山かたどった文様で、大小違いはその模様大小である。車形、菱形は文字通りの形であろう。織冠・繍冠・錦冠の色が不明だが、後述のように大青小青同系色の紺を服色にしていること、冠位十二階で冠の色と服の色を同じにしていたことから、服とおおよそ同じ色と考えることもできる。もしこの推測正しいなら、錦冠は赤を基調に他の色で模様出したもの、そして織冠と繍冠は紫となろう位冠とは別に鐙冠という冠があり、黒絹で作った。形が壺鐙似ているためこの名が付いたとされる壺鐙は先が丸く閉じた円筒の形をしている。頂部がとがる形の位冠は、鮮やかな色や模様付け、縁と鈿の装飾がつき、儀式用にふさわしい。鐙冠黒く頂部が丸い壺形で、特別な装飾がない地味なものであった。 以上が通説だが、書紀記述順は位冠の色と縁を長く説明し別に鐙冠があることを記した後、「その冠」が漆羅を張りの形で、鈿の形は金銀等であると述べている。通説は「その冠」を位冠とするが、文章的には鐙冠解する余地がある。そうすると鈿を付けるのは鐙冠で、これが特別な儀式用いられ位冠は鈿を付けない日常の冠ということになる。

※この「冠」の解説は、「七色十三階冠」の解説の一部です。
「冠」を含む「七色十三階冠」の記事については、「七色十三階冠」の概要を参照ください。

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出典:『Wiktionary』 (2021/10/24 01:40 UTC 版)

発音(?)


動詞

  1. カン名称称号を上につける
  2. カンかんむりのせる元服する

活用

熟語

王冠 冠水


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