玉勝間とは? わかりやすく解説

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たま‐かつま【玉勝間】

読み方:たまかつま

【一】[名]かつまの美称編み目の細かい竹籠

【二】かつまの中子(なかご)と(ふた)が合い、その編み目締まっている意から、「あふ」「しま」にかかる。

「—逢はむと言ふは誰(たれ)なるか」〈二九一六


たまかつま【玉勝間】

読み方:たまかつま

江戸後期随筆14巻目録1巻本居宣長(もとおりのりなが)著。寛政5年(1793)起稿し、享和元年(1801)に没するまで書き続けた寛政7〜文化9年(1795〜1812)刊。宣長学問芸術人生への考え記したもの。


玉勝間

読み方:タマカツマ(tamakatsuma)

(1)目のこまかい竹籠
(2)江戸時代随筆本居宣長著。


玉勝間

読み方:タマガツマ(tamagatsuma)

分野 随筆

年代 江戸後期

作者 本居宣長


玉勝間

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/05/03 09:30 UTC 版)

『玉勝間』
著者 本居宣長
発行日 1795年寛政7年)から1812年文化9年)
ジャンル 随筆
日本
言語 日本語
形態 和装本
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玉勝間(たまがつま[注 1]/たまかつま[2])は、江戸時代国学者本居宣長が書いた随筆。1005段よりなる。

概要

本書には宣長の生活・学問への傾注が記述されており、晩年の思想を知る上でも重要な書である[3]

14巻で目録が1巻。1793年寛政5年)より起稿し、1801年享和元年)までの記事を載せ、推敲を重ねて完成した後、1795年(寛政7年)から1812年文化9年)の間に、3巻ずつ刊行された[4]。文章はよく推敲された和文である[5]。書名は「捨てるには惜しい物を籠に集めておく」という意味で命名された[3][注 2]。各巻には植物に因む巻名と巻頭歌がある[5]

内容

宣長が古典研究で得た知識を収録し、有職故実や語源の考証、談話・聞書抄録など多様の分野にわたる学問思想についての見解を述べたもので、とりわけ契沖賀茂真淵への言及、自己の学問形成、漢意への批判などが知られている[5]。いわゆる近世随筆と呼ばれるジャンルは、個人的な感想を述べる現代の随筆と違って考証や抜書が多く、自身の感想や意見を述べることは少ないが、本書はそれらが読み物としてバランス良く配列してある[3]。また「葬礼婚礼など、ことに田舎には古く面白き事多し」とあるなど、民俗的視点をも備えている。

注解刊行本

  • 松井博信『玉勝間・鈴屋集抄』立川文明堂〈中等國文解釋叢書・第3篇〉、1932年
  • 小林爲三郎『全譯玉勝間詳解:全』大修館書店、1934年
  • 村岡典嗣校訂『玉勝間』上下、岩波書店岩波文庫〉、1934年
  • 平木四三二『玉勝間抄精義』修文館、1942年
  • 久曾神昇編『正解玉勝間』弘文社、1944年
  • 田口庸一『玉勝間・源氏物語玉の小櫛要解』有精堂〈文法解明叢書34〉、1957年
  • 大野晋大久保正編『本居宣長全集1』筑摩書房、1968年
  • 吉川幸次郎ほか校注『本居宣長』岩波書店〈日本思想大系40〉、1978年
  • 神道大系編纂会『神道大系 論説編25:復古神道』(梅澤伊勢三・高橋美由紀校注)1982年

現代語訳

  • 吉田健一訳「玉勝間」『新井白石・本居宣長』(杉浦明平ほか訳)河出書房新社〈日本の古典21〉、1972年

脚注

注釈

  1. ^ 草稿本の内題に、宣長の自筆で「玉賀都万」とある[1]
  2. ^ 「たまがつま」の「たま」は接頭語で、目の細かいを表す古語、あるいは竹籠の実と蓋が合うことから、「あへ」「あふ」「しま」「し」にかかる枕詞でもある[2]

出典

  1. ^ 『玉勝間』って面白い本?”. 公益財団法人鈴屋遺蹟保存会 本居宣長記念館. 2022年9月24日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年8月5日閲覧。
  2. ^ a b 日本国語大辞典』精選版、小学館、2006年
  3. ^ a b c 本居宣長記念館 (2015), p. 106.
  4. ^ 本居宣長記念館 (2018), pp. 14–19.
  5. ^ a b c 本居宣長記念館 (2001), pp. 50–51(杉戸清彬 「玉勝間」)

参考文献

  • 本居宣長記念館 編『本居宣長事典』東京堂出版、2001年12月。ISBN 4-490-10571-1 
  • 鈴屋遺蹟保存会本居宣長記念館 編『宣長の版本』本居宣長記念館、2015年1月。 
  • 鈴屋遺蹟保存会本居宣長記念館 編『本居宣長年表:(稿)』本居宣長記念館、2018年3月。 



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品詞の分類

名詞(道具)急須  草枕  玉勝間    狩衣

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